iPadだけで撮影環境を構築する

拙ウェブログのコメントで「写真が綺麗」と褒めて頂いたことが何度かある。たいした腕はなく、汎用小型デジタル写真機しか使っていない者としては身に過ぎた言葉のように思う。けれども、どうせ掲載するなら、できるだけ見栄えのいいものを、と思って撮影してきたのは本当だ。私なりの撮影術をちょっと公開いたしましょう。

ウィスキーなどの記事のときは、作業台の上に突き板仕上げの板を置き、ボトルとかウィスキーを入れたグラスを乗せて窓辺で撮影する。そのまま撮影ボタンを押しても構わないのだが、窓から射す光が強いので、自動露光はそれに引っ張られてしまう。そこで、ボトルとテーブルあたりに露光を合わせ、AEロックをかけ、撮影する。

すると、窓辺には薄いカーテンがかかっているけれど、白飛びして真っ白の背景が出来上がる。実際は薄汚れたカーテンがかかっており、部屋は乱雑を極めているが、出来上がった写真だけ見ると、けっこう綺麗な部屋に住んでいるかのようである。夜の撮影では、ボトルをテーブルの上に乗せ、横からLEDの白色光でスポットを当てる。

自動露光では明らかに光量が足りないのでフラッシュで補おうとするけれど、設定でフラッシュ禁止にしてあり、ウェブログに掲載した写真の全ては、フラッシュなしで撮影されている。そして、ボトル周辺の明るい部分に露光を合わせてAEロックをかけ、撮影すると、背景は真っ黒になって、散らかった部屋が隠されるわけである。

内実を知る者は「ねえ、これってなんていうか……詐欺じゃない?」とよく言っていたけれど、まあそうだろうね。認めるよ。だけど写真が良ければそれでいいではないか。たとえ部屋の中がどれだけ乱れていようとも。要するにキレイに見える写真は露光がすべてだと言える。題材とか構図、芸術性は考慮に入れていない、ていうかそれ系の写真、私には無理。

「露光が合う」とは、自動露光が対象物を「反射率18%のグレーとして認識した」ということ*。白シャツを写したのになんだか暗い画面になってしまうのは、自動露光が白をグレーにしようとする結果、暗く(露光アンダーに)なったんですね。反対に、黒いキーボードだけを撮ろうとすると、黒をグレーにしようとするので、明るく(露光オーバーに)なる。

白を白く、黒を黒く写すには、どこか他の所にあるグレー(なければ自分の手の甲)に露光を合わせてAEロックをかけ、改めてフォーカスを合わせて撮影ボタンを押すといいでしょう。こんなふうに、どれだけAEロックのお世話になったことだろうか。だけど、いま使っているiPadの標準機能では、AF/AEロックになっていて、単独でAEロックができないんですね。

えっ、デジタル写真機はどうしたよ、って? それはですね、「ない」んです。大阪にいた最後の頃に、電源スイッチを押してもレンズが前に出てこなくなった。確か2009年の5月頃に買って、ずっとそれ一台だけで拙ウェブログを支え続けてくれた。近頃の記事に画像がないのは、たんにカメラがないからだけど、できれば画像付きのほうが、記事に真実味が増すような気がする。

だが新しいデジタル写真機を買う余裕はない。おまけに、メインのノート型PCも起動トラブルで使えないので、iPadを最大限に活用するしかない。ロジクールのキーボードを付けて書いているけど、慣れればけっこういける。デジタル写真機がなくても、iPadのカメラ機能はなかなかの画質で、AEロックできるカメラアプリをインストールすれば良いだけじゃん?

