ちゃんぽん調査隊(11)



〈遊歩者 只野乙山〉 冬季限定企画
【ちゃんぽん調査隊】



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異動の関係で、所用で堺東に来ることはもうないだろうと思う。最後の日、午前中で仕事を終えたので昼からフリーである。こんなとき、すかさず立ち飲み屋に行ったりすることもあるが、ちょっと迷った。そう、あの店、あんかけちゃんぽんが450円の〈太興飯店〉のことが頭をよぎった。だが今日は難波で降りて電子部品を買う予定もある。歩き回る距離が多くなり過ぎはしないだろうか。

そんなふうに色んなことを考えながら堺東銀座商店街をぶらぶら歩いた。〈スイス〉でさっとピラフを食べて済ませるのも悪くない。最後にもう一度〈モナミ〉で特製ヤキメシを食べるっていうのはどうだろう。〈源ぺい〉でてんぷらと寿司をつまみながらビールを一杯なんていいじゃないか。じつは昼からやっている串かつ屋や立ち飲みを知っているが、踏みとどまって堺東銀座商店街の入り口付近にある煙草屋でオレンジ色のBiCのライターを買った。

12時を過ぎているのになんでこんなにぶらぶらしているかというと、12時台に入店したくないからである。以前それでひどい目にあったことは記事に書いた。昼から仕事がある場合、とにかくどこかで食事を済ませる必要があるが、今日は自由の身。時間はいくらでもあるわけで、午後一時くらいに入店というパターンにしたい。えっ、ていうことはまだ〈太興飯店〉に行く気があるのか?

いつしかバルマカーン・コートのポケットに手を突っ込んで、西へ向かって歩いていた。空は晴れわたってまことに気持ちがいい。最後なのだから、ゆっくり歩いて風景を目に焼き付けておきたい。「おしゃべりダック」という意味不明な名称の「ホテル」を横目に通り過ぎる。だが最初に遠くから見たとき、それをちょっと違う別の言葉だと思い込んでしまったことを正直に書いておこう。

堺山之口商店街を横切るとき、〈力餅食堂〉が目に入った。いつかそこで中華そばを食べるつもりだった。〈中央軒〉も一度は利用したかったし、〈味亭〉も興味はあったが入店できなかった。ラーメン店も含めると、堺には相当数の中華料理店がある。一年間ではそのすべてを網羅できなかったが、週に一度だけでは仕方がない。それにしても堺は面白くて素敵な町だ。

〈太興飯店〉に到着したのは12時50分頃。もう少し時間があるので南海本線堺駅の高架下周辺をぶらぶらし、卸売市場にも足をのばしてみたが、昼過ぎだけあってまったく閑散としていた。〈太興飯店〉に入ってみると、客はだれもおらず、いつもと違った席に座った。メニューもちゃんとある。見ると、「チャンポン」と「あんかけチャンポン」は別に書いてある。「あんかけチャンポン」を頼んだ。

ほどなくして料理が来ましたよ。もう仕事は終わったんだからビールを頼んでもいいのだが、ちゃんぽんを全部食べるとかなり腹いっぱいになるので無理である。豚肉、海老、イカ、キクラゲ、キャベツ、モヤシ、葱、人参と野菜たっぷり、それがしっかりとろみのついた中華あんと一緒になっている。しょうゆは薄目ですね。麺は中太の縮れ麺、長崎ちゃんぽん流の太麺でないのがいい。

これを、ゆっくり時間をかけてすべて食べ切るのだ。途中でジャケットを脱ぎ、シャツの袖をまくり、ネクタイをぬるめて対応しないと汗が出て困る。いや本当、ちゃんぽんは体の芯から温めてくれるし、これ一杯で他は何もいらないほど完結している。ずば抜けて美味しいとか、そういうわけではないんだけど、この店の料理はたいへん気に入っている。しかもこれで450円、じつに幸せな気分になって店を出た。


【付記】
● 結局、堺でいちばん多く通ったのが〈太興飯店〉になってしまいました。同店では「ラーメンとチャーハンのセット」、「ちゃんぽん」、そして「あんかけちゃんぽん」のすべてを味わうことになったのです。堺ではまだ行っていない中華料理店もあって、この町に来なくなるのが残念になってしまうほどです。


