『L.A.コンフィデンシャル』

『L.A.コンフィデンシャル』(1997年、アメリカ映画、138分)

LAConfidential.jpg
原題:L.A.Confidential
原作:ジェイムズ・エルロイ
監督:カーティス・ハンソン
出演:ケヴィン・スペイシー、ラッセル・クロウ、ガイ・ピアーズ、ジェームズ・クロムウェル、キム・ベイシンガー、ダニー・デヴィートほか


『ユージュアル・サスペクツ』(1995)でロジャー "ヴァーバル" キントを演じたケヴィン・スペイシーに惚れ込んで、彼が出ている映画ということで以前見たことがある。舞台は1950年代のロサンゼルス、マフィアのボスが逮捕されたことでマフィアの抗争が激化する中、クリスマスにロサンゼルス市警でも「ちょっと一杯」をやっていた。だが拘置所でメキシコ移民系の容疑者が警官を罵ったことから騒動が起こった。

すぐに激昂するタイプのディックは、すぐさま容疑者に暴行した。ちょっと遠目に見ていたヴィンセント(ケヴィン・スペイシー)だが、服に血がついたことで容疑者にパンチを食らわせる。何とか止めようとする若手のエド(ガイ・ピアーズ)だが、警官たちから「引っ込んでろ」とトイレに押し込められてしまう。かなりの大騒動になり新聞にも出てしまった以上、何事もなかったことにすることはできず、内部調査をすることになった。

尋問を受けても「仲間を売ることはできない」と黙秘を決め込むヴィンセントに対し、エドは「自分は正義を貫く」として暴行事件の首謀者の名前を挙げた。この結果、ディックたち数名は免職処分になり、エドは階級を上げた。ところが数日後、とあるカフェで6名が惨殺される事件が起き、被害者の中には元刑事のディックがいた。相棒を失ったうえ、殺されてしまったバド(ラッセル・クロウ)は、義憤に燃えて何とか犯人を見つけ出してやろうとする。

ヴィンセント、バド、エドの三人の男が、事件を追っているうちにロス市警内部の腐敗に直面する、という筋なんだけど、それぞれ個性があってだれが主役であってもおかしくないほどである。ヴィンセントはロス市警の活躍を描くテレビドラマのテクニカル・アドバイザーをしており、実務派というよりはロス市警の広報担当といったところ。新聞記者のシド(ダニー・デヴィート)に情報を流して裏金を受け取るということも平気でやる。

幼い頃に父親が母親を暴行によって死なせてしまうのを見たバドは、女性に暴力をふるう男を許すことができず、クリスマスの日も女性の悲鳴を聞いた彼は家に駆けつけ、暴力をふるう夫から妻を守った。互いの正義感の違いからエドとはしょっちゅう対立している。カフェの惨殺事件を追うバドは、聞き込み捜査で娼婦のリン(キム・ベイシンガー)に接するうちに、次第に彼女に惹かれてゆく。

35歳で殉職した伝説的刑事を父に持つエドは、警察学校を首席卒業したエリート刑事で、上司のダドリー(ジェームズ・クロムウェル)から内務調査官になるよう説得されるが、父を越えたいという気持ちもあって勧めを断る。密告者として同僚たちからは疎んじられるものの、冷静な思考と判断による作戦行動が次第に認められていく。リンを巡って三角関係になったバドと殴り合いを演じるが、捜査を進めるうちにバドとの間に奇妙な友情のようなものが芽生える。

三者三様それぞれなんだけど、いちばん印象に残るのはと言えば、バド(ラッセル・クロウ)だろうか。あの面構えがもう何とも言えませんね。本当にタフなヒーローが似合いそうな感じだが、すぐに切れてしまいそうな危険な性格なんだと顔に書いてある。そういう危険な男に、女は惹かれてしまうのだろうか。三人の中で、濡れ場が一番似合うのがラッセル・クロウだと思う。

自分(乙山)が三人の中でだれにいちばん近いかあえて選んだら、たぶんヴィンセント(ケヴィン・スペイシー)じゃないかと思う。外面は良くて実務は適当に……これって、なんだか自分のことみたいじゃないか。私は絶対、エドほどまじめで正義感がある人間じゃないし、バドのようにタフな男でもない。というか自分は絶対、あんなタフな男にはなれないんだ……この映画を見ながら、そんなことを考えた。ちなみに、ヴィンセントだって「やるときにはやる」人なんですね。


【付記】
● 喧嘩や力比べだけでタフが決まるわけじゃないさ、と自分に言い聞かせるようにしています。いろんなことでタフさが必要とされることがあるんじゃなかろうか。あっ、ちがうちがう、そもそもタフさを必要とする人って、タフじゃないからそうするんであって、わざわざタフを求める必要がない人が本当の意味で強い人なんじゃないかな、などと思いました。


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