遠洋のサーモンを食う

GrilledAtlanticSalmon.jpg
以前アジの干物の記事を書いたときに、北海道ではアジの干物は(というかアジ自体が)あまり流通していないことを知って驚いた。そうかやはり食べ物というのは地域性があるんだな、と思っていたが、カマスもあまり一般的ではないようである。では、これならどうだ、と鮭の登場である。まさかこれは初めてではありませんよ。

おそらく鮭ほど日本人に食されている魚はないのではないだろうか。これもある程度の地域性があるに違いないが、たぶんあまねく広まっているのではないかと思う。北海道の熊が川を上ってくる鮭をとらえ、腹のおいしい所だけをかじってぽいっと捨てる映像をむかし見たような気がして、なんだか東北とか北海道のイメージも強いのだけど、九州の一部でも鮭の産卵があるらしい。

今回は某所で「生の鮭がありますよ、これは本当おすすめ」という言葉にそそのかされてつい購入してしまったが、どうも見ると日本のいわゆる「紅鮭」ではなくて、はるか遠洋でとれたなんとかサーモンのような気がする。なにしろ切り身が大きくて、そのスケールに圧倒された。色が日本でよく見かけるものよりなんとなく薄い感じがする。

大きなフィレを1/3にカットしたものを求めたが、その際さらにそれを1/3にカットしてもらい、一回ずつ焼いて食べることにした。それでも切り身は100g以上あるのではないかと思う。肉にしろ魚にしろ、だいたい100g程度食べたら満足するのでそれを目安に料理しているが、おおむね魚は肉に比べてあっさりしており、同じ分量ならちょっと物足りない感じがしないでもない。

生魚なので、鮭を焼く30分以上前から塩をしておく。軽くキッチンペーパーで拭ったら、もう一度軽く塩をして魚焼きグリルに入れる。皮を下にして約5分、裏返して約4分で焼き上がる。塩だけで食べてもおいしいが、今回は大根が余っているので大根おろしを添えて食べよう。レモン汁をかけて、塩・コショウだけで食べるのもなかなかおいしいし、バター焼きにしても旨いものだ。

鮭は皮のところがおいしいので、これをきれいに剥いて捨てるのは大変もったいないことである。もちろんそれは好きずきというもので、どうしても魚の皮は剥かないと食べられないのだ、という人だっているだろう。それはそれとして、鮭の皮を少し身が付いた状態で上手に切り離し(包丁でそのように切るのです)、それをこんがり焼いたものなど、ああ、想像するだけでおいしそうではありませんか。

なんとかサーモン、なかなか旨いではないか。溶けだした脂が薄くピンク色に染まっているのを眺めるのも楽しい。脂の乗り具合がいいのか、紅鮭ではいくぶんぱさついてしまうところが、しっとりした感じを保っているのがいい感じだ。紅鮭はやはり、こういう食べ方よりしっかり塩を入れた「塩鮭」にしてしまったほうがいいような気がするなあ。

ところで、近頃では寿司の種にサーモンが用いられることがあるけれど、昔は寿司の種に生のサーモンなどなかったんじゃないか。箱鮨とか押し鮨にはよく薄切りの鮭が用いられており、それには何の違和感もないのだが、いわゆる江戸前流の寿司で生のサーモンというのにはどうして馴染めないでいる。だから近所の回転すし店に行ってもサーモンは常にパスし続けている。大丈夫なんだとわかっていても、なんだか手が出ないのである。


【付記】
● 回転すしはあまり利用したことがなかったのですが、使ってみると本当に便利。すぐ食べられる、好きなだけ食べられる、しかも安い、とまことに好都合なわけです。それに値段のわりにはけっこういいもので、細巻きなんてなかなかのものです。休日の昼過ぎなど、本当によく利用するようになってしまいました。嗚呼、こうしてまたひとつ、本物から遠ざかってしまうわけなんですね。

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No title

鮭は・・・子供の頃はよく食べましたね。休みの昼ごはんはだいたい鮭のお茶漬けでした。
まあ、私の体の5分の1ぐらいは塩鮭でできていたようなものです。最近の健康志向で、出回っているのは塩分控えめの塩鮭がほとんどで、昔風の表面に潮が吹いているやつはとんと見かけなくなりましたが、やっぱりそっちの方が恋しいですねえ。塩で充分に水けを抜いている分酒の味が凝縮されていて・・・

