梅を干す

DryingUme_01.jpg
前に「梅を漬ける」と題して記事を書いたが、そのときは「梅漬け」を作ったわけである。これをそのまま食べることもできるんだけど、やはり梅干しにしてみたい。そもそもの発端は、本物の梅干しがない、ということだった。梅を干すには天気予報と相談しながらということになるが、どうも三日後から「曇り時々雨」のような日が続くようである。

本当は土用あたりに干すのがいいらしいのだが、ぐずぐずしてはいられないというわけで梅雨明け早々、梅を干すことにしましたよ。業務の都合もあって、いったん外出したら夜までベランダにほったらかしになるわけで、比較的ゆったりできて同時に晴天が続くとなれば、今しかないのである。

「梅干しの作り方」というウェブページを見れば笊みたいなものに綺麗に梅干を並べている写真を見ることができるが、毎年梅干を干しているわけじゃあるまし、笊なんてものが家にあるわけがない。そこで当方としては家にあるいちばん大きな皿にキッチン紙を敷いて、そこに梅を並べていくことにしましたよ。

DryingUme_02.jpgまずシソを引っ張り出してしっかり絞っておく。これも梅と同時に干す予定である。箸で一粒ずつ、梅を取り出してはステンレスの穴あきボウルに移していく。シソがへばりついていれば取り除いておこう。すべての梅を取り出したら梅酢に少しシソが残った状態になるが、それを濾し器で取り除き、綺麗な梅酢にしておきたい。

写真1枚目は梅干を皿に並べて干し始めた状態。わりと綺麗な色に染まっているのがわかる。シソを使わない梅干も魅力的だが、今回は従来のイメージ通りシソ入りの梅干しに仕上げる。梅を並べてしまうと、後は天日干しにするだけである。理想的には日没頃に梅干をベランダから部屋に戻したほうがいいのだが、業務でそこに存在できない以上、ほったらかしにするほかない。

帰ってきたらベランダから部屋に梅干を戻し、翌日、天日干しの二日目である。暇があれば途中で一度、裏返したりするとよい。それができぬとなれば、放置しておくしかない。結局、二日間放置した状態になったけれど、雨が降って梅干しが濡れてしまったという最悪の事態にはならなかった。

DryingUme_04.jpgさて三日目。朝から曇り空で、夕方から雨がいつ降ってもおかしくない状態のようである。しまったなあ。理想的には天日干しを三日間するのがいいだろうが、こうなったら仕方がない、三日目は室内干しにて梅干を仕上げることにした。このあたりは臨機応変で臨むしかあるまい。天を呪ってもどうしようもないわけで、実際、この日夕方から雨が降り始めたので部屋干しにして正解だったと思う。

さあ、梅干が出来上がりましたよ。写真をご覧になると梅は水分を失っていくぶんしぼんでおり、表面には塩が吹いているのがわかると思う。この状態であれば常温で保存可能であって、なにも冷蔵庫に入れておく必要はない。雰囲気派の私(乙山)のこと、ガラス瓶に保存するのではなく、昔のような陶器製の「かめ」に保存することにした。

DryingUme_03.jpgこの「かめ」は阪急庄内駅周辺にある陶器店でもとめた。豊南市場のほうではなくて、庄内駅の西側の商店街にある瀬戸物屋さんで、おそらくここは阪急宝塚線の中で最も品揃えの良い瀬戸物屋さんではないかと思う。近頃は瀬戸物屋さん自体が、街から消失しようとしているので、こういう店は本当に貴重だ。なにか陶器が欲しいとき、私はもっぱら庄内に行くことにしている。

早速、出来上がったばかりの梅干しを使って「梅おかか」を作ってみた。種を取り除いた梅肉を包丁で刻み(というか細かく叩いて)、そこに鰹節、醤油、みりんを少々入れて味を調え、粘度はぽん酢で調整した。これをサイコロ状に切った山芋に和えて食べてみたが、予想していたより塩分は高くなかったような気がする。酸っぱさも、塩辛さも、まさに本物といえる梅干ができたんじゃないかと思う。


≪ 「梅を漬ける」へ

【付記】
● さすがに自家製梅干しでご飯を食べる、というのはまだ実行していませんが、一度やってみようかなと思っています。干し上がったシソを細かく刻めば、シソのふりかけになるわけで、これはやってみてもいいんじゃないかと思います。梅干は塩分濃度を15%以上に保てば楽にできる(梅1kgに対して塩250gで20%、塩200gで16.6%)ので、みなさんにもお勧めする次第です。


