ちゃんぽん調査隊(8)



〈遊歩者 只野乙山〉 冬季限定企画
【ちゃんぽん調査隊】



Tamamitei_Champong.jpg
「遊歩者 只野乙山」では冬季限定企画として「ちゃんぽん調査隊」を立ち上げている。他の企画「日本のウィスキーを飲む」に比べて更新頻度がかなり少ないので、なかば忘れかけられた企画といえるかもしれない。今回は、南海高野線堺東駅周辺の店〈玉味亭〉でちゃんぽんを食べた。つい最近、〈玉味亭〉で中華丼を食べたのだが、その際、この店のちゃんぽんを食べてみたい、という気になったのである。

〈玉味亭〉は本当に小さな中華料理店で、「堺山之口商店街」を北に抜けて大通りを渡った所に続いている飲食店が密集した通りにある。通りには菅原神社があるので、それを目印にするといいのではないかと思う。神社のすぐ近くに「天神センター街」という小路があり、その中に〈玉味亭〉はあって、相当な年配の店主が一人で切り盛りしている。今回は迷わず、ちゃんぽんを注文。

こういう、昔ながらの中華料理店では、たぶん昔ながらのちゃんぽんが出てくるのではないかと期待している。昔ながらのちゃんぽんとは、おそらく全国各地で供されている、豚肉と野菜をたっぷり入れたしょうゆ味ベースの、とろみがついたスープで、麺はごく普通の中華めんをゆでたもの。いま勢力を拡大しつつある(?)長崎ちゃんぽん風のものではないやつだ。

さて料理が来ましたよ。おやっ、スープにとろみがついていない! しかし薄味のしょうゆベースと思われ、長崎ちゃんぽん風ではない。豚肉、海老、イカゲソ、キャベツ、モヤシ、人参、玉ねぎ、キクラゲ、ウズラ卵、と具沢山である。なんとなんと、カマボコの薄切りまで入っていますね。しかし、麺は細めのストレート。面白い組み合わせだなあ。

カマボコとかイカゲソが入っていることからして、かなり長崎風を意識していることは伺えるが、やはりちがう。もし店主が長崎中華街系の出身なら、もっと長崎風に近いものを出すだろう。だからこれは、長崎風を意識しながらもそうでなく、かといって昔ながらのあんかけちゃんぽんでもないというタイプ。こういうのもあるんですね。スープはかなりあっさりしていて、ちょうど五目麺のスープにちょっとしょうゆを垂らした感じ、だろうか。

このくらいの薄さなら、最後までスープを飲み切ることができる。近頃のラーメンはいささか塩分濃度が濃くて、最後まで飲み切ると後で喉が渇くものが多い。ゆっくり時間をかけて、全部食べ切るのがちゃんぽんの正しい食べ方(?)であると勝手に思っている。食べている途中でかなり体が熱くなってきたので上着を脱ぎ、ネクタイを緩めて対応するが、それでも汗が出てくるので、袖もまくってがんばる。

かなりボリュームがあるのでお腹いっぱい、体もあったまって大満足である。しかもこれが600円、まったくちゃんぽんというのは良い食べ物である。外に出ると風も少なく、かなりの陽気である。ツィードのジャケットを脱いで手に持ち、シャツにネクタイという姿でしばらく歩く。もうマフラーにコートの人もいるものだから、シャツ一枚で歩いているのは変に見えるかもしれぬ。こっちはまだ汗を感じるほどで、じつにいい気分で食後の散歩をした。


【付記】
● 路面電車を越えて、堺方面に足をのばしてみる日がそのうちやってくるような気がします。わりと早めの時間に仕事が引けることもあるのです。そんな日、てくてく歩いて海沿いの堺まで行って、堺駅から南海本線で難波まで帰るのです。かなりの距離の散歩ですが、たぶん実行できるのではないかと思います。


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No title

郷里にいたころは醤油ベースのとろみのあるやつがチャンポンというものだと思い込んでいましたが、若いころ長崎を旅した時にこれが本場の(?)チャンポンなんだと初めて知りました。
どちらも美味しいといえば美味しいのですが、どちらかといえば私の求めるところは昔ながらのものにあるのかなって気がします。
でも・・・本来はどっちなんでしょうね。そもそも、こういった麺料理に「ちゃんぽん」て言う名を付けた訳は・・・どうなんでしょうね。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。

> 郷里にいたころは醤油ベースのとろみのあるやつがチャンポンというものだ

そうそう、それですよ。乙山もちゃんぽんといえばとろみのついたものを思います。
しょうゆベースですが、そこに生姜がきいているのも好きですね。
だから、とろみのついてない「ちゃんぽん」を初めて食べたとき、
なんだか違和感を覚えたくらいです。

ちゃんぽんの語源説は面白いですねえ!
それを探るのは面白いけれど大変な作業でしょうね。
先日とある大陸系の中華料理店でちゃんぽんを食べましたが、
他のメニューはすべて漢字で書いてあるのに、
ちゃんぽんだけは、「チャンポン麺」となっているのです。
やはりちゃんぽんは、日本の料理だということなんだと思いました。
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