北海道ラーメン 熊出没注意 味噌味

Hokkaido_KUMA_Ramen01.jpg
この間〈九州ラーメン ロン龍〉のことを書いた(記事へ ≫)けれど、これは近所のスーパーマーケットが九州物産展みたいなことをやっていた折に購入したもので、ふだんは商品棚に並んでいないものだ。「なんとか物産展」はわりと催されることが多いが、近接するスーパーマーケットで同時開催されるのがしばしばあるのはどういうわけだろう。

「**さんはどうやら九州物産展をやるらしいから、こっちは北海道でいくか」みたいな感じでやると想像するんだけど、〈九州ラーメン ロン龍〉を購入したのとほぼ同時期に北海道フェアとか称して北海道の食品を集めて販売していた。その中で非常にインパクトがあって私(乙山)の目を引いたのが〈北海道ラーメン 熊出没注意〉である。

袋には、北海道だからたぶんヒグマが咆哮している絵がペン・ドローイングによって描かれている。リアルさを追求した描画で、よくある販売促進キャラクターなどに見受けられる可愛らしさなど微塵もない。熊出没注意、と書かれているだけあってそこにはなんというか凄みさえ感じられる。あら、可愛いわね、などと手に取ってもらおうというおもねりが一切ないところに潔さを感じる。

Hokkaido_KUMA_Ramen02.jpgお値段は3袋で500円、1袋あたり166円という計算で、けっこういい値段を付けている。ちょっと高いけど面白そうじゃないか。店頭には醤油、味噌、塩と三種類のラーメンが並んでどれにしようかと迷ったが、結局味噌味を選んだ。もうかれこれ20年以上前になるのだが、札幌のすすきのラーメン横丁で食べた味噌ラーメンがおいしかったのが記憶に残っていて、北海道といえば味噌ラーメンという勝手な思い込みのせいかもしれない。

さて袋を開けてみると、液体スープと袋に入った麺が同封されていた。麺に特徴があるのが一目でわかり、ごくふつうの即席麺からするとずいぶん小さめに見える。茹で時間は4分30秒と少し長め。2分ほどたってから麺をほぐしてください、という指示を忠実に守って茹でた。今回は豚肉ともやし、葱を炒めて出来上がったラーメンに乗せて食した。味噌ラーメンにはもやしが合うような気がする。とうもろこしが必要ではないか、という声がどこからか聞こえてきそうだが、用意するのを忘れていました。

味噌スープはそんなに赤味噌を使っていないようで、これが北海道流(?)なのかもしれぬ。ちょっと心配だった麺もしっかり戻っていて、どちらかといえば太め(これも感じ方は人それぞれだと思う)で、これもやはり北海道流、ということなんだろう。一概には言えないけれど、九州はストレート細麺を、北海道はわりと太めの麺をよく見かけるように思う。しかし、この麺がすごいのである。

Hokkaido_KUMA_Ramen03.jpg本当にこれがインスタントラーメンか、と疑いたくなる出来。ふつうの即席麺は時間経過とともに伸びてしまうのだけど、〈熊出没ラーメン〉は逆に時間が経つほどに本物のラーメンに近くなっていくような気さえした。これは本当によくできている。乾燥タイプの即席麺でこの歯触りやこし、喉越しを持ったものは他に食べたことがない。

液体スープといい、麺といい、これはなるほど納得の仕上がりで、1袋166円は決して高くないと思う。いや、それどころか166円でこれが食べられたらむしろ安いくらいじゃないかという感じさえした。〈北海道ラーメン 熊出没注意〉の塩味や醤油味も食べてみたくなる、非常に完成度の高い、よいラーメンだと思った。


【付記】
● 〈北海道ラーメン 熊出没注意〉は麺が本当によくできているラーメンで、まだ食べたことのない方にはぜひお勧めしたいと思います。

北海道物産展とか北海道の食品店を眺めるたびに〈ホンコン焼きそば〉を探してみるのですが、なかなか見つけられず、まだ食べるに至っておりません(2011年2月現在)。日清食品の〈日清焼そば〉のようなものかと想像しますが、関西では本当に見かけません。

