プラ板で箱組

FreeScrachedCase_01.jpg
3月某日、所用のついでに大丸梅田店内の東急ハンズに立ち寄った。プラ板とプラスティックのLアングルを購入するためである。本来これらの品々は模型店というかプラモデル屋さんにあるものなのだが、近ごろ町から模型店が消失しつつあるのでどうしても大型店に赴かなくてはならぬ。池田の商店街にもかつて模型店が存在していたが、いつの間にかなくなってしまった。

以前は阪急電車南方(みなみかた)駅あるいは地下鉄御堂筋線西中島南方(にしなかじま みなみがた)駅で降りた周辺にプラモデル専門店〈レオナルド〉があって、私(乙山)も一度艦船模型ウォーターラインシリーズを買ったことがあるのだが、どういうわけかその店はなくなって、難波のほうに移転した様子である。考えてみると梅田まで行って東急ハンズに立ち寄るのと、十三で乗り換えて南方まで行くのと、どちらが便利なんだろうか。

FreeScrachedCase_02.jpgプラ板というのはB4サイズの白色のプラスティックの板なんだけど、これでいったい何をしようというのか。プラモデルはふつう戦艦とか戦闘機、戦車や自動車などのスケールモデルを組み立てるものだが、フリー・スクラッチビルドというものがあって、プラ板を切り出して積層、ヤスリがけやドリルの穴あけなどを組み合わせて任意の物体を作ることもある。今回はそれをやってみようというわけだ。

と言っても、しょせん素人のこと、そんなに高度なものを作るわけではありません。プラ板工作の基本、「箱組」である。しかも今回はある物体がある目的に対して使用可能かどうかを検証するためのもので、できる限り実物に近いモデルを作る必要がある。あまり楽しみがないのだが、プラモデルが好きな人なら、そのような場合でも製作者はわりと楽しんで作るものだということをわかってくださるのではないかと思う。

まず切り出し。所定の寸法をきっちり計ってカッターナイフで線を二、三回入れると折り切ることができる。ここは三角定規を使ってしっかり直角出しをしておかないと、きっちりした箱を組むことができぬので気合がいる(写真一枚目)。切り出しが終わったら田宮セメントで二枚張り合わせる。現物と同じ厚さにしないと作る意味がないからだ。ふつうは補強にプラ角棒を用いるが、内部が重要なのでLアングルを用いて補強する。

FreeScrachedCase_03.jpg張り合わせる際も直角出しを意識したほうがいいのだが、まさかコーナークランプを使うまでもあるまいと思う。一応Lアングルを信用して手早く組み上げていこう。写真二枚目は内部にLアングルの補強をして四枚のプラ板を張り合わせて筒状のものを作ったところである。写真で見るとやはり切り出しが甘く、きっちり揃っていないことがわかる。

ここで接合部分にヤスリをかけてできるだけ平らにしておいた方がいい。平らにできたら蓋(天板)を張り合わせて箱組の完了。写真三枚目を見ると、一応箱組になっていることが確認できる。この段階では接着剤が硬化していないのでまだ力を入れると多少動いたりするのだが、完全に硬化してしまうと、なかなかこれでがっちりした箱になっているものだ。

一日または二日ほど放置して接着剤が硬化するのを待ち、硬化を確認したら軽く面取りをしながらヤスリがけとサンドペーパーがけをする。面取り作業はついやり過ぎてしまうのに注意しないといけない。きれいにRを付けたほうがそれっぽくなるのはわかっているが、今回はあくまで内部が重要なので、見た目はそれほど気にしなくていい。

FreeScrachedCase_04.jpgなのでサンディングも100番と400番くらいで止めておき、そこにサーフェイサーを一回塗布するだけで終了することにした。プラモデルの本番ではここからが勝負で、グレー色に塗った表面の傷などにパテ埋めをし、サンディング。もう一度サーフェイサーを吹いて傷や凹み、窪みやクラックなどがないかを確認する。そうして1000番くらいのサンドペーパーがけをした後、仕上げ塗装に入るというかなり面倒くさい手順がある。

写真四枚目は一応これで完成、というところまで来たもの。かなりの手抜きだが、定規を当てて測ってみるとかなり正確に実物大の箱を作ることができたようである。これでいったい何をしようというのかというと、実はこの中に小型トランスをしまいこんでしまおうと企んでいるのだ。ここまで引っ張っておいてなんですが、これはプラモデルの話というより本当は真空管アンプの話だったんですね。

ChokeCoieInCace.jpg写真五枚目を見ると、ほれこの通り! もちろんこれは模型だからこれをそのまま使うわけにはいかないけれど、上からかぶせるだけにするのなら、このプラスティックの箱に塗装をするだけでそのまま使えてしまえそうである。それはそれでいいかもしれないが、どうやってトランスを固定すればいいのか、そうだアルミのLアングルを使って縦にマウントしてしまおうか……などと余計なことをあれこれ考えてしまいそうになる。だけどこれ、一応製作予定にはなっているけれど、かなり先になるものなので、実現するにはいったいどれくらいかかるのか、と勝手に気が遠くなってしまった。


