『ニュー・シネマ・パラダイス』

『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988年、イタリア映画、175分完全オリジナル版)

NuovoCinemaParadiso.jpg
原題:Nuovo Cinema Pradiso
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ、マルコ・レオナルディ、アニェーゼ・ナーノ、ブリジット・フォッセーほか


『ニュー・シネマ・パラダイス』は以前テレビ放映されたものを見たことがあるが、おそらく124分の劇場公開版だったのではないかと思う。今回はDVDの「完全オリジナル版175分」を見た。映画監督のサルヴァトーレ(ジャック・ペラン)が帰宅し、同居している女性から故郷シチリアにいる母から電話があったことを聞く。「ただそれだけ?」とサルヴァトーレが訊くと、彼女は「アルフレードという人が亡くなったそうよ」といい、彼はアルフレードとの日々を回想する。

第二次大戦後、「トト」という愛称のサルヴァトーレ少年(サルヴァトーレ・カシオ)は、出兵したまま帰らぬ父を待ちながら、シチリア島で母と妹と暮らしていた。貧しい辺鄙な村で唯一の娯楽は、教会で上映される映画だけだった。だが教会だけあって、司祭は男女がキスしたり、女性が裸体を露わにするような場面が来るとベルを鳴らし、映写技師アルフレード(フィリップ・ノワレ)にカットするよう指示した。そういう場面に来ると、思った通りカットされているので映画館はブーイングの嵐となる。

それでも、貧しくて保守的な村の生活水準からすると、夢のような世界が繰り広げられる映画に村人たちは夢中になり、スクリーンに声援を送ったりハンカチを取り出して涙を流したりしていた。トトは映画が大好きで、映写室に入り込んではアルフレードにつまみ出されるのを繰り返していたが、次第に二人は親しくなり、アルフレードはトトに映写機の使い方を教えてやるようになった。トトも、アルフレードをまるで父親のように慕うようになる。

葬儀からの帰り道、司祭と歩いていたトトは、足が痛い、と訴えて自転車で通りかかったアルフレードに乗せてもらうのだけど、あの場面はなんかいいですね。DVDやVHSのパッケージにも使われているのをご存知の方も多いと思う。ところがある夜、映写室で火災が発生し、動けなくなっているアルフレードをトトは必死になって救出する。教会を兼ねた小さな映画館もなくなってしまうが、サッカーくじを引き当てた男が出資して「新映画天国:Nuovo Cinema Paradiso」が建てられた。

アルフレードは火傷で視力を失い、トトが小さいながらも「新映画天国」の映写技師として働くことになった。やがて若者に成長したトトは、自分でも小型撮影機を使って映像を撮るようになるが、町で美しい少女エレナ(アニェーゼ・ナーノ)を見かけて一目惚れ。彼女が同じ高校に通っているのを知って何とか近づこうとするも緊張しすぎてうまくいかない。アルフレードに「王女と兵士のおとぎ話」を聞いたトトは、エレナの家のすぐ近くで彼女が窓を開けてくれるのを待ち続けた。

何日も何日もエレナを待ち続けるトト。だが、新年を迎えてもエレナは窓を開けてくれなかった。悲しみにくれるトトがいつものように一人で映写室で仕事をしていると、エレナが現れた。二人は深く愛し合うようになるがエレナの両親はトトを認めようとしない。やがてトトに徴兵の通達が届き、最後に二人は映写室で会う約束をするがエレナは現れず、トトは兵役に就き、エレナに手紙を書いたけれど宛先不明で届かなかった。除隊後、帰ってきたトトに、アルフレードは「村の外に出るんだ」と説得し、トトはローマに向けて旅立っていった。

時は過ぎ、30年が経った。トトだった少年は映画の世界で成功し、映画監督として活躍している。40代後半になっているのにサルヴァトーレは結婚せず独身を通している。妹は「もう帰ってきやしないよ」というが母親は「きっと帰ってくる。アルフレードのことを忘れてはいないよ」という。飛行機から降りてシチリアの地を踏んだサルヴァトーレは、立ち寄ったバーの窓からエレナにそっくりな美しい少女を見かけ、持っていたウィスキーのグラスを取り落す。

