酢レンコン

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レンコンのてんぷらが大好きである。かなり以前、吉田拓郎のエッセイ本を読んだとき、〈ペニーレイン〉という店でおおいに飲みながらレンコンのてんぷらを食うのだが、レンコンのてんぷらはいくらでも食べられる、というような内容を目にしてからだろうか、いつのまにか自分もレンコンのてんぷらが大好きになってしまった。

立ち飲み屋では串かつでレンコンばかり頼み、しまいには「串を打たなくていい、レンコンだけ三つ揚げてくれ」などというものだから、立ち飲み屋の店員さんに「レンコンの人」などと言われるようになってしまった。新梅田食堂街の立ち飲み串かつ屋〈松葉〉でも、ついレンコンの串かつばかりつかんでしまうという重症患者になってしまったのである。

そうは言うものの、自宅では揚げ物をやらぬと決めているのでレンコンのてんぷらを食うことはできぬ。なのでもっぱらレンコンのきんぴらとか筑前煮などを作って食べているが、レンコンのてんぷらが好きというよりレンコンそのものが好きなのかもしれん。今回はレンコンの味を存分に味わうことができる「酢レンコン」である。

しかしなんて地味なんだろう。酢レンコンなんて、ちらし寿司に入っているようなものしか食べたことがないような気がする。なんでこんな地味な料理を作る気になったのか自分でもよくわからないが、閉店間際の某スーパーマーケットの食料品売り場でレンコンを見かけ、ついつかんで買い物籠に入れてしまったんだから仕方がない。

レンコンを甘酢に漬けこむだけの料理だが、まず甘酢を作らねばならない。一般的には昆布で出汁をとるのから始めるが、いつものように粉末昆布を使って出汁を作る。昆布出汁が熱いうちに砂糖を入れてとかしてしまうと、後はそこに酢を入れ、塩で味を決める。塩を入れると甘酢が引き締まって味わえるものになるから不思議である。

レンコンは皮をむき、輪切りにする。ちらし寿司に入っている酢レンコンは非常に薄いスライスだが、自分で食べる分にはもう少し厚みがあったほうがいいのではないかと思う。輪切りにしたレンコンは酢水にしばらくつけてアクを抜いておこう。後はレンコンをゆでるだけなんだけど、あまり煮続けると柔らかくなりすぎるのでご注意を。

ゆであがったレンコンを保存容器に入れ、そこに甘酢を注ぐ。あれば唐辛子を適宜入れるとピリリと引き締まった酢レンコンができる。ある程度冷めたら冷蔵庫に移し、一晩漬けておいたら翌日には食べることができる。甘酢は多めに作っておいてPETボトルなどに移し替えれば冷蔵庫で保存でき、レンコン以外にも使えるので便利である。

夜遅く帰って来たとき、とりあえず酢レンコンがあれば一杯やれるというのはうれしいことだ。じゃこおろしなんかと一緒に一杯やりながら、後は何を作ろうかな、などとのんびりできるのがいいところだ。酢れんこんで酒を飲みながら、レンコンのてんぷらのことを思う。そんな調子で、今宵も更けていつの間にやら日付が変わってしまったではないか。


【付記】
● 酢レンコンは冷蔵庫で数日間は保存できるので、一度作っておけば数日に渡って食べることができます。じゃこおろしと酢レンコンだと? まったく、貧相なもんばかり食いやがって、という声が聞こえてきそうですが、その後は鶏塩グリル焼きが待っているのですぞ。ていうか、それも大した料理じゃないのかも……


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No title

吉田拓郎フアンの一人としてこのレンコンのエピソードは知っているのですが、
どうにも私はレンコンが苦手で・・・
天ぷらぐらいだったらなんとか食べられるんですが、酢レンコンとなると・・・
酢の物も苦手なので、この酢レンコンは嫌いなものの2乗・・・(笑)

正月になるとお決まりの様に妻が作るのですが、どうしても無理です。

そうですね・・・喜んで食べられるレンコン料理といえば、辛子レンコンぐらいでしょうか・・・

どうも味覚がお子様なもので・・・・

No title

酸っぱいのもレンコンのシャキシャキも大好きなので、当然好きです。梅酢と砂糖で漬けたら美味しそうな気がしますが、やったことありますか?

