ブラックニッカ リッチブレンド



〈遊歩者 只野乙山〉 特別企画
【日本のウィスキーを飲む】



BlackNikka_RichBlend_01.jpg
新しいものはとりあえずパスすることにしているが、これは例外というのもある。ついこの間ニッカウヰスキーが発売した〈ブラックニッカ リッチブレンド〉なんだけど、わざわざそれを買い求めたというより、他のウィスキーを買う時に一緒にすると都合がいいから、というなんだか横着の結果みたいなものである。

現在ブラックニッカは元祖の〈ブラックニッカ スペシャル〉に加え、〈ブラックニッカ8年〉があり、さらに現行品で最も流通量が多いと思われる〈ブラックニッカ クリアブレンド〉がある。そんなにラインナップを増やしてどうするつもりだろうと思わぬでもないが、これでブラックニッカは4種類になったわけだ。

リッチブレンドという名前から、ブラックニッカ8年に極めて似た味わいに仕上がってくるんじゃないかという予想をしていた。ピート控えめでシェリー樽かバーボン樽で熟成させた華やかで甘いモルトを使ったウィスキー……そんな感じを想像していたが、さてどうだろう。ボトルを見ると、〈髭のニッカ〉は色付きではなく、ゴールドの浮彫になっている。

なんだか不思議な高級感が漂うデザインで、これは上級の〈G&G〉より高級品であるかのようである。早速飲んでみる。いつものように、まずはトゥワイス・アップ(ウィスキー:水=1:1)で口に含んでみると、予想通りピートは控えめであるが、甘い華やかさは前面に押し出されていないように感じた。これは違うかもしれないが、ボディというかコク(?)のほうを意識したブレンドなのかもしれない。

BlackNikka_RichBlend_02.jpg次によくやるソーダ割りで飲んでみると、トゥワイス・アップで感じた味わいの広がりが封じ込められるとまではいかないが、あまり面白くないなあと思った。といっても、味が悪くなるわけではないのでこのあたりは誤解を招くかもしれぬ。このウィスキーの中心にあるのはボディとコクで、その後に漂う華やかな甘さ、これらの広がりとつながりが、ソーダ割りでは感じられないのだ。

水だけのほうが合うなあ、と思い、あまりやらないけれどウィスキー:水=1:2の水割りを作ってみた。すると、おやっ、甘いですね! 甘みというか旨みが、水で割ると極限まで引き出されるのではないかと思う。かなり薄めの1:3くらいでもその傾向は変わらないので、このリッチブレンドは水割りでやるのがベストではないだろうか。もちろん、あまりミネラル分の入っていない軟水に合わせるほうがいいと思う。

面白いですねえ。もちろんそのまま飲んでも、氷に注いでもいいし、トゥワイス・アップでもおいしい。けれど水割りがいちばんこのウィスキーの持ち味というかポテンシャルをいちばん引き出すことができるんじゃないかと思う。ウィスキー:水=1:1~3までのいずれかに、各人好みの「一番甘い(旨い)一点」を発見する、そんな楽しみができるウィスキーだ。


≪ トリスへ  サントリー〈角瓶〉へ ≫


【付記】
● 〈ブラックニッカリッチブレンド〉を飲んでいると、「こっちの水は甘いぞ」という蛍の歌が浮かんできました。うむ、甘いなあ、けど旨いなあ、などと浄水器を通した水道水での水割りを楽しみました。


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No title

記事を拝見しました。

私も最初値段なりの酒かなと思っていたのですが、飲んでみて味の厚みがあるのにビックリしました。
ピート香が足りないのは若干寂しい気もしますが、一般ウケを考えたら仕様のないことなんでしょうね。

私は専らロックで飲んでますが、水割りも良いですよね。
この値段でこんな酒が飲めるんだなぁとニッカの志を見せてもらったような気がしました。

一方の量産品なのにプレミアムとか言ってるお酒は、ハイボールで飲むのに適したお酒でした。
この酒2本分の値段というは正直納得いかないと。

No title

私もこの前、こいつを初めて試してみました。

なかなか~~と気に入ったのですが、次に買ってしまうのはやっぱり「ブラックニッカ クリアブレンド」。

なんでか、他のものに手が伸びないんですよね。値段の問題もありますが、それだけじゃあないんですよね。あの味がいいんです(なんともまあ安上がりな舌で・・・)

まあ、私の保守的思考の表れでしょうが、いくら他のものに魅力を感じても、一度なじんだものからは離れがたいんですよね。離れたとしても、せいぜい浮気程度で・・・

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
リッチブレンドという言葉から、例の甘い華やかな味わいを予想していましたが、
見事に外れてしまいました。これはいい意味で外れたわけですが。

