南海高野線堺東駅周辺を歩く(4) 喫茶店 スイス

Sakaihigasi_Swiss_01.jpg
堺東の喫茶店〈モナミ〉で「特製ヤキメシ」を食べたのだが、これはたいへん印象的だった。ふつう喫茶店ではピラフでしょう、となるのに「ヤキメシ」。ここに店主の主義主張が感じられて興味深い。堺東には昔ながらの喫茶店が数多く存在しており、今回は喫茶店〈スイス〉に来ている。もちろん「ピラフ」を食べるためである。

この〈スイス〉はかなり大型の喫茶店で、一階の上に中二階があり、さらにその上にも客席があるといういまどき珍しい喫茶店。だが、平日のランチタイムともなればそれらがびっしり埋まってしまうというなかなかの人気店のようである。私(乙山)はふだん、もっぱら土曜日に利用しているのでそうと知らなかったが、一度平日に入店してびっくりしたことがある。

ふつうのピラフでもいいけれど、「ハンバーグピラフ」を頼んでみた。ピラフの上にハンバーグと目玉焼きが乗っている豪華版である。ピラフが680円に対してハンバーグピラフは780円(2014年現在)、その差額なら後者を頼んでもいいか、となってしまう。なかなか巧い作戦であるが、乗せられても悪い気はしない。

さて料理が来ましたよ。ピラフは薄い色で、食べてみるとバターのような香りがしており、きちんと(?)洋風に振ってあるなあとわかる。穏やかな味わいで、これはこれでまたおいしい。ピラフ単品で頼んでもいいなあと思わせるものがある。目玉焼きが乗っているのがまたなんだか懐かしく嬉しい感じがする。

ハンバーグはハインツのデミグラスソースをベースにしたと思われる(?)自家製ソースがかかっていて、なかなか豪華な感じがするが、ハンバーグそれ自体は巨大ミートボールですね。ちょっと笑ってしまうけど、まあいいではないか。ここで表面はカリッと焼けて中は肉の旨みがつまった本物のハンバーグが出てきたら、逆にひっくり返ってしまいそうになるではないか。

予想通りの、安心の(?)味わいである。そんなに悪くないどころか、また食べてもいいような気分にさせてくれるレベルではないかと思う。実際、ピラフの穏やかな味わいはなかなかのもので、添えられた紅生姜が不思議によく合っている。なぜかこれが福神漬ではだめなんだろう。じつに不思議である。

Sakaihigasi_Swiss_02.jpg食後のアイス・コーヒーを頼んだら、女性店員が「冷(れい)コー、ワンです」とオーダーを通したのに度肝を抜かれる。大阪(関西)ではアイス・コーヒーを「冷コー」と称することがあるが、その使用頻度は地域と年齢によって違う。どちらかというと、次第に使われなくなりつつある言葉である、というのが本当のところではないか。

というのも、以前私が阪急宝塚線庄内駅付近の喫茶店でカレーを食べ、食後にアイス・コーヒーを注文するときに、わざと「冷コー」と言ってみたところ、隣に座っていた年配の男性が「その言葉、ほんま久しぶりに聞きましたわ」と感心していたからである。ちなみに「冷コー」の発音は共通語で「れい子」のように発音してはならず、「れえこお」である。心もち、最後の「お」を強めに発音するのがそれっぽい。

アイス・コーヒーは悪くないけれど、うまいなあと感心するほどではない。近頃のアイス・コーヒーはおしなべて薄味で、昔のアイス・コーヒーはもっと濃くてコクがあったはずなのになあ、と思うのは私だけだろうか。もう、どこへいっても軽い味ばかりなので、昔はもっと濃くてコクがあった、というのは自分だけの思い過ごしかもしれないと思うようにさえなってきたのである。


【付記】
● チャーハン大好きの乙山ですが、喫茶店の穏やかな味わいのピラフも捨てがたいものがありますね。ただし、だいたい穏やかになりすぎてつまらぬ感じがする傾向もあるのではないかと密かに思っています。穏やかなんだけど味わい深い喫茶店のピラフ、これもなかなかありそうでない一品ではないかと思っています。


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No title

おはようございます。
最近はピラフにハマってるんですね。チェーンのカフェばかり増えて、普通の喫茶店が希少になってる昨今、どんなメニューを出すのか気になるところです。私も地元の喫茶店で食事してみたくなりました。
そう言えば、ウチはダンナが大阪育ちで、大阪には結構行ってますが、レイコオは一度も耳にしたこもないです。

Re: yuccalinaさん

yuccalinaさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
チェーン店の「なんとかカフェ」とか「かんとかコーヒー」は行く気がしなくて、
ほとんど利用したことがありません。
見ると、まあ便利そうでそんなに悪くないと思うんですけどね。

> そう言えば、ウチはダンナが大阪育ちで、大阪には結構行ってますが、レイコオは一度も耳にしたこもないです。

まあ、「冷コー」はほとんど死語に近い状態だと思うので、
女性店員がそれをごく普通に使っていることに度肝を抜かれたわけでして。
「冷コー」がしっくりくるのは50歳以上の男性でしょうね。
地域と年齢によるというのは本当です。

^^

ピラフ・目玉焼き・ハンバーグ。この取り合わせ。お目にかかれそうで。意外と初めてかも?味のほうは。なんとなく写真から想像できますが。これに味噌汁付けたら。どうでしょう?

