十割蕎麦(乾麺)を食う

100percent_Soba_01.jpg
すっかり涼しくなってきたこの頃、夏っぽい商品は次第に売れなくなって特価品になっていることがある。某日、近所のミニコープへ行くと、「十割蕎麦」がその伝で少し割安になっていた。以前「五割蕎麦」の記事を書いたときに、そのうち十割蕎麦も食べてみたい、夏の楽しみが増えた、みたいなことを書いたのだが、結局「五割蕎麦」ばかりを食べ続け、「十割蕎麦」のことはきれいさっぱり忘れ去っていたのであった。

すまん、十割蕎麦、と思って早速買い物籠へ入れた。どうやら製造元はコープこうべの「五割蕎麦」と同じようだ。200gで270円前後だから、「五割蕎麦」よりかなり高いものだが、店で十割蕎麦を食べると1000円近くすることもあるほどだからそんなに高いものでもないと思う。パッケージを見ると、たしかに「十割」とありなんだか高級そうである。これは滝沢食品が製造し、日清フーズが販売しているもので、生協オリジナル商品ではない。

また「蕎麦湯を楽しめます」などと書いてあるのもうれしい。蕎麦湯といえば、ざる蕎麦などを頼むと店員が「蕎麦湯です」と急須のような容器で持ってきてくれるもので、そばつゆで割って飲むのもいいだろうし、茶で割ってもいい。蕎麦粉の有効成分が、ゆがくときの湯に溶け出しているわけで、これを飲まぬ手はないというものだ。個人的に大好き、というわけではないがせっかくだから蕎麦湯を出されたら必ず手を付けるようにしている。

つい最近、ヨドバシカメラ梅田でノート型PCを購入するにに及んだが、どうせ帰ったらセッティングとか何やかんやとあるだろうから夕食は外でとることに決めていた。こんな時、居酒屋で飲食するとつい飲みすぎてしまうので駅に隣接している蕎麦(とうどん)屋〈家族亭〉に入った。枝豆と生ビールのセット、そしててんざるを頼んだ。枝豆で生ビールをやりながら、てんざるが来るのを待つ、という寸法である。

てんざるが来ると、日本酒の冷を追加注文した。てんぷらはそばつゆ(またはてんつゆ)につけて食べてもうまいけど、枝豆にふりかける塩を持ってきてくれたので好都合である。じつは、てんぷらは塩で食べるのが一番好きなんである。日本酒は何だったろう、名の通った地酒でないことは確かだがそんなに悪くない。蕎麦はそれだけで締めに食うものかもしれないが、日本酒と合わせてもうまいんじゃないかとひそかに思っている。

一通り食べてしまったら、先ほど店員が持ってきてくれた蕎麦湯を最後に楽しもうと、そばつゆが入った蕎麦猪口に蕎麦湯を注いで飲んだところ……ん? なんか変である。ちっとも蕎麦の風味がしないのだ。おかしいなあ、と蕎麦湯の入った容器のふたを開けてみると、見事に沈殿しており、上層部の澄んだ「湯」を注いでしまったわけだ。ちょっと笑ってしまったけど、まともな蕎麦湯だったらそんなに簡単に沈殿したりしないことなど、知っている人は知っていると思う。

100percent_Soba_02.jpgそんなことを思い出しながら蕎麦をゆでるが、ゆで時間は3分、残り2分は火を止めてそのまま、とあるので指示通りにする。しかしそれにしても濃厚な蕎麦湯になるものだ。ざる(穴あきボウル)にとるまえに杓子で適宜、蕎麦湯をほかの容器にとっておいた。水でしめ、軽く手で洗ったら水を捨て、もう一度水で軽くすすいでざるに取り、よく水を切って器に盛る。

さて食べてみると、ううむ、うまいっ! 蕎麦粉の甘みも十全に感じられるし、香りがまた良い。薬味もなしで楽しめるが、わさびがあるとまた、それはそれで楽しみが広がる。ちなみに、わさびはそばつゆに溶かし込まずに、蕎麦になすり付けて食べるようにしている。やはり「挽きたて、打ちたて、ゆがきたて」の、本物の生蕎麦には負けるかもしれないけれど、個人的にはじゅうぶんおいしいと思う。たいていのつまらぬ蕎麦屋よりよっぽどうまいという結論に達した。

