『ユージュアル・サスペクツ』

『ユージュアル・サスペクツ』(1995年、アメリカ)

TheUsualSuspets.jpg原題:The Usual Suspects
監督:ブライアン・シンガー
出演:ガブリエル・バーン、ケヴィン・スペイシー、スティーヴン・ボールドウィン、ケヴィン・ボラック、ベニチオ・デル・トロ、ピート・ポスルスウェイトほか



映画は港カリフォルニア州、サン・ペドロ港に停泊していた船が爆発、炎上し、甲板には何人もの男が倒れている場面から始まる。キートン(ガブリエル・バーン)は重傷を負ってもう動けない状態で座り込んでいる。そこに男が現れ、キートンは「カイザー・ソゼ」とつぶやくが、男はキートンを撃ち殺してしまう。無傷で生き残った左半身不随の詐欺師ヴァーバル(ケヴィン・スペイシー)に警察が尋問、ヴァーバルが回想するという形で進んでいく。

事の発端は、ある銃器強奪事件の容疑者として五人の男が集められたことから始まる。元汚職刑事のキートン、強盗コンビのマクマナス(スティーヴン・ボールドウィン)とフェンスター(ベニチオ・デル・トロ)、爆弾製造を得意とするホックニー(ケヴィン・ボラック)、そして詐欺師のヴァーバルだった。留置所で一堂に会した五人。いいヤマがあるんだ、マクマナスが持ちかけるが、レストラン経営をしようとしているキートンは相手にしない。

五人はほどなく釈放されたが、キートンは出資者を逃してしまい、経営の見通しがつかなくなってしまった。どうにかして資金を調達する必要に迫られたキートンは、今回だけだという条件で参加、五人はヴァーバルの作戦で汚職警官が絡んだ宝石強奪を行い、見事成功する。強奪した宝石を現金に換えるため、故買屋に接触した五人は、故買屋から新しいヤマを依頼される。

後戻りできなくなった五人は宝石強奪と思って計画を実行するが難航する。迫り来る警察に焦りながら、現物を渡そうとしない男をやむなく射殺、しかも現物は麻薬だった。計画は失敗、仲間割れ状態になったとき、謎の弁護士コバヤシ(ピート・ポスルスウェイト)が現れ、麻薬密輸船の襲撃を依頼する。だが依頼とはいっても、身辺をすべて握られた上、カイザー・ソゼに「借り」(彼らは知らずにソゼの仕事の邪魔をしていた)がある以上、事実上の命令だった。

カイザー・ソゼなど存在しない、と考えたキートンは、コバヤシを襲う計画を実行、修理業者に変装し、コバヤシのオフィスに侵入、ついにコバヤシに銃を突きつけるところまで行った。だがコバヤシは、カイザー・ソゼは実在する、君たちは素直に実行したほうがいい、さもないと……と例によって五人の家族、親類縁者、友人や恋人の名前を挙げる。人数の上からも勝算の少ないヤマに、五人は向かっていくしかなかった。

とまあ、途中まではこんな感じで進んでいくのだが、ヴァーバルの他にも生存者がいて、その男は全身火傷の重傷で病院に収容される。男が「カイザー・ソゼ」と口にした瞬間、捜査官は驚愕し、なんとかソゼの似顔絵を作成しようとする。なにしろ、ソゼは名前だけが知られる闇社会の大物で、長年追い続けているものの全く手がかりさえつかめず、だれも彼の顔を知らなかったからである。

カイザー・ソゼは本当に実在するのか? もし実在するならば、それはいったい誰なのか? これはもう、映画を見ていただく他はない。ただ、話の展開のスピードが速く、いちばん初めに見たときは何のことやらわけがわからない、となるかもしれません。随所に張られた伏線も、それが伏線だとは気付かぬくらい。なのでこれは、あれはどういうことだったんだ、と何度か見て楽しめる映画ではないかと思う。


【付記】
● ヴァーバル・キント役のケヴィン・スペイシーがいいですね。すっかり気に入って『L.A.コンフィデンシャル』とか『交渉人』なども見てしまったくらいです。カイザー・ソゼがそんなに大物なら、コバヤシを通じてプロの殺し屋を雇い、密告者マルケスを消したほうが話が早いじゃないか、などというツッコミはこの際不要でしょう。だって、あのエンディングのための筋書きと設定なんですからね。


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No title

こんにちは。
ヴァイオレンスものは苦手な私ですが、なぜかこの映画は観ました。
二転三転するストーリーに、鮮やかな結末。
突っ込みを入れるのも忘れて楽しみました。

Re: 木曽のあばら屋さん

木曽さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
『ユージュアル・サスペクツ』は引き込まれましたねえ!
後になって、中身が理解できてくると、
初めてツッコミを入れることができるようになるんです。

初めはテンポが速くて何のことやらわからん感じです。
数回見ると、当初は見えていなかった、細部が見え、
あれやこれやが伏線だったことがわかってくるんですね。
だからまた借りてもいいかなあ、とか思いました。
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