乙山もピート香がわりと好きな方なので、いささか物足りぬ部分もありますが、
これはこれでいい酒だと思ったのです。4本の中では〈スペシャル〉の次に好きです。
おそらく20代、30代の若い層を意識しているのでしょう。

> 一方の量産品なのにプレミアムとか言ってるお酒は、ハイボールで飲むのに適したお酒でした。
> この酒2本分の値段というは正直納得いかないと。

ははあ、〈プレミアム角瓶〉お試しになったんですね。
いやはや、なんともお高い値段設定ですねえ。
どういうわけでそういうことになったか不思議な気がします。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
リッチブレンド、なかなかのものでしたね。乙山も気に入りましたよ。
ですが、もしリッチブレンドとスペシャルが並べて置いてあったら、
たぶん後者を選んでしまうような気がします。
ニッカの昔のブレンドが好きなんですね。

> なんでか、他のものに手が伸びないんですよね。値段の問題もありますが、それだけじゃあないんですよね。あの味がいいんです(なんともまあ安上がりな舌で・・・)

酒好きや酒飲みには、これと決めたらもっぱらそればかりをという方もいれば、
あれこれ飲んでしまうという方もいらっしゃいますね。
乙山は後のほうで、どうもいろいろ飲んでしまって目移りばかりしています。
gatayanさんのような落ち着いた飲み方にはまだ当分なれそうにありません。

新発見。

貴殿もついにコレを呑まれましたかぁ(^_^)。
わたくしはフルボトル三本目にしてやっと
このウイスキーの核心を認識しました。

初めてのテイスティングは、やや
ぼんやりした、本来のディティール
がつかめぬ印象でした。
それが、竹鶴12年を二本程呑んでみて、
それから先日改めてリッチブレンドを
ストレートやロックなどでトライして
みた所、今まで感じ取る事ができなかった(あくまで
もわたくしの経験や勉強不足からですが…、)
フレッシュマスカットや梨などのみずみずしい
酸味を含んだ心地よい甘味に触れ、大変驚か
されました。
貴殿も述べてらっしゃった様にコク&ボディ!
がそれにあわさり鮮烈で贅沢な味わいを
改めて堪能できました。

リッチブレンドは水割りも暑い季節には
爽やかな香りや風味により、より美味しく
感じられて もう嬉しくてたまりません。
夏はコレにハマリそうです。

ニッカすんげぇ〜!o(^▽^)o


Re: 新発見。 ; 四の字固目さん

四の字固目さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
えっ、もう三本も! ウィスキーをメインにしている方はペースが違いますね。
乙山など、「帰宅後の一杯」か「しめの一杯」にウィスキーを飲みますので、
少しずつしか減らないのですが……竹鶴12年を二本、というのもすごい。

ううむ、やはり良質かつ強健な肝臓をお持ちの方はうらやましいですね。
乙山など、ただの酒飲みと思われているようですけど、
じつは酒飲みというより「酒好き」といったほうがいいくらなものです。
「酒飲み」と「酒好き」は違うんですよねえ。

> フレッシュマスカットや梨などのみずみずしい
> 酸味を含んだ心地よい甘味に触れ、大変驚か
> されました。

テイスティングが丁寧ですね!
乙山など、ざっくりした印象しか書いておりませんので恥ずかしい。
ウェブログでお付合い頂いている方々の中で、たいへんティスティングの
ていねいな方がいらっしゃって、いつも勉強させてもらっていますよ。

ニッカウヰスキーは宮城峡蒸留所でカフェ式蒸留機を使っているのですが、
つい最近(と思います)、長期熟成グレーンを出したようですね。
グレーン・ウィスキーは割り物のようで低く見られがちですが、
ちゃんと熟成させれば見事な物になるということでしょうね。

乾杯! いいウィスキーを! いつもありがとうございます。

ブラックニッカのNo.2

私もブラックニッカの4銘柄をコンプリートしましたが、リッチブレンドは2番目にすきです。

乙山さんもたぶん、スペシャルがトップだと思われますが、私もスペシャルのガツンとくる味わいが好きです。

リッチブレンドは今風というか、ハイボールでウイスキーを知った若い人が次に飲む本格的な銘柄という位置にいる気がします。
クリアもいいですが、どうしても作ったようなスモーキー香が阻んでしまいます。

なんだかんだ言っても、下手な1000円スコッチを引いてくるよりも、リッチブレンドを選んだほうが無難だと感じます。それだけ安いスコッチにも比肩できるレベルだと思います。

Re: ブラックニッカのNo.2 ; RERAさん

RERAさん、コメントありがとうございます。
リッチブレンドはいいですね。スペシャルも好きなのですが、
意外に甘い香りが強いような気がします。
その点、リッチブレンドはその甘さが少し控えめになっていて、
コクとボディのほうに力を入れているような気がしますね。
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只野乙山

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