サッポロウィスキー 37°



〈遊歩者 只野乙山〉 特別企画
【日本のウィスキーを飲む】


SapporoWhisky_37.jpg
「日本のウィスキーを飲む」という特別企画を立ち上げている以上、大手酒造会社以外の小規模蒸留所から出ているウィスキーもできるだけ飲んでみたいと思っている。それで「国産ウィスキー」とか「地ウィスキー」などで検索をかけてみると、〈サッポロウィスキー〉というものがあるのを知った。これはかのサッポロビール社とは無関係であり、札幌酒精工業株式会社から販売されているウィスキーのようである。

少し興味がわいたのでウェブログの話の種にしようと通信販売でもとめてみた。アルコール度数37°、40°、43°と三種類を出しているようなので他の国産ウィスキーともども一気に購入。本当はちょっと味見をしてから購入するのが望ましいが、ミニチュアボトルなど売っている気配もなし、かなり危険なのは承知でまとめ買いに踏み切った。

緑色のボトルに白のラベルが貼ってあり、帆船の絵がかいてある。これは札幌酒精工業株式会社となにか関係があるのだろうか。詳細は不明だが、たしかスコッチにも帆船をかいたカティ・サークというのがあったはずだ。ネットで札幌酒精工業株式会社を見てみると、焼酎甲種の製造業者として昭和8年に操業を開始、主力商品は甲種焼酎、乙種焼酎、合成清酒、清涼飲料水、みりん、洋酒(ウィスキー、リキュール)などのようである。

早速飲んでみることにしよう。まずは〈サッポロウィスキー 37度 640ml〉を開けてみた。いつものようにウィスキー:水=1:1にして香りを確かめる。うむっ、ウィスキーらしい香りで香料を使っているようではない。飲んでみると、意外に(失礼)まともな味で、添加物は含まれていないようだ。ラベルにも原材料はモルト・グレーンと書いてあるだけ。不思議な苦みの後にいかにもアルコールというものを感じる。

ボトルを開けて時間が経つごとに初期のモルトらしい香りは消えていき、アルコールのストレートな味わい(?)が際立つようになってくる。これほど変化の大きいウィスキーはたぶん初めての経験で、じっくり味わいを楽しむというためのウィスキーというよりは、手軽に酔いを感じるための手段という感じで、初めからソーダで割るか、または思い切ってコーラなどで割るのがいいのではないかと思う。

かりにバランタインのファイネストやベル(ズ)、デュワーズのホワイトラベルあたりを1000円と基準を設定して、味だけで値段を付けて見よ、と言われるとわたしはこれに650円と付けてしまうかもしれない。メーカーのホームページでは12本セット販売のみで10382円。一本あたりだいたい865円である。まあ、手の打ちどころとしてはなかなかではないかと思うが、販路を広げるのは厳しいだろうと思う。

気になるのはこの〈サッポロウィスキー〉をメーカーが自社蒸留しているかということだけど、札幌酒精工業株式会社のホームページには蒸留器の写真がないようだし、自社蒸留を前面に押し出しているようでもないように見える。だから実際のところはわからないのだが、ひょっとしたらスコットランドの蒸留所から原酒を買い付けているのかもしれない。これはたんなる想像なので念の為。

もし完全に自社蒸留しているのなら、なかなか大したものじゃないかと思うのだが、そうでないとしたらいったい何がしたいのかな、と思ってしまうなあ。どこかからモルト原酒を買い付けてそこに自社製のアルコールを添加したウィスキー(?)を拵えたところで、それを破格の値段で売れるわけでもないし。あっそうか、お土産ものという手があったか。観光のお土産として土産物店に並べておけば、物珍しさで手にする人もあるかもしれぬ。


≪ ピュアモルト〈レッド〉へ  ピュアモルト〈ブラック〉へ ≫


【付記】
● 開栓したての頃は「ふうん、けっこういけるじゃないか」と思っていたのですが、時間が経つにつれて味がどんどん変化していくのには閉口しました。基本的に小規模蒸留所を応援するのにやぶさかではないのですが、このウィスキーにかんしては不明な点も多く、その意味でかなり辛めの記事になってしまいました。

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No title

サッポロウイスキーですか・・・
初耳ですね。こんなのがあったんですか・・・

こりゃあ、みつけたら一度試してみないといけませんなああ・・・

・・・世の中知らないことだらけだ・・・

No title

 サッポロといえば、最近スーパーで新製品らしきものを
みかけた記憶があります。ただし写真のものとはちがって、
値段はたしか1,200円くらいだったような…… 同じシリー
ズなのかもしれませんね。

 バランタインやホワイトホースの普及品が千円程度(千
円を切ることも)で気軽に買えるので、どうも千円内外の
国産ウィスキーは敬遠してしまいがちですね。日本のメー
カーも苦しいところだと思います。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
サッポロウィスキーは乙山も今回初めて知りました。