というわけで、iPadだけで撮影環境を構築する。AEロック対策として有料アプリだけどCamera+をインストールしてみた。起動すると、カメラの画面になるんだけど、指で触ると、+が付いた小さな四角が現れる。+を押すと、「焦点」と「露光」に分かれて、画面上で動かすことができる。あ、なかなか良い感じじゃない? いや本当、けっこう使えるじゃないか。

これに加えて使いたいのが画像補正アプリ。「ウェブログに載せたいけど、失敗写真しかない!」という場合とか、やっぱり補正したいよね。正直に書いておくと、私の写真、わりと補正かけてます。ここでは Instaflash をインストール。逆光で暗くなった顔とか、指一本動かすだけで補正してくれ、背景の白飛びが抑えられているのがすごい。しかもホワイトバランスまで付いていて、かなり使える失敗写真修復アプリだと思う。

Instaflashにはトリミング機能がないようなので、トリミング用アプリとしてFotorを選んだ。トリミング用とか書いたけどFotorは多機能なので、一本だけに絞るとすれば、Fotorだけで事足りるほどだ。iPadだけしかないけど、これでデジタル写真機とPhotoshopあるいはLightroomを装備したのにかなり近い環境になった(おいおい)んじゃなかろうか。それは大げさとしても、ウェブログ用記録写真の撮影者としては、必要にして充分な装備になったようである。

*本来は露光が合う=適正露出で、反射率18%のグレーを再現できる明るさのこと。絞り値、シャッター速度、ISO感度の組み合わせで決まる。もし私がフル・マニュアルの銀塩カメラをいきなり持たされて、さあ写せ、と言われたら、適正EV値を得るのにオタオタするに違いありません。

【付記】
⚫︎ 無理してiPadを買っておいて良かった、とつくづく思います。これがなければ、こうしてみなさんにお会いすることも叶わなかったでしょう。余裕ができれば、Windows機とか汎用小型デジタル写真機をまた買うと思いますが、しばらくはiPadでがんばってみます。


ラーメン+漬物=秋田流?

秋田に来て間もない頃、JR秋田駅周辺をよく歩いた。知らない街を歩く時、なぜか酒屋と中華料理店、そして蕎麦屋を探してしまうのが癖だけど、秋田市民市場の周辺に中華料理店やラーメン屋がわりとあって、気に入ったのを覚えている。7月の終わり頃だ。水面いっぱいに蓮で埋め尽くされた池があり、その裏側には学校と立派な図書館がある。

某日、西武百貨店が入っている商業ビルに入り、涼をとりながら昼食を済ませることにした。飲食エリアに赴き、いつものやつが食べたいなあ、と思ってラーメン店に入った。たしか〈南秋ラーメン〉という店だったと思う。残念ながらラーメンと炒飯のセットはなかったけれど、ラーメンといなり寿司のセットがあった。

ラーメンといなり寿司か……なんか妙な組み合わせだな、いなり寿司の相手はうどんかそばじゃないのかな、とか思ったけれど、まあいいか、ということでそのセットを注文した。しばらくして料理が来ると、醤油ラーメンの横にいなり寿司があって、いなりには生姜の甘酢漬けが添えられている。

そこまではいいのだが、もう一つ小さな器があって、そこには漬物が入っているのだ。はてね、これ、どうやって食べるんだろう? ていうか、何に合わせて食べるんだろうね? このセットにはいなり寿司があるけれど、それは生姜の甘酢漬けで完結している。つまり私にとって、漬物は合わせる相手がない余計なものに思えたのだ。

ラーメンに漬物があり得ないわけではなくて、キムチとか大根キムチ(?)はラーメンと一緒に食べても不思議ではない。九州ラーメンに高菜漬、紅生姜の組み合わせもある。それらはもはや「普通」として受け入れられていると思う。だけど、ごく普通の菜っ葉の刻んだ漬物をラーメンと食べることって、あまりしないんじゃなかろうか。

これが秋田流なんだろうか。どうやら不思議に思っているのは私だけで、周囲の人たちは何もなかったかのように静かに食べている。だけど、何に合わせて、いつ漬物を食べるのか、どうも気になって仕方がない。ちょうど、隣に若い男性が座っているので、彼がどうやって食べるのか、ちらっと観察させてもらうことにした。

彼はなかなか漬物に手を出さない。私もさり気なくゆっくり食べながら、その瞬間を逃さぬように心を引き締めて見守る(?)。おおかた麺を食べ終わった頃、彼はおもむろに漬物の器を左手に持ち、まるで流し込むみたいにガッと一気に漬物だけを平らげたのである。ウワォ、そう来るか! ていうか、そうするものなのか!

