コードレーン・ジャケット

CordlaneJacket02.jpg
春夏のジャケットとして背抜きで紺色のブレザー・コートがあり、もう一着は同じく背抜きで非常に細かいグレーとライトブラウンのハウンドトゥース(千鳥格子)柄のジャケットがある。これでだいたい間に合っているのだが、この時期になると着たくなるのがコードレーンかシアサッカーのコットン・ジャケットである。

仕事にも使うとなれば、コードレーンのジャケットがいいのではないかと思う。コードレーンは綿素材の細い畝が入った生地で、1930年代にブルックス・ブラザーズがこれでジャケットとトラウザーズを作ったのが元祖であるという。さすがにコードレーンのスーツは厳しいので、ジャケットだけ買うことにした。

といってもブルックス・ブラザーズのコードレーン・ジャケットを買うつもりはない。今は日本人向けに合わせて作っているかもしれぬが、以前はそういう配慮がなく、少なくとも自分には合っていなかったように思えた。1980年代の終わり頃、阿倍野の近鉄百貨店のブルックス売り場でそれを実感した。あちら製をそのまま持ってくるのが最も喜ばれる時代だったわけである。つまんない服屋だなあ、とその時思ったのは本当の気持ちだ。

ファンには怒られるかもしれぬが、ブルックスの服(というかほとんどのブランドの服)はすべて「既製品」なのである。本来、そんなに有り難がって着る類のものではなく、要するに「吊るし」なんですね。シャツもジャケットも、「ボックスシルエット」で作ってあるけれど、それは体型差をゆったりした形にしてできる限り回収しようという意図(?)で、本来、服というのは自分に合ったものがベストであるのは言うまでもない。

自分の場合、たとえばジーンズでもそうだけど、日本人の体形に合ったものが好きで、日本人が作った日本人の体形に合った服、これがいちばん気に入っている。ブランドの服に自分を合わせるというか、本当はあれは合ってないんだけど、肩だけが妙に張っていたり(イタリア物)、袖が異様に長かったりするの(直輸入物)は見ていて痛いものがある。近頃は日本製が少なくなってきたのが残念だ。

といいながらも、正体不明の(たぶん日本製ではない)淡いブルーのコードレーン・ジャケットを買ってきましたよ。どこで買ったか大きな声で言えないことは確かだ。こんな男(乙山)がお洒落を語るのはどうかと思うが、正体不明の安物を着ているのにそれらしく見える、というところをあえて狙っている。だから一般的にはきちんとしたブランド物、それこそブルックス・ブラザーズやニューヨーカー、J.PRESSあたりをお勧めする。

かなり細手の畝ですね。ラペルはいささかナロー(狭いめ)になっていて、いまどきの流行を反映しているわけだろうか。胸にはポケットがあり、ここにリネンのチーフなんかを飾るといいかもしれない。左右のポケットはパッチ&フラップになっていて、少しカジュアルよりにできている。肩は薄いパッドが入っていて、いわゆるアンコン(アンコンストラクテッド?)ではない。センター・ベントで全体にかなり軽く、所有しているジャケットの中では最軽量だろう。

ネットのコーディネート指南によると、コードレーン・ジャケットには白のリネン・シャツを合わせ、淡い色のネクタイを選ぶように、などとあるけれど、だれが仕事で白のリネン・シャツなど着るものか。ここはいつもの白のピンポイント・オックスフォードシャツを合わせる。ネクタイは紺かダーク・ブラウンの無地のニット・タイを選んだ。本当は指南通り、淡い色のニット・タイがあれば良かったかもしれない。

コードレーン・ジャケットは意外にボトムスを選ぶと思う。とりあえずはベージュ系のコットン・トラウザーズを選んだが、思い切ってオフホワイトのそれでもいいかもしれない。ライトグレーのウール・トラウザーズもいけるかもしれぬが、気分はやはりコットン・トラウザーズなのである。靴はこげ茶色(チョコレート色)の紐靴、ベルトもそれに準じてダーク・ブラウン系を選ぶ。

休日ならコードレーン・ジャケットにデッキ・シューズとかローファーもいいだろうけど、仕事の日にスリッポン(slip-on shoes)は履きたくない。昔はよくローファーを履いたのだが、どういうわけか今はあまり履く気になれない。いざというときしっかり走られる、蹴りもできる(?)という靴を選ぶようにしている。そうでないと、仕事の相棒にはならぬのである。

