地下鉄長堀橋駅周辺を歩く(1) 中華料理 天心

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現在住んでいる町は南船場といって、地下鉄長堀橋駅が最寄りの駅になる。東心斎橋で店をやるために引っ越したわけだが、引っ越し当初は調理もままならなくて、もっぱら外食をすることが多かった。自宅周辺は中小企業が多いため、外食するには全く困らない便利な環境である。徒歩一分以内にコンビニ店、すぐ隣のビルの一階が弁当屋で、ずいぶんお世話になった。

特筆すべきは、徒歩五分圏内に中華料理店が五軒も存在しているということで、中華料理大好き人間としてはたまらない。もちろん、引っ越しを実行する以前にネット地図で中華料理店はどうなっているかチェック済みである。自宅すぐ近くに二軒あるのをすでに知っていた。今回はそのうちの一軒〈天心〉に行ってみた。

写真一枚目でもわかるように、一瞬入店するのがためらわれるのだが、こういう店は嫌いではない。こういう外観でも店として成り立っているわけだから、そんなにひどいことにはならぬと予想できる。時間は午前11時を過ぎた頃、店に入る前にメニューがあるので見ると「半定食(ラーメンと炒飯のセット)550円」とあるではないか!

Tenshin_02.jpgウワォ、これは安い。ラーメンと炒飯のセットが大好きな人間にとって、これはもう頼むしかない流れである。心を決めて、入り口の扉を開けた。店はカウンターだけで、6~7人くらいしか入れないような小さな店。推定年齢60(70?)台と思われる店主と、女性店員の二人で切り盛りしている。すでに二名、先客が入っており、どうも近隣の会社員の人のようだ。

さて料理が来ましたよ。まずは炒飯からということらしい。ごく普通の炒飯のようで、紅生姜が添えられていますね。本来チャーハンに添え物は不要に思うけど、あえて添えるならこれがたぶんベストだろう。食べてみると、炒飯というより「焼き飯」の感じがする。どこがどう違うのか自分でもよくわからないけれど、これはもう「焼き飯」のテイストですね。

Tenshin_03.jpg次にラーメンが来た。焼豚、モヤシ、葱、メンマ、ワカメが乗っており、スープは濃すぎない醤油ベースで、関西ではよく見かけるものだと思う。麺は中太の縮れ麺、これもよくあるものだろう。スープを飲んでみると、何とも懐かしい味わいで、ラーメンというより「中華そば」と言いたくなる味わい。平凡だけど、こういうのってなんか好きなんですよね。

炒飯は少し少なめかもしれないが、分量的に不足はなく、ラーメンとセットで全部食べると満腹になってしまう店もあることを思えば、これでいいのだろう。店主のお爺さんが出す指示がかなり細かいもので、女性店員さんは「はい」と素直に従っているけどなかなか笑わせる。「中華そばと焼き飯」のセットの安さも魅力的だが、味も懐かしいもので固定客がわりと存在しているようだ。懐かしい味わいにほっとして、満足して店を出た。


【付記】
● 店構えからして、女性客が利用するのを想像できません。その後、何度か利用したのですが、ほぼ99.7%中高年男性が客層であるのがうかがえます。だけど不思議なもので、また行きたくなるちょっとした魅力があるんです。もちろん、お味が抜群とか、そういうことはなくて、ごく普通の中華料理店です。


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千日前、道具屋筋を歩く 喫茶店〈アメリカン〉

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現在住んでいる町は地下鉄の長堀橋が最寄りの駅になるのだが、これは店舗の物件を決めたとき、同じ不動産屋さんに住居も決めてもらうことにし、「店から歩いて帰ることのできる物件」という条件で話を進めた。長堀橋から非常に近く、5分以内で到着するほどである。長堀橋から店までも5分以内で行けるから、家から店まで10分以内で行き来できる便利さである。

御堂筋線の心斎橋で降りてもじゅうぶん歩いて帰ることができるし、クリスタ長堀という地下商業施設を歩けば、長堀橋、心斎橋、そして四つ橋と地下鉄の三つの駅がつながっている状態なのだ。心斎橋まで歩いて行ける、ということは、難波まで歩いて行けるわけで、今日はそうして千日前までやって来た。日曜日だけあって、道頓堀はものすごい人の賑わいで、もうえらいことになっている。