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ちゃんぽん調査隊(10)



〈遊歩者 只野乙山〉 冬季限定企画
【ちゃんぽん調査隊】



TaikohHanten_Champong.jpg
なんだか妙に間が悪いということはあるものだ。その日、以前利用した南海本線堺駅周辺の中華料理店〈太興飯店〉でちゃんぽんを食べようと堺東から約25分てくてく歩き、入店したはいいものの、見ると満席である。こういう場合、ふつうあっさり諦めるのだが、なにしろここのちゃんぽん目当てで歩いてきたこともあって、一瞬踵を返すのをためらった。すると、店の人が、相席でもいいですか、と勧めてくれたのでとにかく座ることにした。

頼むものはもうちゃんぽんと決めてあるので、すぐさま「ちゃんぽん」と注文する。なぜかその席にメニューはなく、壁に「あんかけチャンポン450円」とあるので大丈夫である。ところが、ふと周囲を見回すと、相席で前に座っている男性、そして二人連れや家族連れで来店している客たちも、まだ料理を待っている様子である。どうやら、私(乙山)は満席状態になって料理を待つ客として最後の最後に注文してしまったようなのである。

別に店の調理は遅いわけではないが、こういう場合、どうしても時間がかかってしまう。前に座った男性に中華丼が届いたけれど、まだ私のちゃんぽんは調理にもかかっていない様子である。遠路歩いてきて腹が減っている状態で、目の前で人が料理を食べているのを見ながら待たされるというのは愉快な経験であるはずもなく、雑誌でも読んでいるふりをして延々と待つ。ちなみに私は行列ができている店は必ずパスする人間である。

初めのほうに食べ始めた客が支払いを済ませ、空席ができても「こちらへどうぞ」というような気遣いはないようなので、私もそのまま座って待ち続ける。気が利かないなあとは思うけれど、それで怒るほどのことでもなかろう、と心の広い人間であるかのようにふるまう。前の男性が中華丼を食べ終わって、のんびりと新聞に目を通している段になって、ようやく料理が来ましたよ。注文してから約25分が経過していた。

ところが、である。目の前に置かれたちゃんぽんは、どう見てもあんかけちゃんぽんではなく、ふつうの(?)とろみのついていないちゃんぽんではないか! 店の人に、あのう、あそこにあんかけチャンポンって書いてあるんですけど、というと、何かもごもご言っているだけで少しも要領を得ないのである。いったいこれはどういうことなのか? 要するに、「ちゃんぽん」と「あんかけチャンポン」の二つがあって、きっちり分けて注文しないといけないということなんだろうか?

だったら壁にも二つ書いておくべきじゃないか! 壁には「あんかけチャンポン」とだけあるから、ちゃんぽんは一つだけだと思い込んでしまうではないか。二つあるんだったら厨房に注文を通す前に「どちらにしますか?」と確認してくれたっていいだろうに。だが、そういう理屈を話してみたとて通じる相手ではなさそうなのだ。ここで、これは注文と違う、あんかけちゃんぽんを持って来い、ということもできるはずだが、今日の私は心の広い人間を演じているはずだった。

問題など微塵もなかったかのように平然と箸を持ち、ちゃんぽんに取り掛かろうとした時、ここまで約25分かけて歩いてきたことを思い出した。ということは、帰りにもそれだけの時間を要するわけだから、いつものようにゆっくりちゃんぽんを平らげる時間的余裕がないことが判明した。なんということだろう。散々待たされた挙句、ゆっくり味わうこともできないってわけか。しかしこれは私の事情であって、店が悪いわけではないのだ。

やれやれ、まったく、妙に間の悪い日があるものだ。急いでちゃんぽんを食べていると、後から入ってきた客がメニューを見て「あんかけチャンポン」にしてください、と言った。すると厨房に「チャンポンはあんかけで」と注文を通したのだが、こういうのはできれば聞きたくなかったな。だけど、もう二度と来ないとは思わぬ。店が悪いわけではない、間が悪かっただけじゃないか、と思いながら寒風の吹く街を急ぎ足で歩いた。


【付記】
● 急いで食べたのでいつものようには書けませんでした。ですがこのちゃんぽん、これで450円なんですね。800円の店もあることを思えば、凄いことです。またここに来て、今度こそ「あんかけちゃんぽん」を食べたいものですね。