その出来事は印象に残っていたので、ある日、秋田人の同僚たちに事の顛末を話し、どうですか、ラーメンに漬物って秋田では普通なんですか、と訊いてみた。すると、若い女性が「ラーメンと一緒に漬物、普通に食べますよ」というではないか。中年男性も「俺もラーメンと漬物、普通に食べますよ」と。

一応念を押して、いやこの場合ね、ラーメン屋さんによくあるキムチとかじゃなくて、ごく普通のタクアンとかみたいな漬物ですよ、本当に? というと、彼らはやはり「そうするのだ」と断言した。そうなのか、これで疑念が晴れたというか、一つの謎が解けたような気がした。ラーメン+漬物=秋田流(?)なのである。


【付記】
⚫︎ いやあ、すっきりしましたね。ただ、サンプルが2名で決めつけるというのもどうかと……あ、それでね、漬物をどうやって食べたかっていうと……残しちゃいました。ネットで調べてみると、ラーメンに漬物を添えて出す店がいくつか存在することがわかりました。なのでラーメン+漬物=秋田と決めつける必要もなさそうです。


電気鍋、大活躍す

大阪の店を閉めることにした、という話を聞いた姉が、嫁ぎ先の秋田から大阪まで会いに来てくれた。2016年6月末ごろのことである。色んな話をした後で、秋田に仕事があるから来ないか、となった。秋田で仕事があるって、本当だろうか? 全くイメージが湧かない私は、つい「いや俺、漁協とか農協とか絶対無理、無理だからね」と言ってしまった。なぜ秋田=漁協とか農協になるのかわからないけど、思いついたのはそれだった。

そういうのじゃなくて、男鹿温泉郷でホテルの仕事を募集しているみたいだよ、一度ウェブサイトを見てみたら、と姉は言う。そうか、それなら自分でもできるかもしれない、何しろ体力には自信がないのだ。たぶん平均的男性の体力以下じゃなかろうか。いい歳をしていて、身体は(心も)ズタボロに近い状態。そんな私にやはり漁協とか農協は無理なのだ。

聞けば男鹿温泉郷は辺境の地で、周囲にコンビニ店もなく、自動車なしでは生活するのに不便な所らしい。だけど寮があって三食付きだと言う。Wi–Fiも使えて、生活費はほぼゼロに近いものだ、と。しかも正社員として雇ってくれると言うではないか。なんかものすごく良さげに思えるんですけど……色んなことを考えたけど、秋田で暮らしてみるのも悪くなさそうじゃないか?

と言うわけで、現在(2017年)のところ、会社の寮で寝泊まりしている。そんなに広くはないけれど、空調付きの個室が与えられている。冷蔵庫、トイレ、風呂は共同だが、ホテルのシーズン中は温泉に入ることができる。殆どの所有物を処分してしまったけれど、スノコとマットレスを貸してくれたので、暑い季節に移り住んだ頃は本当にちょっとした服とタオルケットなんかがあれば良かった。

ところがやはり北国である、夏の終わりが比較的早く感じられるものの、まだいける、と言う感じの日々が続いたかと思うと、突然冬がやって来るのである。11月中頃にはコタツの用意をしないといけないのだ。姉に古くなったコタツを譲ってもらい、発熱ユニットが付いていないからHomacという大型店で断熱シートと電気カーペット、座椅子なんかを買ってコタツにした。

ホテルは12月の終わり頃に営業を一時停止して4月まで休館になり、調理場の人たちは暖かい地のホテルに出張研修するため出発した。ホテルってふつう年中無休でしょ?という声が聞こえて来そうだが、温泉郷へのアクセスはほとんどが車である。ところが「なまはげライン(ロード)」という最短アクセス道路が雪や雨で凍結した時、本当に運転するのが恐ろしいほどで、地元の人にはよく知られている事故多発地帯なのである。

さて、賄い料理を作ってくれる調理場の人たちがいなくなった場合のことを見越して、電気鍋をネット通販で買っておいた。これは「深い鍋状になったホットプレート」みたいなもので、付属品を使って「煮る(炊く)」「蒸す」「焼く」「揚げる」をこなせるマルチ・クッカーである。さすがに揚げ物はやらないとしても、かなりのことができそうである。