> こりゃあ、みつけたら一度試してみないといけませんなああ・・・

gatayanさん、じつはね、乙山がこれを買ったお店、奈良にあるんですよ。
以下にURLを記載しておきます。

http://www3.kcn.ne.jp/~noyori/html/shop.html

住所は奈良の青野町、「西大寺正門前南に400m」とあります。
店主は日本のウィスキーをいろいろ取り揃えているようです。

Re: 薄氷堂さん

薄氷堂さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
北海道にはサッポロウィスキーが普通に売っているでしょうね。
これは記事にも書いたように、アルコール度数違いで3種類ありますので、
薄氷堂さんがご覧になったものは「40°」または「43°」でしょう。

本当、仰るように1000円程度でかなりいいスコッチが買えますので、
1000円前後の国産廉価ウィスキーは手を出しにくいですよね。
トリスとかサントリーレッドでも、けっこういい値段付けてますからね。
それだったらスコッチのほうが、ってなりますよふつう。

飲んだことがない、となれば「ひょっとすると」などとあらぬ妄想を
たくましゅうしてしまいますが、一度飲んでみると大丈夫、
ああ、それね、となるので安心(?)です。
たぶん、もっぱらそのために飲んでいるのだと思います。

No title

記事を拝見しました。

最近は地ウイスキーというものがあって、あちこちで造られているようですが、
ニッカの竹鶴氏やサントリーでも、ちゃんとしたウイスキーを出すのに時間が掛かりすぎて、
採算が取れないから廃止すべきかの議論の渦中に立たされてましたね。

焼酎を造るのとは違って、ウイスキーの行程には熟成が欠かせない部分ですから。

以前記事にされてました摩訶不思議ウイスキーもそうですが、何がやりたいのか不明なものが多い様ですね・・・

それでも怖じずにチャレンジされているのは凄い事です。
私はどこか逃げ腰のようです。

No title

先日、俺もウイスキーを飲んでみようとスーパーに行きましたが
値段差がある程度あると、みえを張るのもいかがなものかと思い
一番安いニッカを買って来ました。

まだ、ウィスキーを語るわけには行きません。うふふ。

国産ウイスキー恐るべしっ。

春の嵐も一段落でございます。
貴殿の影響で
わたくしもレアなウイスキーを飲みました。
東海地方に展開している酒屋チェーンで、
「酒屋ビック」とキリンディスティラリとの
共同開発で10年以上の販売実績のある
ウイスキーで、その名も 「薫風」(くんぷう)
です。720ミリ 37度 ¥1050ーであっぱれな
味わいでして、富士御殿場蒸留所で製造、ボトリング
されていて、この価格では、ありえへん旨さです。
「ロバートブラウンSPブレンド」をより
ビギナー向けにした 繊細でやさしいキレ味の
ある仕上がりにした印象で、恥ずかしながら
わたくしも10年振りに味わって、その魅力に
今更ながら、メロメロです。(^_^;)
国産ウイスキー恐るべしっ!

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
仰る通り、本物のウィスキーを作るのは相当な時間と費用がかかります。
サントリーやニッカさえ、そんな状況なのですから、大変なのでしょう。

スコッチには最低3年間熟成させるという規定があって、6年程度では
熟成年数を表記しないものです。12年くらいからでしょうが、たまに8年物、
あるいは10年物を見かけることがありますね。

そういう「本物」にそう簡単に勝てるわけがないのです。
だけどもう安物を作る意味がないことに業者は気付くべき時でしょう。
生き残りたければ大変でも本物を作るしか道はありません。

この種の「ウィスキー」をあえて飲むというのは、
まあ「話の種」あるいは「飲んだという経験」を得るためなんですよ。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
一番安いニッカって、たぶん〈ブラックニッカ クリアブレンド〉か
〈ハイニッカ〉になるんじゃないかと思います。

ちかごろ〈ハイニッカ〉をほとんど見かけませんから……
いいじゃありませんか、ウィスキーを語っても。
乙山のような頓珍漢でもみなさん苦言を呈するようでもなさそうですし。
いいウィスキーを!

Re: 国産ウイスキー恐るべしっ。; 四の字硬目さん

四の字硬目さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
それは乙山も知りませんでしたねえ!
酒屋チェーンとキリン蒸留の共同開発品となると、
店に買いに行くか、ネット通販になりますね。
楽天市場でもその店の名前、みたことがあるかもしれません。

ちゃんとした蒸留所の生産品ですから、品質も確かでしょう。
10年ぶりと仰ることから、かなり以前からあるウィスキーなのに、
今まで知らなかったのは迂闊でした。
ちょっと、飲んでみたくなりましたよ!
貴重な情報ありがとうございます。

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Re: 鍵コメントさん

鍵コメントさん、どうもどうも!
またそのうち、記事にしますからね!
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