豚肉と大根の煮物

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野菜が相変わらず高値のままであるが、大根が旬である。大根といえばおでん、これでもうじゅうぶん満足なのだが、いつもおでんばかりで大根を食べるのも芸がない。大根だけの含め煮もいいけれど、今回は大根と豚肉の煮物を作ってみた。いやね、肉のコーナーに酢豚用(?)らしき豚バラ肉の塊を切ったものを売っていたのでついつかんでしまっただけなんですけどね。

用意するのは大根と豚肉だけ。まず大根を下ゆでしておく必要がある。米のとぎ汁があればそれで下ゆでをするのが最上であるが、こういう時に限って米のとぎ汁はない、というのはよくあること。そこで上新粉を常備し、それを振り入れて大根の下ゆでをする。まあ、とぎ汁も上新粉もない、という場合は水だけで下ゆでを済ませても構わないと思う。

豚の塊をゆでるときは表面を焼いてから、という方法もあるが今回はそのまま鍋に放り込む。大根も輪切りにしたものを1/4に切って鍋に投入する。ご飯のおかずにする目的で最終的に甘辛くする場合は別として、酒のあてにする場合、あまり甘辛く仕上げることはできない。こういうときは本気で削り節と昆布で出汁をとる必要がある。

昆布は粉末昆布を使用している。これは表面積100%に近いのでごく少量で出汁をとることができ、出汁ガラもでないという優れもの。しかし、本物の昆布でとった出汁よりうまいかどうか自信はない。これにサバ節だの鰹節だのを混ぜた、比較的厚めに切った削り節を入れて少し煮る。火を止めたらしばらくおいてボウルに濾しとる。

削り節のガラは捨てないで水を張って火にかけ、二番出汁をとる。家庭では一番出汁と二番出汁を合わせたものを使えばいいのではないかと思う。これを、大根と豚肉が入った鍋に入れ、煮始める。みりんと砂糖を適宜、先に入れて煮るようにするが、強火でバサバサ煮込む必要はない。ある程度煮たら、淡口醤油を入れてさらに煮込み、その後は保温調理器に移して放置する。

保温調理も一時間程度でじゅうぶんで、保温器から取り出して冷ますようにする。この段階で味が染み込んでいくので、必ず一度冷ますようにしたいものだ。落とし蓋の代わりに「アク取りシート」なるものを使ったが、これの効果は絶大で、煮上がった時に驚くほど透明なスープができること請け合いである。

大根はそれ自体に臭みを消す効果があるようで、削り節の出汁のサカナ臭さを見事に消し去ってくれる。ブリ大根という黄金の組み合わせもそうではないかと思う。豚肉の塊も保温調理器でやんわり一時間以上煮込んだせいか、柔らかく仕上がっている。そのまま煮込んで不都合なことはないと思う。大根も皮をむかずにそのまま煮ている。

熱々の大根をほお張って、その後にはぬる燗の酒を飲む。暖房装置をまだ入れていない部屋は少々寒い(約18℃)けれど、足先までじんわり暖かくなってくるのがわかる。たっぷりの出汁で煮込んだので、汁ごと全部食べてしまえるような味付けにしてある。ご飯のおかずにするのであれば、濃口醤油を使い、砂糖とみりんの量も増やして汁を煮切るようにすればいいのではないかと思う。しっかり色がついた大根も、食欲をそそりますね。


【付記】
● つい淡口醤油でなんでも仕上げてしまうのですが、煮魚だけは濃口醤油を使うようにしています。どういうわけか煮魚は、しょうゆの色がしっかり付いていたほうがおいしそうに感じるのです。


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梅干し味は

おはようございます。
大根の煮物は体が温まるので、冬にピッタリですね。
思ったんですが、醤油の代わりに梅干しで味付けはどうでしょうか?