ド・ロさまうどん

DeRosamaUdon_01.jpg
最近関西では讃岐うどんが人気らしい。2001年、阪急西宮北口駅近くにできた商業施設「アクタ西宮」には当初から讃岐うどんの店が入店していて今でも営業しているし、近所にあるスーパーマーケットの飲食店コーナーの一角が新しくなったかと思うと讃岐うどんの店になった。そのスーパーマーケットのすぐそばにあった回転寿司店がつぶれた後には讃岐うどんの店になっていた。

この讃岐うどん人気を支えているのはやはりうどんのおいしさだろう。あの極太のうどんを噛むとしっかりしたこしがあって楽しい。こういううどんは、それまで関西にはなかったものだ。〈ぶっかけ生醤油うどん〉などは酢橘と醤油をかけただけなんだけど、食べてみるとなかなかおいしい。いわゆる〈冷やしうどん〉とは次元の違うおいしさを、讃岐うどんは持っていたということなんだと思う。

讃岐うどん人気のもう一つの要因はその安さ、手軽さにあるのではないかと思う。〈讃岐うどんめぐり〉のようなテレビ番組で紹介しているのを見たことがあるが、讃岐うどんの地元ではうどん製麺所内でそのまま立ち食いというスタイルが多かった。まるで食堂ぽくないところなのだが、製麺所で作りたてを食べるという雰囲気は他にないものだ。しかもそれが100円とか200円といった驚くべき低価格なのである。

DeRosamaUdon_02.jpgさて今回は讃岐うどんではないけれど、九州は長崎のうどんをいただいたので早速食してみた。袋には〈ド・ロさまうどん〉と書いてある乾麺のうどんなんだけど、最初に音だけを聞かされたときには〈泥様うどん〉なのかと思ってしまった。これはたぶん私(乙山)だけではないと思う。ちょっと変わった名前だけど、インパクトはあるんじゃないだろうか。

袋の後ろを見ると、「明治12年長崎市出津(しつ)に赴任したキリスト教宣教師マルコ・マリ・ド・ロ神父が、当時の村人の貧しい暮らしに驚き、生活の向上と自立を目指して故国フランス産の小麦粉を原料に落花生油を引き油として用いる独特の製法を考案し、造り伝えたそうめんの製造技術から生まれた」とあり、手延べ・無添加の自然食品だそうである。

〈ド・ロさまうどん〉で検索してみると、なるほど小規模な製麺所で少人数による手作業で生産されているようである。〈ド・ロさまそうめん〉は各家庭で造られていたが、太平洋戦争時に途絶えてしまったそうで、それを何とか再現しようとシスターの記憶を頼りに手探りで研究を重ね復活を果たした、とある。神父に対する敬愛の念が伝わってくるまことにありがたいうどんではないか。

DeRosamaUdon_03.jpgゆで時間は10~12分。別に野菜や鶏肉、卵などを用意しておいて鍋焼きうどん風に仕立ててみた。茹であがった〈ド・ロさまうどん〉をそっと鍋に入れ、電子レンジで造った温泉卵もどきを乗せていただく。うむ、讃岐うどんとはちょっと違うかもしれないが、こしのあるいいうどん。麺がのびてしまう、というのをほとんど感じさせない〈ド・ロさまうどん〉、いやあ、いいものを食べさせてもらったなという感じでした。


【付記】
● 写真二枚目は袋に描かれている人物を近接撮影したものです。この人がマルコ・マリ・ド・ロ神父なのでしょうか。〈ド・ロさまうどん〉はデュラム・セモリナ小麦のパスタほどではないのですが薄黄色になっていて、どこかパスタを思わせる独特のうどんです。

九州ラーメン ロン龍

RonryuPackage.jpg
近所のスーパーマーケットではよく「なんとかフェア」とか「何某物産展」などと称して関西地域外の食産物を取り上げて販売している。その中でたびたび登場するのが北海道と九州じゃないかと思う。関西からすればどちらも同じくらい(?)遠い感覚なのだろうか、物珍しくてついつい足を止めて品物に見入ってしまうこともしばしば。

そんなわけでつい最近、近所のスーパーマーケットの小さなコーナーに、九州の食品が並べられているのを見かけたが、その中に私(乙山)の目を引く面白いものがあった。それは「九州ラーメン ロン龍」というもので、全く初めて目にする即席ラーメンだ。

