豚バラ肉と根菜のごった煮

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夏は暑苦しいので煮炊き物は避け、生野菜を切ってドレッシングの成分のようなもの(塩、胡椒、酢、醤油、辛子マヨネーズ少々)を混ぜるだけといった横着サラダを作って食べることが多い。生野菜はそのとき手に入るものなら何でもいいが、主に胡瓜、小型トマト、玉ねぎ、人参、レタス(グリーンリーフ)などである。それと忘れてならぬのは少しだけ肉類を入れることで、ツナ缶とかビアソー(超薄切りのボローニャ・ソーセージ類似品)などを混ぜ込むようにしている。

それに葱と鰹節を乗せた冷奴で終わってしまうことも多い。えっ、それで、お昼は干し蕎麦だけでしょ? 晩御飯がサラダと冷奴? それって病人食じゃないですか、と呆れられることもしばしばだが、それほど身体を動かす重労働をしているわけではないのだからこれで倒れることはない。とくにダイエットをしている、という意識などないのである。

とはいっても、また生野菜か……といささかうんざりすることもたまにあるのは事実である。そんな折、いつものように閉店直前に駅前のスーパーマーケットで買い物をしていたら、豚バラ肉の塊が半額になっているのを目にした。うむ、これで豚の角煮をやるのも悪くないなという思いが頭をよぎったが、ちょいと面倒である。これと、野菜を適当に煮込んで「ごった煮」のようなものができないだろうか、とすぐ横着路線に走る。

野菜なら何でもいいのであるが、豚バラ肉と煮込むわけだから何か根菜類のほうがいいような気がしてゴボウ、人参、里芋の水煮を買い物籠に入れた。それと、こんにゃくを忘れてはいけない。私(乙山)はなぜかこんにゃくが好きなのである。今回は板こんにゃくではなく、なぜか糸こんにゃくが食べたい気がして、それも買い物籠に入れた。

閉店間際の買い物をした後で「豚バラ肉と野菜のごった煮」を拵えるわけにはいかぬ。その日は別の食べ物で済ませ、料理(と言えるんだろうか?)は次の日にすることにした。すべての住人が窓を閉め切って冷房装置を効かせているわけではない。夜の遅い時間に料理の匂いをまき散らすのも考えものである。これでも一応、近隣のことを少しは考えている、集合住宅における模範的(違うか)住人のつもりである。

さて翌日。ゴボウは洗ってあるものを買ってきたので、もうそのまま斜め切りにして水にさらしておく。人参も乱切りにし、それらを軽く下ゆでしておいた。別に野菜の下ゆではしなくてもかまわないと思う。豚バラ肉は食べやすい大きさに切って、そのまま鍋に入れてしまう。それらの作業をしながら、粉末昆布と削り節で出汁をとっておく。

出汁は昆布と削り節でとらなくても粉末出汁の素があるので料理自体はできるのだが、出汁をとったら一味違うものになるというのは実際にやってみた方はご存知だと思う。鍋の底に豚バラ肉を敷き、その上からゴボウ、里芋、人参、糸こんにゃくを入れ、最後に出汁を注ぎ入れて火を入れる。最初にみりんを入れてしばらく煮込み、最後に淡口醤油を入れて火を止め、保温調理器に鍋を移して放置する。

保温調理は一時間ほどでいいのではないかと思う。保温調理器がなければ、100円均一店で売っているニットキャップを二重にして蓋をした鍋をくるんでおけばいい。それもなければ、適当に加熱した後、蓋をして放置しておくだけでもいいと思う。その後、鍋を保温調理器から取り出して室温で少しずつ冷ましていくのだが、この段階で味が染みていく。

煮込むときに「アク取りシート」なるものを使っているが、これは便利である。冷めた鍋をそのまま冷蔵庫に放り込んで保存すると、翌日完全に冷え切って豚バラ肉から出た脂が凝固してアク取りシートに吸着している。これをそのまま取り去って捨てると、余計な(?)脂も処分できる。もちろん、その脂はおいしいものなので、年齢によっては捨てずに食べるのもいいと思う。なにしろわざわざラーメンに……

