おでんに青菜を

OdenWithBoiledGreens.jpg
この間おでんの記事を書いたときに、すじ肉の値段が上がるなどと何やら予告めいたことを言った。だけど需要と供給を考えれば予告でもなんでもなくて、毎年目にしていることだった。夏におでんはまずないから、すじ肉100g=89円なんていうのも珍しくない。ところが、今すじ肉を買おうとしたらどの店でもだいたい100g=150円以上している。

別にすじ肉がなかったらおでんが成立しないわけではないのだが、つい先日も100g=130円などを見かけると、つい2パックほどつかんでしまった。気取って変わり種のおでんを作ってみることもあるけれど、煮込みちくわを入れてみるとやっぱりおいしくて、ううむ、やっぱりおでんに大根、あげ、ちくわは外せないんだよなあ、などと改めて思った次第である。

今年は去年よりたくさんおでんをしているように思う。一週間に一回、必ず帰ってくるのが夜10時を過ぎる日があって、その日はたいていおでんと決めている。前日くらいからおでんの種を買い集め、仕込みを済ませておき、帰ってきたら温めるだけで食べられるようにしておく。そうすると、山芋の短冊なんかで一杯やっているうちにおでんが温まり、都合よく食べられるというわけだ。

おでんはおいしいんだけど、野菜類がちょっと少ないかなあ、と思わぬでもない。おでんの野菜といえば大根、じゃがいも、くらいじゃないだろうか。だから私(乙山)はにんじんを下ゆでした(または蒸した)ものを入れることがあるが、これはイメージの問題もあって広まることはないだろうと思う。柔らかく煮えて箸ですっと切れるにんじんは旨いんだけどなあ。

なんとか野菜類をおでんに入れ込むことはできないものか。白っぽいもの、茶色っぽいものばかりで埋め尽くされてしまうおでんに、目も鮮やかな美しい色が添えられないものだろうか。そこで今回はおでんに青菜を入れてみよう(正確には合わせてみよう)と相成った。まるで翡翠のような緑色が、おでんの中でひときわ映えるのではないか、などと企んだのである。

青菜として、今回はしろ菜を選んでみた。これはアクが少なく苦みもない、しかも色がおでん出汁に溶けだすのも少ない、優秀な青菜であるが、似た傾向のものとして青梗菜も使えるのではないかと思う。おでんだから、青菜をそっと最後に入れて、そのまま煮込めばいいから簡単だ、というわけには参りません。そんなことをしたら、せっかくの緑色が失われてしまうではないか。

ちょっとルール違反というか反則なんだけど、中華鍋に少量の水を入れてガスバーナーを点火、そこに塩少々と油を入れ沸騰したら、ざっくり切った青菜を入れ(芯の部分を下にする)、蓋をして蒸し煮にする。これは中華料理の技法なんだけど、野菜の色は熱に弱いのはご存知のとおり、高温で一気に火を通してしまうのがいいのです。蓋をしてだいたい1分30秒~2分くらいだろうか、それでじゅうぶん火は通ります。

すぐさまそれを冷水にとって締めたほうが色は美しく仕上がるかもしれないが、引き上げて水気を切った青菜を、他の種も盛った器にそっと移し、おでん出汁をかけてなじませると、まるでもう前からずっと一緒だったみたいな顔をして器の中に収まっている。軽い塩味だけなのでこのようなことになるのであって、ことさら味付けをする必要はありません。

こいつがね、なかなかのお味でしてね、しろ菜一把の半分くらいなら、ぺろっと平らげることができますよ。写真にあるのは、じつは翌日の昼、残り物のおでんにしろ菜を入れた代物なんだけど、これでビールをまず飲(や)るわけです。その後、例によってニンニクと油、唐辛子のスパゲッティとビールもう一本でしめる、という具合です。あれっ、ちょっと食べすぎ? というか飲み過ぎ? かもしれません。気を付けないと、また以前のように……


【付記】
● おでんの出汁というかおつゆ、たいてい我が家では残ってしまうので、それをジャムの瓶などに移して冷凍庫に。次回作るときはそれに削り節と粉末昆布でとった新しい出汁を継ぎ足し、塩・淡口醤油・みりんをほんの少し入れて味を調えます。だんだん濃厚になっていきますので、調味料を入れずに出汁でのばすだけのこともあります。すじ肉と手羽先からゼラチン質だのコラーゲンだのが抽出しているので、冷めると煮凝りのように固まってしまうんですね。

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No title

青菜もいいですね。
この前、キャベツを八つ切りにしたものを歩おりこんでいたら妙においしくて・・・

その後に出汁もとてもおいしくなりましたよ。

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんばんは! コメントありがとうございます。
そうそう、キャベツなんて洋風のものだと思われがちですが、
おでんにロールキャベツもおいしいのだそうです。

キャベツはそれだけでもかなり甘みのある野菜ですので、
おでんに入れたらけっこういけるのではないでしょうか。
おでんにキャベツ、いけそうですね!

