夏野菜の安売りに飛びつく

SummerVegetables.jpg
お盆のころ(2012年夏)の話。駅前の2大スーパーマーケット以外にも食料品を扱う店はいくつかあって、少し離れたところにあるのだがたまに利用している。とくに目的を持って買いに来たわけではなく、家にずっとこもっているのもなんだから、という消極的な理由でぶらぶら買い物に来たのである。お盆の連休というのにとくに行く所もないというのがなんだか悲しい、とか書いておくべきなんだろうか。

ふと見ると、夏野菜が大特価になっている。日頃食べたことのない野菜だが、魚焼きグリルで野菜を焼くとおいしい、などという記事を書いたときに丁寧に教えてくださった方々の顔(って見たことあるのかよ!)が思い浮かび、いや正確にはその内容を思い出し、ズッキーニと万願寺ししとうを買い物籠に入れた。だってこれらが100円だものね。

初めて見る(というか扱う)ズッキーニだが、はてこれは胡瓜の親類みたいなものだろうか。あれこれ考えてみたが、これを魚焼きグリルで焼いた後、マリネにしてみました。食べやすい大きさにズッキーニを切り、それをビニール袋に入れオリーヴ油をまんべんなく絡めておく。レモン汁、酢、オリーヴ油、塩、砂糖でマリネ液を作るが、今回はそこに唐辛子、黒コショウの粒、粒入りマスタードを加えてマスタードマリネ仕立てにした。

MarinatedZucchini.jpgドレッシングを作るときもそうだけど、小さめのジャムの瓶なんかにレモン汁と酢、塩(と砂糖)を入れ、先に塩などを溶かしておき、それから後にオリーヴ油を入れ撹拌するようにしている。ワインヴィネガーなどというしゃらくさいものがなければ、ただの米酢であっても一向に差し支えないのは言うまでもない。エクストラヴァージン油でなくても、バルサミコ酢がなくても、心配する必要は一切ない。

ただ、油はできるだけ新鮮なものを使ってください。ふだんから油をあまり使わぬ人や単身者の場合、いくら値段が安いからといって大ぶりの油を買うと使わぬうちに劣化してしまう。どれだけ元が上等でも古くなった油は酷いもので、腐っても鯛、という言葉が通用しないのが食用油である。なるたけ小さな瓶を買ってその都度使い切るほうがいい。

和風にする場合、削り節と昆布で出汁をとったものに酢とみりんを入れた土佐酢にするとおいしいが、マリネの場合はなんだか手軽でいい。マリネ液を加熱したものに食材を入れる方法もあるが、今回はグリルで焼いたズッキーニを熱いうちにマリネ液に放り込んでおくだけ。だいたい15分くらいしたら味が染みていると思う。

GrilledMANGANJI_greenpepper.jpgさて万願寺ししとうはかなり大型で肉厚の、ししとうを巨大化したような外見だが、食してみると甘みさえ感じられるおいしさである。ししとうを食べて種の思わぬ辛さに四苦八苦した人も、あら不思議。なんでこんなにおいしいの、というのが万願寺ししとう。料理上の技術は一切必要なし、ただ魚焼きグリルである程度焦げ目がつくまで焼けば、それに鰹節としょうゆをかけて食べる、ただそれだけの物。

なのにまあなんと、おいしいことだろう。素材がよいと工夫する必要がないんですね。鮮度のいい魚を刺身にするのと同じ理屈である。グリルで焼いたものを、市販の麺つゆに浸けこんだ「万願寺ししとうの焼きびたし」もかなりいけますよ。この日は木綿豆腐をグリルで焼いた「焼き豆腐」にズッキーニのマリネ、そして万願寺ししとうで晩酌を終え、肉類は一切なくてもそれなりに満足できたのが不思議だった。