さて食べるときは、冷蔵庫に保存した鍋を火にかけて、温まったら器に盛り付けるだけである。味付けは淡口醤油とみりんだけであるが、なかなかおいしい。豚バラ肉がとろとろになどなってなくてもいいのである。ふつうにそのまま煮込んでも柔らかく、うまいものだ。このままでご飯のおかずにもなると思うけど、ご飯が進むような「おかず」にするなら、もう少し甘辛く仕上げたほうがいいのではないだろうか。


【付記】
● なんでこの暑いときに煮物なんだ、という声が聞こえてきそうですが、暑いからこそ煮物でもあるわけです。生野菜のサラダに比べると、なんとも優しい味わいというか滋味深く、消化にもよさそうに思えます。「菜っ葉の炊いたん」もいいのですが、根菜の煮物はやはりいいものですね。


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インチキ土佐酢でタコ酢

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タコといえば、むかし家族で淡路島へ海水浴に行った時のことを思い出す。どういうわけか、タコが浜に打ち上げられた、あるいはだれかが釣ったのかはっきりしないが、とにかくタコが陸上でのたくっている姿を見て興奮した。たしか4~5歳のころだったと思うけど、あの頃はまだ国産のタコが市場に出回っていたのではないだろうか。

近頃は国産のタコなんて高嶺の花で、モロッコだかモーリタニアだかどこか遠洋でとれたものが流通しているようである。例によって閉店間際の遅い時間、駅前のスーパーマーケットでタコがたくさん並んでいるのを見て、足が一本だけパックされたものを買ってきた。これで、タコ酢をやろうという心算である。

居酒屋ではタコぶつ(タコのぶつ切り?)と称した一品があって、文字通りぶつ切りにしたタコをわさび醤油で食べる。これはなかなかおいしいものだが、タコ酢にして食べるのも好きである。この場合、酢と砂糖で甘酢にするのもいいが、二杯酢か三杯酢、あるいは土佐酢で合わせるほうが好きである。

男性はだいたい酢の物が苦手だと思うが、それは酢と砂糖による甘酢のせいではないかと思っている。土佐酢にすると、タコと胡瓜とわかめの酢の物も酒のあてになる。なので酢の物苦手を自称する方は土佐酢を使ってみることをお勧めする。土佐酢はミツカンのものが簡単に手に入るので、レシピを見て土佐酢を作らんと奮闘する必要もない。

じつは横着を承知でミツカンの土佐酢を愛用しているのである。その日もタコをそぎ切りにしたところに土佐酢をぶっかけて終了、となるはずであった。ところがどうしたことだろう、必殺の土佐酢を切らしているようなのである。困ったことになったなあ、と冷蔵庫を点検すると、白だし醤油と麺つゆを見つけた。

家には酢とみりんは常備してある。これらと白だし醤油、麺つゆで土佐酢のようなものを合成できないだろうか? 早速実行してみた。白だし醤油と酢をベースにして、甘みはみりんで補う。最後にほんの少し、麺つゆを入れてかき回し、味見してみると、うむっ、土佐酢にかなり近いインチキ土佐酢ができたではないか。

えっ、分量の配合ですって? そんなもの、覚えてやしませんよ。料理に覚えのある人なら、ご自分で適当にできると思う。レシピ通りにやりたい、という気持ちもわからぬではないが、味を決めるのはあくまで自分自身。いつも使っている分量と、レシピの分量を比べれば、どういう加減をすればいいかわかるはず。

タコはぶつ切りでもそぎ切りでもいいが、タコ酢にする場合、そぎ切りをお勧めする。写真ではタコの表面にギザギザを入れて格好をつけているが、こういうことをする必要は一切ないのは言うまでもない。これは池田のある料理屋で板前さんがタコ酢を出してくれた時のことを思い出して適当に真似をしてみただけで、実物はもう少し細かい切れ目が入っていたように思う。

タコをそぎ切りにできたら器に盛り付け、インチキ土佐酢をぶっかけて出来上がり。器はいつも使っている100円均一店で買ったオーバル型のボウルでもいいが、せっかく青海波の紋様の器があるのでそちらにした。海の雰囲気があっていい感じだ。これは阪急宝塚線の庄内駅付近にある瀬戸物屋で買い求めたもの。近隣では一番の瀬戸物屋でお気に入りである。

