インチキ土佐酢でタコ酢

BoiledOctopusWithTosasu.jpg
タコといえば、むかし家族で淡路島へ海水浴に行った時のことを思い出す。どういうわけか、タコが浜に打ち上げられた、あるいはだれかが釣ったのかはっきりしないが、とにかくタコが陸上でのたくっている姿を見て興奮した。たしか4~5歳のころだったと思うけど、あの頃はまだ国産のタコが市場に出回っていたのではないだろうか。

近頃は国産のタコなんて高嶺の花で、モロッコだかモーリタニアだかどこか遠洋でとれたものが流通しているようである。例によって閉店間際の遅い時間、駅前のスーパーマーケットでタコがたくさん並んでいるのを見て、足が一本だけパックされたものを買ってきた。これで、タコ酢をやろうという心算である。

居酒屋ではタコぶつ(タコのぶつ切り?)と称した一品があって、文字通りぶつ切りにしたタコをわさび醤油で食べる。これはなかなかおいしいものだが、タコ酢にして食べるのも好きである。この場合、酢と砂糖で甘酢にするのもいいが、二杯酢か三杯酢、あるいは土佐酢で合わせるほうが好きである。

男性はだいたい酢の物が苦手だと思うが、それは酢と砂糖による甘酢のせいではないかと思っている。土佐酢にすると、タコと胡瓜とわかめの酢の物も酒のあてになる。なので酢の物苦手を自称する方は土佐酢を使ってみることをお勧めする。土佐酢はミツカンのものが簡単に手に入るので、レシピを見て土佐酢を作らんと奮闘する必要もない。

じつは横着を承知でミツカンの土佐酢を愛用しているのである。その日もタコをそぎ切りにしたところに土佐酢をぶっかけて終了、となるはずであった。ところがどうしたことだろう、必殺の土佐酢を切らしているようなのである。困ったことになったなあ、と冷蔵庫を点検すると、白だし醤油と麺つゆを見つけた。

家には酢とみりんは常備してある。これらと白だし醤油、麺つゆで土佐酢のようなものを合成できないだろうか? 早速実行してみた。白だし醤油と酢をベースにして、甘みはみりんで補う。最後にほんの少し、麺つゆを入れてかき回し、味見してみると、うむっ、土佐酢にかなり近いインチキ土佐酢ができたではないか。

えっ、分量の配合ですって? そんなもの、覚えてやしませんよ。料理に覚えのある人なら、ご自分で適当にできると思う。レシピ通りにやりたい、という気持ちもわからぬではないが、味を決めるのはあくまで自分自身。いつも使っている分量と、レシピの分量を比べれば、どういう加減をすればいいかわかるはず。

タコはぶつ切りでもそぎ切りでもいいが、タコ酢にする場合、そぎ切りをお勧めする。写真ではタコの表面にギザギザを入れて格好をつけているが、こういうことをする必要は一切ないのは言うまでもない。これは池田のある料理屋で板前さんがタコ酢を出してくれた時のことを思い出して適当に真似をしてみただけで、実物はもう少し細かい切れ目が入っていたように思う。

タコをそぎ切りにできたら器に盛り付け、インチキ土佐酢をぶっかけて出来上がり。器はいつも使っている100円均一店で買ったオーバル型のボウルでもいいが、せっかく青海波の紋様の器があるのでそちらにした。海の雰囲気があっていい感じだ。これは阪急宝塚線の庄内駅付近にある瀬戸物屋で買い求めたもの。近隣では一番の瀬戸物屋でお気に入りである。

食べてみると、ううむ、うまいっ! インチキ土佐酢、なかなかやるじゃないか。本当は二杯酢に出汁を合わせた(必要なら追い鰹をかけた)のが土佐酢で、やろうと思えばできぬでもないが、白だし醤油と麺つゆ、酢とみりんがある方にはこのインチキ土佐酢をお勧めします(おいおい)。さっとできるし、お味のほうもなかなかいけるのであります。


【付記】
● これでしばらくミツカンの土佐酢がないからと慌てることもなくなりました。ミツカンの土佐酢を買ったときもたぶん、あれら調味料は家にあったはずなので、どうしてそのとき思いつかなかったのか不思議でなりません。


人気ブログランキングへ blogram投票ボタン
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

インチキでも何でも土佐酢を作られる只野乙山さん、尊敬です。
タコも飾り切りではないですか?
かなりの技をお持ちですね。

本当、最近はタコはお高いですね。いつからこんなに高くなったのかしら?って思いますよね。

土佐酢....かなりマニアックです。

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
じつは遠い昔、飲食店でアルバイトをしていたことがあって、
自分の作った料理でお金を頂いたことがあるんです。
だけどそんな大したレベルではありませんよ!

高いのは国産のタコでして、外国産ならなんとかなるのではないでしょうか。
本当はおでんに入れてまるごと脚一本、といきたいところです。
それもかなわぬほど、外国産でも高くなってしまいましたね。

土佐酢はそんなにマニアック?
まあ、とりあえず、スーパーマーケットでミツカンの土佐酢を買ってみてください。
これ、酢の物関係なら何でもいけますよ。
箸休めがあてとしての一品になること請け合います。

No title

たこはうまいですねえ・・・好物のひとつです。
清酒の当てなどにはこれがたまりませんね。

けれども、少々割高になってきたので、なかなか満足行くまで食べることができませんが・・・

ところでたこと言えばこちらでは明石あたりのたこが有名ですが、国元に帰ると志津川(南三陸町)のたこが有名で、なかなかのもんですよ。それに、関西ではお目にかかりませんが柳たこなんてのも東北から北海道にかけてはありまして、手の込んだ調理をせずにさっと湯がいたもの(たこの場合これが生食に相当しますね)を食べるだけなら、こちらの方が味わいは上かと個人的には思っています。おまけに・・・こっちの方が安いですしね。関西でも時々スーパーで見かけることもありますので、そんな時には迷わず購入しています。