サルヴァトーレがシチリア島に帰ってきてからの場面が、劇場公開版ではかなりカットされているようで、完全オリジナル版だとサルヴァトーレはエレナ(ブリジット・フォッセー)と再会するんですね。そしてあの最後の日、どうして映写室に時間通りに行けなかったのか、トトがいなくなった後に映写室にいたアルフレードはエレナに何を語ったのか、それが明らかになる。そして蜘蛛の巣が張っている「新映画天国」の映写室で、エレナが残したというメモを、サルヴァトーレは発見する。


【付記】
● ……なんという純愛でありましょうか。それにあの、「新映画天国」が取り壊される場面も、何度見てもたまらない感じになります。それをDVDで見ているのもなんだか皮肉な感じがしないでもありませんが、とにかく全編通して、涙腺が緩む瞬間が何度もあるのが困りもの(?)で、ティッシュ紙が手元にないと困る映画なんですね。


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非公開コメント

^^

懐かしい映画ですね!もうずいぶん昔だから。
内容はあまり覚えていないんですけどね^^;

それでもしっかり脳内に記憶されているところもあります。アルフレードがトトに村を出るように勧めるところ。そしてあのシーン。

映画のラストだったでしょうか?
数々のキス・シーンが映し出されるところです。
あれは息をのむぐらいステキでした!^^)/

Re: ^^ ; waravinoさん

waravinoさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
乙山は公開当時に見たわけではなく、ずっと後になってテレビ放映で見たのです。
ですがその名前だけはかなり以前から知っていました。

ものすごく人気のあった映画で、ロングランだったそうです。
その記録は今でも破られていない(?)とか。
劇場公開版は124分で、これでも長いほうでしょうけど、
今回見た「オリジナル完全版」は175分でした。

2時間以上ですが、そんなに長いとは感じませんでした。
やはり随所にいい場面があるんでしょうね。
これはDVDで持っていてもいい映画じゃないかなと思います。

乙山さんへ

おはようございます。

劇場版を見て完全版をみると種明かしを全部してしまった完全版を落胆の想いでみたものです。

このころは隠れた名画が多くビデオ化された時期ですね。<フィールド・オブ・ドリームス><マジソン郡の橋><ドライビング・ミス・デイジー><フォレストガンプ><レオン><ショーシャンクの空に><ミザリー>、あげたらきりがない。ゴーストもこの時期でしたよね。いずれもDVDになる前でしたからね。
ニューシネマパラダイスは何回みたかわからないほど観ました。最初にみたときは何時間も立ち上がれないほど、あのラストシーンにやられたものです。しずかな映画なんですがね。すべてが回想シーンからできている。ラストですべてが納得できてしまう名画。歴史に残るラストと、なにより全編に流れる曲が素晴らしい。<愛のテーマ>は青年HOBOの純情を完璧にくすぐりました。


HOBO

Re: 乙山さんへ ; HOBOさんへ

HOBOさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
うーん、そうですねえ……劇場公開版のほうがすっきりしているんでしょうか。
サルヴァトーレがシチリア島に帰ってきてからエレナと再会する場面、
それが劇場版ではカットされていたはずです。

劇場版だと、うっかりするとサルヴァトーレが何者かさえ、
わからぬこともあります。少し印象が薄いというか……
それが完全版だと大人になったサルヴァトーレがきっちり描かれて、
これもこれで悪くないと、今回思った次第です。

良い映画って、何回見てもいいですよね。
HOBOさんが挙げられていた『ショーシャンクの空に』、
それが次回の「映画」の記事になる予定です。

只野乙山さまへ

ご無沙汰しております。

私もこの映画大好きです。完全版も含め何度見たかわかりません。
観る度に、その観た時の年齢でも感じるものが微妙に違ったりして。

映画館で見てすぐ、手元にビデオ(当時は)が欲しくて
新星堂で値段も聞かずに注文、受け取りに行ったら12000円ほど請求されて
慌てたことを思い出します(笑)

当時CMに出ていたサルヴァトーレ・トト・カシオの可愛さに惹かれ観た映画でしたが
ストーリー、キャスティング、音楽など・・・期待以上のものでした。
Charlie Haden & Pat Methenyの<Beyond the Missouri Sky>に入っている
この映画のメインテーマと愛のテーマも映画同様よく聴きました。

