サッポロウィスキー〈40°〉および〈SS43°〉



〈遊歩者 只野乙山〉 特別企画
【日本のウィスキーを飲む】


SapporoWhisky_40.jpg
〈サッポロウィスキー37°〉のことはすでに書いたが、その兄弟のようなものとして〈40°〉や〈SS 43°〉が存在する。これら三本を同時に買ったので、せっかくだから記事にしようという(記事にしないと元が取れないという意地汚い)魂胆である。それに、もう他のウィスキーに移っているので、できるだけ早く書かないと印象が薄れてしまうということもある。

サッポロウィスキーを出しているのは札幌酒精工業株式会社だが、そこで独自蒸留しているかどうかは不明である。おそらくモルトとグレーンの原酒をスコットランドの蒸留所から買い付け、それを保存(熟成?)させて瓶詰めしている可能性もある。それ自体は別に悪いことではなく、スコッチ・ウィスキー業界では蒸留業者と瓶詰業者が別であることは珍しいことではない。

ただ「日本のウィスキー」とするからには、やはり日本で蒸留されたものでないと、という気持ちがある。なのでその点、札幌酒精工業には明確にしてもらいたいが、もし本当に原酒を買いつけて瓶詰めしているのなら、なんとなく胸を張れないところもあるのではないかと想像する。曖昧になってしまうのも仕方がないのだろうか。

さて〈サッポロウィスキー40°〉である。飲んでからかなり時間がたっているので大雑把なことしか書けないが、〈37°〉で感じた不思議な苦みはなく、滑らかな感じがした。たった3%の違いしかないのだが、この差は大きいように思う。モルトとグレーンを別々に買い付け、独自にブレンドしているのか、あるいはすでにブレンドされたものを買いつけているのかは不明である。

なのでこれは想像にすぎないのだが、たぶん中身は同じなのではないかというのが私(乙山)の答えだ。当然、まちがっていることも多々あるだろうけど、これはそうじゃないかなと想像して遊んでいるだけなので、詳しい事情を知っている方が噛みつく必要はありませんよ。つまり、すでにブレンドされたものに、加水する割合を変えることで三種類を作りだしている、と見た。

SapporoWhisky_SS43.jpg次に〈サッポロウィスキーSS 43°〉を飲んでみた。というかこれは、同時に二本開けたのではなく、時間を開けていることをお断りしておく。別々に記事に仕立てるまでもなかろう、ということである。値段も少し高めになっていることもあって、兄弟の中では一番まともな品質である。初めて飲むのなら、これを買うことをお勧めする。

以前、スコッチの**を1000円とすると、〈37°〉は650円である、と勝手に価格付けをしたが、同じ伝でいくなら〈40°〉は700円、〈43°〉は800円くらいだろうか。私の独自判断では1000円スコッチのレベルに届いていないと見た。実勢価格は〈40°〉が1200円くらいで、〈43°〉が1500円ほど。サッポロウィスキーには悪いけど、たぶんよほど何か事情がない限り、1000円スコッチが横にあるのにわざわざ1500円のこれを手に取る人はいないんじゃないだろうか。

もう私はサッポロウィスキーを三種類全部飲んだわけだからそんなことはまずないと思うが、たとえば北海道を旅行したときなど、「これ、北海道の地ウィスキーなんですよ」と飲食店がサッポロウィスキーを出し、それを飲んだ観光客が「うむ、けっこういけるじゃないか」などとやっていることも、あり得ないことではない。まあだけど「けっこういける」というのは本当なんですよ。だって中身が……もういいか。


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【付記】
● その昔、スコッチウィスキーはすべてアルコール度数43°以上で、酒税法上の分類で「特級」とされていました。酒税に関税が上乗せされた結果、今でいう1000円スコッチは4000円ほどしていたわけです。1989年の酒税法改正以後、スコッチウィスキーは軒並みアルコール度数を40°に設定し直したのですね。

だから「特級時代のスコッチはもっとうまかった」という意見が多いのも、あながち過去の美化だけではないと思います。今それらは「オールドボトル」として法外な(?)値段で取引されているようです。

