『フライド・グリーン・トマト』

『フライド・グリーン・トマト』 (1991年、アメリカ)

FriedGreenTomatoes.jpg
原題:Fried Green Tomatoes
監督:ジョン・アヴネット
出演:キャシー・ベイツ、ジェシカ・タンディ、メアリー・スチュアート・マスターソン、メアリー=ルイーズ・パーカーほか


ジョージア州に住む主婦エヴリン(キャシー・ベイツ)は、子どもたちも独立した後、野球やその他スポーツのことしか興味がない夫と二人で暮らしている。用意した夕食も自分と一緒にとらず、皿だけテレビの前に持っていって食べる夫との関係を変えようと、さまざまな自己啓発セミナーに通うのだった。

ある日、叔母の面会で訪ねた老人ホームにいた老婦人ニニー(ジェシカ・タンディ)と話をする機会を持ったエヴリンは、昔アラバマ州で起きた話をニニーから聞いた。アラバマの小さな町で暮らす少女イジー(メアリー・スチュアート・マスターソン)には大好きな兄バディがいた。バディには恋人のルース(メアリー=ルイーズ・パーカー)がいて、三人で散歩していたが、風に飛ばされたルースの帽子をとろうとしたバディの足が線路に挟まって取れなくなった。そこに列車が来てバディは亡くなってしまう。

最愛の兄を失った衝撃から立ち直れぬイジーは、家に帰ることもなく、釣った魚を食べては酒場でトランプ賭博をして金を儲けるという不良少女(女版ハックルベリー・フィン?)になってしまう。イジーをなんとかしようとしてルースは近付くが、イジーは殻に閉じこもって心を開いてくれない。それでも近づいてくるルースと夜汽車に乗って食料品をホームレスの所にばらまく悪戯をし、ルースも酒場で賭博を覚えるなどするうちに、次第に二人の間に友情が生まれていく。

しばらくしてルースはフランクという男と結婚することになり、イジーにも招待状が来るがイジーは返事をせず、車を飛ばして遠くからそっと挙式を見守り、もうルースとは会わない決心をする。しばらくして、どうしてもルースに会いたい気持ちを抑えきれなくなったイジーが車でルースの所へ行くと、ルースは顔にあざを作っていた。そしてもう自分には構わないでほしい、とイジーを帰らせる。

意を決したイジーは、家に勤めている黒人のビッグ・ジョージと兄を車に乗せ、ルースの元に駆けつける。ルースは妊娠していたが、暴力をふるう夫から離れる決心をし、家を出ようとしたところにフランクが現れ、これはいったいどうしたことだ、と驚く。イジーはフランクに飛びかかるが、一切手加減しないフランクにイジーは振り放されてしまう。そこへナイフを持ったビッグ・ジョージと兄が現れ、フランクは出ていけ、と言い放つ。

女二人とビッグ・ジョージらは「ホイッスル・ストップ・カフェ」を経営することにした。しかしフランクはKKK団の一員としてルースたちをつけ狙っていた。白い布を頭まで覆って松明を持った男たちが店を襲撃、ビッグ・ジョージを捕まえて集団で暴行を加えるが、イジーの昔馴染みの保安官に助けられる。だが、ついに、町の祭りの日、フランクは子どもとルースを取り返そうと行動を起こす。

途中まではそんな感じで進むのだが、エヴリンのパートはほぼコメディになっていて、自己啓発セミナーで得た知識を実行するも夫には全く効き目がないことがわかってくる。それよりも、ニニーから聞く昔話のほうがよほど自分を変えてくれていることに気付き、叔母の面会ではなく、エヴリンはニニーに面会に行くようになり、二人の間にも不思議な友情が結ばれていく。

フランクは突然姿をくらましたままになってしまい、フランクが住む町の保安官はイジーとビッグ・ジョージに容疑を絞って捜査を続ける。イジーらは知らぬ存ぜぬを通していたが、ある日、雨が原因で増水した結果、フランクの車が引き上げられてしまう。やはりフランクは殺されたのではないかという線が濃厚になり、状況証拠からイジーとビッグ・ジョージは裁判にかけられてしまう。

いったい二人はどうなってしまうのか? そして行方不明になったフランクに起きた真実とは? 夫婦の関係を何とか変えようと奮闘するコメディ・タッチの現在と、アラバマ州に起きた謎の事件の過去が交錯して、いつの間にか画面を見続けてしまうのが『フライド・グリーン・トマト』である。ちなみに、この題名は、イジーとルースの店の名物料理で、まだ青いトマトをスライスしたものに衣をつけ、フライパンで焼いた(揚げた?)ものだそうだ。


【付記】
● この映画の最大の謎は消えたフランクはどうなったか? ということなのですが、もう一つの謎は、イジーがまだ死んでいないのなら、彼女はどこで何をしているのか、ということです。映画をご覧になった方は、いくつかの断片的なピースから、イジーがだれなのか、なんとなく想像できる(わかる)と思いますが、そこはそれ、決定的な証拠を提示しないままに映画は幕を閉じます。それがまた、いいのかもしれませんね。


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フライドグリーントマト

こんにちは。

名前を知りつつ見たことない映画でしたが、見たくなりました。

キャシー ベイツ って『ミザリー』のあの怖い人ですよね。たぶんそのせいで見なかったんだと思います。

フライドグリーントマトは、食べたことがあります。ハワイの土曜市みたいなところでした。

外で食べたせいで味の印象は2割増くらいになってると思いますが、さわやかでおいしいものでした。

Re: フライドグリーントマト ; ぢょん・でんばあさん

ぢょん・でんばあさん、コメントありがとうございます。
そうそう『ミザリー』ですね。あのイメージとは全然違って、
可愛らしい感じのするキャシー・ベイツです。

フライド・グリーン・トマト、今でも本当にあるんですね!
さわやかでおいしいものなら、一度食べてみたいと思います。

No title

こんばんは
面白い映画でした。
観たのを忘れていましたが
濃い味の映画ですね。

Re: fuseさん

fuseさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
現代と過去が交錯する映画で、アメリカ南部の雰囲気がよく出ていましたね。
筋はわかっているけど、また見たくなる映画です。
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只野乙山

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