次回予告の<ショーシャンクの空に>。これまた大好きで何度も何度も観ました!
次回の記事も楽しみにしておりますね♪


Re: 只野乙山さまへ ; しんかなままさんへ

しんかなままさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
いやあどうもどうも、お久しぶりです!
猫たちも大きくなりましたね。

乙山も初めて見たのは劇場公開版でして、
エレナとの恋愛と別れ、再会の部分を思い切ってカットしたものでした。
そっちのほうがいいという意見もあるようです。
そう思う部分もありますが、大人のサルヴァトーレの影が、少し薄いんですよね。

完全版ではそのあたりがしっかり描いてありますので、
サルヴァトーレの存在感がぐっと強くなったように思います。
劇場版は、あれはあれで「完結」しているとも言えますが……
いまは「どちらも好き」という感じです。

> 映画館で見てすぐ、手元にビデオ(当時は)が欲しくて
> 新星堂で値段も聞かずに注文、受け取りに行ったら12000円ほど請求されて
> 慌てたことを思い出します(笑)

そうそう、当時は映像メディアはまだ高かったですね!
CDですら、3000円以上していた時代です、VHSなんて高いもので、
だからこそレンタルメディア店の存在意義もあったのです。
今は、ブルーレイ・ディスクですら、ものによっては1000円くらいで買えますからね。
隔世の感がいたします。

No title

乙山さん、今晩は。

この映画、本当に素敵です。何回観たことか。
テーマ音楽を聴くだけで、もう最後のシーンが目に浮かんできます。
そしていつも最後のあのシーンで目がウルウルしてくるのですよね。

私のフェヴァリット・ムーヴィの一つです。

No title

こんにちは。
『ニュー・シネマ・パラダイス』。すてきな映画でしたね。
脚本、俳優、撮影、音楽…すべて揃ってた。
とりわけ最後のシーンの意外さは、始めてみたときには驚いたし、
2回3回と見ても、あらためてその美しさに感動します。

一編の成長物語なわけですが、ヨーロッパには、文学も映画も、この
『少年の成長物語』というものが多くて、しかも優れていますね。
硬い表現をすれば、ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』とか
ヘッセ『デーミアン』『車輪の下』などのいわゆる教養小説
Bildungsroman(ビルドゥングスロマン)の伝統が脈々としてあります。
少年が青年になり、やがて大人の男になっていく過程を描く。

でも、そんなに硬い定義をせずとも、欧米には本当に優れて楽しい
少年文学がたくさんありますね。それも、ただ、日本で『児童文学』、という
ものとちょっと違うんだなあ…。
日本には、子供は愛らしいもの、小さきもの、…そこまではまあいいんですが、
『半人前のもの、四分の一人前のもの』…要するに大人以前の未完成のもの、
と見る見方がどうしても強いように思います。だから、子供に与えるものは、
易しくってわかりやすいもの…というなんとなくの…悪いけれど一種の手抜きがある。
一方、西欧では、子供は子供として独立した人格という捉え方をしますね。
子供のものだからと言って、手抜きをしないのです。
映画でも『指輪物語』とか『ハリーポッター』とかの質の高さを見ればわかりますが、
大人たちがそれこそ夢中になって真剣に作っている。
今でこそ、コンピューターグラフィックが高度化して、幻想的なシーンも
実写でなくとも出来るようになりましたが、1988年かな、『ウィロー』という
幻想的な映画を見たときには、その特殊メイクや舞台装置の素晴らしさに
びっくりしたものです。

話が逸れちゃったけど、西欧のものがすべていいといわけでは全くないけれど、
ひるがえって、日本の児童文学とか成長物語にどんなものがあるか、と言えば、
少しさみしいかぎりです。せいぜい『あすなろ物語』とか『次郎物語』とか…
現代の児童文学も健闘してはいるのでしょうが、世界に通用するような
スケールの大きい、こころざしの高いものは…う~ん…ありますかねえ。

『にんじん』『トム・ソーヤーの冒険』(私はハックの方が好きですが)『赤毛のアン』
『若草物語』…イギリスのカーネギー賞受賞作品に象徴されるような(ハリー・
ポッターシリーズのその一つです)素晴らしい児童文学の数々…。
枚挙にいとまがない…
その中でも私が一番くらいに好きなのは、レイ・ブラッドベリ『たんぽぽのお酒』です。

