漫画は電子書籍で

GalaxyExpress999_Vol15.jpg
拙ウェブログ「遊歩者 只野乙山」においては漫画を取り上げたことがなく、漫画のカテゴリーもまだ存在していない。だからと言って漫画を読まぬわけではないし、それを毛嫌いして遠ざけているわけでもない。むしろ漫画は好きなくらいなのだがもう本棚がいっぱいになってしまっているので、これ以上本の類を増やすわけにもいかないのが本当のところだ。

以前大阪市内に住んでいたころは本棚の中にたくさん漫画も混ざっていた。ちばあきおの『キャプテン』と『プレイボール』は野球大好き少年だったころの名残である。松本零士の『銀河鉄道999』は『宇宙戦艦ヤマト』とともにおおいにのめり込んだものだ。ビデオ録画ができない時代、テープレコーダーに『ヤマト』の音声だけ吹き込んで、布団に潜り込んでそれを再生してもう一度楽しむという熱の入れようだった。

『MASTER キートン』はリアルタイムで楽しんだわけではないが、人に教えてもらって、こんな素敵な漫画があるのか、と感心して後になって揃えた。ちょっと付いていけないところも多々あるけれど『ハートカクテル』は初めの数巻を古書店にて見つけた折に買い込んだものだ。吉田秋生『河よりも長くゆるやかに』なども人に借りて読んだのが面白く、後に自分でも買い求めることになった。

まだ他にも何かとあったけれど、大阪から宝塚/西宮に引っ越しする際、思い切って処分することにした。もうその頃からすでに本棚が一杯になっていて、入りきらない本を床に平積みするという情けない状態だったのだ。引っ越し業者の人たちが「本当にいいんですか?」と念を押すほどの本や漫画だった(よかったらどうぞ、と奨めておいた)が、引っ越してからも本の処理に困ったことを思うとやはり処分してよかったと思う。

そんなわけで、2000年から今まで新しく漫画を買ったことはない状態で過ごし、現在のところ本棚には『孤独のグルメ』というちょっと変わった漫画本一冊のほかに漫画は一切ない状態である。それで不自由しないということは、別に漫画がなくても大丈夫ということなんだろう。いや本当、本棚にこれ以上本を増やしたくないのである。

ところで米アップル社がiPadを発表した前後から、電子書籍なるものが増えてきているようである。紙の本という形では出版できないが、電子書籍でなら出版しているという過去に手に入らなかった本がいくつかあるようなのだ。ふうん、電子書籍か……とか思いながらそれのウェブサイトを見ていると、ふと「ついに『キャプテン』が登場」などという宣伝文句が目に留まり、漫画のコーナーを見てしまったのである。

おやおや、なんとまあ、むかし読んだ覚えのあるあれやこれやが、ずらりと並んでいるではないか! 電子書籍を読むための専用端末もなければ、タブレットPCも持っていないので一瞬躊躇したが、どうやら個人用コンピューターでも電子書籍専用端末でも、タブレットPCでもリーダーをインストールしたら読めるそうだ。しかも販売店のサーバーに置いておけるので、購入したデータがハードディスクの故障などで失われる心配もなければ、容量が増えて心配することもないようなのだ。

これはひょっとしていいかも、とか思って販売サイトに登録し、いちいち入金するのも面倒くさく、振り込み手数料もかかるのでカード決済で購入してみた。コンピューターにリーダーをインストールした後ダウンロードすると、本当にその場で、久しぶりに漫画を読むことができた。ちょっと文字が読みにくいかな、と感じた程度で、そんなに違和感なく漫画を楽しむことができたのである。

見開き一面を使った大画面も、結合されて表示するので迫力がある(つなぎ目が合ってないじゃないか、と突っ込みを入れたくなるけれど)し、いやいやじつに久しぶりに漫画を楽しんでしまった。だけど恐ろしいのは、これを機会に膨大な漫画コレクションを次々に購入する羽目になってしまうのではないかということだ。場所をとらないので便利なのはいいけれど、漫画はほどほどにしておかないと、と自分で自分に釘を刺しておくことにしよう。


