茄子の煮びたし

BoiledEggplantWithDashi.jpg
茄子が旬である。秋茄子がうまい、というのもあるが7月~8月の茄子もおいしいと思う。焼き茄子にしてもよいし、浅漬けにしてもうまい。茄子は油とも相性がいいので、茄子を薄切りにして間に鶏の挽き肉を詰め、それをてんぷらにした「茄子の肉詰め揚げ(挟み揚げ)」などもう最高である。茄子のてんぷらも大好きだ。麻婆茄子にするという手もあるし、鶏肉と一緒に炊き合わせにするのもたまらない。

そのように茄子にはいろんな料理法があるけれど、今回は乙山料理らしく、思い切り手を抜いてできるだけ早く手軽に作るというコンセプト、いや正確には横着精神を貫くことにする。市販の浅漬けの素を利用するのがいちばん手軽ではあるが、それを実行してウェブログの記事になどすると、あんたいいかげんにしなさいよ、という声がどこからか聞こえてきそうである。

そこでもう少しだけ手を入れて「茄子の煮びたし」にすることにした。一人分ということなら茄子一本を縦半分に切り、それを厚めの輪切りにする。大きさは好みによって決めればよいと思う。茄子の皮に包丁で線を入れるとか、それらしい工夫をしてもいいだろうが、今回はそういうことは一切せず、輪切りにした茄子を水に放ってアクを抜く。

小さめの鍋に水を沸かし、塩少々と油を入れて茄子をゆでる。この際、油は別になくても差し支えないと思う。ゆで時間は2~3分間でいいだろう。こういうとき、時間設定はどうしますか? 私(乙山)は2分30秒でタイマーをセットしてしまう人間である。なので人から「只野さん(もちろん仮称)って*型でしょう?」などといわれてしまうのだが、それが図星であるのが悔しいところである。

ゆでている間にボウルに水を張り、氷を入れて冷たくしておく。ゆであがった茄子をざる(穴あきボウル)にとって水気を切ったらすぐに氷水のボウルに投入して冷やしてしまう。茄子の色は熱に弱く、熱いままで放置したらすぐに色が飛んで茶色になってしまう。これを完全に食い止めるにはミョウバンなどを使うとよいが、そういうことはしない方針である。

さてここからが乙山流手抜き料理の本領発揮となるのだが、表面を冷やした茄子(触ってみると中はまだ熱いことがわかると思う)を軽く絞り、ガラス製などの蓋つき容器に移す。ここで茄子を絞り過ぎると崩壊してしまうのでご注意を。すっかり茄子を容器に移したら、市販の麺つゆを茄子の上からかけて、すぐ冷蔵庫へ放り込む。それで出来上がり。

麺つゆは濃縮したものを希釈して使うタイプ、あるいはそのまま使うタイプなどいろいろあると思うが、茄子は軽い塩ゆでをしてあるだけなので、濃縮してあるめんつゆでもそんなに辛くならないだろう。これも一度作って味を見て、自分好みの味の濃さを見つけてから人に出すようにするといい。自分で食べるだけなら、怖いものは何もない。麺つゆだけでもいいが、今回はそれに酢を入れて二杯酢ふうにしている。

冷蔵庫で冷えた茄子にはじゅうぶん味が染みわたっている。そのままで食べてもじゅうぶん旨いが、鰹節でも上からかけておくとちょっとだけ雰囲気が出るというもの。ししとうとか万願寺とうがらしなんかを横に添えてあるとぐっといい雰囲気になるのではないかと思う。これとかねて作り置きしてある胡瓜の浅漬けなんぞでビールを開け、その間に湯豆腐を鍋で温め、冷蔵庫できりっと冷やしておいた土佐高知の軽やかな酒(酔鯨とか土佐鶴、司牡丹など)で決める。手抜きもここまでくれば立派な(?)ものである。


【付記】
● 夏はよく焼酎を飲むのですが、軽やかな酒をきりっと冷やしてやるのもなかなかいいものです。好みによると思いますが、乙山は土佐高知の酒が夏にはぴったり来ます。地元用グリーンラベルの〈酔鯨〉は普通酒ですが、なかなか旨かったように思います。

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No title

茄子に冷酒!たまらんですね~もう・・・
夏は日本酒飲みの私が他のお酒(冷やした白ワインや蒸留酒etc)を
美味しく感じるある意味貴重なシーズンなのですが(笑)、
今日のような涼しい日にこんな記事を読むとたちまち日本酒が恋しくなります♪