映画の方でも、『にんじん』『大人はわかってくれない』『禁じられた遊び』
『鉄道員』『わんぱく戦争』…『アメリカン・グラフィティ』『スタンド・バイ・ミー』
などなど、子供、少年を主人公においた名作がそれこそ数知れずあります。
この『ニュー・シネマ・パラダイス』もそうですね。^^

そういえば、大人になったエレナ役を演じたのは、『禁じられた遊び』のあの
名子役、ブリジット・フォッセーですね。^^
児童ものでなく、青春映画にも、ヨーロッパは秀作がたくさんあり、
大人になったトトを演じたジャック・ぺランの出世作とも言える『鞄をもった女』
(1961年)も、青春映画の秀作と言えます。クラウディア・カルディナーレ主演。
ジャック・ぺランは、この時、本当にまだ初々しい美しい青年でした。^^
『鞄をもった女』は、ヴィデオ化もCD化もされていないのが残念ですが、
その素晴らしい主題曲はぜひぜひお聴きになってみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=FegFarUc9G8

ファウスト・パペッティ楽団。アルトサックスのソロが素晴らしいです。^^

『ニュー・シネマ・パラダイス』。
また、見たいなあ。ほんとに、これは自分で持っていていい映画ですね。^^



 

Re: まん丸クミさん

まん丸クミさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
いやあ、乙山など冒頭の主題曲を聴くだけで涙腺がやばいです。
そして随所にやばい個所がありまして、本当、困り(?)ます。

以前「劇場版」を見たので「完全オリジナル版」はどうかなあ、
と思って見たのですが、それほどひどいものには感じませんでした。
「劇場版」では大人のサルヴァトーレの印象がいささか薄く、
それが「完全版」ではきっちり描かれているのが良かったと思います。

もう一度「劇場版」を見て、比べてみたくなりました。

Re: 彼岸花さん

彼岸花さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
仰るように、このたび改めてこれを見て、心を洗ってもらったような気がします。
いいものは、そういうものなんだな、と思うんですね。

最後の場面、あのフィルムはトトのもので、アルフレードは、
「これは俺があずかっておく」と言ってましたものね。
それを、最後にちゃんとトトに返したんですね。

少年時代のトト(サルヴァトーレ・カシオ)も可愛くて仕方ないけど、
青年時代のトト(マルコ・レオナルディ)もいいですね。
夏、野外劇場で上映中に雨が降ってきて、トトとエレナが雨に濡れながら抱き合う場面、
あれも好きな場面なんです。いい演技してますね。

青年トトがアルフレードたちに見送られてローマへ立つ場面、
あれも大好きな場面。なんだかもう、たまらない気分になります。
エンディングがいいというのは、乙山もそうなんですが、
じつは「新映画天国」が取り壊される場面でいちばん涙が流れました。
なんか、変ですよね。

仰るように、これは「成長物語」ですね。
欧米にはこの手の話、本当に多いようですね。
なるほど、日本では「子供向け」と「児童文学」のように、
どこか線を引いているのがはっきりわかりますね。

ここは難しいなあ。石井桃子さんの翻訳はやはりいいと思いますしね。
だけどあちらは、生活の中で「子供の世界」と「大人の世界」をはっきり、
区別してるんじゃないかと思うんですよ。

『さよなら子供たち』という映画の中で、
教会に匿われた少年が『アラビアン・ナイト』を読むんですけど、
あれって、きわどい表現がそのままの「完訳版」なんでしょうかね?
うれしがって読んでいるところを見ると、どうもその様子かもしれません。

彼岸花さんのレベル設定が少し高すぎるのかもしれませんよ。
だってね、読み物の世界は別として、漫画やアニメーションが受け入れられて、
それなりに愛好者を生んでいるわけですから。

『おしん』に共感する人も少なくないと聞いています。
過去の読み物の多くは、翻訳されて外国に紹介される機会がなかったため、
たんに知られていないだけ、ということもあるかもしれません。

さて、大人になったエレナの役の人が、あの「ポーレット」というのは、
まったくわからなかったことでして、後で調べて「えっ」と思いました。
いや、まったく、味なキャスティングをするもんですねえ!

