ちゃんこ鍋?

Chanko_Yosenabe.jpg
本当はいろいろ料理をしたい気持ちもあるのだが、帰ってくる時間が遅くなりがちな都合で、どうしてもすぐ食べられる=簡単に作られる料理ばかりになってしまう。明日は休日だとわかっている日なら、風呂さえ次の日の朝にしてしまおうかと思うくらいで、実際風呂に入ってからさあ晩酌だ、と時計を見れば夜の11時を過ぎている、などということも珍しくない。

そうなるとついつい鍋料理ばかりになってしまう。幸いぽん酢が大好きなので、毎日鶏の水炊きでも飽きないくらいなのだが、さすがに連日鶏の水炊きが続くわけにもいかず、何か別の鍋がいいなあと思う。そんなとき、いちばん初めに出てくるのがちゃんこ鍋である。ちゃんこ鍋を、家で食べられたらいいなあというわけである。

だが、ちゃんこ鍋とはそもそも何か? 第一にそれは相撲部屋で食されている鍋料理のことではないか。第二に元力士が店で出しているそれではないかと思う。ちゃんこ鍋店で供される「ちゃんこ鍋」は相撲部屋でのそれを一般人向けにしたものだろう。だから家で「ちゃんこ鍋」を作ろうとするなら、店で食べたものにできるだけ近いもので手を打つしかないと思う。

ウィキペディアによると、ちゃんこ鍋は「水炊き(ちり鍋)」、「出汁あるいはソップ炊き/塩炊き(寄せ鍋)」、「味噌炊き」などがあるという。この中で作ってみたいと思うのは寄せ鍋風ちゃんこである。ちり鍋風はいつもやっているからで、味噌炊きはあまり馴染みがないから、ということになる。ようし、寄せ鍋風ソップ炊きちゃんこに決まりだな、と買い物に行こうとした。

ところが、具に何を入れればいいのだろう? たとえばカニ鍋ならカニ、フグ鍋ならフグ、というように単純明快でないのがちゃんこ鍋ではないか。「ちゃんこ鍋であるからにはこれがなくてはならぬ」という決定的な素材というものが、実はないのではないか。つまりちゃんこ鍋というのは「なんでもあり」の世界であって、かりに相撲部屋でロシア出身のちゃんこ番が、ボルシチ風の鍋を作ったとしたら、それはちゃんこ鍋なのではないだろうか。

心配になって「ちゃんこ鍋 画像」で検索をかけると、いろいろあるのに驚いた。たくさんあり過ぎて、「なんでもあり」というのがよくわかった次第である。よく見ると「肉だんご」が入っているのが多いですね。これは鶏や豚のつくねのこともあるだろうし、イワシなどのつみれかもしれない。不思議なことに「たまねぎ」が入るちゃんこもわりとあるようだ。それと「ニラ」も比較的多いようで、これはなんだか精が付きそうなイメージもあってわかりやすい。

要するに、ソップ炊きちゃんこ鍋の場合、出汁というかスープ(ソップ)をしっかり作るのが一番のポイントで、具材としては何を入れてもいい、ということではないかと思う。といっても、鶏ガラとか何かを煮込んでしっかりしたものを作る、というのは本格的すぎて敬遠してしまう。何をいう、それをやってこそ「料理」などというカテゴリーを設ける意味があるのではないか、という声も聞こえてきそうだが、さっとできるものでなくては困るのだ。

Higasimaru_Udon_Soup.jpg世の中には「ちゃんこ鍋の素」という便利なものもあるようだし、それに袋入りの液状でなんとか鍋のスープとか称して売っているようであるが、それらは意外と値段のするもので、毎日それを利用するわけには参らぬ。さてどうするか。そんなとき常用しているのが「ヒガシマルうどんスープ」なるものである。

これは8袋入りでだいたい120円程度、「徳用」を買えば100円を切ることもある。何のことはない、粉末の出汁の素みたいなもので、うどん一杯分すなわち水250~300mlに対して一袋、鍋にするなら水600~800mlに対して二袋を溶かすだけ。これでけっこう、そこそこいける寄せ鍋風のものが出来上がるのだ。液状商品のようなコクはないかもしれないが、あっさり志向の人間としてはこれくらいでじゅうぶんである。

これに鶏肉、豆腐、白菜、水菜、えのき茸を用意し、これだけでは全然「ちゃんこ風」の感じがしないので、鶏団子(コープこうべ)、薄揚げ、牛蒡を追加してみた。それで「ちゃんこ風」になるのかどうか、いささか心もとないが、大丈夫である。だってちゃんこは「なんでもあり」なんだから。とまあ、開き直りというか居直りとでもいうべき態度で「ちゃんこ風鍋」を作ってみましたよ。

