回転すしを食う

Sushiro_Unagi.jpg
いつもラーメンとチャーハンの記事ばかり書いているのだが、じつはそれに劣らぬほど利用しているかもしれないのが回転すしである。これぞという寿司屋の一つくらい知っているほうが格好いいとはわかっているけれど、縁がないものだから仕方がない。これにかんして言えることは、回転すしの台頭で中流の寿司屋が町から消失してしまったことだろう。つまり高級な寿司屋と回転すしに、完全に二極化してしまったのである。

庶民というか貧民に近い男(=乙山)としては後者に行くしかないわけで、理屈などというものではない、あまりにも単純明快な原理でそうなるのだ。町の寿司屋がなくなっていくことに憂いを感じている者としては、回転すしに通うなどもっての他である、と以前は考えていた。しかし何かの機会で一度回転すしを利用してわかった。品質は低いがたいへん便利で早く、しかも安いのである。

かつての回転すし反対論者であった私は、いつの間にか回転すしの常客になってしまった。休日の昼どき、ウェブログの記事を書いていてうっかり昼食の支度を忘れてしまい、さっと食べられる即席めんもスパゲティも切らしているときなど、つい近所の回転すしを利用してしまうことになる。好きなものを、好きなだけ食べられるので「腹八分目作戦」にも都合がいい。

Sushiro_Kaibashira.jpgこの日も昼の一時を過ぎてからいつもの回転すし店に入った。ところがどうしたことだろう、平日の午後一時過ぎというのに満員状態で、順番待ち札をとって待つ、などという銀行だの病院だのを思わせる繁盛ぶりである。もしこれが「一時間待ち」などであれば即座にその場を立ち去ったであろうが、数分だけだったので待ち札をとることにした。

数分後、カウンター席に座ることができたが、周囲を見ると平日だというのになんでこんなに人がいるんだろうと不思議になった。あんたもその一人だろうが、という声が聞こえてきそうだが本当に首をかしげたくなる状態なのだ。この回転すし店は町外れといってもいいくらいの所にあるのだが、どこからともなく人は詰めかけてくる。日曜日の夜など、絶対に混雑しているだろうから初めから行こうなどとは思わぬくらいだ。

さて席に座ったらまず瓶ビール(休日だもんね)と鉄火巻きを注文する。これはタッチパネルから行うもので、この方式になってからずいぶん便利になったような気がする。以前西宮にいた頃、別の回転すしもわりと使ったが、注文するとき店員に声をかけないといけなかった。それがまた、けっこう距離があるので大きな声を出さぬといけないのだ。この回転すしは現在、なくなっていると思う。

Sushiro_Tekkamaki.jpg鉄火巻きがくる間に、何か適当なものをと選んだのはウナギ(写真一枚目)。通常は驚くほど薄いスライスのウナギだが、これは本当にウナギといえるものだ。ただし国産ではないだろう。どこの産かなど、考えぬようにしないと回転すしが食えるものか。誇りある店主が経営する、安全でそこそこおいしい、それほど高くないいい寿司屋を、私たちはもう失ってしまったのだ。

写真二枚目は貝柱。これはあっさりしていてとても良い。そうこうしているうちに鉄火巻きが来ましたよ。これにわさびを塗りたくり、醤油をかけて食べるのだが、その様子はとても人に見せられるものではない。だけどこれ、案外いけるんですよね。スーパーマーケットで巻き寿司が売っているけれど、こっちのほうがうまいと思う。

Sushiro_Kakeudon.jpg途中、生姜の甘酢漬けなんかをかじりながらビールを飲んでしまうと、かけうどん(130円)でしめる。これがまた、けっこううまいのである。葱と薄いかまぼこ、てんかす(天玉)が乗っているだけなんだけど、立ち食いうどんよりうまいのではないかと密かに思っている。分量もフルサイズではなく、ちょっと小ぶりになっているので、それが寿司と合わせてちょうどよいのだ。

えっ、もう終わり? という声が聞こえてきそうだが、終わりである。私だけかもしれないが、回転すしを食い過ぎると胸が悪くなってくる。そうなる前に寸止めする必要がある。回転すしのすし飯はだいたい20~25gだろうから、いつもの100gの米飯食からすると、8~10個前後(4~5皿)が適量である。面白うてやがて哀しきまはりずし、そうなる前にさっと引き揚げるのが上策だ。


【付記】
● あんた、ウェブログに載せるからって無理してる(格好付けている)だろう? という声が聞こえてきそうですが、ビールだけでもカロリーがあるわけで、計算上分量はちゃんと合っています。軽めに済ますと、お腹が減ってくるのがわかりますが、それがまたいいんです。お腹が減ると、ご飯が旨い。そんなたいそうなものを拵えなくても、晩酌が楽しいんですね。