「完全版」を見て、あれっ、こんな場面あったっけ、と思いました。
そりゃそうなんですが、「劇場版」も、もう一度見てみたくなりました。

No title

そうですね。
「新映画天国」が壊されるシーンは、私も泣けました。
エレナの窓辺で、トトが幾夜も幾夜も佇んでいるところも美しくせつなかったですね。^^
のんびりした村の暮らしとは別の、第二次世界大戦という背景も
さりげなく描かれていて、優れた映画というのはほんとに、手を抜くところが
ないんだなあと思わされます。

日本の児童文学とか児童映画とか、子供向け文化に関しては、
確かに一概に、西欧のものと比べてどうだとかは言えないですね。

私も、コメントに書こうとして長くなるので省略したのですが、
子供を『ちいさきもの』として見る日本の文化は、私が不満に思うような
『子供はまだ半人前の未完成な存在なんだから、この程度の絵でいいよ、
この程度のところでいいよ』という手抜きを生む傾向を生じさせるところとか、
(私は『ちびっこ』広場、とか『ちびっこ』コンサートとかいう言い方が大嫌い。笑)
大人が半人前の子供に教え込むという、どこか『説教くさい』作品を生む
危険をはらむということの半面、
例えば、『ちいさきもの』に与えた『可愛らしきもの』の伝統が、今、
日本独自の『カワイイ』文化として、ファッションやもろもろのグッズなどの
魅力で、世界の若い人々を魅了していることへ繋がってきました。
また、『ちいさいひと』むけの漫画やアニメーションは、日本独自の発展を
遂げて、これまたおっしゃるように世界を魅了していますね。^^

西欧と日本とどっちが優れてどっちが劣っている、などとは言えないと思います。
日本の児童文学や子供を主人公にした映画作品の優れたものが、
広く世界に紹介されていない、ということも確かにあるでしょうね。

ただ、伝えたかったのは、その視点の違い、ですかね。
日本人にはどうも子供を半人前の未完成な大人、と見る傾向がある、ということは、
子供を甘やかすことに繋がっていくような気が私はするのです。
ちいさいんだから仕方がないよ。子供はそんなもんだよ、という…
公共の場で騒いでも親が怒らないとか。
これは失礼だけれど、一部の飼い主さんの犬の飼い方にも通じてくるなあ。
それから、子供は大人の付属物、という感覚も生みますね。

そうじゃない、ちいさくったって、子供には子供の世界がある。
子供は半人前の大人なんかじゃない。
というのが、西欧の児童文学などの視点のような気がします。
だから、子供の目線から描いた優れた作品が多く生まれるのではないでしょうか。
ルナールの『にんじん』とかトリュフォーの映画『大人は判ってくれない』とかは、まさにそんな作品。
また逆に、子供が子供で独立した存在だから、思いっきりはじけた子供世界を
描いた楽しい作品も多く生まれます。アーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』シリーズとか。

日本の『可愛い』という文化に関しては、また別に論じたいことがありますが、(笑)
ここですべきことでもないのでやめておきます。
もう充分に『ニュー・シネマ・パラダイス』へのコメント、という、ブログ上の礼儀の
範囲から、すでに逸脱してしちゃっていますね。すみません…(爆)

Re: 彼岸花さん

彼岸花さん、こんにちは! 再コメントありがとうございます。

> 日本人にはどうも子供を半人前の未完成な大人、と見る傾向がある、ということは、
> 子供を甘やかすことに繋がっていくような気が私はするのです。
> ちいさいんだから仕方がないよ。子供はそんなもんだよ、という…
> 公共の場で騒いでも親が怒らないとか。
> これは失礼だけれど、一部の飼い主さんの犬の飼い方にも通じてくるなあ。
> それから、子供は大人の付属物、という感覚も生みますね。

わかります、わかります。
子どもをどう扱うか、というのは難しいですね。
「一丁前の口を利くな」はよく聞きましたし、自分でも使ってしまいます。

子どもを一人の人間として大切にする、というのはわかりますが、
それはものすごく、甘やかすことと混同されやすく、結びつきやすいですね。

『星の王子様』の中のキツネになった気分でこう言いたいですね。

「人間には、もうだれも子どもを叱る者はいない」
プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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