ブキャナンズ12年(ブレンデッド)

Buchanans12yo_01.jpg
つい最近、ちょっとデラックスなブレンデッド・スコッチとして〈ヘイグ "ディンプル" 12年〉を飲んだが、今回は〈ブキャナンズ12年〉である。前者と同時に通販で購入しただけで、じつは後者は日本で販売されていない。正式に輸入業者が取り扱っていないだけなのだが、どういうわけかジェームズ・ブキャナン社の〈ブラック&ホワイト〉と〈ロイヤル・ハウスホールド〉だけが日本に入ってきているようである。

ブラック&ホワイトしか飲んだことがないけれど、ジェームズ・ブキャナン社はかつて〈ストラスコノン〉を出しており、1980年代後半にそれを見たときには「いつか飲んでみたいなあ」と憧れていた。洋酒天国時代になってもなぜかストラスコノンを見かけることはなく、いつの間にか終売になっていた。今もどこかにオールドボトルが存在すると思うけど、恐ろしく高い値段になっているに違いない。

ロイヤル・ハウスホールドといい、ストラスコノンといい、何とも魅惑的なスコッチを出す同社だが、その味の片鱗をうかがうにはブラック&ホワイトしかなく、もっぱらそれを飲むしかないわけだ。ブラック&ホワイトの何とも軽やかな味わいは、人によっては物足りぬかもしれないほどで、ソーダ・ハイボールもやらぬほうがいいような気がした。では、ブキャナンズ12年はどうなんだろうか?

まずはストレートでやってみる。プラムを思わせる香り、アルコールをわりと強く感じる。口に含むと、じつに軽やかな味わいでわずかにハーブ香を含んだモルト、そして蜂蜜を思わせる控えめな甘みが中心で、次いで微弱だがピート香が来る。塩気(潮気)はなく、うっとりするようなエステリーさも感じない。フィニッシュの余韻は短めで、わずかにヴァニラ香とピート香が鼻に、スパイシーさが舌に残る。

Buchanans12yo_02.jpg氷に注いで飲むと、甘みが凝縮されているように感じる。ストレートもいいが、こちらのほうが合っているかもしれない。若干氷が溶けてきたほうが良いと感じるということは、ストレートの場合も少し加水したらベストポイントが見つかるかもしれない。バーで、ウィスキーが氷に解けてゆくのをゆっくり待ちながら飲む、なんてのが似合うウィスキー。古典的かつ端正なブレンドで、この傾向(味にあらず、念の為)はディンプルに似ている。

こういうウィスキーは、濃いめ水割り(1:1水割り)に合うんじゃなかろうか。早速、8オンス・タンブラーに氷を入れ、そこにブキャナンズ12年30mlと同量の水を注いで飲んでみた。思った通り、甘さが際立ち、このウィスキーの「核」がしっかり残っているのがわかる。ああ、これはいいですね。あまり一般的ではないが、本当においしいんだからバーでも堂々と、「1:1の水割りで」とか「1:1をロックで」と注文したらいいと思う。

最後に、ソーダ・ハイボールで(おいおい)やってみますか。ここではウィスキー30mlを10オンス・タンブラーに注いで8分目まで満たした1:2ハイボール。ソーダと合わせることで、何かが助長されることはなく、元々持っていた繊細な部分が隠れてしまう傾向に思える。だけどこれはこれで、悪くない。なかなかいいスコッチ・ソーダではないだろうか。ブラック&ホワイトがどんなだったか、ちょっと飲み比べてみたくなった。


【付記】
● かなり軽いのですが、ブキャナンズ12年は良いスコッチだと思いました。傾向としてはヘッジス&バトラー5年、ディンプル、ブキャナンズ12年、この三者は似ていると思いました。ただこれ、日本で正式販売してないんですよね。通販で買うしかありませんが、ロイヤル・ハウスホールドを飲む前に、ということでお勧めします。


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No title

おお、これは又稀少な酒を入手されましたね。
通販でも扱っているところは僅かだったと思いますけど、インプレッションの記事も殆ど見かけませんね。

確かにロイヤルハウスホールドは結構な値段で取引されていますし、この会社の酒を飲もうと思うとブラック&ホワイトくらいしかありませんねぇ…。

話によればロイヤルハウスホールドも比較的穏やかな酒だと言いますし、記事を拝見してある程度の予想がついてとても参考になりました。
有り難うございます。

身辺のバタバタが終わった時に、私はディンプル15年をゆっくり味わおうかと思ってます。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ジェームズ・ブキャナン社って、妙に魅力のあるやつを出すんですよね。
ストラスコノンは本当に憧れの一本でした。

ブラック&ホワイトもそうですが、ブキャナンズ12年も軽いです。
スモーキーさとピート香はわずか、かといってヴァニラ香とカラメル香も弱い。
穏やかな味わいなんですが、パンチの効いたところがないのです。

あまり期待して飲むと、あれっ、と肩透かしを食らうタイプですね。
ディンプル12年もそうでした。ヘッジス&バトラー5年もその傾向だと思います。
だけど、ディンプル15年は楽しみですね!
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只野乙山

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