ちゃんぽん調査隊(9)



〈遊歩者 只野乙山〉 冬季限定企画
【ちゃんぽん調査隊】



Fuanten_Champong.jpg
比較的暖かい日が続いていたのだが、ここの所急に冷え込んできて、気温が10℃を下回るようになってしまった。こうなると、室温も20℃を下回るようになるので、とうとう暖房装置を稼働することになった(12月7日)。食べ物も、何かあたたかい物を食べたくなるので、連日「鍋」ということになる。昆布出汁に具材を入れただけの「水炊き」や、ヒガシマルうどんスープで味を付けて煮る「寄せ鍋」などだ。

昼食もあったかい物を、ということで迷わず「ちゃんぽん」である。今回は以前ラーメンとチャーハンのセットを食べた堺東の〈ふあんてん〉でちゃんぽんを食べるつもりで入店。三世あるいは四世くらいかと思われる大陸系の中華料理店で、メニューはすべて漢字で書いてある。ところが、ちゃんぽんは「チャンポン麺」となっている。そのほか「キムチ」も片仮名になっているので、これらが「外国」のものだというのがわかる。

日本各地に広まっていると思われる、しょうゆベースでとろみのあるスープの「ちゃんぽん」は、いったいどこで生まれて広がっていったのだろう? 宮城出身の方が「郷土では醤油ベースでとろみのあるチャンポン」と仰っていたので、おそらく九州と北海道を除いたあまねく地域に、昔ながらのちゃんぽんは広まっていると思われる。長崎ちゃんぽんは〈四海楼〉が発祥だとされているのに対し、昔ながらのちゃんぽんは謎が多い。

さて料理が来ましたよ。おっ、これはしょうゆベースでとろみがついた「昔ながらのちゃんぽん」ですね。豚肉、イカ、キャベツ、モヤシ、葱、人参、キクラゲと野菜たっぷりで、スープは穏やかなしょうゆ味。生姜はきいていないが、最後まで飲み切ることのできる味付けになっている。そして麺は、長崎ちゃんぽん風の太いものではなく、ごく普通の中華麺をゆでているところがいい。カマボコは入っていないが、これが正しい(?)昔ながらの中華ちゃんぽんである。

この〈ふあんてん〉、なかなかの人気店のようで、今日もテーブル席はいっぱいだったので円卓に座って相席となった。私(乙山)の後から「ラーメンとチャーハンのセット」を注文した人は、私より早く食べ終わって席を立った。チャーハンに添えられた漬物を残しているのが見えたけど、やっぱりあれは不要なんだと思う。私とほぼ同時にちゃんぽんを食べ始めた女性客二人は、他に餃子も注文したようだ。

ちゃんぽんは、ゆっくりと時間をかけてすべて食べ切るようにしている。店内の暖房がきいていれば、上着を脱ぎたくなるほど体が温まってくる。本当にかなりゆっくり食べたので、例の女性客二人が私より先に席を立ったほどだ。見ると、ちゃんぽんのスープを残しているようで、やはりちゃんぽんすべてと餃子を食べると、分量が多くなりすぎるのだと思う。もちろん私は残さず、全部食べ切って席を立った。

レジで支払いをすると、定価800円に消費税がかかって850円となった。味と分量に満足しているのでそんなに高いとは思わないけれど、ちゃんぽんってやっぱり600~700円前後が適正価格なんじゃないだろうか。850円て、もう中華定食じゃないですか。そうか、もう中華定食=1000円が普通、という時代が来ようとしているのかもしれないな、なんて考えながらさらに街を歩いた。


【付記】
● とろみのついたちゃんぽん、久しぶりに食べました。ちゃんぽんをいろいろ食べていると、少しずつですがとろみのないほうへシフトしているのではないかという気がしました。気のせいであってもらいたいものですね。


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No title

おはようございます。

醤油味のあんかけ、そして普通の麺。
ちゃんぽん、、、、
北海道ではめったにないですねえ。
以前、ツボダイという魚のことを記事に書いたら乙山さん、
そんなのきいたことないって。
ん〜、やはり地方によってちがうものなんですねえ、ちゃんぽん。

それは広東麺とはちがうのでしょうか?
はやめに食べないとあんかけがゆるくなるので楽しいですそういうの。
たしかにあんかけにひかれる季節です。
うまそう、きょう食べようと思いますあんかけラーメン。