まず真ん中に「ロン龍」と大きくあるのがいい。これはなかなかインパクトがある。その左横には玉をもった龍が描いてあるが、どこかのラーメン鉢にでも描いてあるような古典的かつ適度に簡略化された表現といえる。龍の上には煙を出す山があり、これはおそらく阿蘇山ではないか。下のほうには城があり、これは熊本城を意味するのではないかと思われる。さりげない中にきちんと商品の出自を織り込んだデザインである。

袋の透明の部分から見えるのは九州ラーメンらしい細い真っ直ぐの麺。マルタイラーメンを思わせる極細ストレート麺であるが、これは「火の国熊本ラーメン」の五木食品も同じような麺だ。しかし袋の下側に「お一人前」と書いてある。「お一人前」とはどうも気になって仕方がないが、問題は値段である。100円前後の品物だが、即席ラーメンの相場からするとちょっと高めの値段設定ではないだろうか。

Ronryu_Cooked.jpgううむ、これは……と一度手に取った「ロン龍」を再び棚に戻そうとする。なにしろマルタイラーメンはだいたい同じくらいの値段で二人前入っているのだ。しかし、である。即席ラーメンの相場からすると高めの値段設定にしているには何かそれなりのわけがあるのではないか。そう思うと、よくありがちなちょっとした野菜やゆで卵のスライスなどを乗せたのではない、その古典的なデザインの「ロン龍」が、何かとてつもない逸品であるかの如く思えてきて、とうとう買い物籠に入れてしまった。

袋を開けてみると、液体スープが添えられている。なるほど、御値段のわけはこれか、と思って早速作ってみる。面倒くさいので仕上げに葱を散らすだけにした。こういうものを「料理」というカテゴリーに入れるのはどうか(いや、たかだか100円や200円ごときで買うかどうか迷った男のほうが問題か)と思われるが、まあいいではないか。

3分間煮込んだ後に液体スープを入れて混ぜ、葱を散らしたら出来上がりである。焦がしニンニクと思われるいい香りが漂ってくる。スープはいわゆる「とんこつ」で、思いのほかあっさりしているけれどこくがある。食べた後も胃もたれなどはなく、しつこい感じがないのがうれしいところ。「ロン龍」はちょっと(だけ)高めのラーメンだけど、納得の味わいでした。


【付記】
● 「ロン龍」の製造・販売元は熊本県宇城市にある日の出製粉株式会社で、ラーメンのほかに白玉粉、はったい粉、くず粉、きな粉、もち粉、コーンスターチ、片栗粉、だんご粉、上新粉なども製造している会社のようです。マルタイ食品や五木食品の他にこんな会社があったのか、やるなあ九州、と感心しました。

焦がしニンニクがインパクトの 「熊本黒マー油とんこつラーメン」

Kumamoto_Tonkotsu_Kuromayu.jpg
マルタイラーメン第8弾、今回は「熊本黒マー油とんこつラーメン」である。「御当地ラーメンシリーズ」(乙山が勝手に命名)は、ふつうの棒ラーメンシリーズよりちょっと割高である。前者は200円(メーカー希望小売価格)であるのに対し、後者は145円(同)である。近所のディスカウント店に行くと、マルタイの御当地ラーメンが150円くらいで売り出されていることがあり、うれしくなって買い込むことがある。

「熊本黒マー油とんこつラーメン」もそのようにして買い求めたもので、近所のディスカウント店がマルタイラーメンを扱ってくれていて幸運だった。マルタイラーメンの記事にコメントを下さった方々の話によると、関東方面ではあまりたくさんの種類がないようだ。じつは関西でも似たような状況で、近所のディスカウント店以外ではたくさんの種類のマルタイラーメンを見たことがない。

袋を見ると、さすが価格差(55円)があるだけにわりと気合の入ったデザインになっていて、「九州発」や「黒マー油入り」そして「焦がしニンニク入り」と盛んにアピールしている。袋を開けて出してみると、「調味油」が黒ずんで見える。これが黒マー油だろう。茹で時間は、他の製品はだいたい3分間で仕上がるようになっているのに、3分30秒とあるのが面白いところで、この30秒に並ならぬこだわりを感じた。少しだけ太くしているのだろうか。