食べてみると、ううむ、うまいっ! インチキ土佐酢、なかなかやるじゃないか。本当は二杯酢に出汁を合わせた(必要なら追い鰹をかけた)のが土佐酢で、やろうと思えばできぬでもないが、白だし醤油と麺つゆ、酢とみりんがある方にはこのインチキ土佐酢をお勧めします(おいおい)。さっとできるし、お味のほうもなかなかいけるのであります。


【付記】
● これでしばらくミツカンの土佐酢がないからと慌てることもなくなりました。ミツカンの土佐酢を買ったときもたぶん、あれら調味料は家にあったはずなので、どうしてそのとき思いつかなかったのか不思議でなりません。


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春キャベツと貝柱の蒸し焼き

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記事を掲載する機を逸してしまったかもしれないが、春キャベツである。新キャベツとも呼ばれるそれは普通に出回っているキャベツより柔らかい。糖度にかんしては普通のキャベツとさほど変わらぬ(かなり甘い?)ようだが、柔らかさは格別である。今回はこれを、ホタテ貝の貝柱と一緒に蒸し焼きにして食べた。

この料理は自分で考案したものではなく、大阪のとあるお好み焼き店のメニューにあったもので、その店ではふつうのキャベツと貝柱を鉄板で蒸し焼きにしていたが、食べてみるとおいしく、家でなんとかできないものかと思っていた。特別に難しい料理というわけではなく、キャベツと貝柱を蒸し焼きにするだけだから形だけは再現できた。

用意するものは春キャベツ(普通のキャベツでも構わない)とホタテ貝の貝柱だけである。貝柱は生食できるくらい鮮度のいいものであれば申し分ない。貝柱は一人前3~4個、分厚いものであれば横半分に切れば分量が増えたような錯覚で満足感を味わうことができる。今回はかなり分厚いまま、4個を使うことにした。

「生食用」とか「お刺身用」として売っている生の貝柱があればいいが、冷凍の貝柱でじゅうぶんである。今回は大ぶりの冷凍貝柱が8個入って550円前後のパックを買って半分使い、残りは冷凍室に入れておいた。写真をご覧になるとかなり分厚い貝柱であるのが確認できると思う。やはり冷凍のほうが少しお得感があるのではないだろうか。

キャベツは食べたい大きさに切り、必要なら水で洗っておく。貝柱もさっと水で洗って水気を切っておく。準備はこれだけ。フライパンを熱し、油を入れ、まず貝柱の表面に軽く火を入れ、取り出しておく。次にキャベツを入れ、かき回して全体に油をいきわたらせると貝柱を戻し、酒少々をふり入れ、蓋をする。

貝柱も春キャベツも、どちらもそのまま食べられるほどなので、あまりしつこく熱を通す必要はない。とくに貝柱は火を通し過ぎると縮んでしまうので要注意である。ただし、完全に火を通しきった貝柱もそれはそれでうまいものなんです。そうすると、じつにおいしいスープも出してくれるのでそこは好きずきに。私(乙山)はレアのような状態で仕上げた。

味付けはしない。食べるときに塩をふりかけて調味するが、まずそのまま食べてみると、貝柱からいい「ダシ」が出ているのがわかると思う。そこにほんの少し塩を入れると、味がぐっと良くなるのがわかると思う。炒め物といえば何でもかんでも胡椒を入れる人がいるかもしれないが、この料理に胡椒はいらないように思う。だがもちろん、ラーメンが来ると反射的に胡椒を手にしてしまう人がいるように、胡椒を使ってもまったく差し支えはないだろう。

要するに、好みの問題なのである。昔はチャーハンにソースをかけ、漬け物にグルタミン酸ナトリウムと醤油をかけて食べる人が少なからず存在したもので、私は何度か目撃したことがある。頼みもしないのに後者をふりかけて供してくれる店もあって、苦笑いしたくなるのを抑えたこともある。皿に幾分おつゆが残るように仕上げたが、実はこのおつゆこそ、この料理のエッセンス。これを全部飲み切ることができるくらいの塩味にすること、これが秘訣である。