ところで、私の中学1年生だったかの秋のとある日曜の朝、私は休みの日の朝いつもそうしているように釣竿をもって近くの川の川口に・・・
いつものように海に突き出た岸壁を先へ先へと進んでいた時に、その岸壁の岩の間に頭を挟まれバタバタと暴れている巨大な魚が・・・

降りて行って見ると見事な鮭・・・こういった際のマナーとしては(漁業権の問題からいっても)この鮭は川に帰してやらなければならない・・・・ところ、私は・・・なんと無法にも、家に持ち帰ってしまい(まあもう時効でしょう)、母に手渡しました。全長65cm、2.5㎏の立派なメスでした。ということはそのお腹の中に・・・・

喜んだ母は私に特別なお小遣い・・・そのお小遣いは釣りの道具代に消えてしまったのは言うまでもありません。

Re:gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
やはり鮭はいちばん食べられている魚かなあ、と思います。
鮭弁当なんて言うのがあるくらいですものね。

今よく流通している薄味の塩鮭ではない、少し塩の入ったやつが、
ご飯によく合うことこの上ありません。
少しの鮭で、ご飯をたくさん食べることができましたね。

梅干しも、ちゃんと紫蘇があってしかも酸っぱくて辛いのが好きです。
ご飯に合うのは本当ですが、ちょっと塩分も気になります。
鮭も梅干しも、本当は塩がしっかり入ったものが好きです。

ああ、gatayanさんの故郷なら、鮭が川に上ってくるところを
本当に目撃できたでしょうね。
乙山の思い出の川といえば、大阪の淀川ですから、
そこに鮭が上ってくることはまずあり得ませんが……

鮭は、かならず生まれた川に帰ってくるといいますね。
いったい、どうやって記憶しているのか、本当に謎です。
本当はだめだとしても、まあ一尾くらいはいいじゃないですか。
北海道の熊なんて、もう獲り放題ですし。
いい思い出ですよ!

No title

↑何だかGatayan少年が熊のプーさんに見えてきました。
そりゃあ、遡上する前の鮭がうまいんだわ。
河口で待ち伏せして漁をするんだから。

僕はこんがりと焼けた皮が好きだぁ。
出来れば、カマと頭も。

No title

9月と言えば、鮭のシーズンですね。まさに旬の食べ物です。
どこの家の冷凍庫、冷蔵庫にも必ず鮭は入ってると思います。
最近は鮭獲り放題、熊も捕り放題になってます.....((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

鮭はお寿司のネタにはなかったのですか?
お寿司は鮭、マグロ、卵しか子供の頃は食べられませんでした。
バーナーで焼いた、あぶりサーモンもあるのは、苦手な方用にでしょうかね?
最近回転寿しでは、「海葡萄」とかもネタに乗ってますね?これは驚きましたよ。まあ、ミニハンバーグも乗ってますものね。

No title

 えっ、サケってなんですか? とは、さすがに申しません(笑)。焼いて
塩胡椒もいいですし、バター焼きなんぞも結構ですよね。皮のうまいこと
はいうまでもありません。

 でもぼくは三友亭さん同様、昔の塩鮭、真っ白に塩の噴いたやつが大
好きなんです。死んだオヤジなんぞは、その真っ白なやつに醤油をかけ
て食べていましたね(笑)。それでも八十二まで足腰も丈夫で生きました
から、塩分なんて心配しすぎず、好きなものを食べてニコニコ暮らしたほ
うがいいと思っています。

Re: 根岸冬生さん

根岸さん、こんばんは! コメントありがとうございます。

> ↑何だかGatayan少年が熊のプーさんに見えてきました。

いや本当にね、gatayanさんって、こういうお話をしてくださるんですよ。
乙山はそれが好きでしてね。
お母様もさぞお喜びのことだったろうな、と思うんですね。

鮭の皮って本当においしいですよね!
カマの部分とか頭が、というのは「通人」の領域でしょうか。
なんとかサーモンを、おいしく食べてますよ!

