ブラックニッカ8年



〈遊歩者 只野乙山〉 特別企画
【日本のウィスキーを飲む】



BlackNikka_Aged8Years_01.jpg
とうとう私(乙山)はあの〈ブレンド・オブ・ニッカ〉を購入したのである。ていうか、「**最安値に挑戦!」などという宣伝文句につられてつい購入ボタンを押してしまったというのが本当のところ。おそらく「日本のウィスキーを飲む」というマイナーな独自企画の目玉になるのではないかと思うのだが、いよいよ次はブレンド・オブ・ニッカを飲むぞ、という段になってはたと気付いたのである。

ちょっと待てよ、ニッカの最高峰に登り詰める前にだな、まだニッカで飲んでないウィスキーがあったじゃないか、それにあの例の大手酒造会社のウィスキーに至っては一つも書いていないぞ、と。高価なウィスキーを大事に取っておく、などというのは本来私の性分に合わないのだが、それとこれとは話が別なのである。ブレンド・オブ・ニッカはまあ正月にでも飲むとして、まだ飲んでいなかったウィスキーを飲もうではありませんか。

てなわけで、またしてもネット通販頼みである。しかも「**最安値」などというネット販売店を探し出し、日本のウィスキーを数本、まとめ買いしてしまった。いささかというか、かなり横着なやり方であるのは重々承知しているが、ウィスキーの品揃えが豊富でしかも安い、などという幻の名店を探し出すのに疲れ果てたし、かりにあったとしても生活圏外では話にならぬ。

BlackNikka_Aged8Years_02.jpgさて今回は〈ブラックニッカ8年〉を飲んだ。これも以前から存在することは知っていたが、実際に飲んでみたのは初めてである。詳細は不明だが、ひょっとするとブラックニッカとしてブレンドしたものを樽に詰めて8年、熟成させたのだろうか。よく「なんとか12年」と称したスコッチがあるけれど、あれの多くは12年熟成させたモルト原酒を、瓶詰業者のマスターブレンダーが調合していると聞くし……ウィスキー業界は謎が多いですね。

いつものように、まずウィスキー:水=1:1にして小さなグラスで飲む。おっ、これはスーパーニッカにかなり近い味わいだが、まろやかさにおいて及ばぬところがあって、角が少し残っている感じがする。そして宮城峡のモルト原酒を思わせる華やかな香りがかなり支配的であるが、これはスーパーニッカも同じ。うむ、これはスーパーニッカの「弟」とでも言う感じですね。

オーバー・アイス(いわゆるオン・ザ・ロック)でやると、鼻では華やかな香りを愉しんでいるのだが、舌にはわりと重厚な味わいが感じられる。このなんというか、別になる感じが面白いですね。もちろんこれはあてにならない個人的感想なので、他の人にはもっと違う感じになるかもしれないが、これがブラックニッカの個性なのかな、とか思う。

ウィスキー&ソーダにすると華やかな香りが支配的になるのはこの前飲んだキリンのエンブレムも同じだった。ううむ、これがいまどきのウィスキーのトレンドということなんだろうか。ピート香を抑え目にして、軽やかで華やかな感じに仕上げるやり方……だけどまあ、このクラスで熟成年数を明記しているものは他にないのではないか。もし「ブラ8」が1960年代に出ていたといたら、たいへんな騒ぎになったに違いない。


≪ キリン〈エンブレム〉へ  ニッカG&Gへ ≫

【付記】
● キリンのエンブレムや、このブラックニッカ8年には共通の傾向があるように思えました。最後の段落に書いた味わいがそれなのですが、それが「いまどきのウィスキー」ということなのでしょう。

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No title

記事を拝見致しました。
ブラックニッカ8年もなかなかですね。

実は常飲してる酒を切らしまして、スーパーでこれとノンエイジの余市とオールモルトを比較しながら小一時間長考に入りまして…。
結局いつもの竹鶴12年を買ってしまいましたが。

自分のブログにも書きましたが、バランタイン・ブルーは日本人の嗜好に合わせてブレンドしたものらしいですから、今どきの日本のウィスキーもそれに倣ってるのか、それとも逆なのか…という感じもします。