しかし茄子、良い色ですねぇ・・・
ラタトゥイユなどの野菜煮込みを作る時に茄子だけ別鍋で炒めたのに
色褪せさせてしまう私、参考にさせていただきます!(^^;)
なるほど、「色好く茹でたら即水冷」がキモですね~メモメモ。

白だし

こんにちは。茄子の煮びたし美味しいですよね。漬け汁を濃いめにしてそうめんと食べても美味しそう。

私も酢を入れるのが好きで、ポン酢をそのままかけてしまうこともありますが、最近ハマってるのが白だしです。創味の愛用してますが、これを適度に薄めて、みりんを足したり酢を足したり、ワサビや柚子胡椒を入れても良いし。そして今イチオシは白だしにナンプラーとレモン汁を加えたアジアンエスニック風で、今度茄子の煮びたしにも使ってみようかなと思います。

Re: zumiさん

zumiさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
夏にコクのある日本酒のを飲むのはきつい!
せっかくのうまさが重たく感じてしまうのです。
今年は軽やかな高知の酒で乗り切りましたよ。

炒め物や煮物にしたら、茄子の色はあっという間に茶色に。
それはそれで、仕方のないものとあきらめています。
ですが、茄子の煮びたしのようにそれだけの場合、
冷水に取ることで少しは色の劣化を防ぐことができますよ。

No title

茄子の煮浸しは良いですよねえ。
ご飯のおかずに良し、酒のアテに良し、言う事有りません。
写真を拝見すると非常に美味しそうです。

めんつゆに酢を入れて二杯酢というのも良いですね。
今度万願寺唐辛子の煮浸しを作ろうと思ってましたので真似させてもらいます。

しかし冷蔵庫できりっと冷やした日本酒も良いですよね。
ウチでは銀嶺立山と菊姫の4合瓶を冷蔵庫に入れております。
たまにしか飲めないのが辛いところですが。

No title

私なんか浅漬けの元も使いませんよ。

濃い目の塩水に20分つけたらさっと水洗いして水けを絞り、生姜醤油。
これでおしまい。

ホントは郷土の名物、」仙台長茄子漬のようにしたいんですが面倒くさくって・・・(笑)

Re: 白だし ; yuccalinaさん

yuccalinaさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そうそう、これ、ぽん酢をかけてもおいしいですよね。
それと創味のだしは使いやすいですね。一時期乙山も使っていました。
創味の白だし、使ってみたくなりましたよ。

白だしに砂糖かみりんと酢を入れて、ちょっとだけ甘酢風にシフトした味もいいですね。
ほうほう、白だしにナンプラーとレモン汁、それは合いそうですよ。
からし酢醤油というのもいいかもしれませんね。
茄子の煮びたしは、いろいろ工夫できるところがいいですね。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
この時期の茄子は旨いですねえ。
例の「秋茄子」というのは旧暦の時代からでしょうから、
あの「秋茄子」はずばり今の茄子のことなんでしょう。

万願寺とうがらしは焼いただけでもうまいですし、
煮びたしにしてもおいしいでしょうね。
肉厚で、辛みがほとんどないのが不思議です。

今年の夏は白ワイン、たとえばシャルドネなんぞを飲もうかな、
なんて企んでいたのですが、土佐高知の酒があったじゃないかと思い出し、
冷やして飲んでみるとばっちりでした。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そうそう、gatayanさんの料理もさっとできておいしそうですよ。
旬のものだと、そんなに手をかける必要はないんですよね。

仙台長茄子は知りませんでした。だけど茄子って、いろんな種類がありますね。
長いものや、丸くなったもの……水茄子ってのもありましたね。

No title

遅コメでごめんなさい。

茄子の煮びたし、良いですね。
乙山風では茄子の水気をツユの希釈に
使うのですね。
なかなかのアイディアと思います。

日本酒くわしくないので
コメントできないのが残念(切腹!)

Re: しょうちゃんさん

しょうちゃんさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そんなそんな、いつでもコメントは歓迎いたします。
コメントは気が向いたら、でいきましょうね。

> 乙山風では茄子の水気をツユの希釈に
> 使うのですね。

煮びたし(または揚げびたし)にする場合、加熱してすぐ出すとすれば、
希釈なしの麺つゆがいいでしょうけど、しばらくつけるとすれば、
やはり濃縮タイプがいいでしょうね。
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只野乙山

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