南海高野線堺東駅周辺を歩く(2) 源ぺい

Genpei_Sakaihigasi_01.jpg
所用で大阪の堺東に来ている。堺はもともと市街地が堀に囲まれた環濠都市で、その名残を内川や土居川に見ることができる。時間があったら川沿いを歩いてみたいと思っているが、この暑さでは外を歩くことなど到底できるものではない。春先、堺東駅東側にある反正(はんぜい)天皇陵周辺を歩いてみたことがあったが、それだけでもけっこう疲れてしまったように思う。

反正天皇陵から少し離れた所にさらに巨大な仁徳天皇陵(大仙古墳)があり、歩いて行けぬこともないが、反正天皇陵でさえただの丘にしか見えぬとあっては、さらに大きな仁徳陵となれば言わずもがなであろう。近接して大きな丘の周りを歩くだけで疲れるより、堺市役所の上階から俯瞰したほうがよい、とのことである。

とまあ、そんなわけで堺東の「名物」である古墳周辺や古い街並みの探索は後回し(おいおい)にして昼飯である。堺東でいささか残念に思うのは町の中華料理屋さんがないということだろうか。〈餃子の王将〉は駅前にあり、〈天下一品〉も近所にあるんだけど、私(乙山)が利用したいのは昔からある絵に描いたような「町の中華料理店」なのである。

どういうわけか中華料理店が少ない堺東。だけど昔ながらの喫茶店は妙に多い堺東。そんな喫茶店の一軒に〈特製ヤキメシ〉というのがあるのを見た。喫茶店と言えばふつうピラフじゃないのかな、と思うけどあえてヤキメシにしているところがポイントなのだろうか。どうも気になって仕方がないけれど、あまり期待を膨らませてはいけない。こんな男でも、たいていの物事は期待通りにならぬことを経験から学んでいるのだ。

というわけで〈特製ヤキメシ〉の喫茶店から少し歩いたところにある〈源ぺい〉に来ている。産直鮮魚と寿司、炉端の店とある。メインは夜の居酒屋だろうけど、ランチメニューも出しているようだ。見ると寿司もかなり力を入れているというか主力商品であるようだ。客単価平均1000円といった感じのメニューだが、こっちは大尽ではないので「きつねうどんとミニ海鮮ちらし寿司=790円」を頼んだ。

店は民謡が流れていて暗めの照明、わりと落ち着いた雰囲気である。独立系の店かと思って多機能携帯電話機で調べてみるとレストラン・チェーン店〈フレンドリー〉の系列店だとわかった。なあんだ(失礼)、という感じがしないでもないが、そういえば板前に当たる調理師が、手袋をはめて調理しているのが見えた。衛生にも十二分に気を使っているというアピールなんだろうか。

Genpei_Sakaihigasi_02.jpgさて料理が来ましたよ。どこからどう見てもきつねうどん、である。油揚げは店で煮込んだというより工場から袋に入れて運ばれてきたのがわかってしまうような感じだがそんなに悪くない。うどんも、例の讃岐うどん風の冷凍だろうか、駅の立ち食いうどんよりおいしいと思う。ミニ海鮮ちらし寿司も悪くなく、分量的にもちょうどいいくらいである。

抜群に旨いわけではないけれど、そんなに悪くもない。むしろ良く出来ていると思うくらいの仕上がり。なにしろ、角の所にある寿司屋のうどんよりはるかに旨いと断言できる。その寿司屋では細巻きにマヨネーズが入っているのには驚いた。おまけにその寿司屋で会計を済ませると、こっちが釣りを財布にしまっているときにさっさと向こうに行ってしまった。帰り際、二階から一階まで見送りに来てくれる谷九のハンバーグが旨い店とは大違いである。

角の所にある寿司屋には悪いけど、もう行くことはないと思う。だけど〈源ぺい〉のきつねうどんとミニ海鮮ちらし寿司のセットはまた食べてもいいかな、と思う。この店には天丼(590円)もあって、赤出汁を付けてもプラス100円だから、他日、天丼と赤出汁を頼んでしまったほどである。帰り際に割引券までくれるので、またまた足を向けてしまいそうである。


【付記】
● 本当はチェーン店に入り浸りになるより、個人商店を利用する方が好きなのですが、また行ってもいいかなと思える個人商店が少なくなってきているのも事実。この間、やはり堺東でステーキとハンバーグの店に入ってハンバーグを食べたのですが、あれだったら〈やよい軒〉のハンバーグ定食のほうがいいかなと正直思いました。角の所にある寿司屋にしても、ステーキとハンバーグの店にしても、店名を明記する必要はないでしょうし、ましてや記事にする必要もないでしょう。