Re: 梅干し味は ; yuccalinaさん

yuccalinさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
醤油というのは塩分とうまみを加えるのだから、
梅干を使っても塩分を加えることができますね。
あっさりした感じの煮物になりそうですが、
まずはお試し版を作ってみるのがいいかもしれませんね。

No title

美味しそうです。
元気も出そうです。
お大根は食べた時には、結構な満腹感があるのに、すぐに空腹になりますので、豚肉との煮物だと、満足しそうです。
好き透ったお出汁が、只野乙山さんらしいです。
是非、新春のお雑煮もまた見せて頂けたら嬉しいです。

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
大根もそうですが、鍋って、その時は満腹になりますが、
ヘルシーすぎて腹もちはよくないですよね。

鍋の最後の雑炊も、腹もちを考えると納得できます。
複数の人がいてこその雑炊ですが、一人だと次の日ですね。
大根と豚肉だけではなく、他の物も食べてやっと「食ったなあ」という感じですよ。

ご飯のお供にするのなら、もう少し甘辛くしたほうがいいでしょう。
これは、あくまで酒のあてとしての料理です。
なので、普通の家庭における「おかず」としては、
乙山のやり方では受けないと思いますよ。

雑煮はたぶん、やると思います。
たいしたものではないのですが、それくらいしか正月らしいのがありません。

No title

昨日は、那覇で沖縄おでんでした。
二時間二千円、食べ放題、飲み放題。
沖縄おでんの特徴は、とんそく、足すね。
島豆腐、青菜(昨日は空芯菜)。
そうそう、大根と並んで冬瓜も食べました。

昔、法善寺横町で大阪のおでんをいただいたことがあります。
グルメというよりは織田作之助散策みたいな感じでした。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。

> 二時間二千円、食べ放題、飲み放題。

「うまくて安いが当たり前」の大阪でも、あっと驚くお値段ですね。
まあ、以前仰っていた「生ビール=発泡酒」ということもあるでしょうが、
なかには古酒とかウィスキーを頼む人もいるでしょうに。

島豆腐は話だけ聞いたのですが、ずいぶん硬めの豆腐だとか。
煮物にすると、いい感じで煮上がりそうですね。
冬瓜は、薄いスープで煮るとうまいので、おでんと相性はいいでしょうね。
そうか、冬瓜か! これ、もらった!
あっ、ちがうちがう、冬瓜は夏野菜でしたね。

大阪おでんには、昔、必ずクジラのコロなんかが入っていたんですよ。
タコなんかも今と比べてずいぶん安かったように思います。
織田作之助を偲んで歩く大阪、ちょっとやってみたいですね。

No title

この季節、大根はいいですよね。
豚じゃなくたって、鮭のアラ、ブリのアラ・・・いろいろ合わせることが出来ますよね。
いや、なんなら昆布出汁だけだって結構なお味。

でも、私が一番好きなのは・・・イカかな。
郷里にいたころからの馴染みの味です。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
仰るように大根は昆布出汁だけでもいけますね。
田楽味噌かなんかと合わせると乙なものです。

そして本当、色々なものと合わせてもおいしい。
イカと大根、さすがに海辺の町らしい取り合わせですね。
イカと里芋のを煮たのも、どこか郷愁を感じるものがあります。

今日、食料品店でブリのアラを見たんですよね。
他のものにするつもりでの過ごしましたが、お話を伺うと、
買っておけばよかった、などと思いました。

No title

野菜が中々値下がりませんよねぇ・・・
冬が旬の大根もうちの近所では通常セールで1本200円弱、特売で
150円といったところです。
この間138円の超特売セールがあったのですが、学校(職業訓練)
帰りに寄ってみると既に完売状態でした。
もう1本98円也の黄金時代(笑)には戻らないのか!?
と少々ブルーな今日この頃です(^^;)

しかしこの澄んだお出汁だけで1杯、お出汁のしゅんだ大根で1杯、
ほろりと煮あがった豚バラで1杯・・・と、止めどなくお酒の進みそうな
危険なアテですね(笑)
燗酒の美味さとほっこり感を倍増させてくれそうです♪

Re: zumiさん

zumiさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
野菜は高いですが、それなくしては生きていけぬ男です。
なんか、野菜が好きなんですよねえ。

もちろん、肉も好きですが、焼肉屋さんが無くなったとしても、
たぶん大丈夫。だったもう、何年も利用していませんからね。
だけど野菜がなくなると困る。これは切実です。

なにも自分は草食系男である、とか言いたいのではありません。
だれかが拵えた性的幻想の一つだと思うのですが、
彼らはおそらく、朝に卵と牛乳、昼に鶏のから揚げ定食、
そして夜に焼肉を食べたとしても、いわゆる「草食系男子」なのでしょう。
気概=心のあり方の問題なんでしょうね。

大根もそうですが、この冬は根菜尽くし(?)で行きますよ!
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