【付記】
● 春キャベツと貝柱の蒸し焼き、じつにおいしく味わうことができました。ご飯のおかずには今一つかもしれませんが、酒には本当によく合うんですね。もう春キャベツはないかもしれません、出す時期を誤ってしまいました。


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酢レンコン

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レンコンのてんぷらが大好きである。かなり以前、吉田拓郎のエッセイ本を読んだとき、〈ペニーレイン〉という店でおおいに飲みながらレンコンのてんぷらを食うのだが、レンコンのてんぷらはいくらでも食べられる、というような内容を目にしてからだろうか、いつのまにか自分もレンコンのてんぷらが大好きになってしまった。

立ち飲み屋では串かつでレンコンばかり頼み、しまいには「串を打たなくていい、レンコンだけ三つ揚げてくれ」などというものだから、立ち飲み屋の店員さんに「レンコンの人」などと言われるようになってしまった。新梅田食堂街の立ち飲み串かつ屋〈松葉〉でも、ついレンコンの串かつばかりつかんでしまうという重症患者になってしまったのである。

そうは言うものの、自宅では揚げ物をやらぬと決めているのでレンコンのてんぷらを食うことはできぬ。なのでもっぱらレンコンのきんぴらとか筑前煮などを作って食べているが、レンコンのてんぷらが好きというよりレンコンそのものが好きなのかもしれん。今回はレンコンの味を存分に味わうことができる「酢レンコン」である。

しかしなんて地味なんだろう。酢レンコンなんて、ちらし寿司に入っているようなものしか食べたことがないような気がする。なんでこんな地味な料理を作る気になったのか自分でもよくわからないが、閉店間際の某スーパーマーケットの食料品売り場でレンコンを見かけ、ついつかんで買い物籠に入れてしまったんだから仕方がない。

レンコンを甘酢に漬けこむだけの料理だが、まず甘酢を作らねばならない。一般的には昆布で出汁をとるのから始めるが、いつものように粉末昆布を使って出汁を作る。昆布出汁が熱いうちに砂糖を入れてとかしてしまうと、後はそこに酢を入れ、塩で味を決める。塩を入れると甘酢が引き締まって味わえるものになるから不思議である。

レンコンは皮をむき、輪切りにする。ちらし寿司に入っている酢レンコンは非常に薄いスライスだが、自分で食べる分にはもう少し厚みがあったほうがいいのではないかと思う。輪切りにしたレンコンは酢水にしばらくつけてアクを抜いておこう。後はレンコンをゆでるだけなんだけど、あまり煮続けると柔らかくなりすぎるのでご注意を。

ゆであがったレンコンを保存容器に入れ、そこに甘酢を注ぐ。あれば唐辛子を適宜入れるとピリリと引き締まった酢レンコンができる。ある程度冷めたら冷蔵庫に移し、一晩漬けておいたら翌日には食べることができる。甘酢は多めに作っておいてPETボトルなどに移し替えれば冷蔵庫で保存でき、レンコン以外にも使えるので便利である。

夜遅く帰って来たとき、とりあえず酢レンコンがあれば一杯やれるというのはうれしいことだ。じゃこおろしなんかと一緒に一杯やりながら、後は何を作ろうかな、などとのんびりできるのがいいところだ。酢れんこんで酒を飲みながら、レンコンのてんぷらのことを思う。そんな調子で、今宵も更けていつの間にやら日付が変わってしまったではないか。


【付記】
● 酢レンコンは冷蔵庫で数日間は保存できるので、一度作っておけば数日に渡って食べることができます。じゃこおろしと酢レンコンだと? まったく、貧相なもんばかり食いやがって、という声が聞こえてきそうですが、その後は鶏塩グリル焼きが待っているのですぞ。ていうか、それも大した料理じゃないのかも……


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豚肉と豆腐の鍋

SlicedPorkAndTofu.jpg
豚肉と青菜だけのシンプルな鍋料理に「常夜鍋」がある。青菜は主にほうれん草を使うことが多いそうだが、水菜(京菜)でやってもいいのではないかと思う。とにかく、豚肉と青菜を昆布出汁で煮るだけだからあっという間にできる。ぽん酢で食べる常夜鍋は不思議と飽きがこなくて、連日それでも構わないくらいである。