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No title

>〈特製ヤキメシ〉

関西では当たり前に使っているこの「ヤキメシ」って言葉、東日本ではあんまり聞いたことがないんですよね。大学で奈良に出てきて周囲で「ヤキメシ」って言葉が飛び交っているのを聞いて私が脳裏に思い描いたのは「おにぎり」に味噌を塗って焼いた「焼きおにぎり」。
そうなんです・・・私の郷里で「ヤキメシ(訛ってヤギメスといっていましたが・・・)」と言えば、焼きおにぎり。

でも、最近は「ヤキメシ」と聞いたらすぐに「チャーハン」を思い浮かべるようになりました。
やっと関西人になれたようです・・・

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。

> そうなんです・・・私の郷里で「ヤキメシ(訛ってヤギメスといっていましたが・・・)」と言えば、焼きおにぎり。

ああ、なるほど! 確かに焼きおにぎりは「焼き飯」ですよねえ!
飯を焼いた、という言葉の感じがよくわかります。
乙山の家だけかもしれませんが、ふつう家では焼きおにぎりはしないんですよ。
もっぱらそれは、居酒屋のメニューじゃないかと思います。

一方、中華料理店のチャーハンを、ヤキメシという人は、
意外と関西では多いんじゃないかと思います。
そういう人って、喫茶店に行っても「ヤキメシ」なんですよね。
なのでチャーハンもピラフもすべて「ヤキメシ」で通ってしまいます。

ところで「特性ヤキメシ」、食べてみましたよ!
近々、記事になる予定です。

へんな安定感。

乙さん、こんばんは!

仰るように、マニュアル化された、釣り銭をしまってる最中に行ってしまうようなろくでもないチェーン店より、個人商店のこだわりや温もりに触れてみたいものですが、実力のある店は高いですし、当たり外れのおおい個人商店でがっかりするならチェーン店の変な安定感で我慢するほうが、、、なんか淋しいですが、よくわかりますよ。生きるということは妥協することなんだとしょぼくれる毎日であります。


さすがにあの、れいのハンバーグ屋のような、下まで降りてきて見送ってくれる店などは珍しいかぎりで、ああいうこころもちのオーナーには、ぜひ頑張っていただきたい、そう思いますねえ。

最近、タンノイに浮気してまして、3LZなんかでジャズを聴く感じが温かくてぼくに合っているような気がしてます。

HOBO

Re: へんな安定感。 ; HOBOさん

HOBOさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
昔からそうだったかも知れませんが、チェーン店、よくできますねえ!
個人商店では勝ち残るのは難しい時代になったんでしょう。

〈やよい軒〉ね、HOBOさんに教えていただいてよく利用しているんです。
ご飯などかなりいけてまして、お酒を飲まないときなど、ついお代わりしてしまう!
困ったなあ、なんて思いながらつい、やってしまう。
だけど米の飯の誘惑と魅力を、外食で久しぶりに感じたんです。

谷町九丁目の〈トラウム〉のハンバーグは逸品ですね!
記事にも書いたように、堺東のステーキとハンバーグの店に行ったんですが、
ちょっと信じられないくらいでした。なんで、ああなるんでしょうね?
それで値段が……(値段で価値は決まらないけど)……1000円くらいです。
本当、あれだったら〈やよい軒〉のハンバーグ定食のほうがよっぽどいいですよ。

> 最近、タンノイに浮気してまして、3LZなんかでジャズを聴く感じが温かくてぼくに合っているような気がしてます。

3LZ、良いですねえ! いちばん欲しいタンノイです。
一番が3LZ、次がEATON、最後にスターリングでしょうか。
ふつうの家でタンノイなら、小さめがいいですよね。
お店だったら、初期のコーナー型でモノラルもいいかもしれません。

3LZとかEATONの奥行きは250㎜くらいでして、板も驚くほど薄いですからね。
スピーカーを「楽器」のように想定したやり方です。
これは、現代ならハーベスのスピーカーに通じるやり方で、
現代の附帯音を消そうとするやり方とは明らかに違います。
3LZ、乙山も欲しいですよ。

No title

こんにちは。

チェーン店というだけで、経費節約で安い材料使ってるとか、味に個性がないとか、悪いイメージはありますね。料理が来るまでのワクワク感も無いですし、子連れで行くには便利ですが、ダンナとか友達と2人でも、勿論1人でも敢えて入ることはありませんね。

Re: yuccalinaさん

yuccalinaさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
いやあ、まったく、仰る通りだと思います。
某国産の食品が使われていると思うと、余計に恐ろしくもなります。
ですが何らかの事情で外食チェーン店を利用せざるを得ない人もいるわけでしてね。

今回感じたのは、外食チェーン店より良い個人商店が、
本当に少なくなってしまったということです。
期待して入った個人商店がだめだったりすることが多く、
これだったらチェーン店のほうがいいよ、と思ってしまうこともあるんです。

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只野乙山

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