雑炊をすする

zosui.jpg
このところ朝晩の温度の低下が大きく、気を付けねば、などと布団の仕様を変えて少し厚めの物にしたら、寝ている間に身体が熱くなって布団をはねのけてしまったらしい。そこへ明け方の気温低下がまともに……なんだか風邪をひいてしまったようである。と言っても私(乙山)の場合、風邪を鼻とのどで「受ける」らしく、倒れこむことはないのだが、鼻とのどの調子が悪い、というのがだいたい一週間くらい続くのである。

そこに軽い悪寒と微熱があったりなかったり、そんな状態が続くのだからたまったものではない。ここは早いかもしれぬが燗酒をやって、最後に熱い吸い物を入れて体を温めるに限る。吸い物も中華風にして生姜をすりおろして入れる作戦だ。そんなふうにして風邪と付き合いながらこのところ暮らしているが、温かい食べ物がうれしくて仕方がない。

というわけで休日の昼間に雑炊をすする。やれやれ、このウェブログ、どうも貧乏くさいと思っていたがとうとうここまで来たか、という声がどこからか聞こえてきそうであるが雑炊が好きなんだから仕方がない。昨夜、鶏の水炊きをして燗酒を飲んだから、鍋に水炊きをした残り汁があるわけです。それをばっちり活用して何が悪い。

雑炊といっても、じつはおにぎりとかご飯に出汁をかけて食べる「出汁茶漬け」のようなものがいちばん好きで、長時間煮込んだ「かゆ」に近いような雑炊はそれほど好みではない。だがそれは体調が万全なときの話で、今回のように体調優れぬ折は、ご飯を8~10分ほど鍋の残り汁で煮込んで「かゆ」のようなものをあえて作ることにした。

ちょっと食べたいときはご飯100g(コンビニおにぎり一個分)に鍋の残り汁200mlくらいがいいだろう。もしそれ以上食べたい場合は200g(「サトウのごはん」一パック)程度を、約倍量の残り汁で炊く。雑炊というくらいだから、白菜とか蒲鉾とか、何かあれば一緒に煮てしまえばよいと思うが、今回は何もないのでそのままご飯を煮るだけ。

卵を溶きほぐして上からかけ、葱を散らす、というのもよいが、鶏卵なるものが冷蔵庫に存在しておらぬ以上、具材は何もない雑炊にならざるを得ない。8分以上弱火でご飯を煮込むと、かなり粘度が出てきて粥っぽくなる。そこへ淡口醤油を少しだけ垂らして出来上がりである。何の工夫も技術もいらぬ。

RIMG7103.jpgさて、雑炊はそのままでもおいしいのだが、ここで取り出したるは自家製の梅干しである。これは7月の終わり頃、梅雨明けの天気とにらめっこしながらベランダと自室で干した昔ながらの本物の梅干。塩分濃度が濃い(約20%)ため、表面に塩を吹いているのが写真二枚目をご覧になるとおわかりだと思う。シソも添えておいた。

梅干を少しずつ箸でちぎるようにして雑炊に入れ、それをすすると……手前味噌でありますが、なかなかいけるではありませんか。日本人に生まれてよかったなあ、などとつくづく感じる瞬間である。そして梅干を作っておいてよかったなあ、とも思った。身体があったまったので昼寝でもしよっかな、という気分だ。なにしろ風邪気味なもんでしてね。


【付記】
● 貧乏たらしさ全開の雑炊であります。昔、泡沫経済とやらで世間が浮かれていたのを横目で見ながら、正月というのに理由(わけ)あって極度の金欠状態で雑炊をすすっていたのを思い出します。情けないったらありゃあしませんが、それでも雑炊は旨かったし、ありがたかった。負け惜しみ、かもしれませんが本当のことです。


人気ブログランキングへ blogram投票ボタン
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

気温の急な変化による刺激が鼻孔をくすぐるのでしょう。

僕は雑炊は好物の部類に入りますね。
それこそあっさり系からスパイシー激辛系まで。
いろいろな雑炊を楽しんでいます。
第一理由はともかく好きだからなんですが
ここに至るプロセスでは
貧しさゆえにという時期もありました。
この貧しさゆえにという点では
僕はスイトンも好きですよ。
けっこう好きで時々わざわざ小麦粉を買ってきてまでして作ります。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
雑炊、とくに鍋の残り汁で作るそれは旨いですね。
一人だけならしませんが、他の人がいたらつい、
しめの雑炊を、なんてなことになってしまいそうです。

かつてお金がなかったから雑炊、なんですが、
いまはお金がないわけではないけど雑炊、くらいになりましたかね。
どっちにしても雑炊が好きなことに変わりはありません。

スイトンといえばなにか負のイメージが付き物ですが、
しっかり出汁をとって、具もそこそこ入れると、
それはもう、素晴らしい食べ物になるはずでしょうね。
スイトン自体が悪いのではなく、その時代が悪かっただけだと思っています。

お大事に

気温の変化が激しい為か、ウチでも風邪が流行ってましたよ。
ノドの痛みにはハーブティーなら、カモミールやエルダーフラワーにハチミツとレモンを入れて飲むと良いですよ。
梅干し美味しそうですね。白粥にでも良さそう。
お大事にしてください。

Re: お大事に ; yuccalinaさん

yuccalinaさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
どうもどうも、お気遣いありがとうございます。
ケミカル系より漢方系のほうが効くような気がしておりまして、
鼻水には「小青龍湯」を使っていますがハーブもよさそうですね!