【付記】
● 肉類は一切なし、というのは本当ですが、焼き豆腐は市販の焼き肉のたれにコチュジャンを混ぜたものを塗って焼きあげました。以前買った魚焼きグリル利用法の本のレシピをそのままやっただけなんですが、これもけっこうおいしかったですよ。

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No title

野菜の旬の変わり目なのか
暑さで出来過ぎちゃっているのか
最近、安売りが出ますね。お野菜は。

しかし、乙山先生、ひと手間をかける男ですな。

僕の今年の静かなマイブームがエリンギです。
リーズナブルな価格になりましたからね。
ズッキーニも遠からず守備範囲に入ってくるのでしょう。

東京では、茨城、群馬あたりの野菜がまだ暴落しています。
まあ、風評被害ですね。
せっせと食べているので、そのうち茨城弁がしゃべれるようになるかもしれません。

Re:根岸冬生さん

根岸さん、こんにちは! コメントありがとございます。
どういうわけか夏野菜の安売りがありましてね、
あんまり後先考えずに思わず手に取ってしまったのです。

ひと手間かけるとおっしゃいますが、基本は横着料理。
できるだけ早く、あまり手間暇かけずに食べたい。
そういう精神がベースになっているんですよ。

エリンギもグリル焼きにすればおいしいのではないか、
そんなふうに想像しています。さて、どんなふうに料理するか?
こういうのをあれこれ考えるのは楽しいものですね。

せっかく作ったのに、安く買いたたかれてしまうのは悔しいですね。
農家の人が幸せになれ、多くの人が農業に憧れるようになる、というのは
まだまだ遠い先のことなんでしょうね。

No title

普段は感じないしがらみ、と言う奴を感じる盆や彼岸。
出かける予定がない、と言えるほうが羨ましく感じてしまいます。

さて、夏野菜には美味しいものが多いですね。
ズッキーニも漏れなく大好きです。
乙山さんはちゃんと手間をかけてるんですね。

私などは、ええい面倒くさい、と揚げ焼きにしてしまってます。
ズッキーニと共に茄子やカラーピーマンなども焼いてしまって、全てシンプルに岩塩で頂いたりします。
オイルだけはエクストラバージンオイルを使っています。
結構、味・香りには敏感な方なので、調味料はそこそこ選びます(食通と言う意味ではありません(笑))。
調味料がいいとシンプルにいただけるのもいいですね。

ズッキーニはかぼちゃの仲間だそうですが、全然そんな気がしませんね。
マリネに合うとか、見かけからしてどうもきゅうりに見えてしまいます。
決定的な違いと言えばやっぱり食感でしょうか。
他の野菜にはない食感ですね。
軟らかくなるまで揚げ焼きをすると、食べる時にトロトロに溶けるようになるのが最高に好きです。

万願寺ししとうと言うのは、関東で言う、万願寺とうがらしのことでしょうか。形状からすると、そんな気がします。
私はこれを乙山さんと全く同じようにして食べてます。
それだけで美味しいですね。

No title

 立派なシシトウですね。なるほどこいつで一杯というのはオツなも
のかもしれません。

 小ぶりなシシトウでしたらたまに焼いて食べることがありますけど、
ロシアン・ルーレットみたいに、たまに辛いのにあたることがあります
ね。それはそれで楽しみでもあるんですけど(笑)。

 ところで魚焼きグリルでパンのトーストから野菜の焼き物まですま
せてしまうやり方は、つい先日こちらの新聞の家庭欄にも紹介され
ていましたよ。

Re:依里さん

依里さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
ズッキーニは、じつは初めて料理してみたんです。
胡瓜の仲間かな、という外観ですが、食感も胡瓜と似ているようで、
そうでないところが面白いなあ、と思ったのです。

不思議な味わいですねえ。
いろいろな料理法があるのでしょうし、まだ他にもおいしい食べ方が
ありそうな気がします。いちばんいいのはなんだろうなあ……
とにかく、いろいろ調べてみて、またトライしたくなりますね。

