黄金週間にフィレ・ステーキを

FilletSteak_2013_05.jpg
世間では黄金週間だとか言ってなんだか楽しそうだった。かくいう私(乙山)もまとめて休暇を取ることができたので黄金週間の恩恵(?)を被っているのかもしれないが、とくに予定もないし、なにしろ臥薪嘗胆(忍耐、我慢)を心掛けないといけないのでそうそう浮かれているわけにもいかない。

と言ってもねえ、散歩に時間をかけてみるとか、ウェブログの記事をまとめて書くとか、そういう類のことをちまちまやっているだけでお祭り気分は一切なしである。これは毎年そうなので、別に困る必要はないのだが、なにかこう、ぱっとしない自分というものが余計に強調されてしまうような気がしないでもない。

夏目漱石流にいえば「牡蠣的生活」(「猫」が机にへばりついてばかりいる苦沙弥先生を岩牡蠣に喩えた)になるのかもしれないが、それがあまり苦にならぬのだから困った(?)ものだ。とはいえ、せっかくの黄金週間ではないか、なにかこう、ぱっとするものはないのだろうか、とあれこれ考えたら、冷凍庫に保存されているフィレ肉があったのを思い出した。

フィレ・ステーキである。かれこれ二年ほどフィレ肉など食べていなかったが、先日某所にてフィレ肉が大幅値下げされていたのを目撃し、なかば衝動的につかんでいたのである。といってもその日の料理はもう決まっていて、すぐ食べるわけではなかったのでラッピング・フィルムでくるんで冷凍処理をしておいたのだ。

大阪市に生まれた私は完全に焼肉文化圏のただなかで育ったわけで、例にもれず焼肉は好物だけど、どういうわけかもう何年も焼肉屋に行ってない。空腹時に焼肉屋の前を通ると身体が勝手にそちらに行ってしまいそうになるけれど、店に入ってしまうには至らなかった。いつのまにか焼肉より、ランプ肉とかフィレ肉を焼いたビフテキ(ステーキ)のほうが好きになってしまったものらしい。

それも和牛とか国産牛ではなく、脂分の少ない豪州産の牛肉がとりわけ気に入ってしまった。好きな方には申し訳ないと思うが、脂分の多過ぎる牛肉は苦手である。マグロでもそんな感じで、初めてトロをごちそうしてもらったとき、醤油につけた瞬間、脂がぱあっと広がったのを見て引いてしまったのを覚えている。ハマチやブリも、刺身で食うより焼いたほうが好きだ。

哀れな奴だなあと思ってください。そんなわけで、今回は豪州産のフィレ肉を(できれば)レアでいきますよ。肉の分量にもよるが、今回のように100gだけを焼く場合、あっという間に火が通ってしまうことがある。文字通りミニッツ(一分間)ステーキである。なので焼くときには気合を入れないとならぬ。

冷凍庫から取り出したフィレ肉を室温にて解凍しておく。焼き始める30分くらい前に冷蔵庫から出して肉を室温に近い状態にしておいた方がよい。魚ではないので、塩をしてしばらくおく必要はなく、焼く直前に塩をする。フライパンをじゅうぶんに熱し、高温の状態で油またはバターを入れ、肉を入れる。

左手でフライパンを揺さぶりながら、右手には鍋蓋を持って脂が飛散しないようにかざすのだが、これは必ずしも必要ではない。たんに油が飛び散るのをできるだけ防いでいるだけである。タイマーを見ながら強火で30~40秒、裏返したら弱火にして蓋をする。約20~30秒で焼き上がる。肉が薄い場合、本当にすぐ火が通ってしまいますよ。

店ではないのだから肉を切り、そこに小指を入れて温度を確かめる。ほんのり温まっていたらOKで、もしまだ冷たかったら焼き直さないといけない。よくレアは生だと思っている人がいるが、さにあらず。肉があたたまって活性化して旨みが出ているが、たんぱく質が凝固する直前で止まっている状態、それがレアである。肉がピンク色になりかけて肉汁が表面に出ている状態がミディアム。

わかりやすいように全部切って、断面を上にして盛り付けてみた。写真で見るとけっこうボリュームがあるように見えるけれど、これで100g。やれステーキソースとかいろいろあるようだけど、このレベルの肉ならば、塩と胡椒、しょうゆをほんの少しでじゅうぶんおいしい。肉の旨み、肉の柔らかさというものを堪能することができましたよ。こんなとき、赤ワインが欲しくなるけれど、いつもの日本酒でも相性はばっちりである。


【付記】
● 久しぶりにフィレ肉を食べましたよ。やはり旨いですね。別にフィレ肉でなくてもランプ肉でもじゅうぶんですが、どういうわけかランプ肉が出回っていません。もしかして、どこかでランプがフィレとして流通しているのでは、などと邪推してしまいますが……

えっ、あんたの食ったのがそうだって?
まさかそんな……ことはないと思いますよ。

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No title

記事を拝見しました。

私も脂身の少ない肉の方が好きですね。
肉にしてもマグロなんかにしても、赤身の方が美味しいような気がします。

ただ最近は諸般の事情からファミレスに行くことが多く、そんな場所ではステーキなど注文する気にもなれず、専らスーパーで肉を仕入れて家で・・ということになってます。
ちゃんとしたステーキハウスやレストランなんかではそんな事もないのでしょうが、薄くて芯まで火の通りきった肉を食べるのは苦痛以外の何ものでもないと。

写真にあるような良い焼き方のものを食べようとすると、どれだけの財政出動が必要なのやらと要らぬ計算が先に立ちますので。

しかし、今回も物凄く美味しそうですね。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
あの脂身はどうしてできたのかわかりませんが、おそらく、
「火を完全に通しても柔らかい肉」にしようとすると、
あのような半分以上脂でできている肉になるのでしょう。