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そうですかgatayanさんも吉田拓郎とレンコンのてんぷらの話をご存知でしたか!
かなり昔(浅田美代子と結婚した頃?)の本なので、
本当かどうか自信がなかったのです。

まあ男はふつう酢の物は苦手ですよね。
乙山も今でもその傾向がありますが、土佐酢とか二杯酢の和え物など、
そういうものから入って、やっと甘酢に辿りつけました。
だけど甘酢の酢の物ってねえ……お気持ちよくわかりますよ。

Re: yuccalinaさん

yuccalinaさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
どちらかというと酢のものは苦手だったのですが、酢レンコンはなんとかいけそうです。
これ、らっきょうの甘酢漬けと同じようなものですからね。
梅酢で漬けたら色がきれいになるでしょうね。塩分をどうするか、がポイントでしょう。
なのでやったことないんですよ。

No title

おお『酢蓮』をご自分でお作りになるとは…

これは酒のアテにも良いですし、ご飯時に「何か一皿欲しいな」という時にも良いですよね。
ちゃんと甘酢に昆布だしを使うというのは参考になりました。
私は甘酢の中にはさみでチョキチョキした昆布を放り込むだけです。

実は新生姜の時期に何時も自分で『ガリ』を漬け込むので、今度粉末昆布を使ってやってみようかと思います。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
レンコンが好きなものですから、いつでも食べられるように(?)作ったのです。
本当は酢の物は苦手なのですが、土佐酢とか二杯酢から入ったので、
なんとか甘酢まで来ることができました。

生姜の甘酢漬けも作るといいですよね。去年作った紅生姜もまだあります。
生姜の甘酢漬けと酢レンコンがあれば、ちらし寿司もすぐできそうです。
何かと使いでがありそうな、酢レンコンです。

No title

レンコン堀り・・昔、子供の頃・・近くの沼で、泥だらけになりながら新芽を探して掘ったものです。

我が家では、レンコンは大根おろしみたいにすりおろして・・
スープに剃り流したり、片栗粉に入れて団子にします。
あとは、レンコンフライです。
ハンバーグのつなぎにも入れます。きんぴらも美味しいし・・・

ただ糖質が多いので、警戒してしまいますが・・(笑)

吉田拓郎が、出てくるとは意外でした。

Re: otokiさん

otokiさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
なるほど、すりおろして使うのはいいアイディアですね。
ジャガイモなどもそうやって使うやり方があるそうです。

レンコンのフライは最高ですね!
よく行く居酒屋で「レンコンのフライ」というメニューがあり、頼むことがあります。
なぜてんぷらではなくフライなのか理由はわかりませんが、
レンコンのフライはおいしいものですね。

吉田拓郎とレンコンのてんぷら、これは彼のエッセイ本にあったのです。
原宿の〈ペニーレイン〉という店でよく飲むらしいのですが、
レンコンのてんぷらならいくらでも食べられる、と書いています。
他の方も、この話をご存知でしたので本当だと思います。

No title

酢レンコン、美味しくてヘルシーですね。
常備しておけるのもいいです。かえるままもレンコン好きです。
ちょうど、一昨日ハンバーグの種で、レンコンはさみ揚げをしたのです。
あ、只野乙山さんは、揚げ物を家でしないんでしたね。
これも、レンコン好きにはなかなかいいですよ。
これはフライパンで焼いてもいいかもしれません。おすすめです。

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。

> ちょうど、一昨日ハンバーグの種で、レンコンはさみ揚げをしたのです。

いや、実はレンコンの挟み揚げと、茄子の挟み揚げは大好物なのです。
海老のすり身とか鶏ミンチ、豚ミンチでやるとうまいですよね。
そうそう、フライパンで焼いてもいいかもしれません。

酢れんこん、自分で作るようになるとは思ってもいなかったのですが、
実際やってみると、なかなかおいしく食べられました。

No title

ペニーレインで バーボンを

というフレーズが 吉田拓郎の歌にあったのを思い出しました。
お店の名前だったのか。

Re: 須田塵人さん

須田塵人さん、コメントありがとうございます。
『ペニーレインでバーボンを』というのは歌の題名でもあります。
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