阪急蛍池駅周辺を歩く(1) 十割そば 轟庵

Hotarugaike_1302_01.jpg
ホームセンターとかDIY店などに足を運ぶのはわりと好きである。東急ハンズとかカインズ、コーナンのような店に行けば専用工具を見てうっとりし、おっこれはアンプ作りとかスピーカーの箱を作るのに使えるぞ、などとアイディアが浮かぶことも多いのだ。そんなわけで自宅から一番近い店、コーナンが蛍池(ほたるがいけ)にあるので自転車で出かけた。

この日はC型クランプと小型万力、燻製用のスモークチップを買った。なにC型クランプ? 万力? そんなものを買ってどうするのだ、という声が聞こえてきそうだが、私(乙山)は工作が好きで、たとえばベーク板やガラスエポキシ板、アルミ板などを切断するときにクランプで固定しておけば楽であるし、ボリュームのシャフトを切断するときなども万力で挟んでおけば効率よく作業できるというわけだ。

じつは蛍池にはもう一つ目的がある。コーナンで買い物を済ませた後にとある蕎麦屋で遅めの昼食を、と企んでいた。自転車で行ったので正確には駅周辺を「歩く」ではないのだが、いちいちカテゴリーを分けるのは面倒なのでそのままにさせていただいた。だけど蛍池の自転車置き場ってなんだか不便だなあ。ずいぶん歩かされた気分になってしまうではないか。

Hotarugaike_1302_02.jpg今回訪ねた蕎麦屋〈轟庵〉は以前にも行ったことがある。蛍池の駅ビルの一角にあって、隣に丼物の店やカレー店などがある。大阪では大変珍しい「十割そば」を看板にしている蕎麦屋で、カウンターに座って料理の様子を見ていると、蕎麦打ち機から蕎麦がにゅるっと出てくるのをスパッと切り、それがそのまま沸き立った湯に入ってゆでられるという寸法。

見ていてたいへん楽しく、打ちたての蕎麦をすぐさまゆでて提供してくれるのでおいしさも抜群である。これは「機械式」の蕎麦で、ちゃんと「手打ち式」の蕎麦も用意されており、少し値段が高くなるけれど蕎麦好きの人はそちらを頼むことも多いようだ。私はもちろん(?)機械式を注文したが、正真正銘の本物の蕎麦好きではないし、機械式でもこの店の蕎麦は本当においしかった。

今回はカウンターではなくテーブル席に陣取った。昼の一時を過ぎていたので客も少なく、ゆったりできるのを初めから狙っていたのだ。〈轟庵〉の蕎麦は何を食べてもおいしいのだが、ウェブログでお付合い頂いている方が「鴨と葱で一杯やって蕎麦を手繰る」と仰っていたのにたいへん感銘を受け、できれば鴨と葱で一杯やりたいものだと思っていたのである。

Todorokian_FrontView.jpgところが予想に反して、昼のメニューには鴨と葱どころか出汁巻きなど一品料理がないようだ。そこでてんざる(てんぷらと盛り蕎麦)を注文した。昼から一本立てたい人もいるだろうに、どうして一品を用意してないんだろう、ちょっとつまみながら飲みたい人も、わりといるんじゃないか、昼酒ってのは実にうまいもので、ここでちょっと一杯やった後で蕎麦を食べる、という人だっているはずなのにねえ、などとぼんやり考えていた。

そうこうしているうちに料理が来ましたよ。まずはてんぷらでビールを一本立てますか。てんぷらはつゆにつけて食べるようだけど、私は塩で食べるのが好きだ。なので店員さんに塩を頼んだら、抹茶塩が出てきましたよ。抹茶塩もいいけれど私は普通の塩が好きなんだがなあ、JT製の純度の高い塩だったらなおさらいいんだけど、とか思いながらお上品な抹茶塩でてんぷらを食べる。

からっと揚がっていて良いですね。茄子とか南瓜、隠元、さつま芋などのてんぷらの中でも、私が好きなのはレンコンのてんぷらである。海老などなくてもいい、全部蓮根にしてくれ、と本気でいってもいいくらいだ。なんでこんなに蓮根のてんぷらが好きなのか、自分でもよくわからないけれど好きなんだから仕方がない。

