阪急箕面駅周辺を歩く(1) 中華屋 KURUMA

HankyuMinooStn_1303.jpg
某休日、運動がてら自転車で箕面(みのお)に繰り出した。箕面に行くことをはたして「繰り出す」などと言っていいものか、いささか疑問に思わぬでもないが、大阪市に生まれた人間にとって箕面というのはどこか遠くにある街、くらいの認識しかないのだ。幼少の折、叔父の車に乗せてもらってきょうだいたちと箕面の高原プールを利用したくらいだろうか。自動車で高原プールのある保養施設まで行くだけで、箕面の町をゆっくり歩いてみたことなど一度もなかったのではないか。

今回阪急箕面駅に来てその様子を見て思ったのは、なんとまあのんびりした町だろうか、ということだ。こういうとき、当世流行の言葉で「まったり」というのが当てはまるのだろうか。私(乙山)の言選りではそのような言葉を使うことがままならず、いまひとつぴんとこない。あたかも自分が『広辞苑』ででもあるかのような面持ちで、その言葉いまだ定着しておらず、などと言うつもりはないが、まちがっていたらコメント欄にてご指摘願います。

MinooHondori.jpg駅周辺を自転車でゆっくり走りながら見物していると、箕面本通りという商店街があったので、自転車を降りて押しながら歩く。商店街といってもほんの数十メートルで終わってしまう小さなもの。人々の生活拠点がここにあるとは思えない規模である。おそらく市役所、警察署、図書館などがある府道43号線沿いが事実上のメインストリートなのではないかと思う。府道43号線沿いには大型店も立ち並んでいるようだ。

そっちの方に行ってみようかとも思ったのだが、箕面本通りで中華料理店を見かけたのだ。こういうとき、身体が勝手にそこに引き寄せられてしまうので、いやおうなしに中華料理店のそばに自転車を停め、〈中華屋 KURUMA〉に入ってしまった。午後二時を過ぎているというのに営業しているし、客がたくさん入っているのも驚きだ。店内は綺麗で、いわゆる「町の中華料理屋さん」とはちょっと違う雰囲気。

Minoo_Kuruma_FrontView.jpgカウンター席に座ってメニューを見る。いろいろあるようだけど考えるのも面倒くさいので「中華定食」にした。カウンターの向こうにはずらりと並ぶ酒のボトル、その中におやおや、ザ・グレンリヴェットが見えるではありませんか。中華料理店は数多く足を運んでいるけれどザ・グレンリヴェットを見たのは初めてだ。棚には中華料理関係の本もたくさんあって、ずいぶん勉強しているんだなあと感心する。

さて料理が来ましたよ。八宝菜、えびのてんぷら、肉だんご、叉焼、そして酢のものが一枚皿に盛り付けられていますね。こういう少しずつ何種類か盛り付けてくれるのはうれしい。ご飯、白濁したスープ、そしてザーサイが付いてくるのがいい。これがたくあんの刻んだものだったりするのがけっこう多いんですね。休日なので、ためらうことなくビールを立てることにした。

Minoo_Kuruma_ChineseLunch.jpg肉だんごにはトマトソースのようなものがかかっていておいしいし、えびのてんぷらもふっくら揚がっている。これに塩をかけるとビールのいいつまみになるのはご存知の通り。酢のものもちょっと箸休めにはぴったりの味で、いい塩梅になっている。白濁したスープはシメジが入っていて、これがまたいいお味ではありませんか。スープといい、ザーサイといい、酢のものといい、これ一切の手抜きなし。見事というほかない。

LotusRoot_Minoo_VegetableStore.jpgで、これがなんと600円というのである! ビールと合わせて1100円。これはちょっと、大阪市内でもなかなかない値段ではないか。費用対効果が大きい、などという話ではなく、これは掛け値なしに「お得過ぎる値打ちもの」だ。いや本当、府道沿いの大型店に行かなくてよかったなあ、と心の底から思いましたよ。午後二時過ぎ、あれだけ客がたくさん入っているのも納得できるし、女性客が大変多いのも驚きである。まさにこの店、箕面の至宝といっても、いささかも言い過ぎではないと思う。


【付記】
● 帰りがけ商店街の八百屋さんの前を通ったら、れんこんが安かったので思わず買ってしまいました。これと牛蒡、人参できんぴらを作ろうという魂胆です。きんぴらをたくさん作っておいて瓶詰めしておき、それと山芋の短冊なんかでさっとビールを一杯、という寸法です。

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No title

乙山さん、今晩は。

箕面も懐かしい名前ですね、確か滝が有名だったのでないでしょうか。
小さい頃に滝を目的にピクニックに行った記憶があります。

宝塚線から乗り換えたような、住んでいた所からはとても遠かったような感覚がしましたが、距離的にはそう遠くはないのかもしれません。とにかく電車に乗って行く場所は全て遠い所という子供の頃の記憶ですね。

しかしこの定食のお値段には驚きました。とても美味しそうだし人気の秘密が分かるような気がします。乙山さんは本当にグッド・スポットを見つける名人ですね!