いずれにしろ記事を拝見して、オールドが日本の代表みたいだった時代から変わったんだなという感慨を持ちました。

確かにニッカにはもっとピート香の効いた男性的なイメージの方が似合うと思ったりもします。

Re: Noriさん

Noriさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
なるほどブラ8とノンエイジ余市、オールモルトは悩みどころですね。
味で決めるのなら竹鶴12年を買って正解だと思いました。

近頃はどうも軽くて華やかな飲み口が流行っているようです。
マルスの3&7、キリンのエンブレム、ニッカのブラ8、
いずれもそういう傾向で、スーパーニッカさえそちらに流れているようです。

もちろん、それはそれでうまくできているのですが、
またこれかよ……という感じがしてしまうのです。
同じ価格帯なら迷わずピュアモルトのホワイトかブラックがいいですね。

たぶんブラックニッカは、角瓶に対抗するものでしょう、
だからブラックニッカのハイボールの宣伝なんかしてるんでしょう。
おそらくたいへん若い人たちを想定しているわけで、
だからあんなに軽くて華やかな味になっていると想像します。

オールドも角瓶もリザーヴも、スーパーニッカも通り越して、
「まあ、きょうは山崎でも飲んどくか」とコンビニ店で
ノンエイジ山崎のクォーター瓶を買っていく若い人もいそうですね。
1980年代のいつ頃かに、オールドの時代は終わっていたんですね。

No title

根岸家の家訓は、酒は北の誉、ウイスキーはニッカ、ビールはサッポロです。
味や香りで決めているわけはない。
オヤジが小樽出身で、どういうわけかそればっかりが家にありました。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
ああなるほど、お父様が小樽のご出身だというわけですね。
小樽の近くにニッカの余市蒸留所があるのはもうご存知でしょう。
だけど根岸さんご自身はオリオンビールだって召し上がるわけでしょう?

せっかく(?)ですから、味わいとか香りでお選びになってもいいのでは。
お父様の意思を受け継いでいらっしゃる、というわけではないわけでしょう?
だけどそういう選び方もいいものかもしれませんね。

No title

「ブラックニッカ」ですか・・・私の愛飲です。
もっとも私の場合は8年ものなんかじゃなくって、一番お手軽なものばっかりですが。サントリーは先日話したように故あって口にしないことにしていますので(但し頂き物があった場合仕方がないのでできるだけ早く飲んでしまう)、必然的にニッカのものを口にすることになります。外国物を試しては見たいのですが、いかんせん臆病で、どうしても口になじんだもの・・・と考えてしまいます。以前はニッカの「モルトなんたら」というのをよく飲んでいたのですが、最近は「ブラックニッカ」オンリーになっていますね。息子の大学の学費が気になりだしてからかな?

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ブラックニッカって、最近「クリアブレンド」とか称して、少し変わったように思います。
やはり軽めで華やかな感じに仕上がっていて、以前のほうがよかったのかな、
などと思ってしまいます。だけどブラックニッカはまだ他に「ブラックニッカスペシャル」と
いうものがあるみたいで、これは黒の角型の瓶に入ったもののようです。

あまり見かけませんが、これはたぶん、以前の味そのままではないかと思うのです。
たしかブラックニッカの登場は1965年くらいだと聞いています。
竹鶴政孝氏が、自前の工場で蒸留したグレーンウィスキーをブレンドした、
日本で初めての「本物」のウィスキーがブラックニッカだと、教わったものです。

今度ブラックニッカスペシャルを飲んでみようと思っています。

No title

いつも適当に呑み散らかしているので
こうしたタテの比較をしたことがないんですよね。
面白いなぁ。
でも私には乙山さんのように詳細に比較することはできそうもないですけど…

Re: RSさん

RSさん、こんばんは! コメントありがとうございます。
まあ乙山の記事もそんなに詳細というわけではないのですが……
この「ブラ8」は、ちょうどブラックニッカのクリアブレンドと、
スーパーニッカの中間に位置するような感じですね。

ブラックニッカ→スーパーニッカ→ブレンド・オブ・ニッカという具合でしょうか。
ニッカのピュアモルトはそういう系列の欄外に位置します。
グレーンウィスキーを使っていない、モルトのみのブレンドなので。

「ブラ8」はいいウィスキーだと思いますが、ちょっと華やかな香りが立ち過ぎるのが
難といえば難ですが、人によってはそれがいいという場合もある。
それが新しい時代の、現代風のブレンドということなのでしょう。

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