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No title

なかなか綺麗な梅干しが出来ましたね。
それも肉厚でとても旨そうです。

しその刻んだ奴はふりかけにして良し、和え物に入れて良しの便利モノですよね。
ウチの梅干しは地元で取れた小さい梅を使ってますので、こんなに綺麗なものにはなりません。
所々にえくぼやあばたが出来てたりしますので。

しかしこの壺は雰囲気があって良い壺ですよね。
ほんとに商店街から陶器屋さんが無くなって、こう言ったものを入手しがたくなってきてますよね。

私もたまに覗きに行ったりするのですが…。

No title

すごい!本物の梅というのが画像からも伝わって来ます。
やはり赤紫蘇は必須ですね。

・・・そうなんです。懸案なのは、天気予報とにらめっこして、3日外で干すという作業・・・仕事してると、急な天候の変化に対応出来ないですものね。
でも、只野乙山さんが、しっかりと指南して下さってるようで?かえるままも、頑張ります。

この陶器の「かめ」は鮮やかな色がきれいですね。
こういうのに、本物の梅を入れたいものですね。
乙山さんの美学が梅干しにも表われてるのが伝わります。

No title

乙山さん、今晩は。

素敵な瓶に収まった梅干は貴重品ですね。
保存する瓶にこだわったところが乙山さんらしくて嬉しくなりましたよ。

しかも庄内で手にいれたとは!
瀬戸物屋というのは色々な商品を扱っていて楽しいものですね。
商店街というのは雰囲気があって好きです、30年ぶりで訪れた庄内駅近くの靴屋さんのお兄さん
(今はおじいさん)が私の事を覚えていてくださったのにはびっくりでした。
下町の人情というか、すっかり変化している街の外見だけど人は変わっていないなって感じました。
乙山さんのブログでいつも楽しい思い出をよみがえらせてもらっています、ありがとう!

No title

梅干し完成おめでとうございます。とても美味しそうですね!
干したシソはフードプロセッサーで「ゆかり」に出来ますし、どちらも安心安全な手作り品。
素晴らしいです。

私のオススメする梅肉入り料理のひとつに、去年の夏に紹介した梅干し入り餃子があるのですが、今年もツナマヨに入れて見たり、納豆に乗せたり、色々と梅干しレシピを色々と考案中です。あと、秋冬なら煮物に入れるのがオススメですね。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
かなり追熟が進んだ梅でしたので、「つぶれ梅」もそれなりにできました。
そういうものから、刻んで食べていこうという寸法です。

地方でとれた「小梅」の梅干も、魅力的じゃないでしょうか。
乙山のは何かインスタントな感じがして仕方がありません。
塩分濃度を高めしたという一点だけ、それでできたのではないかと思うのです。

保存しようというとき、どうしようかなあ、と思ったんですね。
昔ながらの梅干しには、やはり昔ながらの「かめ」または「壺」が合うんじゃないか、と。
それで、わざわざ電車に乗って、これをもとめた次第です。

この陶器店はいい店でしてね、話をしながら買い物ができるんです。
いや実はね、箕面観光ホテルに200ほど納品したんですよ、とか。
それでも決して高ぶらない御主人、そして奥さんや店の方々が、
いかにも庶民的というか、庶民的な街にぴったりなんですよ。

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
まあ乙山も、今回は本当に実行したわけですから、
ただの「口だけの男」とはわけが違いますよ!

塩分濃度をある程度高く保ちさえすれば、
梅漬け→梅干しの行程はクリアできるのではないかと思います。
初めから低濃度でいくと、けっこう難しい。
そこのところが、成功か失敗かの分かれ目になるようです。

お盆まで待つ、という手もあるのですが、
今回は「らっきょう漬け」も「紅生姜」もありまして、
素材自体は待ってくれぬので、時期尚早かもしれないけれど、
「干し」に移行しました。そこそこ、おいしいですよ!