食べるときはもう味が付いているので、小鉢に汁をとり、そこに柚子胡椒を溶かして食べるもよし、酸味が欲しい人はレモンなど柑橘類の絞り汁を垂らしてもいいのではないか。辛みが欲しい人は七味唐辛子、ダイレクトかつストレートな辛みが欲しい人はタバスコス・ペッパーソースを数滴、使ってみてもいいのではないかと思う。これは塩と酢、唐辛子が原材料だから酸味も同時に補える便利なもの。

ううむ、なかなか旨いではないか。牛蒡って野趣にあふれていて本当にいいなあ。ちゃんこ風鍋はなかなかうまくいったんじゃなかろうか。もっとも、これが店で出しているものよりうまいなどというつもりは毛頭なくて、手軽にできてそこそこおいしいと言いたい者である。だけどねえ、あんた、ちゃんこ風鍋とか言ってるけど、それってただの寄せ鍋とどう違うんだい?

えっ?


【付記】
● ちゃんこ鍋というのは本来、相撲部屋の料理番=ちゃんこが作る鍋料理だから「ちゃんこ鍋」なわけでして、百歩譲って元力士が作ったものがその適用範囲の限界でしょう。つまり、ちゃんこでない人が作ったわけですから、それはちゃんこ鍋ではありえないわけですね。そこで本記事では「ちゃんこ風鍋」と思って食べることにしたわけです。そうすると、乙山(おつざん)の心の中だけでありますが、それは「ちゃんこ風」なのです。

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No title

大きい人が作って
大きい人が食べる

という定義なら、僕のつくる鍋は全部ちゃんこなんですが。

昨日は、根菜、白菜、エリンギ、鶏肉で減塩醤油を使って
色の濃い(醤油の量多め)鍋をつくりました。
今朝は、それにうどんと卵を入れて食べきりました。
醤油で作るか赤だしで作るか、バリエーションは二者択一です。
脳ミソがそれで固定化されていますね。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
そうでしたね、足のサイズなどから類推すると、根岸さんはかなりの大柄な男性で、
それこそお相撲さんも顔負け、かもしれませんね。

> 色の濃い(醤油の量多め)鍋をつくりました。
> 今朝は、それにうどんと卵を入れて食べきりました。

色が濃くなりがちな東の料理ですが、濃口醤油は見た目ほど塩分が多くない、
そんなふうに聞いております。減塩醤油なら本当、心配することもないですね。
その日の最後とか、次の日の朝または昼に、雑炊などで使えるのが便利です。

鍋料理、もっと種類を増やしていこうかなと思ってるんですよ。
味噌炊き、キムチ味、カレー味、牛乳鍋、みぞれ鍋、といろいろあるみたいですからね!

だしのアレコレ

わたくしは 恥ずかしながら
白だしと昆布茶で
鍋の出汁をとります。
シメは粗挽き黒胡椒と岩塩、
ごま油、ニラと溶き卵でアッサリ
仕上げます。カキコしてると
腹減ってしまうぅ〜 (>_<)

No title

ちゃんこ鍋、好きですよ。
初めて食べたのが今は東松島市になっている矢本という町の「萩の井」というちゃんこ屋さんで・・・
「萩の井」という店の名からもお察しの通り、元力士さんのやっていたお店で・・・それまで、我が家の鍋には絶対に入っていなかった具材が衝撃的でした。韮、油揚げ、そして鳥の団子。
行こう私の頭の中では、この三つが入っていなければちゃんことは呼んでいけないように思うようになりました。

そうそう。柚子胡椒も忘れちゃあいけない。

それと、うどんだしですが確かに東丸のものはおいしいんですが、その中に混じっている細かい感想ネギが邪魔で・・・我が家ではシマヤのものが一般的です。

Re: だしのアレコレ ; 四の字硬目さん

四の字硬目さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
白だしと昆布茶、となればかなりあっさりした出汁ではありませんか。
だけど塩分にご注意を。どちらにも塩がしっかり入っています。

そうはいうなれど、わが「ヒガシマルうどんスープ」にも、
けっこう塩分は含まれているはずなんです。
寄せ鍋風にすると、汁自体に味を付けますから、仕方ないかもしれません。