昼の一時半を過ぎていても、人気店には行列ができており、到底入ることはできない。そういえばまだ昼ご飯を食べていなかったな、と思い、千日前の喫茶店〈アメリカン〉に入った。ちょうど二人掛けの小さなテーブルが開いていたのでそこに座り、周りを見ると人がたくさん入っているではないか。昔からある老舗喫茶店だが、これほど人気があるとは思わなかった。

ここでカレーライスを食べるつもりである。ウェブログでお付き合い頂いている方の所で「金沢カレー」の記事を見たんだから仕方がない。もう一つの愉しみはアイス・コーヒーである。近頃のアイス・コーヒーはおしなべて薄味でコクがなく、飲んでいて楽しめぬものが多くなってしまった。〈アメリカン〉なら昔の濃くてコクのある、おいしいアイス・コーヒーが飲めるんじゃなかろうか。

American_02.jpgさて料理が来ましたよ。おお、何ともクラシックなカレーではありませんか。だけど福神漬け、分量が多すぎないか? そんなにたっぷり盛られると、そこだけご飯が赤くなってしまうじゃないか……まあいいか。食べてみると、何とも懐かしい味。辛さがかなり抑えられていて、なんだか給食のカレーを思わせる。ちょっと粉っぽいのもお約束なんだろうか。

そして、アイス・コーヒーが来ましたよ。写真でもその濃さがおわかりいただけると思う。うーん、これこれ、という感じである。シュガー・シロップとクリームが添えられているのも良い。植物性クリームがポーションで出てくるともう幻滅してしまう。それらを入れて混ぜ、ストローで飲んでみると……に、苦いっ! 近頃の薄いのに慣れきってしまった口にはかなり苦く感じる。

昔は大阪のアイス・コーヒーって、みんなこんな感じだったと思う。だけど苦いなあ、ものすごくビターは感じるんだけど、ちょっとコクが足りない感じがするのは気のせいだろうか。淹れるときに、えぐみまで出し切ってしまってるんじゃないかと想像する。悪くないんだけど、個人的には神戸の〈にしむら珈琲〉のほうが好きかもしれない。まあでも、濃いアイス・コーヒーが飲めて良かった。

今日は〈アメリカン〉のカレーとコーヒーが目的なのではなくて、千日前を南下した所にある道具屋筋に用があって、店で使う食器やグラスを検討したいのである。といっても、7オンスのオールドファッションド・グラスや8オンス・タンブラー、10オンス・タンブラーはネットですでに注文している。あとは水飲みグラスとかおつまみを入れるちょっとした器、飯椀と味噌汁の椀などだろうか。

American_03.jpg水飲みグラスはストレートとかオーバー・アイスでウィスキーを飲む際、チェイサーとして出すときに必要で、6オンス(180mlほど)くらいの、「まさにコップ」と言いたくなるようなものを選んだ。これを12個、店の席は9席あるので最初はそれくらいでいいだろう。もう一つは一番小さなガラスのボウルを12個、これは柿ピーなどを入れて出すのにちょうどいいのではないかと思う。

まだ12オンスのコリンズ・グラスとかカクテルグラス、シャンパングラス、ワイングラスも選ばないといけないのだが、一気に全部は無理である。昔はどこにでもあったように思うが最近ちっとも見かけなくなった、銅製か真鍮製の灰皿はないのですか、と店の人に訊いてみると、全くないというわけではないのだが、メーカーがなぜか作らなくなった、ということらしい。

考えてみると、道具屋筋まで来たということは、もう日本橋三丁目あたりまで来ているということで、ちょっと歩けば電子部品などを買う店が集中している日本橋五丁目ではないか。そうか、日本橋まで歩いて来られるんだ、と妙に感心してしまった。だけど、現実的には往復するのがちょっと大変だろうし、長堀橋から堺筋線の恵美須町で降りれば、目の前が日本橋五丁目なのである。

だから「日本橋」が目的だからと言って、近鉄とか堺筋線、千日前線の日本橋駅で降りると、そこは日本橋一丁目で、国立文楽劇場とか黒門市場に用事のある人にはいいけれど、電子部品とかアニメ、フィギュアなどのおたくグッズ(?)に用がある人は日本橋駅よりも難波で降りたほうがいい。だけど前から不思議に思っていたのは、なんで変な格好をした女の子たちは私(乙山)をスルーするんだろうか? ターゲットを絞り込んでいるってことなのか? 謎である。


