後面開放型スピーカー箱 製作編(2)バッフル塗装

Buffle_01.jpg
箱組みがあらかた済んでしまったら、今度はバッフル板の塗装に取り掛かる。バッフル板につや消しの黒(ラッカー系)を塗布するだけだから、そんなに大変なことではないように思うが、MDF板は塗料をたくさん吸い込むので下地作りを行っておく必要がある。これにはよくサンディング・シーラーが使われるようであるが、私(乙山)は木部プライマーを使用した。要は塗料がMDFに染み込むの防ぐためで、どちらを使ってもいいと思う。

ただ、サンディング・シーラーはほとんどが缶入りタイプで、刷毛塗りをしないといけない。スプレータイプはサンデーペイントから出ている一種類だけ。私が知らぬだけかもしれないが、たぶんそうじゃないかと思う。それに対して木部プライマーだとスプレータイプがけっこう簡単に手に入る。できるだけ薄く塗りたいのでスプレーを選んだ。

そもそもサンディング・シーラーは厚みを出すのが目的で、文字通りサンディングをたくさん行うのであれば、使っても構わないと思う。ネット上で作例を拝見していると、どうも刷毛で厚塗りにしすぎの気がしてならず、あれを研磨するのかと思うと気が遠くなってくる。ちょうどよい薄さに調合して刷毛塗りで綺麗に仕上げるのは意外と難問で、だったらスプレーで一気に片付けてしまおうという算段である。

その前に、バッフル板にスピーカー取り付け用の鬼目ナットを忘れずに取り付けておこう。これは、後にサブバッフルを作ってユニットを取り換えるためにネジを何度も着脱する必要があるから使うので、一つのユニットだけを使うなら普通の木ネジで固定して構わない。MDFは弱いとあるので、木工ボンドをつけて六角レンチでねじ込んだ。鬼目ナットには打ち込み式、つばの有無など種類があるので、好きなタイプを選べばいいと思う。

ちなみに、ここでは八角形の頂点を真上に配して鬼目ナットを取り付けている(写真一枚目)が、JBL-D130のユニット取り付け穴は八角形の辺が真上に来るようになっている。つまり、ユニットを取り付けるときに少し傾けて取り付けることになるわけだが、それがどうしても気になるようなら、時計のように取り付け穴を配するのではなく、少しずらしてユニットに合わせて配するようにするといいだろう。

MDF板の表面を軽く乾いた布で拭いてゴミなどを取り除いたら、いきなり木部プライマーをスプレーで吹く。小片で試し塗りを行った結果、何ら差し支えないことが分かっており、できるだけ研磨は行わない方針を貫く。乾燥したら紙やすりの#240で軽く研磨するが、ここはハンドサンダーによる手作業。もう一度、木部プライマーを吹きつけたら今度は#400の紙やすりで再び研磨、これで表面はかなり滑らかに仕上がる。

Buffle_02.jpgMDF板の下地作りができたら、いよいよバッフル板の本塗装に入る。ここにはつや消しの黒を使うつもりでいたが、今回はアサヒペンの「ストーン調ブラックグラナイト」を使ってみた。表面に細かい凸凹ができる仕様で、これも研磨は行わない方針を地で行く作戦。塗装と研磨次第ではあたかもピアノのような仕上げにもできるようだけど、塗装と研磨の繰り返しをどれだけ行わないとならぬのか、考えただけでも気が遠くなってくる。しかも指紋が付かぬか気にしながら触るというのは趣味に合わない。

できるだけ晴れた日を待ち、一度薄めに塗ったら乾燥させ、その日のうちに二度目の塗装は行わぬようにした。だけど、ラッカー系を板二枚分吹いたら予想通り有機溶剤の臭いが充満しますね(近隣を考慮し、室内にて塗装した)。私はトルエンの臭いが嫌いでなく、少量ならむしろ好きなくらいで、タミヤセメントを使うのに何の抵抗もないのだけれど、あまりに有機溶剤の濃度が高くなる場合、換気扇を回したり窓を開けたりしたほうがいいだろう。

後日、二度目の塗布を行うが、この際、一度目の方向とは90度交差させて塗布するのは基本の通り。できれば二回塗りで決めてしまいたいところだが、場合によっては三回塗りになることもあるだろう。くれぐれも吹き過ぎには注意するべきで、立てたときにまだ乾いていない塗料が垂れてくるようでは塗り過ぎである。吹いたら完全乾燥するまで放置しないといけない。

なお、スピーカー取り付けの丸穴にも忘れぬよう塗料を塗布しないといけないが、ここは小口部分でMDFが剥き出しになっているので下地作りも丹念にする必要がある。ここだけ木部プライマー三度塗りにして、研磨を行った。塗装するときは段ボールをカッターナイフで切ってマスキングして行ったが、ここだけMDF板の地が見えていたら見苦しいので手を抜くわけにはいかない。

箱組みを終えた本体に、塗装したバッフル板を装着して記念撮影である(写真二枚目)。装着とはいっても、まだ木工ボンドで接合したわけではないので仮組み状態である。ここでバッフル板がすっとはまらないと泣きたい気分になる(というかたぶん泣いてしまう)ところだが、加工精度が高いのでぴったりはまっているし、左右にゆすっても動かぬほどしっかりしている。ここまで来ると、かなりC型エンクロージャーぽい雰囲気が出てきたんじゃないだろうか。


≪ 後面開放SP・箱組みへ  後面開放SP・グリルクロスへ ≫


【付記】
● 箱としてはあらかた出来上がったと言えますが、まだ最大の難問難題といえる木枠とグリルクロスがありますし、仕上げをどうするかという問題も残っています。急がず焦らず、なんともゆっくりとした速度で、少しずつ進めて参りましょう。

それにしてもラッカー系の塗装は面積が大きくなると大変でした。真空管アンプの本体ケースくらいならいいのですが、スピーカーのラッカー塗装は二度とやりたくありません。次回からはオイル系のフィニッシュでいきたいところです。


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No title

写真を拝見するかぎり、丁寧な仕事です。私もALTEC405Aの箱を自作しましたが、ずいぶんレベルが高いと思います。製作の過程が一番たのしいところでして、しっかり時間をかけて、思う存分たのしまれてはと思います。ゆっくりの完成を楽しみしております。

Re: やまださん

やまださん、コメントありがとうございます。
お言葉恐縮です。できるだけ「手抜き」をするというのが今回の目論見の一つですが、
やりだすと、ついあれこれとやってしまうものですね。
少しずつ形になってくるのがうれしいですね。
ゆっくり、進めてまいります。

いよいよですね!
D130なら一発でも面白い音がしますよ。

下のスペースには075をあとから追加するつもりですね?この関係はラーメンと半チャーハンの関係に近いですよ。
C36みたいなおおきさ。ネットワークは?

ぼくはいまダイエットとピアノに夢中です。笑

HOBO

Re: HOBOさん

HOBOさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
とりあえずD130だけでしばらく聴いてみるつもりです。
そのうち075が欲しくなるかもしれませんが……

ラーメンと半チャーハンの関係……上手いこと言いますね!
そのときは、上に乗っけてキャパシター一発でいくかもしれません。
いいピアノがあるといいですね!
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只野乙山

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⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

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