鍋は楽しいですね。いろいろ、やってみようと思っております。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ふだん食べる鍋にないものが、他の鍋に入っていると、
ちょっと衝撃を受けますよね。ちゃんこ鍋は、そういう意味で面白い。

記事の中でも書いたのですが、意外と「たまねぎ」を入れるものが多いそうです。
なので、あっさりしたスープより、わりとしっかり、こってりしたスープをとり、
そこにニラとか、玉ねぎ、肉だんごなどを、
それこそ「ドバッ」と入れるのが本物に近いのかな、と。

ヒガシマルうどんスープの乾燥葱、たしかに仰る通りです。
なれどできあがってしまえば、その存在は全く気になりませんでした。
あの乾燥葱は本当に、うどんとそれだけでもなんとかいけるぞ、という意味の、
ちょっとしたサービスなのではないかと思いました。

いま、シマヤの「いりこ出汁」を使って味噌汁を作ってるんですよ。

Re Reだしのアレコレ

血圧降下剤をわたくし、
常用しておりますので
横着で
大胆な味付けになっております。

シメは、うどん、そうめん、
大麦ご飯の雑炊でやらかします。(。-_-。)

Re: Re Reだしのアレコレ ; 四の字硬目さん

四の字硬目さん、再コメントありがとうございます。
いや実は乙山も本当はそうしないといけないのです。
健康診断とやらで、血圧だけはクリアできておりません。

そうして二次検診で血圧の薬を処方してもらい、
しばらくすると通院が面倒くさくなって、ほったらかしているのです。
これは、たいへんまずいことなのですが。

塩分も、相当気をつけているのですが、なかなか……
世の中の人に言わせると、煙草と酒がだめなんだ、と。
そう言われてもなあ、と思う次第であります。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: 鍵コメントさん

いやいやどうも。乙山は効きが悪いのか、
薬を決めるところでダウン。面倒臭くてほったらかしにしています。
本当はリスク回避のために実行したほうがいいのでしょうね。
ありがとうございます。

No title

記事を拝見しました。

実は我が家でもヒガシマルのうどんスープは常備品でして…。
子供達はあのCMソングを大声で歌ってたりしますし、結構馬鹿にならない優れものですよね。
鍋をするのでも丼をするのでも、はたまたおでんをするのでも使っております。

ちゃんこ鍋への洞察と定義はなかなかに面白いです。
ちなみに我が家では下腹部のみ力士風の方が作っておりますので、呼び方が難しいかも。

No title

こんばんは。

ちゃんこ鍋を食べに行ったことがなく、ちゃんこ鍋とは?という未知の世界のものですけど、
市販でいろいろな鍋スープが売っているのを見ると、一体どんな味?と聞きたくなります。
なんでもあり、で、どうつくってもちゃんこ鍋としてもいいのかしら?と思えてきますね。
中身も、味も・・・
私は、鍋に牛蒡を入れたことがないです。牛蒡はすきやきに入れることがあります。
牛蒡の味は、結構鍋の味を左右しそうですね。私も一度やってみようかな?

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ヒガシマルうどんスープはじつに便利かつ安価で助かっております。
それでいて、なかなかの味に仕上がります。
下手に取った出汁よりいいかもしれぬ、優れものですね。

> 鍋をするのでも丼をするのでも、はたまたおでんをするのでも使っております。

そうですね、おでんに使うのは本当、いいアイディアですね。
ふだんは「水炊き」が多いのですが、「よせ鍋」にするときは、
たいていこれのお世話になっております。
どうすれば「ちゃんこ」になるのか、難しいですね!

Re: りーさん

りーさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
ちゃんこ鍋屋さんはたいていどこの町にもあるようなので、
ネットで評判を見て一度食べにお出かけになるといいですよ。

たいていは元力士の方がお店をやってらっしゃることが多くて、
お相撲さんの写真とか絵なんかが店内にあってそれなりに楽しい雰囲気です。
ご家族でお出かけになって、もし気に入ったら家でそれを再現し、
ご家族の方が「お店みたいだねえ」などと言ってくれればうれしいですね。

牛蒡はね、昔は精が付くように言われていたようで、
お相撲さんのちゃんこ鍋に入っていたのはなんとなくわかる気がします。
野趣があふれていて、たいへんおいしいものです。
ささがきにして入れていますが、出汁にそれが移ることもありませんよ。
一度お試しくださいな。

No title

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。

Re: 株の買い方さん

株の買い方さん、コメントありがとうございます。
いやあそうですか、それはどうもどうも! 
こちらこそ、ありがとうございます。
またいらしてくださいね。
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只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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