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No title

この夏に帰郷した時に、久しぶりに回っていないお寿司を食べました。
折角の帰郷ですからね・・・少々贅沢をしないと・・・

ですから、逆に関西にいる時には節約節約。回転ずししか行きません。

けっこう便利なんですよね。ネタさえ選ばなきゃ、ほんの5分で食事を終えられるし、案外安上がりだし・・・

No title

昨日私的な雑用な為に京都に行って参りました。
その時に二条のテナントビルの中にある寿司屋に入りまして、廻らない寿司屋を久方ぶりに利用しました。
回転寿司というのもピンキリで、100円均一とかの店は鉋で削いだ様なネタが乗っていたりしてしますね。
そこはランチタイムなら600円弱で握りの盛り合わせが食べられて、アサリの赤だしまでがついてきます。そして100円を足せば、赤だしをうどんにアップグレード出来たりして。

そこは回転寿司のチェーン店よりは、遙かに上質な寿司を握ってくれます。
近くに有名な回転寿司の店が有るのですが、そこの店は客が溢れていて順番待ちの列が出来ていました。

町場の店が消えていく昨今ですが、店を明るくして間口を広くし入りやすくすれば、値段は一寸だけ高いにしても客はやって来るのだなと思いましたね。

食べた後にも「今日はいい寿司を食ったなあ」という満足感があります。

No title

私も何回か一人で食べたことありますが、5、6皿で済ませました。寿司は食べてしばらくしてから、お腹が膨れてくるんですよね。

安いお店の場合、私が重要視するのはネタよりもシャリの味付けですね。甘過ぎたり、酢が良くないと気持ち悪くなってきますので。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
普通の寿司屋が町から消失しつつあるのは本当ですが、
まだ地域によっては頑張っている寿司屋さんもあるようですね。
文字通り「頑」を「張って」いる、というわけでしょうか。

> ネタさえ選ばなきゃ、ほんの5分で食事を終えられる

えっ、5分とはちと早すぎやしませんか?
うどんと寿司4皿だと500円くらいですものね。
乙山もアルコールがなかったらそれくらいです。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
やはり、たまに普通の寿司屋に行くのがよいですね。
基準をどこに持っていくか、これが重要かもしれません。

回転すしは本当にびっくりするほど行列ができています。
なるべく人が少ない時を狙っても、たいてい客が入っています。
一人の場合、カウンターが多いのですが、
それがまた、なんでこんな時間に、こんな客が、といいたくなるほど。
つまり、昼過ぎならゆったりできると考えている人が多い、ということでしょう。

住んでいる町では発見できていませんが、
何軒かはいい寿司屋があるのを知っています。
その店にはいつまでも営業していてもらいたいものです。

Re: yuccalinaさん

yuccalinaさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
仰る通りだと思います。なので、できるだけゆっくり、とは思うのですが、
それは本来の寿司っぽくないですしねえ。

すし種より、すし飯の味が重要、というのはさすがですね!
乙山も、回転すしを食べ過ぎると胸が悪くなってきます。

No title

写真はスシローですね。
関西だとスシローかくら寿司でしょうか。

僕は回転寿司だともうメニューが決っていて
あわび、えんがわ、うに、いくら、いわし、さんまぐらいですかね。
だいたい、7皿ぐらいですね。

回転寿司はわりきりですね。
アワビはロコ貝、えんがわは何とは書いていない。トロも何のとろか。
商社マンに聞いたら世界中から仕入れているそうです。
でも、アワビもえんがわも美味いですよ。

表向きは意地でも寿司屋のカウンターを気どりますが。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そうです、仰るように〈スシロー〉に行って参りました。
タッチパネルの広告によると、売上No.1の寿司屋さんだとか。
また、マグロの原価率が業界No.1=マグロではそんなに儲かっていないとありました。

仰るように、どこの産かなんて考えていると回転すしが食えるか、ですよ。
お子様味覚の乙山は、マグロ、ウナギ、タイなんかが好きです!
アルコールとうどん抜きだったら、7~8皿は食いたくなりますね。
見ると、普通のおば(あ)様だって、それくらいは平気で召し上がっていらっしゃる。

どうも、回転すしとか餃子の王将では、人はいささか過食気味になるようです。

No title

乙山さん、こんばんは。
本当に、お寿司屋さんほど二極化がハッキリしてる業界はないかもしれませんね。
町の小さなお寿司屋さんはどんどん閉めてるので、残ったお店に集中してるようですし、また回転寿しにも、ランキング?みたいな、高級回転寿し店と、本当にお財布に優しい回転寿しがある様ですね。

仰る通り、回転寿しでは、過食ぎみになります。
冷静になるために、お持ち帰りする手もありますが。

明日の粕汁記事も楽しみにしてます。

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
寿司というのは、どこまでも高くできる一方、その逆も可能なんだと思います。
仕入れから本気になって市場に通う寿司屋さんもあれば、
業者に任せているのもあるでしょう。
和食の基本を知らなくても、外国で「スシ」で通用しますからね。

和食の世界も面白いもので、蕎麦屋は蕎麦屋、てんぷら屋はてんぷら屋、
寿司屋は寿司屋、というふうに住み分けができているようですけど、
蕎麦屋でも気のきいた蕎麦屋は一品料理が得意ですし、
寿司屋といっても刺身の他に焼きもの、てんぷらとできる店もある。
和食の店、と言ってもメニューにはたいてい寿司もあるわけです。

中途半端(失礼)な回転すしは、廃業した寿司屋とか他の和食の、
職人たちが集まっている可能性があります。
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