No title

おはようございます。
私は酢タコを買ってしまうことが多いんですが、真ダコに土佐酢も美味しそうですねえ。
ちなみに私は酢ダコは山かけにして、ワサビ醤油で食べるのが好きです。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとございます。
本当、タコってわりといい値段するんですよね。
以前はそうでもなかったはずなのですが、
やはり乱獲がたたって今では高級食材のようになりましたね。

>国元に帰ると志津川(南三陸町)のたこが有名で、なかなかのもんですよ。それに、関西ではお目にかかりませんが柳たこなんてのも東北から北海道にかけてはありまして

志津川のタコ、聞いたことはありませんがおいしいでしょうね。
なにしろ明石のタコだって、本物だかどうか、食べた記憶がありません。
柳タコも初めて聞きました。スーパーマーケットに出ることもあるんですね。
気を付けてチェックしてみます。

Re: yuccalinaさん

yuccalinaさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ゆがいただけのタコに土佐酢をかけるのが好きです。
酢に浸かってある場合……それは買ったことがなかったです。
仰るように、山かけでわさび醤油、それが正解でしょうね。

No title

タコにもちゃんと包丁の仕事がしてあるのは流石ですよね。
私も居酒屋に行くと必ずタコブツを注文します。

子供の頃に岸壁に行った時、地元の子供達がイイダコを釣っていた事を思い出しました。
バケツとか生け簀に入れられないので、串に刺して地面に突き刺して置いてあったのにビックリしました。

取れたてを茹でるというのが良いんでしょうけど、一般人には無理な話でしょうねぇ。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
このギザギザは遊び心です。ですがこうすると、なんだか染みるのも早いような。
食べたときの感じもなかなか良いのです。

タコぶつはおいしいですね。あれほどシンプルでおいしいものもないでしょう。
大きな生ダコのぬめりを取るのは塩もみらしいのですが、
地元では洗濯機でやるというのをどこかで聞いたことが……
都市伝説の一つかもしれませんね。

No title

乙山さん、こんばんは。

う~ん、波をうって切っているところがニクイ演出です。

ざぶとん一枚!

Re: まん丸クミさん

まん丸クミさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
これはね、とある料理屋でこんなふうにタコを出してくれたことがありまして、
それを思い出して遊んだだけなんですよ。

No title

う~む、男の手料理にしては、進んでますな。削ぎ切りなんて包丁仕事も。
むかし、 明石の市場でタコが歩いているのを見たことがありましたが
すぐ店の親父に捕えられ強制収容されました。
沖縄にも島ダコというのがありますが、店で買っても茹で過ぎの感があってイマイチです。
僕はレタスやトマト、キュウリ、ツナと合わせてイタリアンドレッシングでまとめるサラダが好きですね。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そんな、インチキ土佐酢を合成し、タコを切っただけでありまして、
料理と呼べるものかどうか、怪しいくらいですよ。

タコをサラダに入れるアイディア、いいと思います。
タコを薄く切ったものに玉ねぎ、オリーヴ油、酢、バジルなどを入れ、
タコにかけて食べてもうまいんじゃないかと思うんです。
もっとも、シンプルにわさび醤油がいちばん王道かもしれませんね。
プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

⚫︎ 下の「全ての記事を表示する」をクリックすると、全記事のタイトル一覧が出ますので過去記事を参照することができます。

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
最新コメント

openclose

最新トラックバック
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アーカイヴ

2017/10 (6)

2017/09 (9)

2017/08 (8)

2017/07 (9)

2017/06 (9)

2017/05 (9)

2017/04 (8)

2017/03 (9)

2017/02 (4)

2017/01 (1)

2016/06 (1)

2016/05 (13)

2016/04 (13)

2016/03 (20)

2016/02 (10)

2016/01 (11)

2015/12 (10)

2015/11 (10)

2015/10 (11)

2015/09 (13)

2015/08 (10)

2015/07 (11)

2015/06 (10)

2015/05 (10)

2015/04 (10)

2015/03 (11)

2015/02 (9)

2015/01 (11)

2014/12 (9)

2014/11 (10)

2014/10 (11)

2014/09 (10)

2014/08 (10)

2014/07 (10)

2014/06 (10)

2014/05 (11)

2014/04 (10)

2014/03 (10)

2014/02 (9)

2014/01 (11)

2013/12 (9)

2013/11 (10)

2013/10 (10)

2013/09 (10)

2013/08 (11)

2013/07 (10)

2013/06 (10)

2013/05 (10)

2013/04 (10)

2013/03 (11)

2013/02 (9)

2013/01 (11)

2012/12 (9)

2012/11 (10)

2012/10 (11)

2012/09 (10)

2012/08 (10)

2012/07 (10)

2012/06 (10)

2012/05 (11)

2012/04 (10)

2012/03 (10)

2012/02 (10)

2012/01 (9)

2011/12 (9)

2011/11 (10)

2011/10 (10)

2011/09 (10)

2011/08 (10)

2011/07 (9)

2011/06 (9)

2011/05 (10)

2011/04 (8)

2011/03 (8)

2011/02 (12)

2011/01 (12)

2010/12 (12)

2010/11 (13)

2010/10 (15)

2010/09 (15)

2010/08 (14)

2010/07 (16)

2010/06 (17)

2010/05 (21)

2010/04 (18)

2010/03 (20)

2010/02 (23)

2010/01 (27)

2009/12 (27)

2009/11 (27)

2009/10 (26)

2009/09 (24)

2009/08 (19)

2009/07 (21)

2009/06 (30)

2009/05 (26)