というのも最近。Gyao!配信の「孤独のグルメ」って番組の中で「ここに味噌汁持ってくるか~!」という場面があって。それを思い出したからです(番組は出先でどんな昼食を食べるか?という至ってSimpleな内容です)

そう言えば。登場する主人公が。なんとなく乙山さんっぽいです。視聴されることをお勧めします。けっこう面白いですよ^^)/

Re: ^^ ; waravinoさん

waravinoさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
この取り合わせに、なぜかスープは付いてきませんでした。
だけどもし、これに味噌汁が付いて来たとしても、
それほど「ずれ」に苦しむ人はいないのではないかと想像します。

だってね、華僑ネットワーク(仮称)に所属しない町の中華料理屋さんでは、
中華定食に何と「味噌汁」がついてくることもありますし、
箸休めの小鉢に和風料理が出てくることもあるわけです。
喫茶店でも、とんかつ定食に味噌汁が付くことだって、あるでしょう?

ですので、「ハンバーグピラフ」に味噌汁が付いていたとしても、
まったく不思議ではないわけです。たぶん、そうじゃないかと思うんですよ。
ごく最近、某駅構内の喫茶店で、御年配の方が、
単品で「味噌汁」を注文していましたよ!
喫茶店で、味噌汁、ですよ!
もう、何が起こっても、それは「あり」なんでしょうね。

『孤独のグルメ』は文庫本で持っているんです。あんまり読まないんですけどね。
ここだけの話ですけど、乙山はテレビを持っていないんですよ。
近々、導入する予定はあるんですけど!

こんにちは~

冷コーの言葉は知ってはいたけど
喫茶店が1軒もない村育ちのわたし、
とうとう使うチャンスが訪れなかった私です。

乙山さんのこの記事を読んで、つい最近のことを思い出しました。
職場で隣の席の、若い子(25歳、長男とおない年)が
「アベック」という言葉を使って、びっくりしてお茶を吹き出したんですよ。
わたしの世代でも、もう、「アベック」は古臭い言葉でしたが(笑)
いやー、久しぶりに聞きました。

「普通に使いますよ?」
「どうしたんですか?」
とびっくりされて、さらにびっくりしました。

流行でもなんでも繰り返すって聞きますけど、言葉にも当てはまるのかなあ?

今の若い子
こまった、こまった というと こまどりしまい 
しまった、しまった、というと しまくらちよこ
と続きを言ってくれますしね ( ´艸`)

ふぅ、お腹すきました
ではでは、失礼します

Re: こんにちは~ ; Lily姫さん

Lily姫さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
おおっ、「冷コー」をご存知でしたか。
「喫茶店でお茶でも飲んでいきましょうか」を大阪弁でいうと、
「サテンでチャアでもしばいときましょか」になります。

まあ、みんながそう言っているわけではありませんし、
地域、年齢、性別によっても違います。

アベック……近頃はあんまり聞きませんが、
以前はよく使われていたのではないでしょうか。
古い言葉が生き残ったり、繰り返して使われることはあるでしょう。
いまどきの子どもも、どこで聞いたのか知りませんが、
「そんなバナナ!」とかいうみたいですよ。

> こまった、こまった というと こまどりしまい 
> しまった、しまった、というと しまくらちよこ

それは吉本喜劇のセリフ(ギャグ?)でしょう?
そちらでも放映してるんでしょうかね。
もう何年も見てませんが、たまに見ると「アホか」とか言って、
笑ってしまいまね!

No title

モナミスイスですか・・・
なんともまあ、奥ゆかしいというか・・・ノスタルジックというか・・・
心をそそる店名ですねえ。

そんな名のお店の「レイコー」は、やっぱりこってりとした濃い~のがいいですね。
そんでもって器は、銅のカップをキンキンに冷やしたやつで・・・

この場合、普段はミルクもシロップも入れない私も入れない私ですが、入れちゃいますね、せめてミルクは・・・

レイコーのことで盛り上がっておるようで。
じつは冷たいコーヒーを飲むとその店の本気ぐあいがわかります。
最近は水だしコーヒーという別の飲み物をつくってしまったので、
いわゆる本物の冷たいコーヒーを出す店がなくなりました。だいたいが、多少濃いめにおとしたものを容器にいれて容器ごと冷蔵庫で冷やすじゃないですか?しかし、それをやると濃いめの冷たいコーヒーはできますが風味がとんでしまいます。
風味や、こくを失わず提供するためには、急冷しかありません。しかし大体の店は濃い目におとし、それに氷をいれて冷やすため、薄く水っぽいものになります。ぼくの場合はシェーカーを使い氷のなかで踊らせながら冷やすので風味もこくも失われません、冷えたコーヒーに氷を入れてできあがり。手間がかなりかかりますし、豆も3倍使います。真面目な冷たいコーヒーは売るだけ損をするので、喫茶店では旨いレイコーは飲めないのです。笑

へんな話しですよね。
ぼくはやりますよ、喫茶店ではありませんから!