【付記】
● なあ、あんた要するに暇なんだよな? などという声が聞こえてきそうですがさにあらず! 寸暇を惜しんでさっと済ませてしまった仕事なのです。プラモデル作りと真空管アンプ、あまり関係なさそうですがそうでもないのです。

げんに乙山は6BQ5ppアンプを作るとき、タムラのF4**シリーズの模型を今回のようにプラ板の箱組で作ったことがありますし、プラ板に穴をあけてソケットを取り付け、周りにどれくらいの穴をあけると格好よく見えるかというシミュレーションをしたこともあります。あんたバカか、と言われそうですが、趣味だとか好きだとか言うのはえてしてそういうもので、つい「うつつをぬかす」ことになってしまうのです。

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No title

記事を拝見しました。

ここ三日ほど外界との関係を断っていたものですから、お邪魔する事も出来ず失礼致しました。

プラ板を使っての工作は結構加工しやすくて、面白いものがありますよね。
遙か遠い昔にF-1カーのプラモデルに凝っていた時期がありまして、市販の旧型モデルを買ってきて組み立てるだけでは満足出来ず、自動車雑誌を買ってきて比べてはプラ板とパテで改造を…

しかし、モックアップをここまでの精度で作るのはもの凄い事です。
趣味の範囲を遙かに超越しているような気がするのですが…

No title

決して「アンタは暇なんだ」なんて申しません。
立派な工作少年です。

僕にはもう、こうした工作少年に戻れる(乙山先生の場合、戻るも何もずっと工作少年なのでしょう)根気も関心もなくなってしまいました。

昔は、縮小の歩兵や戦車に色塗って
アメリカ軍VSドイツ軍の激突場面を作ったりしたものですが



老いたな。

No title

↑ごめんなさい。名乗るの忘れました。根岸です。

No title

 う~ん、これは一見シンプルのようでいて、かなりの精密加工ですよ。ぼく
みたいに、多少イビツでも用が足りればいいなどと考えるような不器用な男
には、とても無理ですね。

 乙山さんならレンズ磨きの達人にでもなれそうな予感がします。

> あんたバカか、と言われそうですが、趣味だとか好きだとか言うのはえてし
  てそういうもので

 おっしゃるとおりです。あんたバカじゃないの、といわれるようになって一人
前でしょうか(笑)。

No title

ははは・・・

いったい何をしていらっしゃるやら・・・
お好きですなあ・・・

でも、星印が二つ並ぶ接着剤のビン・・・田宮ですね。なつかしいなあ・・・

その昔、プラモデル少年でしたから…と言っても大したものをこしらえていたわけじゃあないんですが、あの接着剤の匂い、好きだったなあ(ちょいとあぶないかなあ)。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
プラ板の工作は基本でありながら、スケールモデル専門の人は手を出さないですね。
やったとしても仰るように改造用のパーツとして使われるのが普通です。

制約がないので何をやってもいいのですが、今回は「再現」です。
こういうのは、目的があるので、ある意味「楽」ですよ。
なので乙山としてもそこそこ楽しんでやりました。

本当は切り出しをして張り合わせた段階でサンディングです。
パーツの精度があるかどうか、検証してから箱組ですね。
だけどまあいいか、という感じでやりました。

凝りだしたらきりがないのがこの世界。
そこそこのところで手を打ちましょう、となってしまいます。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
まあそんなこと仰らずに願います。
乙山は根岸さんのお弁当を拝んでいるだけでなんだか嬉しくなるんですよ。

乙山の「工作」も、それと似たようなものではないのか、
そんなふうに思っています。
できるだけ気合とか力を入れずに、行きたいものですよ。

Re: 薄氷堂さん

薄氷堂さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そこそこ精度は要求されますが、誤差はどうしても生じるもの。
それを承知の上で、結局、そこそこで妥協しているのです。

レンズ磨きといえばスピノザでしょうか。
また、あの反射型望遠鏡で知られるハーシェルは、
200枚以上もの鏡とかレンズを磨いたとか。
昔の人の努力は、現代人の想像の及ぶところではありません。
それこそ信じられない努力とか研鑽の賜物なのでしょう。

レンズ磨きの達人なんていやはや……

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
いやあ、そうなんですよ、もう自分でも笑うしかないのかな、
という感じで箱を作ってみましたよ。

「セメダイン臭」というのはお酒の世界でもわりと使われているようで、
ある種のお酒はそういう匂いを持っているそうです。
乙山も「ボンド」とか「セメダイン」の臭いが苦手ではなく、
というかむしろ好んで(やばい?)いたかもしれません。

なのでラッカー系の塗装も、いそいそと(?)やっていますよ。
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只野乙山

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