梅干は本当に重宝しています。来年も必ず作りますよ。

No title

奇遇ですね。私の今日の朝食も雑炊でした。
何を隠そう昨日の夕食はちゃんこ鍋でしたので、その出汁を流用した様です。
記事を拝見して、やはり鍋の具材は全て引き上げておいた方が良いのかなと・・・

実は子供の頃から雑炊が好きで、「安上がりな奴」といわれておりました。
確かに雑炊や雪花菜だけでニコニコしていましたから、安上がりには違いないです。
ただ「酒のつまみみたいなモンばかり好きやから、将来酒飲みになるわ」とも言われました。

まあどっちも当たっていて反論出来ませんが。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ちゃんこ鍋の後の雑炊もたまりませんねえ!
雑炊、というくらいですから具材があったほうがそれらしいかもしれませんよ。

今回は新たに入れる具材が何もなかったこと、
前日の鍋が鶏の水炊きだったこと、だから粥みたいなものに……
やはり卵くらいは冷蔵庫にあったほうがよいと感じましたよ。

雑炊、本当に好きなんです。
以前は居酒屋で最後に「とり雑炊」なんかを食べるのが好きでした。
そういえば最近、雑炊を出す居酒屋が少なくなったような気がします。

幼少の折、梅酒の梅が大好きだったので、
乙山も「この子は将来絶対酒飲みになる」と言われておりました。
現実は「酒飲み」というより「酒好き」かもしれませんが、
酒と縁が切れぬ男になってしまいました。

No title

こんにちは。
お風邪ですか。
私ももう、2週間近く苦しめられています。
どうか、こじらせてしまわないようお大事になさってください。

私も風邪の間、鍋ものにはだいぶお世話になりました。
調理の手間がかからなくて、体がしんどい時にはありがたいというのと、
何より体が温まるし、お野菜もたっぷり食べられますものね。
私も翌朝の雑炊が楽しみで。^^

Re: 彼岸花さん

彼岸花さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
いやどうも、乙山の場合、高熱を出して寝込むというのではなく、
のどと鼻の調子が悪く、微熱と軽い悪寒が続くだけですのでなんとかやってます。

おかしいな、と思ったのが先週の水曜日。
今日は火曜日ですのでやはり一週間くらいかかりますね。
彼岸花さんもどうかお身体お大事になさってください。
子どもたちや若い人でさえ、風邪をこじらせているみたいですからね。

雑炊は楽しみですね。雑炊の場合、あまり米がつぶれないように、
汁がそれほど濁らないようにするのが本当は好きですが、
今回は粥に近いものにしましたよ。これって「おじや」ですかね?
地域によっては雑炊=おじやという所もあるでしょうね。

No title

 雑炊は貧乏くさいどころか、いつでも食べられそうでいて
案外食べられないごちそうではないかと思います。金さえか
ければうまいものが食えるとはかぎらないところが、食の奥
深いところかもしれませんね。

 なによりもお体を大切になさってください。まあ、熱燗さ
え飲めば風邪も退散するとは思いますが。

俺流 鍋〜雑炊。

わたくしのウチは
後期高齢者の父親と二人
暮らしですが、
以外にも鍋はガッツリ食します。
鍋の〆はくずきりで軽く済ますのが
最近多くなりましたが、
鍋のメインイベントはお約束の
翌朝の雑炊で、毎回とても楽しみです。
夜の内になべの残りをアク取り用の
網でキレイにすくい、鍋の出汁の中に
乾燥椎茸スライスをタップリ投入して
一晩置きます。
(どんな鍋料理でもこれでオッケーです。)
翌朝水を少々加えて大麦入りご飯を
茶碗三杯分ほど投入してトロミが
出るまでよく煮込みます。
途中白だし適量と塩コショウと
ゴマ油を加えて刻みネギと溶き卵
で仕上げ、刻み海苔を添えます。
乾燥椎茸スライスが、でらオイシ
なってまってうまいでかんわぁ〜(笑顔)
あぁぁやまれ〜せんっ。
冬は鍋のお陰で確実に太ります。