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非公開コメント

No title

37、40、43と続けてでしか・・・
いつもながら、只野さんの探究心には頭が下がる思いです。

私も見習って・・・(笑)

Re: gatayanさん

gatayanさん、コメントありがとうございます。
三種類あると、どう違うのかな、と思ってしまいましてね。
ネット通販なのでまとめたほうがいいのです。
これでもう「飲んだ」わけですから、あらぬ妄想は抱きません。
それがいちばんの利点でしょうか。

No title

記事を拝見しました。

この間のサッポロウィスキーの記事で、チャレンジング精神に感服していたのですが、まさか全種類飲んでおられたとは・・・
腰の引けている私には決して真似の出来ない事です。

しかし買ってきたブレンデッドウィスキーを加水しただけで売るというのはどうも・・・
企業のポリシーとか理念とかの存在まで疑いたくなります。

日本酒でもそうですが、一部の不真面目な企業が真面目な企業の脚を引っ張ると言うことが多いようです。
本物が求められる時代なのにちょっと残念な気がしますね。

No title

> たった3%の違いしかないのだが、この差は大きいように
思う。

 サッポロウィスキーはまだ飲んでいないのでなんともいえ
ませんが、どの銘柄にかぎらず、3%のちがいは大きいよう
に思います。40%と43%とでは、ふつう後者のほうがうまい
ですね。

 かつてまともなウィスキーといえば43%があたりまえだっ
たですね。いつの間にか40%になったのは税金の関係なので
しょうか。

 水を加えるといくらでも薄くはできるけど、濃くすること
は不可能なんですから、酒税法を改正してもらいたいもので
すね(やっぱりダメ?)。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
飲んでいなかったら「どんなものだろう」と、つい思ってしまいます。
そういう余計な期待を払拭せんがために飲んだようなものです。

> しかし買ってきたブレンデッドウィスキーを加水しただけで売るというのはどうも・・・
> 企業のポリシーとか理念とかの存在まで疑いたくなります。

この部分は乙山の推測ですので、断定してはなりませんよ。
1980年代にあったらしい「地ウィスキーブーム」とやらに、
便乗しようとしたのでしょうね。何がしたいのかよくわかりませんが、
買い付けた原酒がなくなり次第、販売終了するのではないかと思います。

Re: 薄氷堂さん

薄氷堂さん、こんにちは! コメントありがとうございます。

>  かつてまともなウィスキーといえば43%があたりまえだっ
> たですね。いつの間にか40%になったのは税金の関係なので
> しょうか。

そうでしたね、かつてウィスキーは43%以上がほとんどでしたね。
今ほとんどのスコッチは40%になっていますが、おそらく、これは
洋酒が安くなったなあ、という頃とときを同じくしていると思います。

サントリーオールドが最盛期にどれくらい出荷されていたか、
それをアチラさんも知ったのでしょう。世界でも稀に見る、
ウィスキー購買層(ターゲット)ではありませんか。

瓶の中身を変えてまで売り込もうとした、
それほど魅力的なターゲットだったということなのでしょう。
酒税法を以前のようなものに戻すとすると、
今の「洋酒天国」はなくなってしまいますよ。

なんとなく胸を張れない

こんばんは

 サッポロウィスキーの存在を初めて知りました。
 灯台下暗しとはこのことをいうのでしょうか。
 地元民として、サッポロウィスキーは北海道の水と麦を使って蒸留されていることを
 切に願うところであります。
  

Re: なんとなく胸を張れない: mikitaka08さん

mikitaka08さん、こんにちは! コメントありがとうございます。

>  地元民として、サッポロウィスキーは北海道の水と麦を使って蒸留されていることを
>  切に願うところであります。

そうであればよいのですね、そうであることを乙山も願います。
ですがこれは、自社蒸留であるとすれば「うまくできすぎ」ているのです。
それだけできる蒸留所が評判にならぬわけはありません。

たいへん評判の良かった「軽井沢蒸留所」は某大手企業によって、
「叩き潰され」たと言っていいのではないかと思います。
軽井沢蒸留所は、日本で四番目といっていいほどでした。
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只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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