アサリのペペロンチーニ

Pepperontini_ShortClam.jpg
アサリが旬である。産卵を迎えたアサリは身が肥えていてうまい。秋にも産卵期があるらしいので逃さず食べたいが、食品売り場に連日並んでいるのを見て、つい手に取ってしまった。例によって閉店直前の時間帯になることが多く、帰ってから塩水(3%くらい)につけてしばらくおいてから、なんてしていると次の日になってしまう。

仕方なく、その日に食べるのはあきらめて一晩アサリを塩水につけて寝かせておいた。休日の昼、これをスパゲッティに入れて食べようという算段である。アサリはトマトソースとも相性がいいけれど、ペペロンチーニに入れて仕上げてもうまい。後者をボンゴレ(二枚貝)・ビアンコ(白)などと称することもあるようだ。ちなみにペスカトーレは「漁師」という意味だそうだ。

アサリのペペロンチーニといっても、ふつうのそれにアサリが加わるだけ。アサリ、ニンニク、唐辛子、塩、スパゲッティ(何でもいいが、今回は1.6mm)を用意する。スパゲッティがゆで上がる時間と、アサリが口を開くタイミングをだいたい合わせるのがこの料理の最重要ポイントではないかと思う。だからゆでている間にアサリを洗っていては間に合わぬ。

ゆでる準備だけしておいて、まずアサリを両手で持ってすり合わせるように、力は入れずに洗う。途中で水を換え、何度か洗ったら穴あきボウルなどに移しておく。ニンニクは一カケ使うが、物によっては半分でいい場合もあるだろう。みじん切りにしてもよいが、今回はいつものようにスライスした。唐辛子は面倒臭いのでそのまま。

唐辛子を細切りにしてすべて食べてしまいたいという向きは種を取り除き、キッチンハサミか何かで細切りにすればいいと思う。すべて準備が整ったら作戦開始。スパゲッティのゆで時間は6~7分である。前半約3分はニンニクと唐辛子に火を通し、オリーヴ油にそれらの香りや辛さを移すことに費やす。

後半約3分でアサリを投入、あれば白ワインを入れるといい感じではないかと思うが、そういうものはないのでここは日本酒を適宜入れ、、強火で蓋をしてアサリを蒸し焼きにする。時々フライパンをゆすったりしてアサリの様子を確認しよう。ご存知と思うが、アサリは火を通し過ぎると少し縮んでしまうのでご注意を。

アサリが口を開ききったらすぐ火を止める。スパゲッティがゆで上がったので湯切りをしてフライパンに投入するが、ゆで汁を少し残しておくのを忘れぬように。もし水分が少なすぎるように思えたときは、ゆで汁を加えて調整するといいのだが、今回はほんの少しだけ淡口醤油をたらしてみた。なくてもいいが隠し味である。

すべてに火は通っているので、フライパンの中でいつまでも炒めるようにする必要はない。さっと全体を合わせたら、皿に盛りつけよう。この時に例の水分調整を、必要であれば行う。もし塩気が足りぬようなら、食べるときに塩をふりかけるとよい。辛さは唐辛子からじゅうぶん出ているので、コショウをふりかける必要はないが、コショウを使ってもそれはそれでおいしいのかもしれない。

さて料理ができましたよ。休日なのでもちろんビールを立てるに限る。ふだん、何の飾り気もないただのペペロンチーニだけでじゅうぶん満足している男であるから、アサリが入るとなんだかものすごい御馳走を食べているような気分になる。そうだ、大好きなバジルも忘れないようにしよう。バジルとアサリの相性もいいと思う。やはりこの時期のアサリは身がぷっくりしててうまいものだ、と旬の味を堪能した。


【付記】
● どれだけ砂を吐かせても、完全にアサリの砂を取り除くことは難しいですね。今回も2個ほど、砂を噛ませてくれた個体がありました。アサリは栄養的に非常に良質な成分を含んでいるのだそうです。これを、豚肉と合わせるとさらに良いとか。豚ひき肉でワンタンを作り、それとアサリによる「アサリワンタン」が好物なんです。


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おはようございます。

ひさしぶりにコメントさせていただきます。

ついさっきテレビで潮干狩り(あさり)の様子を見ました。
乙山さんの画像からあさりとにんにくの香りが漂ってきそうです。
「旬」を大切にしたいものです。
「食」に対する姿勢をいつも乙山から学ばせていただいております。

Re: 旬 ; mikitaka08さん

mikitaka08さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
この季節、アサリが本当のおいしいですね。
写真をご覧いただくと、身がしっかり入っているのがおわかりかと思います。