No title

 箕面という土地の名だけは知っていたのですが、位置がよくわからない
ので、さきほど地図にあたってみました。なるほど山が迫った地形ですね。
ついでに「池田の猪買い」という落語があったことを思い出しました。この
あたり、猪が出てもふしぎはなさそうです。

 さて「まったり」ということばなんですが、もともと関東文化圏ではあまり用
いられていなかったように思います。ぼくの感じでは最近「のんびり、ゆっ
たり」というほどの意味で使われているようなのですが、どうもピンとこないん
ですよ。ちょっとちがうんじゃないか、と思うんですね。

 ぼくの「広辞苑」は版が古いから収録されていませんが、「大辞林」には
「まろやかでこくのある味わいが、口中にゆったりと広がっていくさま」と定
義されています。たぶんその「ゆったりと」の部分が、「まったり」という語感
によって強調されたものかもしれませんね。

 本来はどうでもいい些末なことを対象とした「こだわる」という動詞の誤用
もすっかり定着したようですし、ことばは少しずつ変わっていくんでしょう。
抵抗を感じるぼくはもはやジジイなのでありました。

Re: まん丸クミさん

まん丸クミさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
大阪市内に住んでいたころ、箕面は辺境の地というイメージでした。
池田なんて、それどこ? みたいな感じでしょうか。

庄内からだと、6駅乗って石橋で乗り換え、そこから3駅で箕面。
だいたい25分くらいかかりますので、けっこうなものですよ。
だけどまあ箕面はのんびり長閑ないい町でしたよ。

この中華定食、心底びっくりしました。もう、あり得ない値段です。
しかもそれぞれおいしく手抜きなし、化学調味料も使っていないようです。
午後二時を過ぎてひっきりなしに入ってくる客、これも信じられない光景でした。
また行きますよ! メニューに「あんかけ焼きそば」もあるんです!

Re: 薄氷堂さん

薄氷堂さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
六甲山系ではわりと猪を見かけますよ。
以前西宮に住んでいた頃、森林公園などを散策していると、
ばったり猪に出くわしたことがあります。

秋など、人々の弁当を狙って堂々と表れることもしばしば。
池田や箕面は、まあ六甲山系と地続きですから、猪が出ても不思議はありません。
「池田の猪買い」も昔はもっと猪がいたということなのでしょう。
ご存じとは思いますが、箕面にはニホンザルもいるんですよ。

さて「まったり」ですが、これは以前、味覚に関する用法で見たことがあります。
「なんともまったりとした味わいの……」などと使われていたのではないか。
「あっさり」の対義語としての「こってり」の類義語と思われます。

>  ぼくの「広辞苑」は版が古いから収録されていませんが、「大辞林」には
> 「まろやかでこくのある味わいが、口中にゆったりと広がっていくさま」と定
> 義されています。たぶんその「ゆったりと」の部分が、「まったり」という語感
> によって強調されたものかもしれませんね。

まさに薄氷堂さんのおっしゃる通りですね。
これがいつの間にか気分や雰囲気などを表すようになったのですね。
おそらくテレビの何かで使われたのが広まったのではないかと思います。
同時に掲示板サイトなどでも頻繁に使われたようですね。

No title

記事を拝見しました。

この中華定食は良いですね。
ビールのアテにして良し、おかずでもボリュームありますし。
でも600円って安いですよね。

箕面におじさんが住んでるので、遊びに行ってみようかな…

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
いや本当、この中華定食にはびっくりしましたよ。
まあどうせ、そんなたいしたことは……みたいな感じで待っていたのですが、
現物を見てもう絶句。やられました。これが600円だなんてとても……
蛍池の御甥さんもいらっしゃることだし、一度おいでになるのも一興かと。

No title

>帰りがけ商店街の八百屋さんの前を通ったら、れんこんが安かったので思わず買ってしまいました。

衝動買い食材の筆頭はレンコンかもしれません。
僕は八百屋の店先のレンコンを見ると
あの食感が甦り、よく買うんですよ。
煮物にしてもきんぴらにしてもどう食べても美味しい。

うふふ。ゴメン。本文ではなく付記に反応してしまった。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
れんこんもそうですが、乙山は牛蒡も好きなんです。
で、この二つを見ていると、ついついきんぴらを作ってしまいます。
根菜って本当にいいですね。

まあお得な感じがするのは沖縄に負けるかなあ。
だってあの海鮮サラダだもの。白旗を上げますよ。

こんばんは。
二度目のコメント投稿になります。

遂に来られましたか、箕面に!
お待ちしておりました。
そして、向かわれた先がやはり中華料理屋!