【付記】
● 近頃は、変な格好の女の子たちがいる「メイドカフェ」が危ないそうです。宗右衛門町とか道頓堀とちがって、日本橋は「ノーマーク」であるらしく、悪質な風俗業者が流れ込んでいるという話を聞いたことがあります。もう一つは、宗右衛門町とか東心斎橋二丁目によくある「ガールズバー」で、ぼったくりも多く、高額を請求されてもめると、怖い人が出てくることもあるとか。どうかこの二つの店にはご注意ください。


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阪急神戸三宮駅周辺を歩く(6) 秀鳳飯店

Shuho.jpg
今回も所用で神戸に来ている。だが、所用で神戸に来るのはこれで最後。ウェブログで公表したから遠回しにいう必要もないんだけど、まあ給与所得者を辞めるわけである。長年お世話になった会社、辞めるからといって後足で砂をかけるような真似はしたくない。同じようなケースで有給休暇を最後に使いまくって辞めていった人を見たけれど、自分は同じようにできない。なんて言えばいいのだろう、そういうのは趣味に合わないのだ。

最後だからといって少し感傷的になる、などということはないのだが、それはたぶん神戸だからじゃないだろうか。昨年は堺や堺東に所用で通っていたが、その時は「もうこれで終わりなんだな」としみじみ思ったものだ。所用絡みではないだろうけど、何かの機会にまた神戸に来るはずで、これで終わりだとかいう気持ちにはどうしてもなれない。で、今日はまたもや三宮センタープラザの中華料理店〈秀鳳飯店〉に来ている。

〈秀鳳飯店〉はセンタープラザとさんプラザに挟まれた通路沿いにあり、隣が〈ラーメン屋段七〉なので知っている人も多いと思う。何度か前を通って見るたびに常に満席状態のようで、遠慮していたのだが、今日は店の前を通った瞬間、店員さんが「どうぞ」と声をかけてくれたので、ついふらふらと入店してしまったというわけ。おっ、いけるのか、と思ったけれどやはり相席に。小さな店構えだからか、ランチタイムでは相席必至。だけどまあ、いいではないか。

さて料理が来ましたよ。いつものように「ラーメンと炒飯のセット」である。ラーメンには焼豚、モヤシ、葱というたいへんシンプルなトッピング。だけどこの焼豚がおいしくて、たぶんどこかの店で焼いたものを取り寄せているんだと思う。日本のラーメンでチャーシューといえばだいたい「煮豚」のことだと思うけど、大陸系中華ではひもで縛った豚肉をたくさん吊るしてあぶり焼きにしているようだ。だから「焼豚」なのであって、神戸には焼豚の店がわりと存在している。

スープは醤油がしっかり使ってあるが「鶏ガラ」とか「とんこつ」などとはっきりわかる味ではない。なれど塩味はわりとしっかり付いているので一口飲んでうまいなあと思う味付け。店自体は大陸系中華(?)だと思うのだが、かなり日本人好みに振った味付けになっている。麺は中細の縮れ麺で、神戸の中華によくある細めのストレート麺とは少し違う。だからこれは、大陸系中華と日本のラーメンのちょうど中間くらいにあるように思う。

炒飯は写真をご覧になるとおわかりいただけると思うが、なかなかいい具合である。しかも分量がわりとあって、全部食べるとほぼ満腹状態になってしまうほど。惜しむらくは日によってご飯の出来不出来にばらつきがあり、ばっちりの時と、べちょっとしている時の差があるということだろうか。つまりね、それくらい私はこの店を利用したってことですよ。最初で最後、みたいな書き方をしているけれど、実はいちばんたくさん利用したのが〈秀鳳飯店〉ではないかと思う。

大きな店構えの老舗中華料理店は、一人だとなんだか居心地が悪い気がする。その点、これくらいの規模の店が一人客にはしっくりくるのだろう、利用客を見ても一人が多く、それもたいてい地元の人ではないかと思う。料理が出るのも早く、味も平均以上を保っており、それでいて値段は良心的なのだ。ただ一つ、ランチタイムは必ず相席になるのが難点だけど、慣れればあまり気にならなくなるものだ。大陸系中華なれど日本人一人客の「ツボ」を押さえた、良い店ではないかと思う。