私にも出張研修の命が下され、秋田市内の某食品工場で作業員として勤務することになった。車で通勤するのだが、帰り途、スーパーマーケットで途中下車して皆で買い物を済ませる。鶏肉、豆腐、白菜、えのき茸、水菜、とくれば、いつもの乙山流横着鍋である。ヒガシマルうどんスープを棚に見つけた時、嬉しくて二つも掴んでしまいましたよ。

寮のお風呂を済ませた後、コタツ上にて一人鍋を開始する。カッティング・ボード(まな板)がないから全ての食材をキッチンはさみ(および多機能ナイフ)にて切断、鍋に投入する。出汁はもちろん、ヒガシマルうどんスープを薄めに溶いたもの(一袋に対して水350ml前後)で、器に取ったら少しだけポン酢を垂らして食べる。

いやはや、なんともこれは生き返りますなあ! ずっと賄いご飯を食べていた者からすると久しぶりの温かい自炊飯。腹の具合によってシメをうどんにしたり、ご飯で雑炊にしたりするんだけど、シメを明朝に回して、朝ごはんを雑炊にするってのもなかなか乙なものでござんすよ。米を洗って穴開きボウルに取っておき、朝粥を作るのも良い。

ラーメン鍋ってのもちょっと良いものでしてね、好きな即席めんのスープを半分くらい使って好きな具材で鍋を作って食べるんですが、具がある程度減った段階で即席めんを投入するもよし、食べてしまってから即席めんでシメるのもよし。自分の好きな即席めんで鍋ができるってのも良いですよね。

この手の製品はやっぱり即席めんを作るためにあるようなもので、早速やりましたよ。最近なぜか醤油ラーメンが好きになってしまって、トップバリュあたりの5袋入りパックを買い込んでしまったわけです。えっ、味はどうだって? そんなものアナタ、電気鍋を使ったからといって、即席めんの味が格段に良くなるとか、そんなわけないでしょ?

電気鍋でご飯を炊くこともできる。一人分=米100gとして、面倒くさいから米200gを炊いて、半分だけ食べて残りは食品用ラッピング・フィルムで包んで冷蔵庫に放り込んでおきましょう。後日、レトルトカレーと食べるんですが、この時でも電気鍋でカレーを温めておき、ご飯は電子レンジで加熱する。できるだけ安くてうまいレトルトカレーを入手できれば最高ですね。

てなわけで、電気鍋を買っておいて本当に良かった。これのおかげで秋田の寒い年末と正月を乗り越えることができた、といっても過言ではない。後もう一つ、あれば良いなと思うのが「熱風オーヴン」かなあ。これがあれば、かなり料理の範囲が広がりそうな気がする。ミートパイとかアップルパイ、スポンジケーキ(やるのかよ?)、グラタン類、そして「油を使わないフライ」などができそうだ。


【付記】
⚫︎ 電気鍋を買っておいて大正解でした。電気鍋(グリル鍋)といってもいろいろ製品がありますので選ぶのに迷うかもしれません。すでに生活を確立なさっている方には無縁の内容かもしれませんが、6〜8畳程度の部屋で、電気は通っているけど……という単身者向けの内容でした。


正12面体SP・BOXを聴く

Fostex10cm.jpg
4月26日(2016年)にウェブログでお付き合い頂いているトニーさんがご来店なさった時、同行者として「自作の友」さんもいらっしゃった。すでにトニーさん のウェブログ「トニーの回覧板」を拝見して自作の友さんのことは存じ上げていた。アンプ本体ケース(シャシー)作りの名人で、トニーさんの自作真空管アンプの多くに、自作の友さん製作のシャシーが使用されている。

その夜はオーディオ談義、真空管談議で大いに盛り上がったのだが、もうひとつ、自作の友さん御自作の「正12面体SP・BOX」の話も聞かせてい ただいた。これもトニーさんのウェブログで拝見していたのだが、ご本人がいらっしゃるとは思わなかった。トニーさんによると「かなり低い音まで再生されている」そうで、正五角形を組み合わせた正12面体のエンクロージャーにフルレンジ・スピーカーがマウントされている。