No title

こんばんは。

鮭というと、父がたまにまるごと一匹を買って、
それを母が切り身にして焼いて食べる・・・ということをしていました・・・
母が大変だと嘆いていたのが印象的でした。
今はサーモンが出回ってますね。私はサーモンの方が好きです。

寿司屋に昔、サーモンがなかったのは、鮭には寄生虫が多く潜んでいて、
完全な冷凍処理を施して寄生虫を死滅させないと食べることはできなかったからだと思います。
今のサーモンは滅菌処理をしているから生で食べられる・・・とテレビで聞いた記憶があります。
個人的には、サーモンのお寿司は好きです。違和感ないです・・・

箱に入った生の鮭寿司・鮭の押しずしがあるのは、以前から知りませんでした。
昔からあったとすると、どうやって滅菌処理をしていたのでしょうね???

Re: かえるママ21さん

かえるママさん、こんばんは! コメントありがとうございます。
乙山が食べたのは、旬の鮭だったのではないかもしれません。
冷凍技術が進んでいますので、いつの鮭でもいけるのではないかと思います。

仰るように、日本での「鮭」は旬ですよね。
そいつを、これからじっくり味わいたいですよ。
だけど北海道の熊には本当に御用心を、ってこっちからいうのも変ですよね?

> 鮭はお寿司のネタにはなかったのですか?

ううむ、これはね、たぶん寄生虫絡みのことだと思うのですが、
昔から生の鮭(サーモン)が寿司の種にあったわけではないと思います。
記憶をたどってみても、鮭の刺身(今はありますが)とか、
鮭の握りはなかったと思うんですよ。

Re: 薄氷堂さん

薄氷堂さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
そうなんでしょうね。仰るように、塩が多めでもいいではないか。
それが保存手段であり、また長い経路を経て魚を届ける、唯一の手段だったのでしょう。

ちょっと辛め(塩多めの)の鮭が旨いのですよね。
なかなかそういうものを見かけることが少なくなり、
いまでは薄味の鮭が普通になってしまいました。

梅干しの逸品を見つけるより、鮭の逸品を見つけるほうが、
なんだか難しくなってきたのかもしれません。
鮭の表面が白くなったものは、もうないかもしれないほどです。

高血圧=塩分過多なのかもしれませんが、
昔からそうやって日本人は暮らしてきたわけです。
そこに「生活の知恵」は必ずあったと思うんですよ。

何でもかんでも「薄塩」にしてしまうのはねえ、
などと高血圧でチェックが入ってしまう乙山です。

Re:りーさん

りーさん、こんばんは! コメントありがとうございます。
仰る通り、昔の寿司屋に鮭の寿司種がなかったのは、
寄生虫絡みではないかと思います。

鮭を使ったすしとしては、〈柿の葉寿司〉とか〈ますの寿司〉なんかがありますね。
あれらはたぶん、おそらく酢でしめているのではないかと思います。
確証はありませんが、ばってらと同じ原理ではないか。

川を上ってくる魚、大丈夫なようでいて、けっこう汚れているのではないか、
そんなふうに思ってしまいます。なので清流でとれたものでないと、
なんだか気が引けてしまいますよね。

^^

自分にとって朝食と言えば鮭です。
これに味噌汁・白菜の漬物が付けば。
言うことなしです^^

自分もカリカリに焼いた鮭の皮が大好きで。
人が残すのを見ると。
勿体ないなぁと思ったものです^^)/

Re:waravinoさん

waravinoさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
朝ご飯に鮭はよく似合いますね。
もちろんそのときは塩鮭でなくてはいけません。

ご飯を軽くしようと思っても、ついつい進んでしまいます。
また、お昼の弁当にも似合うのが鮭。
鮭弁当があるほどですからね。

さて乙山が食べたのは遠洋でとれたらしいなんとかサーモンでして、
これはなぜか夕食に似合う感じがしますね。
塩をして焼きあげ、大根おろしを添えて和風の感じで食べましたが
大変おいしいものでした。もちろん、皮もしっかり食べましたよ!

朝をご飯と鮭とみそ汁で済ませる幸せ。
いいですねえ。いまのところ乙山は野菜のサンドイッチですが、
本当はご飯も食べたいところですね。
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只野乙山

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