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焼きそば定食を食う

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幼少の頃、夏になるとよくプールに連れて行ってもらったのを覚えている。昔は阿倍野プールというのがあったし、飛び込み台があった牧野プール(?)や箕面の高原プールにも連れて行ってもらった。一番たくさん行ったのは箕面高原プールだが、午前中からプールに入って、昼時になってお腹が空いたとき、しばしば食べたのが焼きそばである。今から思えばただの焼そばなんだけど、妙においしくて、今でもあのプールサイドで食べた焼きそば以上においしい焼きそばはないような気がする。

そんなふうに、焼きそばだけで軽い食事代わりにすることもできるのだが、焼きそばはビールのお供にもぴったりである。たとえば中華料理店などで、餃子と焼きそばにビールを合わせている人をよく見かけるように、焼きそばは小腹を満たすだけではなく、ビールのあてにもなるのだと思う。自分でも、餃子でまず一杯やった後、もうちょっと腹に何か入れたいときなど、つい焼きそばを頼んでしまうことがあるくらいだ。

そこまではいいとして、関西には「焼きそば定食」なるものが存在している。関西の全域に必ずあるわけではないと思うが、自分の経験による類推では関西の広範囲において喫茶店、お好み焼き屋、定食屋などでランチメニューとしてごくふつうに見かけるものだ。多くはソース味の焼きそばにご飯と漬物、味噌汁がセットになった形式で、一部の店では小鉢が付いていたりすることもある。

関西から出たことがないので、焼きそば定食はどこにでもあるものだと思っていたけれど、そういうものはないという地域もある、というか、ない地域のほうが多いのかもしれないのだ。考えてみると、焼きそばをおかずにご飯を食べるということは、炭水化物に炭水化物を合わせていることになり、「そういう食べ方はふつうしないでしょう」ということになるのだそうだ。そう言われてみると、たしかに炭水化物と炭水化物、これは危険な香りがするではないか。

だけど関西では「うどん定食」とか「そば定食」もふつうに存在している。これは何かというと、たとえばきつねうどんにかやくご飯を合わせた定食で、かやくご飯が稲荷寿司になったり、おにぎり、バッテラ(しめサバの押し寿司)になったりすることもある。いくらなんでも、きつねうどんに稲荷寿司を合わせることだけはしたくないが、うどん定食やそば定食だって炭水化物まみれではないか。関西以外の人たちは、うどんやそばにちょっとだけご飯ものを合わせることをしないのだろうか。

Lilac_02.jpg炭水化物に炭水化物を合わせることにさほど抵抗がない私(乙山)でも、いささか抵抗を感じるのが「お好み焼き定食」。これはお好み焼きにご飯とみそ汁を合わせたもので、お好み焼き屋の一部(ひょっとしたら多くの店?)で出されるようだが、まだ食べたことがない。ちなみに、「たこ焼き定食」はさすがに一度も見たことはないけれど、大阪のどこかで、人知れず存在しているかもしれない。

焼きそば定食に話をもどすと、自分の感覚からすれば、ソース味の焼きそばはご飯のおかずに「なる」のである。焼きそばには豚肉とキャベツなど野菜も入っており、それを食べた後にご飯を含み、咀嚼したのち味噌汁に手を付けるという寸法である。漬物が付いていることも多いので、それでご飯を食べたのち味噌汁、というパターンもあり、焼きそばの麺を純粋におかずにするという感じではないのである。いや、自分はふつうにそうしている、という関西人がいるかもしれないが。

12月某日、さっと昼食を済ませるつもりで〈阪急そば〉池田店に行ってみたら満席である。仕方がないので高架下の〈ライラック〉という喫茶店に入った。カレー、ピラフ、スパゲッティ、焼肉定食、そして焼きそば定食がある。なぜなのか、自分でもわけがわからぬが焼きそば定食を注文してしまった。己の庶民感覚の根深い部分に存在する、なにか懐かしさのようなものを感じながら、焼きそば定食を食う。