^^

いよいよおでんの似合う季節になりましたね。
というかコンビニでは一年中売ってますけど^^;
でもやはり冬こそおでんです。

確かに茶色系ばかりで。
彩りを考えると赤や緑が欲しいところです。
青菜を一緒に食べる~
思い付きませんでした^^;)/

Re: waravinoさん

waravinoさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
あれそうでしたか、真夏でもおでんはあったかな?
あまり意識していなかったので見落としていたんですね。

おでんって、茶色系ばかりでしょう、なのでそこに
にんじん(赤)とか青菜(緑)を入れたかったわけでして。
しろ菜という青菜、なかなかおいしいですよ!

パプリカというやつを焼いて皮をむいたものを、
そっとおでんに入れてみる、などと想像しています。

No title

おでんに青菜、わあ~☆
思いつきませんでした!!!
美味しそうですね
さっそくやってみます
さっそくですよ
だって、今週末はおでんって、今決まってしまいましたもん

おでんの余ったお汁を 出汁でのばしたもので
炊き込みごはん作ると美味しいですよ
もし おでん種が残っていたら、それも刻んで具にしちゃうの
私などは、おでんのあとの 炊き込みご飯が楽しみで、わざと残します(笑)
今度ぜひ やってみてくださいまし

No title

おでんに青菜というのは
実に正統であります。



少なくとも沖縄では。

おでん屋のメニューに必ず青菜があり
その中身は店によっても違うし
日によっても違うというかなりファジーなものですが。
みなさんは驚くかもしれませんが
レタスだって青菜です。
おでんでシナシナっとさせると
それはそれで美味うござんすよ。

Re: Lily姫さん

Lily姫さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
青菜の色が失われてもよいのであれば、一緒に煮込んでも。
きれいな緑色を楽しむのであれば、食べる直前に高温で一気に。

> おでんの余ったお汁を 出汁でのばしたもので
> 炊き込みごはん作ると美味しいですよ

おお、それはもう、想像するだけでおいしそうですね。
乙山はね、おでんの残り汁でひじきの煮物を作ったことがあって、
それはもう、今まで食べた中で一番おいしくできました。
おでんのつゆは、本当においしいですね。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとうございます。

> おでんに青菜というのは
> 実に正統であります。
> 少なくとも沖縄では。

そうでしたね、以前の記事でおでんにレタスが入っていると、ありましたものね。
おでんの種は地域によっていろいろあるので面白い。
「必ず」入っているというのがとても気に入りました。
かねてから、おでんには野菜が少ないと思っていましたから。

これからは青菜もレギュラーメンバーですよ。
なければないで、一向に構わない(?)ところもいいですよね。

No title

この記事を読んで、おでんが食べたくなり、その日は、おでんを作りました。
今は牛すじ肉のシチューなんかも食べたくなってます。
寒い日には、そんなお料理が恋しくなりますね。

No title

この数日の寒さでおでん恋しさに拍車がかかっています・・・
子供の頃に海水浴場の海の家で食べたおでんも美味しかったですが
冬に日本酒片手にアツアツのおでんをつつくと例えようもなく
幸せになれますね(笑)
青菜、めっちゃ綺麗~!!下拵えをきちんとすればこんなに綺麗に
できるものなんですねぇ・・・
私にはちと高度な技っぽいのでとりあえず人参で色を添えてみます(^^;)
美容と健康を考慮、てか元々蒟蒻好きなものでつい入れすぎてドス黒い色に
なりがちな私のおでん鍋が少しは華やかになることを願いつつ(笑)

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
このところとても寒い日が続いています。例年ではありえないことで、
みな口をそろえて「空気が冷たい」とこぼしています。
そちらではさぞかし、と想像しています。
どうぞ温かいものを召しあがってくださいね!

Re: zumiさん

zumiさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
なるほど「海の家のおでん」ですか! 乙山はね、「プールサイドの焼きそば」が
子ども心においしかったものとして今でも覚えています。

毎日寒いですね、こうなるともう「燗酒」か? てな気分ですね。
そう言いながら、まだ冷蔵庫に日本酒が冷えております……
青菜はそれほど高度な技を必要としませんよ!

ざっくり1/2に切って水洗い、それを塩・油・少量の水で蒸し煮にするだけ。
時間も1分30秒~2分ほどでいいんです。
IH鍋なんかでテーブルの上でぐつぐつさせて食べる人なら、
その場で放り込んでもいいかもしれません。

長時間煮込むと、青菜はどうしても色を失うんですね。
柔らかく煮えたにんじんは、おいしいですよ!
乙山は結び白滝なんぞを使っておりますが、あの「ドス黒い」こんにゃくが、
大好きな人は多いでしょう。おでん種もしっかり色の付いたものを
嬉しがる人だって、けっこういるんじゃないかと思いますよ。
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只野乙山

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