万願寺は、関東にもあるんですね。
たぶん、同じものでしょう。おそらく、ししとうとピーマンの交配だと思うのですが、
食べてみるとたいへんおいしくて、感心しました。

これも、いろんな調理法があるのでしょうが、
とりあえず焼いて、鰹節としょうゆで食べてみました。
焼いたのを、麺つゆに浸しておくのもなかなかです!
ピーマンと、ししとうの、いいところだけを集めた感じの、万願寺ですね。

Re:薄氷堂さん

薄氷堂さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
いやこれね、なかなかのししとうですよ。
小粒のししとうは、それはそれで、旨いのですが、
万願寺は「これ、辛いのかなあ」とか心配しなくてもいいんです。

コメントをくださった方々を拝するに、関東ではあるみたいですが、
北海道ではどうなのかなあ、となんだか魚の話みたいですね。
もし、そちらにもあれば、ぜひお試しくださいな。

魚焼きグリルは、なかなか便利な調理器具です。
使ってみて、そのように実感しています。
これがあれば、電子レンジはなくとも、とりあえず生活できます。

電子レンジ専用、などと書いてある食品は無理としても、けっこう、役に立つのですよ。
この手の話題は、おそらく何年か周期でリバイバルするのではないでしょうか。
そのように想像しております。

No title

乙山さん、こんにちは。

ズッキーニは、庭で栽培していましたが。
気が着かないでいるとすぐに巨大化してしまうやっかいな野菜です。
あまり大きくないほうが実がしまっていていいようです。

家では、輪切りにして塩、胡椒、ガーリックパウダーを振り掛けて
オリーヴオイルでこんがり炒めるだけの簡単料理が定番ですが。
天ぷらでも美味しいですし、シチューにも入れたりしますね。

でも日本で作られている野菜はデリケートでカタチも味も最高に
美味しいと思います。

しかし乙山さんは、お料理がお上手ですね。

Re:まん丸クミさん

まん丸クミさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
ズッキーニはあまり慣れ親しんでおらず、初めて食べたんです。
不思議な食感ですねえ……胡瓜のようでいて、胡瓜でない。

クミさんのおっしゃるように、てんぷらにすると美味しそうですよ。
四角に切って、スープの具にしてもよさそうですね。
もうすこしズッキーニに親しんでいこうと思っています。

昔ね、飲食店でアルバイトした経験がありまして、
そこで厨房に入り、勉強させてもらって、
一応自分の料理したものを客に出せる(というか出していた)
レベルではあるのです。御蔭さまで、と申し上げておきましょう。

お褒めいただき、ありがたく存じます。
写真のおかげでもあるのですよ。なにやらおいしそうですが、
さて、お味のほうは……

No title

ズッキーニに初チャレンジですね。^^

乙山さん。今度召しあがるときは、ズッキーニは、前にも書いたかな、
7ミリ厚さくらいの輪切りにして、両面をグリルで、焦げ目がつくくらいまで
焼いて食べてみてください。かなりしっかり焦げ目をつけます。
ズッキーニをちょっと突き刺して見て、すっと通るくらいまで焼きます。
焦げた香ばしさとわずかなほろ苦み、そしてほくほくした触感が
たまりませんよ。
味付けはあつあつのズッキーニに、出来たら美味しい塩を
振りかけてオリーブオイルを少し筋のようにまわしかけて食べるだけです。
ここに、茹で卵と、やはりグリルで焼いたプチトマトを添えれば
栄養も満点。^^

万願寺とうがらし(とうちの方では書いてあります)も大好きです。
前は見たことなかったけれど、ここ1,2年でよく見かけるようになりました。
私はこれを、2つ3つに切り、さっと油でいためてから一度取り出し、
厚揚げといっしょに煮つけます。ご飯のおかずに、おつまみに、
常備菜として。
乙山さんのようにグリルで焼いて、かつぶしで、というのも美味しそうですね。
ハンバーグなどしつこい肉料理の添えものにもいいかもしれない。
茄子といっしょにいためものにするのも美味しいです。
油とよく合う味なんですね。