「かめ」(壺)は、思いつきなんです。
庄内という街が好きで、そこに行きたい口実を設けた、
ただそれだけかもしれません。

Re: まん丸クミさん

まん丸クミさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
いやあ、今回の「梅漬け」→「梅干し」という行程を経て、
昔の人はどんなふうにしていたのかな、という一部を理解できました。

生活の知恵、というものでしょうが、やはりそこは永年の経験が、
培った何物にも代えがたい何かがあるのではないか、
そんなふうに思ったのです。おばあちゃんの梅干し、とかで片付けてほしくない。

「かめ」というか「壺」は、庄内のある陶器店で買いました。
以前から、庄内の陶器店で買い物をしていたのですが、
梅干に使う「いれもの」は、庄内でしか買えないだろう、と思っていたのです。

じつは庄内の豊南市場の前にいい鮨屋さんがありましてね、
そこでお昼を食べて(同時に一杯飲んで)からの買い物です。
いい鮨屋さんなんですよ。すし飯とすし種のバランスが良くて、愛想もよくて、
本当にい店なんですね(本当にいい店は、ウェブログに載せたくないんです)。

庄内は乙山の大好きな街でして、石橋や服部、岡町や曽根なども含めて、
これからもできるだけ(?)紹介していければ、と思っています。

Re: yuccalinaさん

yuccalinaさん、こんばんは! コメントありがとうございます。
フードプロセッサー、便利ですねえ! あれば本当にいいのにな。
バーミックスも、我が家にあればなあ、など思いますが、どちらもないので、
包丁で細かく刻んで「ゆかり」もどきに仕上げるつもりです。

yuccalinaさんの調理法、いつもやってみたいなあ、と思ってしまいます。
梅肉とマヨネーズ、意外ですけど、合うように思うんです。
そもそもシソが、日本人の味覚の奥深くに「合う」ようなものでしょう、
なので意外と思えるものでも、合うんじゃないか、
そんなふうに思っています。

No title

私も最近、「梅仕事」完了したばかりです。
梅酢には新しょうがをつけました。

私は毎年、車の中に干すんですよ。(邪道ですが)

いつも、沖縄のブログから
ココへ来てましたが、直でリンク貼らせて
いただいても良いですか?

No title

ぬぅぅぅぅ、めちゃそそられます・・・!!
そう、この「干す」工程も中々ハードルが高くて(^^;)
なるほど天日干しがベストなのでしょうがそれに固執せず、状況を見つつ
室内干しも組み入れる方法でもいけそうですね~
この見事な出来映えを見る限り♪
ズボラな私ですが、来年当たりチャレンジしてみようかなぁと思案中です(^^)

Re: しょうちゃんさん

しょうちゃんさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
梅を車の中に干すというのは考えましたねえ!
雨を心配する必要がありませんので実用的ですね。
リンクの件、OKですよ!

Re: zumiさん

zumiさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
フルタイムで勤務している方は、天日干しなんてできませんよ。
梅干は鳥などに襲われる心配はありませんが、魚の場合、
網がないとまず無理だと言えましょう。
乙山の場合、天日干しを2日、室内干し1日でした。
それでもまあ、表面に塩が吹くくらいに干せましたよ。
来年はぜひ、梅干にチャレンジしてくださいね。

No title

宮城の実家にいたころは家で付けていたので、塩の吹いた塩分の高いやつになじんでいました。
ところが大和に来てみると、そんなやつにはお目にかかれないんですよね。あんまりしょっぱくない代わりに酸っぱい・・・そんなやつばっかりで、酸っぱいのが梅干しだっていえばそうなんですが、それと一緒ぐらいしょっぱくなきゃあねえ・・・日持ちもしないし。
塩分はたしかにひかえなきゃあいけないでしょうが、一日2個も3個も食べるもんじゃあないし・・・

ああ・・・塩の吹いた梅干。塩の結晶が表面にこびりついた梅干よ・・・・

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
梅おかかを作ろうとして、いい梅干しがないなあと思ったのがきっかけでした。
梅肉チューブでじゅうぶんなのですが、いい具合に熟した梅を見かけたもので、
つい買ってしまったんですね。1kg=290円ですよ。
塩と梅だけで梅漬けができますし、シソを足すと梅酢もできました。

仰るように塩分は控えないといけないわけですが、
本当に何個も食べるわけではないのですから、
本物の梅干しを少しずつ、食べていこうと思っています。

No title

写真を見ただけでおいしそう。
何にでもあいそうですね。
「カメ」がまたいいですね。普段見る茶色のものとは違う色合い、惹かれます。

Re: mikitaka08さん

mikitaka08さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そのように仰っていただき、たいへんうれしく思います。
これは「かめ」というべきなのか「壺」というべきなのかわかりませんが、
なかなか昔風のいい雰囲気を出してくれています。
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只野乙山

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