Todorokian_TempuraAndSoba.jpg蕎麦の色がきれいですね。関西ではざるそばは夏の食べ物と決まっているが、蕎麦がおいしいのは新蕎麦が出た後の寒い時期なのだ。なので寒くてもざるそば(盛り蕎麦)を頼むことも多い。初めにてんぷらで一杯やった後、おもむろに蕎麦を手繰ってしめようなどと思っていたけれど、蕎麦はすぐに食べたほうがいいと気付いたときは遅かった。

いやあ、だれでも気付きそうなことなんだけど、蕎麦をそのまま放置したらくっついてしまったんですよ。箸で少しずつつまんで食べる、というふうにしたかったのに固まってしまって……恥ずかしいったらありゃあしないが、たくさんつまんだ蕎麦をつゆにどっぷりつけて食べましたよ。この店のつゆは濃いめになっていて、少しつけて食べるのがおいしい、とちゃんと書いてあるんですけどね。

しまったなあ……だけどこの店の蕎麦は本当においしい。近隣でこれだけおいしい蕎麦を出す店は豊中の〈こなから〉くらいしか思いつかないのは私の無知と経験の少なさからくるもので、こればかりは仕方ありません。そばつゆにわさびを溶かしこまないで、蕎麦になすりつけて食べるのが好きなんだけど、これって私だけなんだろうか。


【付記】
● 蕎麦って妙に長いと思うことがあります。以前ある蕎麦屋さんでざる蕎麦を食べている若い女性を見たんですが、箸でつまんだ蕎麦が長くてなかなか終わりにならないんです。顔のあたりまで蕎麦を持ち上げるんだけどまだ終わらない。いったいどこまで持ち上げるのかなあ、とぼんやり見ていたら、頭の上まで右手をピーンと伸ばしていましたよ。彼女は平然としているんですが思わず笑ってしまいそうになって、それをこらえるのに苦労しました。でも彼女は一切悪くないんですね。なんで蕎麦ってあんなに長いのか……

人気ブログランキングへ blogram投票ボタン
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

そういえば、中央自動車道の談合坂サービスエリアでは
蕎麦ロボットが蕎麦を作ってますよ。
どこらへんまで自動だったかな。
全体工程の8割から9割は自動だったはず。

中央道をいく時はたいがいその工程を見ながら蕎麦を食べます。

No title

記事を拝見しました。

不確かな情報を言ってしまいまして、大変申し訳ありませんでした。
折角の休日だったのに…

今後は態度を改め、いい加減な発言をしないように努めたいと思います。

ちなみに一説によると蕎麦が長いのは一回すすった時に、喉まで蕎麦が来てないと江戸っ子は納得しなかったかららしいです。

これでも反省しているので、どうかご容赦を…
甥っ子が豊中の方で怖い方面の公務員をしておりますので、次から嘘つきを見つけたら通報してやって下さい。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
蕎麦ロボットとはまた、なんという……いや、回転寿司は、
寿司ロボットですものね、蕎麦ロボットがいてもおかしくないですね。

> 中央道をいく時はたいがいその工程を見ながら蕎麦を食べます。

蕎麦ロボットが作る工程を見ることができるんですか?
いや普通そういうものは隠しているものとばかり思っていました。
ロボットに対する耐性(?)が強い民族、ということでしょうかね。
アトムやウラン、プルートーの生まれた国ですものね。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
まあまあ、情報の行き違いというのは常にあるものでして、
そのことにかんして乙山は気にしておりません。
なのでご安心ください、機嫌よくやっておりますよ。

〈轟庵〉は本当にいい蕎麦屋です、もし蛍池にお寄りになったらぜひ。
それと蛍池にはコープこうべ(生協)がありまして、
そこの木綿豆腐(100円前後)はたいへんおいしいものです。
まったく余計なお世話ですが、余談としてお流しください。

後に「鴨と葱」に少しだけかかわる記事を書く予定ですが、
Noriさんのことは一切念頭にありませんのでよろしくお願いします!