お年を召した方でレアを理解なさる方は意外と少ないのではないか、
乙山の叔父も、味にはうるさかったのですがレアは最後まで理解しなかったのです。
「生臭い」というのですね。そういう感覚の人向けなのではないでしょうか。

よくあるチェーン店のようなステーキハウス、利用する気になれませんね。
米アンガス牛あたりを平気で「和牛」として出しかねませんし、
熱せられた鉄板に載ってくることもありますが、あれは最悪です。
あれはあれで面白いものですが、あっという間に肉が白くなります。

今回は100g=300円の値下げだったので手を出しました。
居酒屋で300円と思えば、安いものではないかと思います。
乙山もこのような値下げがある時しか、ステーキ肉には手が出せません。
というか、豪州産自体があまり売っていませんからね。

No title

よく、大阪は牛肉文化って聞きますが、そうなんですね。
こっちでは、本当に牛肉はお高くて、割安な焼肉屋さんもありますが、滅多に食べません。
肉じゃがも、豚肉ですし、スキヤキも豚肉で、鶏肉でスキヤキをする「とりスキ」というのもあります。
ステーキなんて、何年も頂いてませんが、只野乙山さんおブログを拝見してたら、柔らかくて美味しいステーキが食べたくなりました。

「ランプ肉」...お恥ずかしながら、知りませんでしたよ。
普通に流通してるのですか?

No title

私の方は年甲斐もなく、ロース派で・・・脂っこいのがいいんですよね。
まだまだ味覚が幼稚なのです。

でも本当に好きな牛肉の食べ方は・・・「ユッケ」。

矛盾するようですが、なるだけ脂のないとこを・・・細く刻んで・・・

でも悲しいことに去年から、このひんやりとした生命の塊を口にすることができなくなったんですよね。

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そうそう、関西ではふつう「肉」といえば牛肉を指します。
鶏肉は「かしわ」で豚肉は「豚肉」なので、焼肉という場合、牛肉をいうのです。
しかし、それでも焼き肉が一般的で、ステーキはそれほど、という感じでしょうか。
やはり焼肉文化圏(?)なんだなあ、と感じることが多いです。

ランプ肉は、部位でいえば牛の尻周辺で、わりと柔らかいものです。
脂が少なさ、柔らかさでいえばフィレ>ランプ>モモという感じです。
ランプはふつうに流通しているとはとても言えませんね、
もうめったに見かけなくなりました。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ステーキに関してはサーロインとロースが好き、という人も多いと思います、
好きずきですから、それはそれでいいではありませんか。

ユッケはうまい具合に考えていますね、やはりコリアン料理は洗練されています。
焼肉といえばもう肉ばっかりになってしまいますが、そこにナムルとか、
野菜で肉を巻いて食べたりとか、野菜もおいしく食べられるようになっていますね。
生肉を食べられなくなって残念、という人も多いと思います。

私も

小さい頃から肉や魚の脂って苦手でした。ステーキなら当然フィレを選びます。

先日ダンナと回転寿司に行ったら、中トロ、ブリ、サーモン等は全て「炙り」を選んでいました。

私は揚げ物を食べ過ぎると下痢してしまったりする体質なので、自分の胃腸に合う食べ物が、美味しく感じるように出来てるかもしれませんね。

ガマンできません。

コレを観たばっかりに食いしん坊の
わたくしはこれからスーパーへ
肉を買いにひとっ走りです。
今夜の晩御飯は
もちろん レアのステーキ ですよぉ〜
オージーの赤身っ!


Re: 私も ; yuccalinaさん

yuccalinaさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
いや本当、養殖のブリ、ハマチ、タイの脂はきついですね!

トロや脂の入った牛肉はたいへんご馳走ですので、
遠慮すると、なにか不愉快な反応を見せる人が多いですね。
「こんなにもうまい上等なものなのに、なんで嫌うんだよ」
そう言いたげな心情が、思い切り顔に表れているんです。

揚げものを食べ過ぎると体調を崩すというのは信号ですよ。
ほどほどにしなさいよと、身体が教えてくれているのですね。
それがない人は食べ過ぎて、大変なことになるわけですから、
うまくできているんじゃないですか。

Re: ガマンできません。 ; 四の字硬目さん

四の字硬目さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そうそう、豪州産牛肉は「オージー・ビーフ」ですよね。
フィレ肉があればいいですね。ランプ肉でもじゅうぶん旨いですよ!

オージー・ビーフのランプ肉なんて、
本当はもっと出回っていてもおかしくないはずなんですけど、
どういうわけかめったに見かけません。

焼肉文化圏では「フィレ」とか「ランプ」、「サーロイン」より、
「ロース」とか「バラ」、「カルビ」などのほうがメインなんですよね。
いいステーキ、そしていい酒を!

豪州肉赤身大好き。

宣言どうり晩御飯は
豪州厚目の肩ロースを
レアで食べました (^o^)

わたくしが買ったのはg
145円の385gです。
厚切りなのでスジの多い事(汗)
食後に少しアゴが疲れる位が
ステーキ喰ったってカンジで
丁度イイです。
霜降りはしゃぶしゃぶに任せとけば
いいとわたくしは思います。(笑)

Re: 豪州肉赤身大好き。 ; 四の字硬目さん

四の字硬目さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
20mmクラスの厚さをうまくレアにできたら感動ものですね!
えっ、385g=145円ですか? 上手い買い物をしましたねえ。

> 食後に少しアゴが疲れる位が
> ステーキ喰ったってカンジで
> 丁度イイです。

そうですね、噛み応えのあるのが好き、っていうのもあるでしょう。
厚切りの肉って、たまらない魅力がありますね!

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Re: 鍵コメントさん

了解しました。
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