ズッキーニは、茄子、パプリカなどと共に、夏野菜のカレーもいいかと思います。
ただ、あんまり煮込みすぎると、どろりとなって美味しくなくなっちゃうので
うん、そうですね。グリルで焦げ目をつけて適当にやわらかくなったのを、
仕上げ寸前に加えるのもいいかも。^^

No title

いつも拝見しています。
ズッキーニは確かかぼちゃの仲間だったと思います。今年はぼくもたくさん食べました。
パエリアにはよくズッキーニが使われるようですが、かぼちゃの仲間ということで、パエリアにかぼちゃを使いました。美味しかったですよ。半信半疑だった周囲も納得していました(^u^)

No title

ズッキーニって食べた覚えがないんですよね。ひょっとしたら知らないうちに食べているんだろうけれど・・・自分でこれがズッキーニって意識してってのは・・・ちょいと記憶がない。

どんな感じですか?

万願寺唐辛子だったら充分に想像できるんだけど。
今も冷蔵庫にもらい物で沢山あるし・・・

Re: 彼岸花さん

彼岸花さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
ううむ、そうそう、7mmの輪切りですね。
それをね、うっかり忘れていたんですよ!
マリネもいいけれど、ごく普通に焼いたズッキーニもいいでしょうね。

あのお顔を思い出したんですよ。
料理法ではなくてね。
ズッキーニ、という言葉とともに。

なので今回は、教えて頂いた「輪切り」のグリル焼きではなく、
マリネ仕立てになってしまったというわけです。
今度は輪切りにしグリル焼きのズッキーニを楽しみますよ!

「万願寺ししとう」と書きましたが、「万願寺とうがらし」のほうが
通りはいいようですね。両者は同じものでしょう。
とにかく、あまり手を加えないでもおいしいのが魅力です。

ズッキーニは面白い素材ですね! いろいろと楽しめそうです。
済んだ色のスープに、角切りそのそれが入っていると、
なんだかおいしそうな気がしてきましたよ!
てんぷらも、いいんじゃないでしょうか。

だけどまず、輪切りにして塩とオリーヴ油でやってみますか!
ありがとうございます。

Re: 一生喜劇さん

一生喜劇さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
えっ、ズッキーニは南瓜、ですか?
どうみても胡瓜の仲間に見えて仕方がないんですけど?

食べてみると、不思議な食感なんですが、
やはり胡瓜の仲間かなあ、という感じがしますね。
そうかこれは南瓜の仲間だったのか……

パエリアにズッキーニ、それはなにかチャーハンに胡瓜を入れる
感じに似ている気がして、仕方がありません。
おっしゃるように、皆さんも納得の味であれば、ううむ、
胡瓜的よりも、南瓜的な使い方をすればいいんでしょうね。
ありがとうございます!

Re: gatayanさん

gatayanさん、こんばんは! コメントありがとうございます。
そうでしょう、そうでしょう!
乙山もね、存在は知っていましたよ、だけど実際に食べてみた、
というのとはわけが違います。

で、食べてみたわけですが、これはなかなか、面白いんです。
なんだか不思議な食感ですよ。
胡瓜のようでいて、そうではないのです。

みなさんが仰るように、胡瓜的な扱いではなくて、
何か別のものとして扱ったほうが、結果的にはおいしい、
それがなんとなく、わかる感じがした、ような気がしています。

乙山のようにグリルで焼いて、ドレッシングのようなものに
浸けこんだ料理でも、そこそこおいしかったですよ!
買ってきたものを輪切りにして、フライパンで焼き、
塩とコショウをぱらっとやっても、たぶん、おいしいのではないでしょうか。
面白い、そんなふうに思ったのです。
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只野乙山

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⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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