Kumamoto_Tonkotsu_Kuromayu2.jpg今回は葱を刻んで、出来上がったラーメンの上に乗せて食べた。白っぽいとんこつスープに秘伝の黒マー油をスープに入れてみると、やけに目立つ感じがするが、飲んでみるとなかなかパンチの効いた味わいで気に入った。マルタイのホームページによると「しっかりとした豚骨エキスにニンニクの風味を効かせた濃度感があるガーリック豚骨スープです。調味油はニンニクをラード・植物油脂で炒めた特製黒マー油を添付しています。豚骨スープとニンニクの組み合わせが食欲をそそります」とある。

ニンニクが使われているのだが、それが後で臭ったり、胃にもたれるということはなかった。このあたりはやはりマルタイラーメンのいいところで、全体にあっさりしているといえる。その中で、おそらくもっとも濃厚な部類に入ると思われるのがこの「熊本黒マー油とんこつラーメン」ではないだろうか。


【付記】
● マルタイの「御当地ラーメンシリーズ」(仮称)も残すところ二つとなりました。この間、スーパーマーケットであの「サッポロ一番」の「とんこつ」が発売されているのを見て驚きました。超ロングランの、いまやクラシックラーメンといってもいいくらいのメーカーから、新しい(?)ラーメンが発売されたわけです。また食していませんが、いったいどんな味に仕上がったのかちょっと楽しみにしています。

驚くべき透明度の高いスープ 「マルタイ宮崎鶏塩ラーメン」

Miyazaki_TorishioRamen.jpg
マルタイラーメン第7弾、今回は御当地ラーメンシリーズで「宮崎鶏塩ラーメン」である。この御当地ラーメンシリーズ(仮称)は、通常のマルタイラーメンより少し高めの値段設定になっており、スープその他に意気込みを見せている。

袋を開けてみると、おっ、液体スープじゃないか!
マルタイラーメンの多くは粉末スープで商品化されているが、液体スープのマルタイラーメンは初めて見た。これはどんな味がするのだろうと期待が高まる。

マルタイのホームページによると「スープは宮崎県産の鶏から取ったチキンエキスを使用してベーススープを作りました。鶏油と豚背脂を加えてコクを出しています。スープに使用した食塩は『赤穂の天塩(あましお)』のみを使っています」とある。

今回も例によって冷蔵庫の中にあった野菜類を炒め、出来上がったラーメンに乗せて食べた。実際に作ってみると、まあなんという透明度の高いスープだろう。それは写真からもおわかりいただけると思うが、このラーメンにかんしては液体スープのほうが透明度を保つことができるとメーカーも判断したのではないかと思う。

Miyazaki_TorishioRamen2.jpg私(乙山)は、規定量(より少し多め? そこは適当に加減すればよい)の沸騰した湯に麺を入れて茹で、そのまま火を止めてスープを投入して仕上げたが、スープだけ別立てにして、面の茹で汁をしっかり切って調理すれば、さらに透明度の高いラーメンに仕上げることができるだろう。

あっさりとした味わいの中にも、鶏の味がしっかり残っていて好感が持てる。同社の「マルタイ塩味棒ラーメン」より味わい深く、インスタントのスープらしさが払拭されているように感じた。さすが値段も高い分、スープの仕上げも念が入って怠りない。いいスープだ。

液体スープを使った代わりかどうかは知らないが、どのラーメンにも必ずついている「調味油」がこのラーメンには付属していない。まあ、液体スープの中に調味油も混ぜ込んであると理解しておこう。

マルタイのラーメンは、どの製品を選んでもあっさり食べられて胃もたれの少ないものだが、この「宮崎鶏塩ラーメン」はその中でも群を抜いてあっさり食べられるので、胃弱かなと思う方でもあっさり、さっぱりいけるラーメンではないだろうか。


【付記】
● 御当地ラーメンシリーズ、気合が入ってますね。この間紹介した「長崎あごだし醤油ラーメン」もなかなかよかった。おいしいシリーズなのに、いつでも、どこでも買えないのは残念です。東京方面の方が「近所に売っていません」とコメントされていましたので、本当のことなのでしょう。乙山も近所の某ディスカウント店でしか、「宮崎鶏塩」や「長崎あごだし」を見かけることはありません。
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只野乙山

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