Re: 薄氷堂さん

薄氷堂さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
冷蔵庫とか電子レンジがない時代、冷ご飯を温かく食べるのに、
最も都合がよかったのが雑炊ではないかと思います。

今、初めから雑炊を目指して料理することはないでしょうけど、
鍋の後をそのまま捨ててしまうのはもったいない。
そこで雑炊の登場となるわけです。

幾つかのご意見を伺うに、その場で雑炊にするより、
次の日に、という方が多いようですね。
その日は「麺類」でしめて、次の日に雑炊、とくれば、
完全なる「使い回し」かもしれません。

Re: 俺流 鍋〜雑炊。 ; 四の字硬目さん

四の字硬目さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
鍋の後の雑炊は旨いものですが、大人数でもない限り、
次の日に回す、ということもありますよね。
その日に食べると「食い過ぎ」になるのです。

翌朝とか、翌昼に雑炊にするのがベスト、かもしれません。
だけど「干しシイタケ」というのはいいですねえ!
なんだか旨みが、倍増してきそうですよ。

今回は何も加えずに粥みたいにしましたが、
今度は干しシイタケを入れてみようかな、
そんな気分になりました。
ありがとうございます!

No title

このところ朝方がめっきり寒くなりましたものねぇ・・・どうぞご自愛下さい。
私も同じようなことをしでかしていますが、幸い(???)足が冷えると
こむら返りをおこしやすい体質なもので・・・ふくらはぎの違和感で目覚め
布団を被りなおして事なきを得ています、風邪だけは。
(こむら返りは為すすべも無く(^^;)

水炊き後の雑炊、最高ですよね~♪
子供の頃は水炊き翌日の朝ご飯はいつも雑炊、というかおじやでした。
具材を食べ尽くした後の出し汁をちょいと酒・醤油で調味して冷や飯を入れ
軽く煮込み、たっぷり目の溶き卵で半熟気味にとじて・・・
おかわり必須の美味さですがカロリー控えめなのも魅力です(笑)

Re: zumiさん

zumiさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ははあ、こむら返りですね。乙山もたまに寝ているときに来ることがあって、
あっ、来た来たっ、てな感じで足を反対方向に曲げるのです。
ちなみに子どもの頃、こむら返りを「コブラがえり」と思っていました。

雑炊は地域によってはおじやですよね。
近頃は聞きませんが、以前何度か「おじや」を聞きました。
昔は冷ご飯を温かく食べるために、もっと頻繁に雑炊(おじや)を、
一般家庭でもやっていたのではないかと想像しています。
プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

⚫︎ 下の「全ての記事を表示する」をクリックすると、全記事のタイトル一覧が出ますので過去記事を参照することができます。

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
最新記事
最新コメント

openclose

最新トラックバック
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アーカイヴ

2017/04 (7)

2017/03 (9)

2017/02 (4)

2017/01 (1)

2016/06 (1)

2016/05 (13)

2016/04 (13)

2016/03 (20)

2016/02 (10)

2016/01 (11)

2015/12 (10)

2015/11 (10)

2015/10 (11)

2015/09 (13)

2015/08 (10)

2015/07 (11)

2015/06 (10)

2015/05 (10)

2015/04 (10)

2015/03 (11)

2015/02 (9)

2015/01 (11)

2014/12 (9)

2014/11 (10)

2014/10 (11)

2014/09 (10)

2014/08 (10)

2014/07 (10)

2014/06 (10)

2014/05 (11)

2014/04 (10)

2014/03 (10)

2014/02 (9)

2014/01 (11)

2013/12 (9)

2013/11 (10)

2013/10 (10)

2013/09 (10)

2013/08 (11)

2013/07 (10)

2013/06 (10)

2013/05 (10)

2013/04 (10)

2013/03 (11)

2013/02 (9)

2013/01 (11)

2012/12 (9)

2012/11 (10)

2012/10 (11)

2012/09 (10)

2012/08 (10)

2012/07 (10)

2012/06 (10)

2012/05 (11)

2012/04 (10)

2012/03 (10)

2012/02 (10)

2012/01 (9)

2011/12 (9)

2011/11 (10)

2011/10 (10)

2011/09 (10)

2011/08 (10)

2011/07 (9)

2011/06 (9)

2011/05 (10)

2011/04 (8)

2011/03 (8)

2011/02 (12)

2011/01 (12)

2010/12 (12)

2010/11 (13)

2010/10 (15)

2010/09 (15)

2010/08 (14)

2010/07 (16)

2010/06 (17)

2010/05 (21)

2010/04 (18)

2010/03 (20)

2010/02 (23)

2010/01 (27)

2009/12 (27)

2009/11 (27)

2009/10 (26)

2009/09 (24)

2009/08 (19)

2009/07 (21)

2009/06 (30)

2009/05 (26)