本当に焼いた焼きそば

ReallyRoastedNoodle01.jpg
家庭で焼きそばを作る場合、肉や野菜をフライパンで炒めたところに蒸した麺を入れて仕上げると思う。そのまま炒めてもいいだろうし、人によっては酒などを入れて蓋をして蒸し、最後に調味料で味を調えるのではないかと想像する。もちろんそれは焼きそばなんだけど、焼きそばというより「炒め合わせそば」というほうが実際に近いのではないだろうか。

上述の方法で作ると、ときに麺が柔らかくなりすぎることがあると気付いていた。もしかすると、大きな鉄板の上で両手にコテを持って作る屋台の焼きそばのようにうまくいかないのと、何か関係があるのかもしれない。だれでも簡単にできる焼きそばなのだが、店の焼きそばのように美味しくできた記憶がない。ああ見えて、じつは難しいのが焼きそばなのかもしれない。

YouTubeで何かの料理番組を何気なしに見ていると、焼きそばをホットプレートで作るとき、野菜と肉を炒める横で麺も焼いていたのを見た。なるほど、そういうやり方もあるんだなと感心し、自分も焼きそばを作るときに本当に麺を焼けないものだろうかと腐心していた。五目あんかけ焼きそば(什景炒麺)を作るときは実際に両面焼きにするのだが……

あんかけ焼きそばの麺を両面黄金に仕上げるにはかなりの量の油が必要である。先に麺を焼いてから中華あんを作る手間もかかるし、同時にするならフライパンが二つ必要になるのでどうも気が引けてしまう。何かいい方法はないものだろうか。たとえば油を控えめにしてフライパンも使わないで焼く、などとという裏技ができればたいへん都合がいい。

フライパンを使わないというところで、魚焼きグリルを活用することを考えた。魚焼きグリルで麺を焼くのは全然合ってないような気もしないではないが、できぬわけではない。魚焼きグリルを予熱している間に麺を袋から出し、別のビニール袋に入れる。そこに油大さじ一杯程度を加え、麺をほぐしながら全体に油を絡めておく。金属の平皿か、なければアルミホイルの上に麺を広げてグリルに入れる。

ReallyRoastedNoodle02.jpg時間はわりとかかる。写真一枚目は実際に焼いてみたところだが、片面4~5分くらいだろうか。好みの焼き色が付いたところで裏返して3~4分焼く。その間に豚肉をフライパンで炒めておき、火が通ったらいったん火を止めておけばよい。麺が焼けたらフライパンに入れ、軽く塩・コショウで味付けをし、葱も投入して最後の調味は酒と醤油で行った。好みで焼きそばソースを使えばいいと思う。

すべての具材に火が通っているので最後は調味料を麺全体に馴染ませるのが目的で、フライパンで麺を炒める必要はない。さて、「本当に焼いた焼きそば」ができましたよ。具材は豚肉と葱だけで作っているが、冷蔵庫に他の物がなかったというだけの話で、好みで何か入れるといいのではないかと思う。で、その味は……というか、決定的な違いは「噛み応え」とか「歯応え」じゃなかろうか。

ふつうに炒め合わせただけの焼きそばは麺が柔らかめに仕上がるのに対して、本当に焼いた焼きそばは噛み応えがじつによい。ただ、グリルで焼くときに水分もわりと飛んでしまうようで、いささかパサつく感じがする。このあたりは好みが分かれるところじゃないだろうか。なので万人にお勧めするわけにはいかないが、硬めの麺が好きな人や歯応えを重視する人は、まるで別の物を食べているような感じがするに違いない。


【付記】
● 本当に焼いた焼きそば、なかなか面白いものでした。ですが「段違いのうまさ」とか「従来とは一線を画す」などと言えぬところがあって、手間がかかるわりには大したことないじゃないか、と感じる人もいるのではないかと想像します。一度騙されたと思ってなさってください。すると、騙されたことにお気づきになるはず(おいおい)です。