【付記】
● 実際、何か用事がない限り、神戸に行くことはあまりなくなることは事実でしょう。一つ残念なのは、センタープラザの中で一番のお気に入りの店〈天濱飯店〉が、いつ行っても店が閉まっている状態なのです。もう一度、あのラーメンが食べたかった……今風の絶品ラーメンではありませんが、スープにえもいえぬ旨みがあって、また食べたくなるような何かが、あのラーメンにはありました。たんに休業しているだけであることを祈るばかりです。


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阪急神戸三宮駅周辺を歩く(5) ラーメン屋段七

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またまた神戸、三宮センタープラザに来ている。今回はセンタープラザとさんプラザを挟む通路沿いにあるラーメン店〈ラーメン屋段七〉に入店することができた。この店、以前から存在は知っていて利用してみたいとは思っていたが、かなり人気の店らしくいつ見ても満席状態で、すごいなあ、などと思いながら店の前を通り過ぎるだけだった。

その日、やはり〈ラーメン屋段七〉は客がたくさん入っているようなので、様子を見ながら前を通り過ぎようとしたとき、店員さんと目が合って、「どうぞ!」と声をかけてくれた。へぇ、入れるんだ、と思って初めての入店。あちらへどうぞ、とカウンターのいちばん奥の席へ案内された。やはり人気の店、ほぼびっしり詰まった状態で、一つだけ空いていたようなのだ。

メニューを見ると、ラーメンの種類が多いのに驚く。「台湾ラーメン」というのもあるが、たぶん台湾にはないだろう。どこかで名古屋発祥のラーメンだと聞いたことがある。それに加えて「つけ麺」というよくわからないのもあり、ご飯類も炒飯の他に「ミニ丼」が何種類もあるではないか。見ているだけで楽しいけれど、醤油ラーメンと炒飯のセットがあったので迷わずそれにした。

「ちっ、またかよ」とか「それしか知らないのかよ」とか言う声が聞こえてきそうだが、今までそれで通してきたのだから今更変えるわけにはいかない。というか、ラーメンと炒飯の双方が素晴らしいというセットにどこかで巡り合いたい、という気持ちもある。あれこれ食べ歩いているけれど、ラーメンと炒飯のどちらもうまい、というセットは滅多にないものだ。

Danshichi_02.jpgさて、まずはラーメンから来ましたよ。たっぷりのネギに焼豚、メンマとあって、下のほうに沈んでいるのは鶏のつくねだろうか。器が黒っぽいのでスープの色はわかりにくいが、醤油ラーメンとしては淡いほうではないかと思う。一口飲んでみると、おおっ、鶏ガラでスープを取っているというのがよくわかる、いい感じのスープ。麺は中太のストレートで、どこか半透明感があり、神戸の大陸系中華によくある白っぽい中華麺とは少し違う。

スープの塩分濃度については人それぞれだと思うが、大陸系中華のスープに比べると、若干塩分が濃い目になっているように感じた。日本のラーメンは、最初の一口を飲んだときに「うまい」と感じるように味付けしている節があり、最後まで飲むと後で喉が渇くことがある。それに対して、大陸系中華のスープは、一口目はちょっと薄いと感じるかもしれないが、最後まで飲んだときにちょうど良い具合になっている。

次いで炒飯も来ましたよ。全体に黒っぽい色をしているのは、何か醤油ダレのようなものを炒め合わせているんだろうか。頂上には豪華な感じのする煮豚(?)が乗せられているし、紅生姜も添えられている。本来、炒飯に添え物は不要だと思うが、紅生姜は付いていても別にいいかな、と思う。こってり仕上がった炒飯との組み合わせは絶妙で、日本人の誰かが最初にこれをして、それがかなり広まっているところを見ると、組み合わせとして「良い」と多くの人が感じているのではないか。

炒飯は油の回りも良くてなかなか旨い。ただ醤油ラーメンに醤油炒飯なので、個人的には炒飯に醤油ダレを使わず、塩だけで味付けするのがいいと思う。また、煮豚は豪華でいいのだが、ラーメンにも豚は入っているのだし、これを抜いた代わりに炒飯の卵をしっかり使うとかのほうがいいかも。以前の炒飯とは少し違うようなので、店としては進歩しているということなんだろう。全部食べてしまうと、かなり満腹になって店を出た。