一度乙山さんにも聴いてもらいたいですね、と自作の友さんは仰っていたのだが、その後メールで連絡があり、実際に正12面体SP・BOXを視聴する機会を得ることができた。自作の友さんのご自宅近所のコミュニティ・プラザの一室を借りて、セッティングして下さっていた。ふだんお聴きになる CDをご持参ください、とのことで、ロック/ポップス音源としてイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』からタイトル曲を用意した。皆さんご存知だと思うが、あのイントロに重低音が入っていますね。

クラシック音源としてシュミット・イッセルシュテット/ウィーン・フィル/バックハウスによるベートーヴェン『ピアノ協奏曲第一番』第一楽章を選んだ。ピアノの繊細な音と、シンフォニーのスケール感が再現できるかどうかの確認用。1958年の録音だが、気に入っている音源である。ジャズ音源としてマーティ・ペイチ編曲による『アイ・ゲット・ア・ブート・アウト・オブ・ユー』(通称『お風呂』)の「モーニン」を選んだ。

FlatSp.jpg アート・ブレーキ―による演奏のほうが有名だろう。知っている人は多いと思うが、マーティ・ペイチはTOTOの鍵盤奏者デヴィッド・ペイチの父親である。絵に描いたような音楽一家というわけ。編曲者としてギル・エヴァンスが有名だが、マイルス・デイヴィスと組んだギルのような雰囲気ではなく、リッチでゴージャス、洗練されたサウンドといえる。

試聴はCDプレーヤーを自作の友さん自作の真空管アンプにダイレクト接続して行った。まずは、オーディオ誌『ステレオ』付録のフォステクス製 10cmフルレンジから。音量は可変抵抗器を12時付近にセットした、かなり大きめの音(おそらく85dB以上)である。なんという迫力、これが 付録の10cmフルレンジの音とは信じられない。「ホテル・カリフォルニア」のイントロの重低音がしっかりと出ているではないか。

10cmフルレンジでシンフォニーはどうなのかと思ったが、これも十分な迫力である。薄いカーテン一枚隔てて聴いたら、だれも雑誌付録の10cmフルレンジとは思わないのではないか。定格入力は10Wとあるけれど、たぶんアンプの出力は3Wも出ていないんじゃなかろうか。とにかく元気な音が前に出てくるが、定位は少し後ろの方に感じた。音は大きいけれど、うるさくないのだ。これは非常に重要なことで、強調してし過ぎることはないと思う。

次に聴いたのが小さな平面スピーカーで、SONYのロゴが入っている。音の発生源が小さいのでどうなのだろうと思ったが、低音はしっかり出ている。音に元気さがないのはフォステクスの後に聴いたからだと思う。元気さはない代わり非常にクリアで素直な音で再生している。バックハウスのピアノが美しく、つい聴きこんでしまう。シンフォニーの再生は少し苦しそうだけど、アコースティックのギター、例えばバーデン・パウエルなんかを聴けば最高じゃなかろうか。

P610.jpg最後に三菱ダイヤトーンのフルレンジ、P-610を聴いた。「ホテル・カリフォルニア」のイントロの低音を聴いたとき、鳥肌が立ってしまったほどだ。ヴォーカルやサクソフォンの生々しさは特筆もので、オーケストラの再生におけるスケール感も申し分ない。思いの外、高音が綺麗に鳴っており、P-610の潜在能力の高さに感心したが、じつは正12面体エンクロージャーを得て初めて、こういう鳴り方になったのかもしれない。

正12面体SP・BOXはバスレフ型で、ポートが開いている。ユニットによって最低共振周波数が違ってくるから、厳密にはポートを変更しないといけないと思うが、そのままのポートで全てのユニットを鳴らして違和感がなかったのはなんだか不思議な感じがした。どういう理屈であの低音が出るのか、わからないけれど、とにかくいずれのユニットでも素晴らしい低音が出ているのは間違いない。特定のユニット専用ポートにして追い込めば、もっと低音が出るような気がする。

そして、ほぼ球面に近いエンクロージャーによるのか、スィート・スポットがかなり広めなのではないかと思う。音の回折が起きているので、壁から少し離してセッティングするのが良いようだ。このエンクロージャーに、例えばPARCオーディオとか、MarkAudioあたりのユニットを使い、バスレフポートをユニットに合わせてチューニングしたら、どんな音を鳴らしてくれるだろう。ものすごい可能性を秘めたエンクロージャーだと思った。