食後、アイス・コーヒーを注文する。えっ、この時期になんで? という声が聞こえてきそうだが、ホット・コーヒーを頼むと、なぜか最後まで飲まずに残してしまうことが多いのだ。あ、また残してる、と一緒にいたひとに何度言われたことだろう。焼きそば定食とアイス・コーヒーを合わせても800いくら、アイス・コーヒーの味に関してコメントは控えておこう。もしここで、上出来のアイス・コーヒーが出てきたら私はひっくり返ってしまっただろう。濃くてコクのあるアイス・コーヒーは、もうこの世には存在しないのである。


【付記】
● ソース味の焼きそば自体は、あまねく全国に広まっていると思われますが、ソース焼きそばも東京と大阪では違う、と聞いたことがあります。どんなふうに違うのかわかりませんが、おそらく、東京のソース焼きそばは「ご飯のおかずにならない=それだけで完結している」ものではないかと想像しています。東京に行く機会があったら、ぜひ確認しておきたい「東京ソース焼きそば」であります。


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ちゃんぽん調査隊(9)



〈遊歩者 只野乙山〉 冬季限定企画
【ちゃんぽん調査隊】



Fuanten_Champong.jpg
比較的暖かい日が続いていたのだが、ここの所急に冷え込んできて、気温が10℃を下回るようになってしまった。こうなると、室温も20℃を下回るようになるので、とうとう暖房装置を稼働することになった(12月7日)。食べ物も、何かあたたかい物を食べたくなるので、連日「鍋」ということになる。昆布出汁に具材を入れただけの「水炊き」や、ヒガシマルうどんスープで味を付けて煮る「寄せ鍋」などだ。

昼食もあったかい物を、ということで迷わず「ちゃんぽん」である。今回は以前ラーメンとチャーハンのセットを食べた堺東の〈ふあんてん〉でちゃんぽんを食べるつもりで入店。三世あるいは四世くらいかと思われる大陸系の中華料理店で、メニューはすべて漢字で書いてある。ところが、ちゃんぽんは「チャンポン麺」となっている。そのほか「キムチ」も片仮名になっているので、これらが「外国」のものだというのがわかる。

日本各地に広まっていると思われる、しょうゆベースでとろみのあるスープの「ちゃんぽん」は、いったいどこで生まれて広がっていったのだろう? 宮城出身の方が「郷土では醤油ベースでとろみのあるチャンポン」と仰っていたので、おそらく九州と北海道を除いたあまねく地域に、昔ながらのちゃんぽんは広まっていると思われる。長崎ちゃんぽんは〈四海楼〉が発祥だとされているのに対し、昔ながらのちゃんぽんは謎が多い。

さて料理が来ましたよ。おっ、これはしょうゆベースでとろみがついた「昔ながらのちゃんぽん」ですね。豚肉、イカ、キャベツ、モヤシ、葱、人参、キクラゲと野菜たっぷりで、スープは穏やかなしょうゆ味。生姜はきいていないが、最後まで飲み切ることのできる味付けになっている。そして麺は、長崎ちゃんぽん風の太いものではなく、ごく普通の中華麺をゆでているところがいい。カマボコは入っていないが、これが正しい(?)昔ながらの中華ちゃんぽんである。

この〈ふあんてん〉、なかなかの人気店のようで、今日もテーブル席はいっぱいだったので円卓に座って相席となった。私(乙山)の後から「ラーメンとチャーハンのセット」を注文した人は、私より早く食べ終わって席を立った。チャーハンに添えられた漬物を残しているのが見えたけど、やっぱりあれは不要なんだと思う。私とほぼ同時にちゃんぽんを食べ始めた女性客二人は、他に餃子も注文したようだ。

ちゃんぽんは、ゆっくりと時間をかけてすべて食べ切るようにしている。店内の暖房がきいていれば、上着を脱ぎたくなるほど体が温まってくる。本当にかなりゆっくり食べたので、例の女性客二人が私より先に席を立ったほどだ。見ると、ちゃんぽんのスープを残しているようで、やはりちゃんぽんすべてと餃子を食べると、分量が多くなりすぎるのだと思う。もちろん私は残さず、全部食べ切って席を立った。

レジで支払いをすると、定価800円に消費税がかかって850円となった。味と分量に満足しているのでそんなに高いとは思わないけれど、ちゃんぽんってやっぱり600~700円前後が適正価格なんじゃないだろうか。850円て、もう中華定食じゃないですか。そうか、もう中華定食=1000円が普通、という時代が来ようとしているのかもしれないな、なんて考えながらさらに街を歩いた。