コードレーン・ジャケットをまとって初夏の兆しを感じさせる街に出る。たとえそれが正体不明の安物であったとしてもそんなに気にすることはない。要はコードレーン・ジャケットをさくっと仕事に使えるセンスと着こなしである。歩いていると風が心地よい。しかし街では半袖のポロシャツで歩いている人がいる。いつまでジャケットを着ていられるだろうか。


【付記】
● 実際にコードレーン・ジャケットを着て歩いている人は極めて少数派だと言えるでしょう。シアサッカー・ジャケットとなると、さらに少ないのではないかと思います。6月は意外に寒い日もあったりするのですが、果たしていつまで上着を着ていられるんでしょうか。

予想はしていたのですが、ストライプやチェックになると写真にモワレが出てしまいますね。環境にもよると思いますが、写真のジャケットが何だか波打つように見えているのです。それがモワレです。


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粋なオトコ。

乙山殿の
おっしゃれっ ぷりに
こちらも何だかワクワク
して来ますねぇ〜 (^o^)

コーデは私なら、ほんの少し
ブラウン掛かったライトグレイの
綿麻混のトラウザーズにダーク
グレイの艶消し素材を用いた
メッシュのストレートチップを
合わせたいですねえ〜、仮に
ノータイでポロシャツでも
粋なオトコを気どれそうで
カッコイイですっ!

コードレーンジャケットを
チョイスする乙山殿、あっぱれで
ござる。m(._.)m



Re: 粋なオトコ。 ; 四の字硬目さん

四の字硬目さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
いやねえ、コードレーン・ジャケット、本当にボトムスに悩みます。
一応、ベージュ系のコットン・トラウザーズを合わせていますが、
いつも「他になんかないかなあ」と思ってしまいますね。

コットン・トラウザーズはこの時期、あまり暗色系がありませんし、
暗色系のコットンは色落ちが激しいのでチョイスしたくありません。
そうなると、やはりオフホワイトのコットン・トラウザーズかなあ、となります。

それに、白と茶色のコンビになったスペクテイター・シューズを合わせ、
理想的にはボーター・ハットを被るのがいいのですが、
たぶん、ボーター・ハットは実行されないでしょうね。

四の字硬目さんのアイディア、かなりいい感じじゃありませんか!
やりますねえ!

おはようございます。
そのてのジャケット、ぼくはシアサッカーを
好んで着ていますよ。アンコンの。
パンツかあ、、本当は色の濃いデニムパンツか、サテンやピケなんかの
ホワイトジーンズがぴったりなんだけれど、おっしゃるように
仕事でも着れて、しかも乙山さんのようにきゅうに
走り出したり蹴りをいれたりする仕事となると、
まちがいなくそれは≪デカ≫しかないわけで?笑
まあ、仕事の種類にもよりますよね。ぼくの仕事のように
ネクタイをすると逆に怪しまれる職種もあるわけで。

それと、ブルックスにかぎらずラルフローレンなんかも
今のは話しにならないですね。ぼくの場合、体に合った
洋服というより、着たい洋服を着れる男を磨くほうが楽しいかな?笑


HOBO

Re: HOBOさん

HOBOさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
いやあ、じつは乙山は探偵……じゃなかった、ちがうちがう!
乙山はそういう仕事じゃありませんよ。

いざというとき、だれかを助けるとか、走らなきゃいかんとか、
そういうわけでして、蹴りというのは売られたケンカは、
ということなのでしょうが、そういうことがなければいいなと思います。
体格とか体力ではもう、限界があるのがわかっています。

ううむ、さすがHOBOさん、アンコンのシアサッカーですね。
本当に少数派じゃないかと思います。
大阪でも朝と晩に歩いて、一人だけコードレーンのジャケットを着た男性を見ました。
その方は、ダーク・チャコールのウール・トラウザーズに合わせていましたね。

> パンツかあ、、本当は色の濃いデニムパンツか、サテンやピケなんかの
> ホワイトジーンズがぴったりなんだけれど

やはりそうですね。濃いインディゴかホワイトのジーンズ、
これらが合いそうですね。オフホワイトのコットン・トラウザーズも捨てがたいです。
着たい服をさくっと着られる人はいいですね。
たとえば浴衣に草履で街に繰り出してみたいですね。
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只野乙山

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