ブラックボトル(ブレンデッド)

今回は〈ブラックボトル〉を飲んでみた。以前から某酒の量販店でも見かけることがあって、存在だけは知っていた。以前なら「別に飲まなくてもいいか」という感じだったが、今は個人的理由で飲まなくてはいけないものになった。心境の変化ではなく、状況の変化ともいうべき時期に来ていて、周囲の変化に押し流される感じで、自分も変わらざるを得ないのだ。
梱包から取り出して「あっ」と思った。ボトルデザインがまるで違っているではないか! 以前はポット・スチルの形をした緑色のボトルだった。2014年出版の「物の本」*でも緑のボトルの写真が載っている。ということは、本当につい最近リニューアルされたということなのだろう。デザイン的には以前のほうが良いが、ブラックボトルなんだからこれでいい、のだろう。
物の本によると、ブラックボトルが誕生したのは1879年だが、20世紀半ば過ぎにはブランド権を売却し、他社がブラックボトルのブランドを継承して現在に至っている。それも幾多の会社が入れ替わっているので、創業の頃のブレンドとは変わってしまった。現在はポートエレンを除くアイラ島の七つの蒸留所の原酒に、ディーンストーンとグレーンがブレンドされているそうだ。
小さなグラスに注ぐと、グレーン由来と思われるアルコールの揮発、スモーキーさとピート香、わずかなヨード臭の後からフルーティーさも漂ってくる。口に含むとオイリーで、ナッツのような濃厚さがある。次にスパイシーさとスモーキーが混じった味わいが来て、その後ハーブ香を含んだモルトの甘みがやってくるが、この甘みは思いの外強い。
わずかに塩(潮)気を感じる。グレーン由来のアルコールの刺激は少なく、滑らかで飲みやすい。ピート香やスモーキーさはわりと感じられるが、ヨード臭は控えめ。フィニッシュの余韻は長めで、ヴァニラを思わせる香りが鼻腔を満たし、舌にはスパイシーさが続くが最後は麦の甘みと香りが残る。まるで正露丸のような、飲んだ瞬間「あっ」と思わせる衝撃度はない。
加水するとオイリーさとナッツのような濃厚さが後退し、甘さが前に出てくるのでたいへん飲みやすい。加水によって味のバランスが崩れるとまではいかないが、どちらかというと変化がよくわかるタイプに思えた。加水はトゥワイス・アップまでに抑えておいたほうが良いかもしれない。氷に注いで飲んでもうまく、甘みが凝縮されたように感じ、スモーキーさとピーティさが際立ってくるのだが、氷が溶けるにしたがってモルトの香りが現れてくるのが楽しい。
アイラモルトが七つもブレンドされているのはおそらく他にないだろう。以前私(乙山)はニッカのピュアモルト白を飲んで、ヨード臭が云々と頓珍漢なことを書いてしまったが、現在のピュアモルト白は余市のヘヴィピートモルトを使っているそうで、アイラモルトは含まれていない。ブラックボトルのほうがよっぽどアイラを思わせるので、アイラモルト入門としてお勧めできる。
梱包から取り出して「あっ」と思った。ボトルデザインがまるで違っているではないか! 以前はポット・スチルの形をした緑色のボトルだった。2014年出版の「物の本」*でも緑のボトルの写真が載っている。ということは、本当につい最近リニューアルされたということなのだろう。デザイン的には以前のほうが良いが、ブラックボトルなんだからこれでいい、のだろう。
物の本によると、ブラックボトルが誕生したのは1879年だが、20世紀半ば過ぎにはブランド権を売却し、他社がブラックボトルのブランドを継承して現在に至っている。それも幾多の会社が入れ替わっているので、創業の頃のブレンドとは変わってしまった。現在はポートエレンを除くアイラ島の七つの蒸留所の原酒に、ディーンストーンとグレーンがブレンドされているそうだ。
小さなグラスに注ぐと、グレーン由来と思われるアルコールの揮発、スモーキーさとピート香、わずかなヨード臭の後からフルーティーさも漂ってくる。口に含むとオイリーで、ナッツのような濃厚さがある。次にスパイシーさとスモーキーが混じった味わいが来て、その後ハーブ香を含んだモルトの甘みがやってくるが、この甘みは思いの外強い。
わずかに塩(潮)気を感じる。グレーン由来のアルコールの刺激は少なく、滑らかで飲みやすい。ピート香やスモーキーさはわりと感じられるが、ヨード臭は控えめ。フィニッシュの余韻は長めで、ヴァニラを思わせる香りが鼻腔を満たし、舌にはスパイシーさが続くが最後は麦の甘みと香りが残る。まるで正露丸のような、飲んだ瞬間「あっ」と思わせる衝撃度はない。
加水するとオイリーさとナッツのような濃厚さが後退し、甘さが前に出てくるのでたいへん飲みやすい。加水によって味のバランスが崩れるとまではいかないが、どちらかというと変化がよくわかるタイプに思えた。加水はトゥワイス・アップまでに抑えておいたほうが良いかもしれない。氷に注いで飲んでもうまく、甘みが凝縮されたように感じ、スモーキーさとピーティさが際立ってくるのだが、氷が溶けるにしたがってモルトの香りが現れてくるのが楽しい。
アイラモルトが七つもブレンドされているのはおそらく他にないだろう。以前私(乙山)はニッカのピュアモルト白を飲んで、ヨード臭が云々と頓珍漢なことを書いてしまったが、現在のピュアモルト白は余市のヘヴィピートモルトを使っているそうで、アイラモルトは含まれていない。ブラックボトルのほうがよっぽどアイラを思わせるので、アイラモルト入門としてお勧めできる。
【付記】
● 面白いブレンドでした。オイリーさとナッツの濃厚さ、スモーキーさと微弱なヨード臭、そしてモルトの甘みがそれぞれ味わえるなかなかのものです。スペイサイド・モルトが大好きで専らそればかり、という人でもいける……んじゃないかと想像します。
● 面白いブレンドでした。オイリーさとナッツの濃厚さ、スモーキーさと微弱なヨード臭、そしてモルトの甘みがそれぞれ味わえるなかなかのものです。スペイサイド・モルトが大好きで専らそればかり、という人でもいける……んじゃないかと想像します。


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