この「くるま」ですが、箕面に三店舗ありまして、桜井駅前に昔ながらの本店、コープ箕面中央内にフードコート店、そして箕面駅前にちょっとおしゃれな店とそれぞれコンセプトを変えて展開されています。
私は、この箕面駅前店のオープン間も無く(5,6年前?)に一度行ったきりでした。
その時はあまり印象に残らずそれっきりになっていましたが、記事を拝見し近い内に再訪しなければと決意した次第です。

ところで、箕面の中華料理屋で新たに乙山さんに是非お薦めしたい店があるのです。
「天鳳」という店です。

池田駅前にも同じ名前の店がありますが、関係無い様です。
以前は石橋で同じ名前でお店をされていた様ですが、私は箕面に移られてからここを知りました。
ネタバレになるので、何も書きませんが本当にお薦めします!ライフ(スーパーマーケット)の向かいにあります。別に宣伝でも回し者でもありませんよ(笑)

これからの季節、サイクリングで箕面辺りまで来られるのはちょうど良いと思いますので、どんどん箕面に来て開拓して下さい。

Re: タンロンさん

タンロンさん、こんばんは! コメントありがとうございます。
いやあ、府道9号(西国巡礼道)を通って行くと、箕面はすぐお隣。
自転車で20分以内で行ける所だったんですねえ。

阪急電車を使うと、かえって遠回りになります。
自転車できこきこ、タンロンさんのように軽快に走っておりませんよ。
ちんたら、のんびりと移動しているのです。

この「くるま」は驚くべき店でした!
このようなレベルの店は大阪市内でもそうそうないでしょう。
箕面は観光地でありながら、近所に大学もある面白いところですね。

石橋なんかも大好きなんですが、箕面ののんびりしたところがいいですね。
実際、桜井とか牧落あたりに住んでみるのもいいかも。
池田も相当のんびりした町なんですよ。ベッドタウン以外の何物でもないかも。

〈天鳳〉のこと、ありがとうございます。
サイクリングがてら、一度行ってみようかと思います。

No title

>大阪市に生まれた人間にとって箕面というのはどこか遠くにある街、

だしかにそうですね。
同じ大阪にありながら、堺とかの南のまちまちに比べたら妙に遠く感じますね。

私はまだ言ったことのないところなんですが・・・それも、その妙な距離感のせいかもしれません。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
堺市は路面電車に乗って行くとついてしまうお隣の町。
まあ、そりゃそうですよ、近いといえば近いですよね。

それに比べて箕面は、遥か遠くのどこかにある、みたいなイメージが。
やはり淀川は深かったということでしょうかね。
昔も渡しは大変だったんじゃないでしょうか。

淀川から向こうはよくわからん、
天王寺・阿倍野から向こうはよくわからん、
それが大阪市内の感覚です。
箕面は長閑でよいところでしたよ。

No title

「みのお」と入力して一発で「箕面」と出て来ることに、感動してます。
かえるままは、初めて見た地名と、呼び方です。
また、もう自転車がもう乗れる事にも、驚いてます。(あ、そちらでは通年乗れるのですよね?)
自転車に乗れるのはいつのことでしょう。こちらはまだまだ雪の中ですから。

実は偶然ですが、かえるままもれんこんを、今日買ったんです。
きんぴら、いいですね。かき揚げもいいです。
今日は素揚げして、スープカレーに入れる予定です。
そちらは、スープカレーはあまり召上がらないのでしたね?
「まったりした大阪」というのを只野乙山さんのところで知ることができるのが、楽しみの一つです。USJや道頓堀など、喧噪の大阪しか知らないので....

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
箕面には温泉があって、「箕面温泉」として保養施設もあり、
「箕面滝」というのもあるんです。滝の周辺にニホンザルが生息していて、
都市部に最も近いニホンザルの生息地として天然記念物に指定されているんですよ。
今では餌づけを禁止しているためか、あまり現れないようですけど。

れんこんはおいしいですよねえ。とくに乙山はれんこんのてんぷらが好きで、
ごぼうとれんこん、人参のかき揚げなんかおいしそう!
あっ、てんぷらといえば、箕面には「もみじのてんぷら」というのがあって、
昔からの名物なんですよ。
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