【付記】
● あの『銀河鉄道999』に続編が出ていたなんて、全く知らなかったですね。うっかりにもほどがある、というのはいつもの只野乙山的現象ですが、懐かしさも手伝ってふらふらと電子書籍版を購入してしまいました。気のせいかもしれませんが、以前の作画に比べてスクリーントーンを多用しているのではないか、などと思った次第です。漫画を描くのは本当に肉体労働ですからね。

作者の松本零士さんもいつまでもお元気でがんばってほしいですね。そして是非完結まで、と思います。あ、今度はもう『さよなら』はなしでお願いしたいですね。

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No title

おお、まさか漫画が取り上げられるとは!
しかも漫画好きだったとは!
しかもしかも一足飛びで電子書籍の話題とは…

私もタブレットPCとか電子書籍端末を持ってないんですが
電子版の漫画はパソコンで見るために数冊購入したことがあります。
(楽天で買えるのでポイント消化ですね)

結構懐かしいタイプが手に入るので重宝しています。
ただ、なんとなく電子書籍ってお手軽でコストがかからない印象があり
値段が案外安くなかったりするのがちょっと不満だったりします。

Re:RSさん

RSさん、こんばんは! コメントありがとうございます。
もうね、12年ぶりの漫画体験ですよ。
たぶん本当はなくてもいいのでしょうが、
ついあれもこれもあるのを見てしまったのでね。

これ以上本を増やすわけにも参りませんので、
漫画はこれから電子書籍で行こうと思います。
本文にも書いていますが、ついうっかり買い込んでしまいそう。

値段があまり変わらない分だけ、漫画の著作者の方に
鶏分が行ってほしいなあ、などと思います。
漫画は本当にハードな肉体作業なのに、
そのわりには著作者がいい思いをすることがなかったのではないかと。
電子書籍に時代になって著作者が少しは潤ってほしいと思います。

^^

銀河鉄道999~懐かしいですね。
熱心な読者ではありませんでしたが。
謎めいたメーテルは好きなキャラクターでした。
というか痩せて涼やかな目をした女性が。
好きだったのかもしれません^^;)/

Re:waravinoさん

waravinoさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
じつは週刊漫画を買ったことがないので、それこそリアルタイムで
『銀河鉄道999』を読んでいたわけではなくて、テレビ版から入ったのです。
『宇宙戦艦ヤマト』もそうですが、これは原作のアニメ化ではなくて、
原案・企画の段階からアニメだったそうです。

テレビ版のメーテルはリファインされて優しい感じになっていますが、
原作ではもう少し怖い感じもする女性なんですね。
続編を見るとメーテルの目にスクリーントーンが入っていることがあるのですが、
あれは少し違和感がありました。

テレビ版や映画版では彼女の眼はブラウン(?)になっていますが、
テレビ版のエンディング曲の歌詞では「青い瞳が」とあるんです。
後に作られたスピンオフ作品では青い瞳になっているようですし、
続編の映画版『エターナル……』では、青緑(?)の目のようです。

メーテルの謎めいた不思議さは、相変わらずでしたし、
サービスカットも豊富で、笑ってしまいました。

No title

私も昔の引越しの時に手持ちの漫画の多さでめっちゃ苦労して以来
「雑誌段階で立ち読み→古本が出たら更に立ち読み1~2回→自宅でも読みたいと思ったら購入」
という「出版業界の敵」な買い方をしています・・・
まぁ単発モノならこの手で結構数が抑えられるのですが、私の好きな漫画って長尺モノが多くて・・・
この間も『医龍』という漫画にハマり、1週間で20巻買い込んでしまいました(^^;)
買って悔いナシの名作ですが、面白すぎて用事そっちのけで読み耽ってしまうのが難点です(笑)