常夜鍋を作るつもりで豚肉(もも肉の薄切り)を買って帰ったはいいものの、あると思い込んでいた水菜がなく、代わりにあるのは豆腐。豚肉と豆腐で「肉豆腐」を作ることを考えたが、関西で「肉豆腐」といえば牛肉と豆腐になるので、なんだかぴんとこなかった。そうこうしているうちに、さるウェブログで豚肉と豆腐の鍋をしていたのを思い出した。

常夜鍋のように昆布出汁で煮るのではなく、出汁に味を付けたもので豆腐と豚肉を煮る鍋料理が、たいへんおいしそうなのだ。これはもう、真似をしてみるに限る、と思って早速実行に移した。なにしろ材料は豚肉と豆腐だけである。出汁をとったほうがおいしいとわかっているけれど、ヒガシマルうどんスープでやることにした。寒いし、お腹が減っているのだ(関係ないか)。

豚肉は部位によって火を通し過ぎると硬くなってしまうので、沸騰した出汁で煮続ける必要はなく、食べる直前にそっと入れるくらいでいい。世の中には「豚しゃぶ」という料理があるそうだが、あれなど豚肉の性質を考慮したなかなか良い食べ方というか料理法ではないかと思う。熱い汁の中に薄切りの豚肉を入れて泳がせ、色が変わったらさっと食べるわけである。

いい方法ではあるが、いちいち面倒くさいので、ここは一気に軽く火を通してしまう。ボウルか何かに豚肉を張りつけるようにして並べる。そこに熱湯を回しかけ、軽く火を通し、すぐ水に移して軽くすすいでおく。この際、熱湯は沸騰したものを使うより、60~70℃くらいのほうが都合がいい。熱すぎると、火が通り過ぎてしまうのだ。

熱湯でヒガシマルうどんスープをとかし、沸騰した瞬間、火を止めてしまう。そこへ、豆腐を入れ、半分火を通した豚肉もそっと入れる。蓋をして保温調理器へ移し、数分間放置しておく。保温調理器がない場合、100円ショップなどのニットキャップを二重にし、それで片手鍋をくるんで放置する。ニットキャップを二重にしたものは、紅茶を淹れるときも役に立つ。

豆腐はそのままでも食べられるのだから、温めるだけでじゅうぶんなのだ。豚肉も火を通し過ぎては具合が悪い。なので保温調理器を使ったわけだが、一種の低温調理法(?)なのかもしれない。豚肉と豆腐の鍋ができるまで数分間、小松菜のおひたしでもつまみながらぬる燗酒を飲む。いま飲んでいるのは〈呉春〉の普通酒。

出汁汁には味が付いているので器にとればそのまま食べられるが、器に少し出汁汁を入れ、そこに柚子胡椒をとかしこみ、七味唐辛子を振り入れ、あれば柑橘類の絞り汁も少し入れるのが乙山流である。今回は冷蔵庫に三つ葉があったので、それを豚肉と豆腐に添えるようにした。豚肉と豆腐だけでも一向に構わないが、彩りはよくなった。

豆腐は煮立たせていないので「す」がたつはずもなく、申し分ない具合にできている。豚肉も、もも肉を使ったわりには柔らかく、とてもおいしくできたのではないかと思う。何も、もも肉を使う必要はなくて、脂が好きな人は豚バラ肉の薄切りでもいいだろう。三つ葉の香りがあると、豚肉がさらにおいしくなるような気がする。とにかく、豚肉と豆腐の鍋は思った以上にいけるもので、考案した人物に敬意を表する。


【付記】
● 豚肉と豆腐の鍋は、京都に住んでいるという一風変わった「おっさん」の所で見かけたものです。ご自分で「おっさん」と名乗っているようなので構わないと思いますが、くれぐれも「只野乙山」をそのように発音なさらぬように。皆様の心の中ではどのような読みでも結構ですが、公式には「乙山=おつざん」ですのでどうぞよろしく願います。

後日、残り汁にきちんととった出汁を入れ、味を調えて同じものを作ったところ、とてもおいしくてびっくりしてしまいました。さっとやってもいいのですが、きっちりやるのもやっぱりいいなあ、それだけのことはあるなあ、とつくづく思いました。

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只野乙山

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⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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