【付記】
● 後で少し喉が渇き、腹持ちもかなり良かったのですが、やはりこういう味を日本人は好むんだな、というのがよくわかった次第です。これは優劣の問題ではなく、たんに「文化の違い」ということで、大陸の味(?)が多く残っている神戸の中華料理はやはり面白いなあと改めて思いました。


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阪急神戸三宮駅周辺を歩く(4) 信誠飯店

SinseiHanten.jpg
今回も三宮センタープラザで昼食をすますことにした。今日は**にしよう、と心に決めて店に入ろうとすると満員だった、ということはよくあるものだ。そんなとき、何か他の店にするしかないのだが、これという決め手もないまま、いたずらに歩き続けてしまうことも多い。じつは今回、そんなことになってしまったわけなんですね。センタープラザの西の端に焼そば専門店があって、目の前で鉄板で焼いてくれるんだけど、この店に行列ができていないことはない。

もう一つ必ず行列ができているのは、その焼きそば専門店を曲がって少し歩いたところにあるてんぷら屋さん。両店とも屋台を大きくしたような店構えなのに、どういうわけか必ずものすごい行列ができており、私(乙山)などは見ただけでそばを通り過ぎるだけである。何にしようかな、とかぼんやり考えながら歩いていると、いつの間にかセンタープラザの食堂街を一周して、いちばん初めに立ち寄って満員だった中華料理店まで来てしまった。

やれやれ、とか思いながらちらっと見るとまだ満席状態である。もう一度、同じ道を通るとカレー屋〈サヴォイ〉があり、近くに中華の〈八番館〉がある。ここはこの前食べたからなあ、とか思うのはウェブログの記事の種にしようという魂胆があるからだ。〈八番館〉を過ぎて少しの所に〈信誠飯店〉という中華料理店があったので、あまり考えず入店することにした。時間に限りがある身としては、あまり店選びで長考しているわけにはいかないのである。

赤色か黄色が使われることの多い中華料理店だが、この店は白い壁で下のほうは薄い緑色になっていて少し変わった雰囲気。だけど高級感とかお洒落な感じはなく(失礼)て、庶民的・大衆的雰囲気の中華料理店だと思う。お勧めとしてジャージャー麺や海老玉丼、葱ラーメンを推しているようだけど、私としてはメニューにあるのならば「いつものやつ」を選ぶ心づもりである。で、どうやらいけるようなので迷わずそれにした。

さて料理が来ましたよ。ラーメンは葱、モヤシ、焼豚のみの実に簡素なトッピング。スープの透明度はそう高くなく標準的で、麺は中太で少し縮れている感じもするストレートだろうか。スープを飲んでみると、鶏ガラが効いているのがわかる。しょうゆも少し使っているような色合いで、なかなかいい感じである。めんとの絡み具合というかバランスもよく、全体として具はいささか貧相なれど出来の良いラーメンではないかと思う。

ところが、炒飯は写真だけでもわかると思うが、油の回りが良くないぱさっとした仕上がりになっている。これはちょっと残念だなあ。炒飯の米粒はぱらっしていないといけないが、全体としてはふわっとしっとりしたものであってほしい。そして油はきつ過ぎてはいけないけれど、ある程度回っていないとうまく感じないもので、単純だけど仕上げは難しく奥が深い。ラーメンがわりと良かっただけに、余計に残念に感じてしまうものらしい。

やはり、ラーメンと炒飯の双方とも出来の良いセットは滅多にないものだと痛感した。もし炒飯の出来が良かったらたぶんリピーターになったかもしれない。今までいちばんいいなと思った炒飯は〈友屋〉のそれで、後日「炒飯一人前と半分ラーメン」というふつうの逆パターンのセットを頼んだほどである。けれどラーメンのスープが上品すぎて、日本のラーメンに慣れ親しんだ者にとってはいささか物足りぬ感じがした。ノックアウトさせてくれるセットは、いったいどこにあるんだろう?


【付記】
● 炒飯はいま一つの感じでしたが、ラーメンの出来からすると他の料理はおいしいのではないかと想像します。


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只野乙山

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⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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