アサリの酒蒸しだけでもおいしいですし、
こうして何かと合わせてもばっちりです。
豚肉の肉団子とか、ワンタンと合わせるのもいいですよ。

結局、他の生物の生命を頂いて、人間は食べるのですから、
その有難味を忘れないように心がけています。

No title

>アサリが旬である・・・

この季節のアサリはたまりませんなあ・・・スパゲッティーに限らず、単純に酒蒸しをしてもおいしいし、お味噌汁にしてもおいしい。浅蜊ごはんなんていいのもいいし・・・

そうそう最近やったので、アサリ鍋。具は大根の千六本と油揚げ。味は手元の鉢に好きにつけて・・・そして最後、残った汁にあっさりとした味を付けて、素麺を入れる・・・

これ、よかったですよ・・・

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
仰るように本当、スパゲッティ、酒蒸し、味噌汁、どれもいいですね。
アサリを食べるとき、貝塚のことをふと思うんですね。
昔の日本人も、こうしてアサリとかハマグリ、シジミを食べていたんだろうな、と。

なるほど、大根の細切り、油揚げ、アサリの鍋ですね。
具を絞ってあるのがいいところだと思います。
アサリがぱっと開いたところを逃さずとって食べる、そんな感じがしましたよ。
後に素麺というのが、なんとも合っている感じがします。

どうもこんばんは
なんともお腹の減る記事ですね~。
中学の春休み時分に親戚がボートで連れて行ってくれた島で採ったアサリの味を思い出しました。
ボンゴレビアンコもぺぺロンチーノも、シンプルで有るが故に
一寸したさじ加減や素材の出来不出来で味が変わり面白いですよね。
今の時節ですと菜の花を使ったぺぺロンチーノも美味しいです。
アサリと菜の花を合わせても美味しそうですよね…またお腹が減りそうです。
長々と失礼致しました。

^^

ペペロンチーニ・大好きですよ。
「絶望のパスタ」とも呼ばれているそうですが。
あのSimpleさがいいです。

最近気付いたことすけど。
今まで胡椒を多めに入れていたようで。
少なくしてみたら。
麺が殊の外美味しく感じました。

アサリのトッピングもいいですね。
今度作ってみようと思います^^)/

Re: tanimuraさん

tanimuraさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
仰るように、ペペロンチーニはじつにシンプルで、
それゆえに難しい面もありますね。

菜の花のペペロンチーニ、良いですね!
旬のものを使ったペペロンチーニは最高です。
なるほど、菜の花とアサリも合いそうな気がします。

Re: ^^ ; waravinoさん

waravinoさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ペペロンチーニは、ニンニクと唐辛子、オリーヴ油、塩だけが基本です。
コショウは入れなくても唐辛子から辛みが出ますからね。

ですが好みでコショウを入れてもいいのではないかと思います。
カルボナーラのようなものには、あら挽きのコショウをたっぷり入れます。
まあこれも好みでしょうけどね。
アサリがおいしいうちにぜひどうぞ!

No title

うわぁぁ、あさりがぷっくりしててめちゃ美味しそう!!!
身辺ばたばたしていてつい忘れていましたが、もう旬の頃なんですよねぇ・・・

砂抜き、私も半日以上かけますが完全に抜くのは難しいですよね~
邪道とは思いつつ、あさりを少量のスープで炒め煮→殻を取り外し、身を触診・
スープはキッチンペーパーで漉す などの工程を入れています。
あさりのジューシィさは消し飛びますが、旨味だけは味わえるかなぁと・・・

良い砂抜き方法がありましたら、是非ご教授下さい~(^^;)

Re: zumiさん

zumiさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そうでしょう、この時期のアサリはびっちり詰まっている感じですよ。
春になるとアサリ、これを忘れてはなりません。

zumiさんのやり方は、なかなか周到な方法だと思います。
ですがアサリの砂は、忘れたころに「がりっ」とくるんですよね。
大丈夫だろうな、これでじゅうぶんだと思ってもそうなんです。

底を二重にする、というのがいいかもしれません。
ボウルに何かをかませて、穴あきボウルを敷き、そこにアサリを入れるのです。
そうすると、アサリが吐いた砂は下に落ち、
もう一度アサリがそれを再吸収することはないわけです。

今のところ、それくらいしか考えが浮かびません。

No title

アサリの処理まで出来るなんて、尊敬でした。
本当にペペロンチーノは美味しいですね。大好きです。
そうそう、白ワインいいですね。
本当に美味しそうで、感動してました。

春が旬なんですね?
旬のものが一番美味しいですね。
こちらは、そろそろふきのとうが旬になります。

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
えっ、アサリの処理って、ただ塩水につけておくだけでしょ?
このとき、二重構造にすれば砂の再吸入を防ぐことができる(?)程度のことです。

だけど、どれだけやっても、砂が残っている個体があるものです。
完璧を求めてはいけませんね。
ペペロンチーニはイタリア料理でしょうから、
酒=白ワイン。ほんとは白ワインで口を開かせるのがベストでしょう。

それがないから酒でやったわけですが、酒でもじゅうぶんおいしかったですよ。
北海道産のアスパラガスを見かけました。
春のアスパラガス、本当においしいですよ。
ふきのとうが旬なら、こちらの店頭にもうまくいけば並ぶかも。

アサリは産卵期が二回あるみたいで、3月~4月頃と、
秋には10月頃が旬みたいです。秋の旬はあまり知られていませんが、
アサリといえば春、みたいな感じです。
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只野乙山

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