JR元町駅周辺を歩く(5) 丸萬食堂

MarumanShokudo01.jpg
神戸には南京町、元町通り、三宮センター街と人通りの多い商店街があるけれど、元町本通りとか三宮本通りという少し小さな商店街もある。人通りのいささか少ない商店街を目的もなくぶらぶら歩くのが好きで、時間のある時はそんなふうにしているが、これこそ「遊歩」なのである。拙ウェブログの名前もそこから来ている。そんなわけで今回は元町本通りを歩いた。

商店街の中ほどを過ぎたころ、いかにも昔からやっているような中華食堂があった。店頭にはガラスに入った料理の模型があって、昭和の雰囲気が流れている。萬を丸で囲んだ〈丸萬食堂〉という看板もなんともレトロスペクティヴで、もうこういう店を見たら入らずにはいられない性格である。何かマグネティズムのようなものに引き寄せられるようにして店に入った。

店内も昔ながらの雰囲気で、何とも懐かしい感じがして妙に落ち着く。メニューを見ると中華そばに「しるそば」とか、什錦炒麺に「ごもくやきそば」などととルビがふってある他、なぜかチキンライスとオムライスがあるのが何とも不思議である。本当にチキンライスとかオムライスを頼む客がいるんだろうか。お昼のサービス定食とサービスランチというのがあるんだけど、定食とランチの区別っていったい……

サービス定食Aは炒麺とライス、Bはラーメンとミニ炒飯、Cは雲呑とミニ炒飯とあり、いずれも850円。ここは例によってB定食を選んだ。以前〈楽園〉でも雲呑と炒飯のセットがあるのを見かけたが、これは日本の中華料理店ではまず見かけることのない組み合わせである。よほど雲呑に自信があるのだろう、いつかそのセットを食べてみたいものだ。

MarumanShokudo02.jpgさて料理が来ましたよ。おおっ、このスープの透明度の高さは今まで見た中で最高のものではないだろうか。まず一口飲んでみると、何ともあっさりした味わいである。鶏ガラか中華ハムか、あるいは豚の上湯スープだと思うが、たとえば鶏ガラがしっかり効いているというわけでもなく、いったい何のスープだろうと思わせる味わい。じつに面白いではないか。

麺は平麺で、ストレート中細麺が多い神戸では少数派(?)かもしれない。たしか〈丸玉食堂〉の汁そばもこんな平麺だったんじゃないだろうか。たっぷりのモヤシの下に焼豚、そして葱というシンプルなラーメンだ。炒飯の横にはなんとタクアンが! この組み合わせを見たことはないなあ。以前堺東の〈ふあんてん〉で炒飯につぼ漬けが添えられているのを見たけど、ふあんてんも真っ青のタクアンである。

炒飯はしかし、あまり感心しなかった。米飯がね、べちょっとしているんですよ。炒飯はやはり、ぱらっとしていてほしい。油がかなり控えめで、たいへん薄味になっていて、なるほどこれなら、タクアンとも相性がいいかもしれない。そこまで計算して作っているとしたら、逆にすごいことじゃなかろうか。ラードがしっかり効いた、濃いめの味付けが好きな人には向かないと思う。

中華料理といっても色々あるんだなあ、とつくづく感心する。丸萬食堂は地元の人に愛される中華食堂なんだろうな。雲呑麺とか雲呑の評判がいいらしいから、今度はぜひ雲呑麺か雲呑と炒飯のセットを頼んでみようと思う。とかなんとか言いながら、またしてもラーメンと炒飯セットを注文してしまいそうである。雲呑と炒飯のセットは、いつになったら食べることになるのであろうか。


【付記】
● スープの透明度の高さは本当に驚きました。塩加減が絶妙で、初めはちょっと薄く感じるのですが全部食べた後でちょうど良いことがわかる感じなのです。このスープが大好きだ、という人が少なからず存在するのがなんとなくわかる気がします。


人気ブログランキングへ blogram投票ボタン
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

こりゃまた・・・透明度が高いですね。
ただの「お湯」?・・・って感じですね。もちろん塩味ですよね。
モヤシが合うんだろうな。

こんなスープがあるから、雲呑にも自信があるんじゃないのでしょうか・・・

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。

> こりゃまた・・・透明度が高いですね。

そうでしょう! えらく透明なスープじゃないですか。
たぶんこれは醤油をほとんど(あるいは、まったく)使っていませんね。
豆板醤とか豆鼓醤のように、大豆を原料とした調味料はあるのでしょうが、
日本の「しょうゆ」のような調味料は、大陸にはないのかもしれません。

たぶん「神戸スタイル」ラーメンの原型なのかもしれません。
プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

⚫︎ 下の「全ての記事を表示する」をクリックすると、全記事のタイトル一覧が出ますので過去記事を参照することができます。

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新コメント

openclose

最新トラックバック
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アーカイヴ

2017/08 (5)

2017/07 (9)

2017/06 (9)

2017/05 (9)

2017/04 (8)

2017/03 (9)

2017/02 (4)

2017/01 (1)

2016/06 (1)

2016/05 (13)

2016/04 (13)

2016/03 (20)

2016/02 (10)

2016/01 (11)

2015/12 (10)

2015/11 (10)

2015/10 (11)

2015/09 (13)

2015/08 (10)

2015/07 (11)

2015/06 (10)

2015/05 (10)

2015/04 (10)

2015/03 (11)

2015/02 (9)

2015/01 (11)

2014/12 (9)

2014/11 (10)

2014/10 (11)

2014/09 (10)

2014/08 (10)

2014/07 (10)

2014/06 (10)

2014/05 (11)

2014/04 (10)

2014/03 (10)

2014/02 (9)

2014/01 (11)

2013/12 (9)

2013/11 (10)

2013/10 (10)

2013/09 (10)

2013/08 (11)

2013/07 (10)

2013/06 (10)

2013/05 (10)

2013/04 (10)

2013/03 (11)

2013/02 (9)

2013/01 (11)

2012/12 (9)

2012/11 (10)

2012/10 (11)

2012/09 (10)

2012/08 (10)

2012/07 (10)

2012/06 (10)

2012/05 (11)

2012/04 (10)

2012/03 (10)

2012/02 (10)

2012/01 (9)

2011/12 (9)

2011/11 (10)

2011/10 (10)

2011/09 (10)

2011/08 (10)

2011/07 (9)

2011/06 (9)

2011/05 (10)

2011/04 (8)

2011/03 (8)

2011/02 (12)

2011/01 (12)

2010/12 (12)

2010/11 (13)

2010/10 (15)

2010/09 (15)

2010/08 (14)

2010/07 (16)

2010/06 (17)

2010/05 (21)

2010/04 (18)

2010/03 (20)

2010/02 (23)

2010/01 (27)

2009/12 (27)

2009/11 (27)

2009/10 (26)

2009/09 (24)

2009/08 (19)

2009/07 (21)

2009/06 (30)

2009/05 (26)