【付記】
● 自作の友さんと相談して、〈フラヌール〉を会場にして正12面体SP・BOXの試聴会をしたらどうだろう、ということになりました。といっても、カウンター席9席ですから、小さなオフ会(?)になると思います。「日曜日の午後から」になる予定で、関西在住(そうでなくても)で興味をお持ちの方は、拙ウェブログのコメント欄またはメールフォームからご連絡下さいね。「自作の友」さんのウェブログから申し込んで下さってもけっこうです。4~5名集まれば、正12面体SP・BOXの試聴会を開催できると思います。

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卵かけご飯

RiceWithRawEgg.jpg
卵かけご飯。だれもが食べたであろう昔からある食べ物で、ご飯と卵と醤油があれば成立するので手軽にできて、しかもなかなか美味しい。すでに旅館や民宿における朝食の定番となっており、外食チェーン店〈すき屋〉では「卵かけ定食」として朝食メニューになっている。近頃では外国人観光客にも人気があり、なんとTKG(Tamago-Kake-Gohan)などと呼ばれているようだ。

要は「ご飯に生卵と醤油を混ぜるだけ」なんだけど、そのまぜ方、食べ方が色々あるようで面白い。まず考えられるのは、ご飯の中心部に軽いくぼみをつけて(つけなくても)、そこに生卵を落とし込み、醤油をかけて全体を混ぜるやり方ではないかと思う。おそらくもっとも簡単で、多くの人が採用しているのではないかと想像する。

だがこれだと、白身と黄身の混ざり方が不十分で、どうしても白身の塊がそのまま「ずるっ」と口に入ってしまう時がある。それが嫌いだ、という人と、それが好きなんだ、という人にはっきり分かれてしまいそうな感じがする。白身もそのままなら、黄身の濃厚さもそのままなので、黄身のおいしさを味わうには一番いい方法かもしれない。

次に、別の容器に生卵を割り入れ、箸で黄身と白身をかきまぜ、そこに醤油を垂らしてご飯にかけ、全体を混ぜて食べるやり方も、わりと採用している人がいるのではないかと思う。この方法で白身と黄身をしっかり混ぜてしまえば、白身がそのまま口に入ってくることはない。白身の塊が苦手な人はおそらくこのやり方をしているだろうし、潔癖な人は「カラザ」まで取り除いていそうだ。

この方法の難点(?)は、やはり黄身と白身を均等に混ぜ合わせるのが難しい所ではないかと思う。白身が苦手な人はどうしても長めに混ぜてしまいがちで、それは所作として美しいかどうか、ということだ。ネット上で「黄身と白身を均等に混ぜるには、箸で白身をつまんで持ち上げるようにして塊を寸断してから、黄身と混ぜるようにすると良い」とあるのを見たけれど本当のことである。

これは上記二つのやり方どちらにも言えることだが、醤油の分量を一発で決めるのは意外と難しいのではないか。多少入れ過ぎても食べられるから問題はないが、塩分のとりすぎを考えると醤油をどぼどぼやりすぎるのは考え物。醤油を入れて全体を混ぜると、茶色の食べ物となって色彩的にもいま一つではないかと思う。これは個人的な感想なので、ちょっと行き過ぎているかもしれない。

そんなわけで、自分は白身と黄身を混ぜたものをご飯にかけて混ぜ、「黄金飯」(?)を作っておき、そこに食べる分だけ醤油をちょっと垂らす方法を採用している。まあ、単なる自己満足にすぎないんだけど、最後まで綺麗な色で、塩分のとりすぎに注意しながら食べることができるのではないかと思う。念の為に書いておくが卵かけご飯の「正しい」食べ方など存在しないので、くれぐれも噛みつき無用でお願いしたい。


【付記】
● 卵かけご飯。しょせんB級グルメと考えられている食べ物ですが、もしも米、卵、醤油を(できれば水も)それぞれしっかり吟味し、炊きたてご飯でやったならば、かなりA級グルメに近付くことができるかもしれませんね。


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只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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