電子書籍、個人用PCでもOKなんですね!
てか、電子書籍=小説オンリーだと思い込んでいました(^^;)(不勉強すぎ)
ちょっと検討してみようかなぁ・・・

Re:zumiさん

zumiさん、こんにちは! コメントありがとうございます。

>私の好きな漫画って長尺モノが多くて・・・
> この間も『医龍』という漫画にハマり、1週間で20巻買い込んでしまいました(^^;)
> 買って悔いナシの名作ですが、面白すぎて用事そっちのけで読み耽ってしまうのが難点です(笑)

そうそう、もし面白かったら次も、となってたまっていきますよね。
それにしても1週間で20巻とは……いやいや、好きだったらそうなります!
『医龍』というのは知りませんでした。

ついのこいだまで電子書籍はあまり注目されていませんでしたが、
やはりiPad発売前後からじゃないでしょうか。
それに漫画が本当に好きな人だったら、あれもない、これもない、
とかなるのかもしれませんよ。

だって『キャプテン』とか『プレイボール』が
ついこの間発売になったばかりでしょう。
推して知るべし、とはこのとでしょうか。
一度電子書籍のサイトへ行って、品揃えをごらんになるといいでしょう。

No title

「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」分ります!のめり込んだ時代でしたよね~。
日本のSFの原点とも言えますね。みんな大好きでした。
ああ、熱いモノがこみ上げてきます。
声も素晴らしかったですよね。

No title

谷口ジローの「孤独のグルメ」は
けっこう、玄人の間で評価されているマンガらしいですね。
浦沢直樹は「PLUTO」を全巻そろえました。
手塚治虫の鉄腕アトム「地上最大のロボット」に涙した少年としては
最高のリメイクでした。

仕事でマンガ喫茶のマンガをずいぶん挑戦しましたが
いまのヒットコミックがあまり読めません。
「リングに賭けろJr.」や「デビルマンレディ」なんかは読めました。
同時代の作家は読めるんですね。

Re:かえるママ21さん

かえるママさん、こんばんは! コメントありがとうございます。
そうですか、かえるママさんも『ヤマト』や『999』に夢中になったくちですね!
声といえば、『ヤマト』には名言が多かったですね。

さて次はだれのせりふでしょう?

1.「古代。そんな顔をするんじゃない。俺はお前を弟のように思っていたぞ」
2.「沖田艦長。あなたのような勇敢な戦士と戦えたことを、私は誇りに思う。
地球とガミラスの未来に栄光あれ!」
3.「だって、古代君が死んじゃう!」
4.「ガミラスに下品な男は不要だ」
5.「地球か……何もかもみな懐かしい」

答えは
1.真田工場長
2.ドメル司令
3.森雪
4.デスラー総統
5.沖田艦長

というか、おわかりですよね。
本当、よかったですよねえ!

Re:根岸冬生さん

根岸さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
『MASTER キートン』の作者が浦沢直樹さんだったことを、
根岸さんのコメントで改めて思い出した次第です。

そうですか『PLUTO』なるものがあるのですね!
アトムはお茶の水博士が作ったものと思っている人が多いように、
乙山もその存在を知らなかったですよ。

『リングに…』はお姉さんがすごい人で、
弟にボクシングを教えたのでしたね。で、その人が確か
ライバルの男と一緒になるって、『巨人の星』みたい!
違ったかもしれません。

永井豪はね、ここだけの話ですが(って、みんな見てるけど)
『ハレンチ学園』とか『キューティハニー』がお気に入りでした。
もちろん『デビルマン』もよかったですよ。

No title

乙山さんも、いよいよ電子書籍ですか? (^。^)
ある記事によると、私の年代はアナログ的な紙媒体を好む人が、電子書籍を好む人をやや上回る世代だそうですが、個人的には特に紙に拘りはない方ですね。。。
まだスマホにはしていないので、もっぱら電子書籍はPCで読んでいますが、既に購入した本は50冊を超えています。そうです、まさに乙山さんの危惧する通り、廃版になったものなど、特に紙媒体ではもはや入手困難なモノが続々と電子書籍化されるので、つい、買ってしまいます。