HOBO

Re: HOBOさん

HOBOさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
しょうゆベースでとろみのあるちゃんぽん、
たぶん北海道と九州以外の地域ではふつうに存在すると思います。

広東麺とたいへんよく似ていますが、少し違うのです。
広東麺はちょうど八宝菜と麺を合わせたような食べ物ですが、
あんかけちゃんぽんは、白菜を使わずキャベツを使うんですね。
モヤシが入っていたり、玉ねぎが入ることもあります。

広東麺よりさらにくだけた料理で、余り物の具材で適当に作った感じ、
それが「あんかけちゃんぽん」ですが、ふつうは「ちゃんぽん」と言って、
わざわざ「あんかけ」を付けることはありません。
最近、長崎ちゃんぽん風のものが出回っていることが多く、
それと区別するために「あんかけちゃんぽん」というようになったんですね。

No title

只野乙山さん、こんにちは。

そうですか、ちゃんぽんは
北海道と九州以外では、当たり前にあるものなのですね・・・・
野菜も沢山入って、手間もかかるので、やはり高くなるのはしょうがないのかもしれませんね。

あら?
ツボダイはそちらにないのですか?
脂が乗って美味しいですよ。

食は本当に深いですね。
面白いです。

^^

久し振りのちゃんぽんネタですね。
ああ。お腹が鳴るな~食べたい!w

野菜不足気味の今のワタクシには。
ちゃんぽんがピッタリなんですけど。
糖尿病では完食ままならずです。
(完食しないと勿体ないですからw)

寒い日に食べるちゃんぽんは格別でしょうね^^)/

No title

これはなかなか良さそうなちゃんぽんですね。
以前にもお話ししましたが、私のよく行っていたラーメン屋でも『ちゃんぽん』といえばこれでしたね。
でもここのお店ほど綺麗なものではなくて、それこそ記事に書いておられる様なあり合わせの具材を放り込んだようなものでした。

これがとろみがキツくって、麺をすくうと丼が空になるような勢いでして。
そのうち麺がのびてきて、喰っても喰っても減っていかないという無間地獄に陥ったのでした。

久しぶりに行こうかと思ったら『王将』とか『天下一品』に押されたようで、誰知らずひっそりと店をたたんでおりました。

最近は即席麺でチャンポンもどきを作って昔を偲んでおります。

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
しょうゆベースでとろみのある「ちゃんぽん」は、
中華料理店でふつうにメニューにあるものです。

ですが近頃、それが長崎ちゃんぽん風に変わりつつある、
そんなふうに感じましたので、調査隊を始めたわけです。
本来、高級食材は使わぬようなものですので、
あまり高いのはちょっと違うなあ、という感じがするんですね。

> あら?
> ツボダイはそちらにないのですか?
> 脂が乗って美味しいですよ。

あるところにはある、のかもしれませんが、
全く見たことがないですね。
ホッケも、居酒屋で流行りだしてからスーパーにも並ぶようになったんです。
それまではホッケのことを知りませんでした。

Re: ^^ ; waravinoさん

waravinoさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ちゃんぽんは分量が多いですからね、糖質制限している方には難しいでしょうね。
麺を半分にして、野菜をたくさん入れた自家製ちゃんぽん、
そんな感じでどうでしょう?

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ちゃんぽんはとろみがあったほうがいいですが、
とろみのきつ過ぎるのは仰るように困りものですね。

中華丼とか天津飯、八宝菜くらいのとろみではなく、
今少し、ゆるめにとろみを付けているのがベストではないかと。
この店のとろみ加減はばっちりでしたね。

> 最近は即席麺でチャンポンもどきを作って昔を偲んでおります。

自分でちゃんぽんもどきを作るのはいいアイディアですね。
野菜をたっぷり入れることができますし、
味付けもかなり自分好みにできますものね。

No title

めっちゃ寒くなりましたね~
朝ふとんから出るのがハンパ無くつらいのですが、この
ちゃんぽんスープを飲めば一気に目覚められそうです(笑)
醤油ベースに野菜のやさしい甘みと旨味がきいたトロミの
あるスープ・・・
考えるだけでも体があたたまりそうです♪

Re: zumiさん

zumiさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
本当に寒くなりましたね、やっと吐く息が白くなりました。
なにかあったかい物がおいしい季節です。

ちゃんぽん調査隊は冬季限定企画なんです。
寒くて仕方がない季節、何かあったかい物を食べて元気になろう、
そんな考えもあってのことなんです。
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只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

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