ううむ、やはり蕎麦は意識的に長めになっているわけですね。
なかなか説得力のある説だと思いました。

No title

ガイドブックには載ってない、情報誌を拝読してるみたいです。
散策してる感がとても素敵ですね。
コーナンて聞いた事がある気がします。
関西では有名なのでしょうかね?

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
コーナンというのは関西を中心に展開しているDIY店(ホームセンター)です。
関東系に多いのはたぶんカインズで、
みんなが知っている(?)のは東急ハンズでしょうか。

たぶん東北を中心に展開している「コメリ」というのもあります。
こちらではほとんど聞きませんが、農家の方には欠かせない店のようです。
コーナンはおそらく関東や東北、北海道ではあまり馴染みのない店ではないか、
そんなふうに思っています。こちらではよく見かけますよ。

No title

十割そばってのはまだためしたことがないですねえ・・・
八割そばがせいぜいで、十割を食べられる店を見たことはまだ奈良ではありません。

本当はあるんですけど・・・その店が開いているのを見たことがないんですよ・・・

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そうでしょう、関西では十割蕎麦の店は珍しいと思います。
この間「二八蕎麦」を食べたのですが、それでも香りはじゅうぶんでした。

この店はかなり気合が入っていて、なかなか近隣ではありません。
よく「田舎そば」と称して色の黒い蕎麦を出している店ならありますね。
挽きぐるみというか、いわゆる全粒粉に近いものなんでしょうが、
それもけっこう好きなんです。蕎麦ってなんか味わい深いものがありますね。

No title

お久しぶりです、乙山さんこんばんは。
なんだか乙さんの記事を読んだらムショウにソバが食べたく
なりましたよ。下のコンビニでもいってくっついたヤツでもいいんで
食べたくなりました、いま行ってきます。てんぷらもウマいのが食べたいなあ。

れいの若い女性がなかなかソバが終わらない話ですがね、そんな長いソバは
見たことないですねえ。まるでドリフターズのコントみたいですねえ。笑っちゃう。
うまいそば屋で日本酒をやりながら、、たまにそんなんがいいです。

札幌は雪祭り、2月はもっとも寒いんですよ。
なかなか物件がなくて、、あせらず開店準備です、
乙さんも元気そうでなにより、さあ、ソバ買いに行ってきますよコンビニ。

HOBO

Re: HOBOさん

HOBOさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
コンビニエンス店のそばはくっついていますから、
つゆをぶっかけて、ほぐして食べるのがいいですね。

若い女性と長い蕎麦、笑っちゃうでしょう。
いや、本当にあったことなんですよ、だから乙山も笑いをこらえるのに苦労しましたよ。

頭の上までピーンと右手を、で止まっているからいいのですが、
それでも終わらなくて、ついに立ちあがって右手を上げてもまだ終わらず、
となるとドリフターズのコントになるんですよね。

HOBOさんも焦らずいい物件を探してくださいね。
それにしてもC37を店、C38を自宅で、なんていうのはうらやましいなあ。
ユニット構成はほぼ同じなのに、箱が違うだけで音の出方が違うんですね。
ローズの方がたぶん、自然な鳴り方をしそうな気がしますね。

No title

十割蕎麦、憧れです!二八蕎麦すら食べたことの無い私には
高嶺の花ですね(笑)
蓮根の天ぷら、私もめちゃ好きです♪♪子供の頃は蓮根(特に煮物)なんて
味も素っ気も無いと思っていたのですが・・・年をとるのも悪くないなと
ほくそえんでしまいます(笑)

ざる蕎麦を放置してくっつかせてしまう・・・昔読んだ中島らものエッセイにも
そんな記述があったのを思い出してしまいました。
ちなみにらもさんの場合は女性と蕎麦屋に行って長話している間に蕎麦全体が
くっついて食品ディスプレイのような固形状になってしまったそうで(笑)
「蕎麦=伸びる」という意識はあっても「くっつく」とは中々考え難いですよね(^^;)
(私もやりそう・・・)