仰る通り、私の購入先の本屋もオンライン上の本棚に購入した本を無料で保管できるため、PCの買い替えも問題ないし、購入した本をiPhoneやiPadで読むこともできるので気に入っています。
マンガはやはり、紙媒体の方が綺麗ですが、入手不可能なものは選択の余地はないし、すこしずつスキャンの性能が上がっているようで、初めの頃より大分綺麗になりました。

紙の劣化もなく、置き場所に困る事がないので、ますます電子書籍に傾いてしまいそうです。
と言いつつ、紙媒体も増殖を止めた訳ではないんですけど・・・。

Re:依里さん

依里さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
電子書籍は目が疲れそうなのでずっと避けていましたが、
漫画を買ってみた感じでは、それほどひどいものではありませんでした。

もう紙媒体の本としては出ないだろうけど、電子書籍なら、
というようなものは、迷わず電子書籍で買っておこうと思いました。
それにしても50冊というのはすごい!

いろいろ本を読んでいらっしゃる人だと思っていましたが、
電子書籍だけでそれでしょう、モノとしての本もたくさんあるでしょうね。
本当に置き場には困っておりまして、漫画はもうすべて電子書籍で、と決めました。
便利ですね。なんだか気持がいいですよ。

No title

こんばんは♪
乙山さんと漫画…ちょっと驚きましたが、驚くということは
どういうイメージをこれまで乙山さんに持っていたのでしょう?(笑)

『孤独のグルメ』と聞いたら、立ち寄らずにはいられません。
これはもう、私の大好きな漫画なんです!
乙山さんがたった一冊残しておいでの漫画がこれで、なんだか嬉しいな。
私は谷口ジローさんが好きで。彼と関川夏央さんの組んだ仕事も好きで。
『坊っちゃんの時代』シリーズは第一部『坊っちゃんの時代』から第五部『不機嫌亭漱石』
まで全部持っていて、私の愛蔵本になっています。^^

私も実は漫画、好きでして。
それもそのはず、私が少女時代の頃は、貸本屋文化が盛んだったころ。
あの水木しげるさんの『ゲゲゲの鬼太郎』などは、貸本屋さんで借りて
読んだのです。その頃は『墓場の鬼太郎』というタイトルでして、もっと
おどろおどろしかったんですよ。青春時代は、『大学生が漫画を読むか!』
と顰蹙を買った第一世代でした!(笑)『ガロ』などが愛読誌でした。

漫画について語りだすとまた長くなりそうですので、これで。(笑)

そうそう。10月21日前後。オリオン座流星群ですよ。^^
夜半から明け方まで。
晴れていてよく見えるといいなあと思っています♪

Re:彼岸花さん

彼岸花さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
そりゃあ、これまで漫画のことはウェブログで取り上げてこなかったのは、
本当ですよ。だけど、個人的にそれほど漫画嫌いではないのです。

というより、野球大好き少年だった乙山は、
ちばあきおさんの『プレイボール』とか『キャプテン』風の漫画を
ノートに書き連ね、漫画家になれたらいいなあ、などど思ったことも
あったくらいなんです。意外かもしれませんが。

実を言うとね、『孤独のグルメ』という漫画も、
そんなに思い入れがあったかどうか、怪しいくらいです。
それこそ「どういうわけか」本棚に残っていたくらいのものでして。
あまり、胸を張って著作者のファンだなんて言えないのですよ。

今でこそ、漫画(アニメーション)が日本を代表する(?)文化のように言われていますが、
長い間、サブカルチャーとして不遇の時代を重ねてきたのでしたね。
手塚治虫さんなど、本当にどうしてああいうものが認められないのか、
不思議でしょうがなくて。
プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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