ぱさっとした感じが苦手な方は、めんと具材を最後に合わせる段階で酒とか鶏ガラスープなどを加えて「水をもどしてやる」ことで解決するのではないかと思います。


人気ブログランキングへ blogram投票ボタン
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

いつも楽しく拝読させていただいています。
東京下町育ちなものでソース・ジャンク・フード(焼きそばに失礼か?)に反
応してしまいました。
私もあの蒸らした感じの麺は苦手なので、自分のキモは水は使わずとにかくフ
ライパンをできる限り高温に熱し(今のガス台はこれが難しい!)、一気に炒
めるのと、先に麺を電子レンジで袋ごとチンしておくことでしょうかね。
そうは言っても焼かないカップ焼きそばも好きですから、節操が無いというか…。

Re: chooringさん

chooringさん、コメントありがとうございます。
焼きそばって、簡単なようで意外と奥が深いですね。
好みによってどんなふうにも作られますし、それぞれの良さがあります。

鉄製のフライパンだと高温にすることもできますが、
テフロンはあまり高温にはできませんから困ったものです。
今回の焼きそば、じつは「マーブル加工」というフライパンで作ったのです。

カップ焼きそばは、あれはあれでうまいですねえ!

No title

私はいつも油で焼いてから、全体を炒めるようにしますね。どんな安物の麺でもそっちの方が味も香りもよくなりますよね。おまけに歯ごたえも…。
ちなみに蒸すっていうのもあるらしいですね。そうすると麺が茶色くなるらしいですが・・・
そういえば我が郷土の焼きそばの麺は最初から茶色かったけれど・・・蒸したものを売っていたのかなあ・・・

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
おおっ、いつも麺を油で焼いてから……やりますねえ!
蒸すっていうのは、ホットプレートで大量に作るときなど、
肉とか野菜を焼いた上に麺を広げて、酒などを入れて蓋をするわけなんです。
そうすると、大量に焼きそばができるのですが、色に変化はありませんでしたよ。
そもそも、売っているのはすでに蒸した麺なんですけどね。
プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

⚫︎ 下の「全ての記事を表示する」をクリックすると、全記事のタイトル一覧が出ますので過去記事を参照することができます。

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

カレンダー
02 | 2017/03 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
最新コメント

openclose

最新トラックバック
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アーカイヴ

2017/03 (7)

2017/02 (4)

2017/01 (1)

2016/06 (1)

2016/05 (13)

2016/04 (13)

2016/03 (20)

2016/02 (10)

2016/01 (11)

2015/12 (10)

2015/11 (10)

2015/10 (11)

2015/09 (13)

2015/08 (10)

2015/07 (11)

2015/06 (10)

2015/05 (10)

2015/04 (10)

2015/03 (11)

2015/02 (9)

2015/01 (11)

2014/12 (9)

2014/11 (10)

2014/10 (11)

2014/09 (10)

2014/08 (10)

2014/07 (10)

2014/06 (10)

2014/05 (11)

2014/04 (10)

2014/03 (10)

2014/02 (9)

2014/01 (11)

2013/12 (9)

2013/11 (10)

2013/10 (10)

2013/09 (10)

2013/08 (11)

2013/07 (10)

2013/06 (10)

2013/05 (10)

2013/04 (10)

2013/03 (11)

2013/02 (9)

2013/01 (11)

2012/12 (9)

2012/11 (10)

2012/10 (11)

2012/09 (10)

2012/08 (10)

2012/07 (10)

2012/06 (10)

2012/05 (11)

2012/04 (10)

2012/03 (10)

2012/02 (10)

2012/01 (9)

2011/12 (9)

2011/11 (10)

2011/10 (10)

2011/09 (10)

2011/08 (10)

2011/07 (9)

2011/06 (9)

2011/05 (10)

2011/04 (8)

2011/03 (8)

2011/02 (12)

2011/01 (12)

2010/12 (12)

2010/11 (13)

2010/10 (15)

2010/09 (15)

2010/08 (14)

2010/07 (16)

2010/06 (17)

2010/05 (21)

2010/04 (18)

2010/03 (20)

2010/02 (23)

2010/01 (27)

2009/12 (27)

2009/11 (27)

2009/10 (26)

2009/09 (24)

2009/08 (19)

2009/07 (21)

2009/06 (30)

2009/05 (26)