本坊マルスウィスキー〈ツインアルプス〉



〈遊歩者 只野乙山〉 特別企画
【日本のウィスキーを飲む】



MarsTwinAlps_01.jpg
最近なぜか「遊歩者 只野乙山」の訪問者、閲覧者が急増するという珍現象が起きている。アクセス解析を見るとウィスキー関連のクリックが多いようである。ははあ、どうやらこれは日本人技師と外国人女性の国際結婚をテーマにしたテレビドラマの影響らしい。我が家にテレビはないので詳しいことは知らないが、外国人妻がたいへん可愛らしいと人気のようなのだ。

だけどねえ、800以上ある記事の中でウィスキーはたった50いくつである(2014年10月現在)。「遊歩者 只野乙山」はけっしてウィスキー専門ウェブログではないはずなのだが、アクセス解析を見る限りウィスキーのそれ以外の何物でもないような雰囲気である。いささか苦笑を禁じ得ないけれど、ウィスキー関連が呼び水になって、他の記事も目を通していただけることもあるので、読者・訪問者の方にはこの場を借りて御礼申し上げる。

ついでだからこの際書いておくと、「遊歩者 只野乙山」の筆者・只野乙山はウィスキーのことを基本的に「わかっていない」男で、その味覚もあまりあてにならない。テイスティングもしっかりしているわけではなくて、適当に飲んで「うまい」とか「いまいちだ」とか書いているだけなのは読んでいただければわかると思う。なので笑覧して下さるのがよろしく、くれぐれも噛みつき無用でお願いしたい次第である。

さて某日、近所の酒量販店に江井ヶ嶋酒造のホワイトオーク・レッド大容量PETボトルを買いに行ったところ、棚に本坊酒造「マルスウィスキー」の見たことのないボトルが目についた。手に取って見ると〈ツインアルプス〉と書いてある。マルスの〈3&7〉や〈アンバー〉は以前飲んだことがあり、好印象を抱いている。750ml=1400円前後とそんなに高価なわけでもない。オーク・レッドと一緒に、〈ツインアルプス〉も買い物籠に入れた。

ラベルを見ると〈ツインアルプス〉はモルトとグレーンのブレンデッドである。早速オーバー・アイスで(氷に注いで)飲んでみる。若いグレーンと思われるアルコールをまず感じ、次いでピート香も感じられるが、けっしてへヴィーではない。だが日本のウィスキーの中では強めのピート香ではないだろうか。樽由来と思われる木質香もほのかにあるが、バニラ香やカラメル香のような甘さは極めて微弱、というかほとんどない硬質な味わい。

MarsTwinAlps_02.jpg水割り(ウィスキー:水=1:1)にするとアルコールの揮発性が薄まって飲みやすくなるが、味わいの傾向はほとんど変わらず、甘くなったりはしないようである。ソーダ割りにしても傾向はほとんど同じ。だから〈ツインアルプス〉は割りものにしても甘めに変化することはないが、味わいが薄まってつまらぬ味になることもないという点で、水割りやソーダ割りに「向いている」といえるだろう。

ただ、ストレートやトゥワイス・アップ、あるいはオーバー・アイスで飲めぬことはないが、それらの飲み方でうっとりするということもないと思う。このあたりはやはりお値段相当の中身、ということになるのだろうけど、ウィスキーらしくしようとあれこれ添加もしていないようで素直な味わいだ。だが700ml=1000円前後の、よくできたスコッチと比べるとちょっと厳しいかもしれない。ウェブログの話題に、と手に取ってみたけれど、また買うかとなると微妙(おいおい)である。

ハイボールで飲むにしても、〈角瓶〉が1100円前後で買えるわけだから、それを思うとさらに厳しいだろう。1100円前後で買える〈角瓶〉や〈ブラックニッカ・リッチブレンド〉には、1400円前後の〈ツインアルプス〉にはないリッチさ(甘い香り)があるからだ。ただし、最近の全般的な傾向として「甘ったるさ」が目立つのも事実で、そういう甘ったるくないハイボールを飲みたいという人にはお勧めできるのではないかと思う。

そう、この感じ、これはこれで捨てがたいものがある。マルスウィスキーは、近頃の日本のウィスキーの大きな流れである「甘ったるい」傾向にどこか逆らうような感じではないか。だから近頃のウィスキーにありがちな傾向に首を傾げたくなる人たちの心をがっちりつかむ可能性はあると思う。世の中は広いのだからいろんなウィスキーがあって面白い。なんだか「主流」に背を向けた感じがしないでもないマルスウィスキー、今後も応援していきたいと思っている。


≪ サントリーリザーヴへ  シングルモルト宮城狭へ ≫


【付記】
● 厳しいけれど、信州マルス蒸留所にはがんばってもらいたいですね。「日本のウィスキーを飲む」という企画を立ち上げている身として、メルシャン軽井沢蒸留所の〈軽井沢〉を記事にできなかったことはとても残念です。どうしてもっと早く買って飲んでおかなかったのか、といまだに後悔することがあります。


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No title

私はマルスの〈3&7〉を数度飲んだ程度で、その他は飲んだことがないんですが・・・

・・・気に入りましたね・・・かなり。

鹿児島の焼酎メーカーである本坊酒造がウイスキー・ブランデー生産の拠点として、新設した蒸留所での蒸留なのだそうですが(この辺りは既にご存知のことかと思いますが)、その本坊酒造にかのテレビドラマの主人公?竹鶴正孝を英国留学へと送り込んだ摂津酒造の常務岩井喜一郎が1945年に顧問として入社、竹鶴ノートに忠実にウイスキーを作り始めたのだそうな・・・

と言うことからすれば、只野さんのおっしゃることも、私の感慨も」ある意味、納得できることかもしれません。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
本坊酒造とマルスウィスキーに関してはそんなに知っているわけではなく、
そもそも「マルスウィスキー」の存在に驚いている次第なのです。

サントリーとニッカ以外にも、こうしてウィスキー造りをしているんだなあ、と。
江井ヶ嶋酒造もそうでしょうが、頑張ってほしいですね。
いずれも、むかしながらのウィスキー造りをしている蒸留所だと思います。

江井ヶ嶋酒造も本坊酒造も、昔風の造り方をしていますので、
今のウィスキーに疑問を感じる人にうってつけではないでしょうか。
流通量の少なさが、価格の高さにつながっているので、
そこは「厳しい」のではないかと思うんですね。

No title

おおマルスの新しいブレンデッドですね。
実は私も気になっていて本坊酒造のHPを行ったり来たりしています。
ただ『アンバー』が販売終了になっていて、少し残念な気がしております。

記事を拝見するにアンバーも古典的な香りのする酒でしたけど、この酒も真面目に造られた酒の様ですね。
今度いつもの酒販店で探してみます。

でも岩井トラディショナルをどこかで入手出来ないかと…。

Re: Noriさん


Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そうですか〈アンバー〉が販売終了に……それは知らなかったです。
〈アンバー〉はバランスの取れたいいものでしたね、
〈3&7〉が物足りぬ人にとってはたまらないものだったのです。

〈岩井…〉は乙山もうっかりしておりまして、
機会を逃してしまったのです。探してみようと思います。
昔風のウィスキーがあることがうれしいですね。
何とも残念なのは軽井沢蒸留所です。
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只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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