Re: zumiさん

zumiさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
十割蕎麦の店、大阪にはあまりないんですよね。
黒門市場の周辺とか千日前、難波、心斎橋あたりでも探せばあるかも……
乾麺なら「十割蕎麦」とか称して売っているのを見ましたのでまずはそれを。

れんこんのてんぷら、なんかおいしいですよねえ。
たまに馴染みの店ができると、れんこんのてんぷらばかり注文して、
苦笑(?)させています。串かつでも「レンコン三つ」とか注文し、
「レンコンの人」とか言われる始末……まあいいか。

蕎麦がくっつくのには往生しました、やはりすぐ食べるのがいちばん。
乙山は「蕎麦で一杯やる」のもわりと好きなんです。
あんまり書くと変な人と思われるかも(ってもう遅い!)
今度は一緒に食べようと思っています。

No title

二度目のコメントで申し訳ないです。

先立ってのお詫びと言ったらナンですが…
大阪ではこちらの店が良いようです。

『なにわ翁』
http://www.naniwa-okina.co.jp/

東京の永田町黒澤という蕎麦屋の兄弟弟子がやってます。
鴨葱は無いですが板わさやら焼き味噌やら、一品もそこそこ有ります。

ウチの近所にも兄弟弟子が店を出してますけど、なかなか良いですよ。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントは何度でも構いませんよ。
ああなるほど、この店は老松通りにあって、中之島から行けば
高裁の裏側、ということになりますね。

中之島周辺をのんびり歩くのも楽しいし、
老松通りも歩いてみるといいかもしれませんね。
貴重な情報、ありがとうございます。
プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

⚫︎ 下の「全ての記事を表示する」をクリックすると、全記事のタイトル一覧が出ますので過去記事を参照することができます。

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新コメント

openclose

最新トラックバック
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アーカイヴ

2017/08 (5)

2017/07 (9)

2017/06 (9)

2017/05 (9)

2017/04 (8)

2017/03 (9)

2017/02 (4)

2017/01 (1)

2016/06 (1)

2016/05 (13)

2016/04 (13)

2016/03 (20)

2016/02 (10)

2016/01 (11)

2015/12 (10)

2015/11 (10)

2015/10 (11)

2015/09 (13)

2015/08 (10)

2015/07 (11)

2015/06 (10)

2015/05 (10)

2015/04 (10)

2015/03 (11)

2015/02 (9)

2015/01 (11)

2014/12 (9)

2014/11 (10)

2014/10 (11)

2014/09 (10)

2014/08 (10)

2014/07 (10)

2014/06 (10)

2014/05 (11)

2014/04 (10)

2014/03 (10)

2014/02 (9)

2014/01 (11)

2013/12 (9)

2013/11 (10)

2013/10 (10)

2013/09 (10)

2013/08 (11)

2013/07 (10)

2013/06 (10)

2013/05 (10)

2013/04 (10)

2013/03 (11)

2013/02 (9)

2013/01 (11)

2012/12 (9)

2012/11 (10)

2012/10 (11)

2012/09 (10)

2012/08 (10)

2012/07 (10)

2012/06 (10)

2012/05 (11)

2012/04 (10)

2012/03 (10)

2012/02 (10)

2012/01 (9)

2011/12 (9)

2011/11 (10)

2011/10 (10)

2011/09 (10)

2011/08 (10)

2011/07 (9)

2011/06 (9)

2011/05 (10)

2011/04 (8)

2011/03 (8)

2011/02 (12)

2011/01 (12)

2010/12 (12)

2010/11 (13)

2010/10 (15)

2010/09 (15)

2010/08 (14)

2010/07 (16)

2010/06 (17)

2010/05 (21)

2010/04 (18)

2010/03 (20)

2010/02 (23)

2010/01 (27)

2009/12 (27)

2009/11 (27)

2009/10 (26)

2009/09 (24)

2009/08 (19)

2009/07 (21)

2009/06 (30)

2009/05 (26)