HOBO

No title

乙山さん、お久しぶりです。

私の地区でチャーハンは、70年代の初期では呼び名は「焼き飯」でした。
実家の店の真前に、台湾の方がしておられた中華料理店がありましたが、そこでさえも「焼き飯ふたつ、たのんます」とか言っていました。ピラフなんて言葉は、下町の喫茶店でさえあまり聞かなかった時代ですね。

「令コ」は、普通に使っていました。アイス・コーヒーなんて言っている人を自分の周りでは見かけたことはありませんでした。今思うと梅田なんかで飲んだ令コは自分でお砂糖を入れていないのにとても甘かったような気がします。

こちらでは日本のような令コは、あまりにかけませんが、有名チェーン店の冷たい味付きコーヒーはコーヒーではないように思います。甘くてお砂糖ばかり勝っているような気がします。冷たいモノはほとんど飲まないのでいいですが・・・

いくつか書きこみしたいトピックもあったのですが、この夏は少し忙しくて読み逃げばかりで失礼していました。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
堺東の商店街には〈モナミ〉や〈スイス〉だけではなく、〈伊太利庵〉まであるのです!
それぞれ利用してみましたが、昔ながらのいい感じの喫茶店なんです。

> そんな名のお店の「レイコー」は、やっぱりこってりとした濃い~のがいいですね。
> そんでもって器は、銅のカップをキンキンに冷やしたやつで・・・

ところがねえ、その「こってりとした濃い」アイスコーヒーがもうないのです。
どれもいい線まで行ってるんですけど、うまいなあと感心させられない。
いずれも神戸の〈にしむら珈琲〉に負けてるなあ、と。
〈にしむら珈琲〉も、どちらかと言えば軽いタイプなんですけどね。

Re: HOBOさん

HOBOさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
うまいアイスコーヒーを出す店が本当に少なくなりました。
これだったら缶コーヒーのほうが旨いよ、と言いたくなる店もあります。

水出しコーヒーも、本当に旨いなあと思った店を知りません。
なるほどふつうのアイスコーヒーとは違う、だけど、「ちがうなあ」と感じます。
もっといろいろ訪ね歩いて勉強しないといけませんが、
「空振り」のほうが圧倒的に多いのでロスも大きくなるわけで、
ちょっと引けてしまうという悪循環にはまっているんですね。

じゃあなんでアイスコーヒーを飲んでるんだ、となるわけですが、
これは食べ物とセットにすると値引きしてくれるんで頼むわけで、
単品でノックアウトさせてくれるアイスコーヒーなんて、
それこそ金の草鞋を履いて探さないといけないんでしょう。

> 風味や、こくを失わず提供するためには、急冷しかありません。

以前、神戸のUCC直営店でアイスコーヒーを頼んだら、
落としたてのやつを持ってきて、目の前で氷に入れて冷やしてくれましてね、
これは、うまいアイスコーヒーとして記憶に残っています。
HOBOさんの、落としたてをシェイカーで振る、というのはいいアイディアだと思います。

それにしても旨いアイスコーヒーが少なくなって残念です。
近頃はコーヒー豆の原価が高騰していると聞いていますし、
いっそう、コーヒーのレベルを落とすのに拍車がかかるのでしょう。
HOBOさんのコーヒー、楽しみにしています。

Re: まん丸クミさん

まん丸クミさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
中華料理屋さんで「焼き飯」、これは本当、ふつうでしたよね。
今でもメニューに「焼き飯」とある店もまだ残っていますしね。
喫茶店でも「焼き飯」と頼む方もわりといらしたんじゃないかと想像します。

昔はなんだか気恥かしくて使えぬ言葉がありまして、
それが今はごく普通になってしまいました。
むかし使っていた言葉がだんだん使われなくなって、
今それを使うのがむしろ気恥かしくなってしまったのは不思議なことです。
「冷コー」はその典型的なものの一つでしょう。

こちらでも〈シアトルコーヒー〉というのが出店していたことがあって、
何度か使ってみましたが、やはりコーヒーに手を入れ過ぎですね。
ヴァリエーション・コーヒーというのでしょうか。

日本のコーヒーが世界で一番うまい、という話はたぶん本当で、
ブラジルでコーヒー栽培に携わっている人が日本でコーヒーを飲み、
コーヒーってこんなに旨いものだったのか、と感心したそうです。

乙山もこの夏は記事を上げるのだけで精一杯でしたよ!
読み逃げ、おおいに歓迎です。

懐かしい!

こんにちは、はじめまして、乙山(おつざん)さんのブログ楽しませていただきました。堺東銀座のスイスは、健在なのですね、大学卒業まで堺ですごしたので、懐かしいです。

Re: 懐かしい! ; masayukizさん

masayukizさん、初めまして。コメントありがとうございます。
乙山は堺東在住ではありませんが、所用で訪れることがあるのです。
〈スイス〉も〈モナミ〉も〈伊太利庵〉も頑張っているようです。
堺は、昔ながらの喫茶店が多い、素敵な街だと思います。
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只野乙山

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⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

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