JR元町駅周辺を歩く(14) 劉家荘

Ryukaso_01.jpg
神戸は北野坂のとあるバーで、バーテンダーに「昔ながらのラーメンでうまい店はありませんか」と尋ねてみた。バーテンダーは酒通であり、食通であることも多いので間違いなかろうというわけだ。ただ、今回は「昔ながらの」という条件が付いているのが違うところで、今様のラーメンにはあまり興味がない。教えてもらったのは〈劉家荘〉という店だが、ネットでも評判になっていて観光客で行列ができていた。

いつか行ってみたいものだとかねがね思っていたのだが、やっとその機会に恵まれた。この日は行列もなく、さっと入店することができた。一人の場合、一階のカウンターに座ることになるのだが、そこには鶏を焼いたものが並べられている。たぶん、鶏のあぶり焼(ロースト・チキン)なのだと思うが、これがこの店の名物のようだ。

なので、せっかくだからただのラーメンと炒飯のセットではなく、「焼鶏(しょうけい)ラーメンと炒飯のセット=930円」を注文してみた。ふつうのラーメンと炒飯のセットなら780円くらいだ。古くからやっている店だと思うが、店内は近頃改装した様子でなかなか綺麗な感じ。よくある油染みた中華料理店のイメージではなく、観光客に人気なのもわかる気がする。現に、若い女性が一人でカウンターに座って食べているではないか。

Ryukaso_02.jpgさて料理が来ましたよ。ラーメンは青梗菜と焼鶏だけというシンプルなトッピングで、スープは透明で醤油が使われている模様。店内は焼鶏の匂いが充満しているが、スープを飲んでみると、鶏がらスープがしっかり効いているのがわかる。うむ、これはうまいなあ。「神戸スタイル」のラーメンはスープが透明に近く、何が主原料なのかわからぬ味わいが多い中で、これは特別な感じがする。さすが、焼鶏を名物にしているだけのことはある。

麺は細めのストレートで、これはもう典型的な「神戸スタイル」のラーメンだと言っていいだろう。昔ながらの味わいなんだけど、鶏ガラがしっかり効いた良いスープのラーメンだ。肝心の焼鶏はどうかというと、これもなかなかおいしいと思う。ただちょっと高い「なんとか地鶏」を塩味でグリル焼きにして酢橘を絞ったものの味を知っているので、「ものすごい絶品」だとは思わない。

炒飯は具材を細かくしてあって、五目炒飯というような雰囲気ではなく、ごく普通の炒飯という感じではないか。油がしっかり使ってあるようで、かなりこってりしているがこういうのは嫌いではない。ラーメンのスープがおいしいので、炒飯を食べるのも楽しい。ラーメンのスープはこれくらいでじゅうぶんだと思うけど、近頃流行のラーメンからするとかなり「あっさり」に思えるのではないだろうか。

なので濃厚スープと背油たっぷりのスープをおいしいと感じる人からすると、いささか物足りぬものを感じるかもしれない。自分はいまどきのラーメンをこってりしすぎと感じるので、こういうラーメンがぴったりくる。これはじつに味わい深いスープで、スープの旨さからすると〈天賓飯店〉と並んで自分の記憶の中のランキング上位に入るんじゃないかと思う。たいへん満足して店を出た。


【付記】
● 神戸の大陸系中華のラーメンは、主原料が何かわからぬ味わいが多いのですが、〈劉家荘〉ははっきりと鶏がらスープだとわかる味わいでした。炒飯は平凡な感じがしたのですが、もし炒飯の出来が良かったら完全にノックアウトされていたでしょう。


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No title

だんだん「神戸系」「神戸スタイル」「神戸大陸系中華」という言葉が僕の頭の中で定着してきてしまっています。神戸に行くことがあったら、彷徨ってしまいそうですね。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
神戸はラーメン屋とか中華料理店が多いのに、「御当地ラーメン」がない、
そんな珍しい地域なんです。

それは京都発祥の「第一旭」が神戸にフランチャイズ展開する際、
「神戸ラーメン」を登録商標にした結果、いかなるものでも「神戸ラーメン」を、
名乗ることができなくなってしまった、ということなんですね。

ですが昔から神戸のラーメンに共通するある「スタイル」がありまして、
それを乙山は「神戸スタイル」のラーメン、と呼んでおります。
神戸にお越しの際は、ぜひ乙山の「神戸食べ歩き」を思い出してくださいね。
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