こんなにいけるのだったら、もっと食べておけばよかった、などと思ったが、これからの季節があるではないか。大阪(関西)では蕎麦は夏の食い物であるけれど、蕎麦が本当においしいのは新蕎麦が収穫された涼しい時期なのだということを、蕎麦好きは知っている。実際、かなり寒い時期にざるそばを頼み、それに燗酒を合わせるのも冬の楽しみの一つなのである。あ、そうそう、蕎麦湯もかなり濃厚で、しっかり楽しむことができましたよ。もちろん、そんなすぐに沈殿などしないのです。


【付記】
● のど越しとか、噛んだ感じ、そして切れやすいことなどを心配していましたが、それらは杞憂に過ぎなかったようです。十割蕎麦、楽しませてもらいました。


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No title

北海道も、どちらかといえばそばがよく食べられますが、地元でも幌加内や新得がそばの産地として有名です。夏場だと冷麦と素麺が主体になります。

東京だと、蕎麦屋は居酒屋的なお店という顔もあって、東日本のお店だとお酒も出されます。
某所でそばの素揚げがお通しとして出されますが、おつまみとして結構いけます。

一方でうどんは、個人的に学生の時までは好んで食べませんでしたが、横浜の会社に就職した後に香川の製麺所スタイルのセルフサービスうどんのチェーン店ができると醤油うどんにはまりました。
札幌だとそういうお店が少ないので、郊外のお店に少々遠出しないといけません。

No title

日清が「十割そば」ですか・・・
おまけに蕎麦湯まで・・・

近年、色々と生めんに近い食感のインスタント麺が工夫されてきていますが、考えてみれば乾そばの食感は、昔から生のものに近かったように思います。

ですから、それで十割となると期待できますな・・・

Re: RERAさん

RERAさん、コメントありがとうございます。
北海道産の蕎麦、とても良さそうですね。
国内でも一番の生産量じゃないかと思います。

東京の蕎麦屋ってなんかいいですね。
大阪では蕎麦専門店が少なくて、だいたい、
うどんとそばの店が多いんです。

それでも、蕎麦屋を探して、
蕎麦屋で一本立てるのが好きですね。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ご存知とは思いますが、ひょっとすると……
この「日清」は「日清製粉」グループでして、
チキンラーメンの「日清食品」とは別物です。

ややこしいことに「日清オイリオ」という会社もあって、
この三社はまったく別で関係がありません。
大阪の人でもよくまちがうのですが、
日清グループの中に、日清製粉と日清オイリオ、日清食品があると、
そんなふうに思っているようなんです。

それはともかく、十割蕎麦はうまかったですよ!
乾麺ですから「それなりに」ですが、
つまんない店よりよっぽどいい感じでした。

No title

昔、栃木に住んでいた時の楽しみが
車で日光や鬼怒川の奥地に入り込み
そばを食うことでした。

最近は冷凍麺がすっかりスーパーでも見かけなくなり
美味い乾麺というのは貴重ですね。


ああ、今日はそばにしようっと。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
お仕事、たいへんお忙しいのでしょう?
訪問だけにして、コメントは控えさせていただいております。

なるほど、栃木は蕎麦の産地ですからね、
蕎麦もうまいんじゃないかと思います。
干し蕎麦ですが「十割蕎麦」でして、これがけっこういけるのです。

200g=270円といささか高いのですが、
本物の十割蕎麦ですからね、また買うつもりです!

No title

乾麺とは言え十割蕎麦は良さ気ですね。
実はこの滝沢食品のものは近所のスーパーのプライベートブランドでも売っていて、
私も購入したのですが…。

奥様がどこぞにしまい込んだまま行方知れずになっております。
時折暇を見つけて捜索しているのですが、なかなか見つからないままになっております。
でも写真を拝見するに結構旨そうですよね。

今度また買ってきてやろうと画策中なのです。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
滝沢食品はどうも卸専門の蕎麦製造業者のようですね。
自社製造と販売を同時に行うのではないみたいで、
委託を受けて製造しているわけですが、流通数は相当なものですよ。

自分にも例の「三たて」信仰のようなものがありまして、
乾麺を避けていたような気がします。
乾麺にすれば季節を問わず楽しめるわけですからね。
「五割蕎麦」でも感じましたが、乾麺の蕎麦も捨てがたいものがあります。
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只野乙山

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