【付記】
● とろみのついたちゃんぽん、久しぶりに食べました。ちゃんぽんをいろいろ食べていると、少しずつですがとろみのないほうへシフトしているのではないかという気がしました。気のせいであってもらいたいものですね。


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ちゃんぽん調査隊(8)



〈遊歩者 只野乙山〉 冬季限定企画
【ちゃんぽん調査隊】



Tamamitei_Champong.jpg
「遊歩者 只野乙山」では冬季限定企画として「ちゃんぽん調査隊」を立ち上げている。他の企画「日本のウィスキーを飲む」に比べて更新頻度がかなり少ないので、なかば忘れかけられた企画といえるかもしれない。今回は、南海高野線堺東駅周辺の店〈玉味亭〉でちゃんぽんを食べた。つい最近、〈玉味亭〉で中華丼を食べたのだが、その際、この店のちゃんぽんを食べてみたい、という気になったのである。

〈玉味亭〉は本当に小さな中華料理店で、「堺山之口商店街」を北に抜けて大通りを渡った所に続いている飲食店が密集した通りにある。通りには菅原神社があるので、それを目印にするといいのではないかと思う。神社のすぐ近くに「天神センター街」という小路があり、その中に〈玉味亭〉はあって、相当な年配の店主が一人で切り盛りしている。今回は迷わず、ちゃんぽんを注文。

こういう、昔ながらの中華料理店では、たぶん昔ながらのちゃんぽんが出てくるのではないかと期待している。昔ながらのちゃんぽんとは、おそらく全国各地で供されている、豚肉と野菜をたっぷり入れたしょうゆ味ベースの、とろみがついたスープで、麺はごく普通の中華めんをゆでたもの。いま勢力を拡大しつつある(?)長崎ちゃんぽん風のものではないやつだ。

さて料理が来ましたよ。おやっ、スープにとろみがついていない! しかし薄味のしょうゆベースと思われ、長崎ちゃんぽん風ではない。豚肉、海老、イカゲソ、キャベツ、モヤシ、人参、玉ねぎ、キクラゲ、ウズラ卵、と具沢山である。なんとなんと、カマボコの薄切りまで入っていますね。しかし、麺は細めのストレート。面白い組み合わせだなあ。

カマボコとかイカゲソが入っていることからして、かなり長崎風を意識していることは伺えるが、やはりちがう。もし店主が長崎中華街系の出身なら、もっと長崎風に近いものを出すだろう。だからこれは、長崎風を意識しながらもそうでなく、かといって昔ながらのあんかけちゃんぽんでもないというタイプ。こういうのもあるんですね。スープはかなりあっさりしていて、ちょうど五目麺のスープにちょっとしょうゆを垂らした感じ、だろうか。

このくらいの薄さなら、最後までスープを飲み切ることができる。近頃のラーメンはいささか塩分濃度が濃くて、最後まで飲み切ると後で喉が渇くものが多い。ゆっくり時間をかけて、全部食べ切るのがちゃんぽんの正しい食べ方(?)であると勝手に思っている。食べている途中でかなり体が熱くなってきたので上着を脱ぎ、ネクタイを緩めて対応するが、それでも汗が出てくるので、袖もまくってがんばる。

かなりボリュームがあるのでお腹いっぱい、体もあったまって大満足である。しかもこれが600円、まったくちゃんぽんというのは良い食べ物である。外に出ると風も少なく、かなりの陽気である。ツィードのジャケットを脱いで手に持ち、シャツにネクタイという姿でしばらく歩く。もうマフラーにコートの人もいるものだから、シャツ一枚で歩いているのは変に見えるかもしれぬ。こっちはまだ汗を感じるほどで、じつにいい気分で食後の散歩をした。


【付記】
● 路面電車を越えて、堺方面に足をのばしてみる日がそのうちやってくるような気がします。わりと早めの時間に仕事が引けることもあるのです。そんな日、てくてく歩いて海沿いの堺まで行って、堺駅から南海本線で難波まで帰るのです。かなりの距離の散歩ですが、たぶん実行できるのではないかと思います。


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プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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