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DIY作業台

BenchVice_01.jpg
自分で真空管アンプを拵えるなど工作が大好きである。だが今の環境では作業台がなく、何かいい物はないかなあとしばらく前からいろいろ物色していた。ただ部屋の中には段ボール箱が幅を利かせており、これ以上余計なものを置いてどうする、ということで作業台は後回しになっていた。最近ようやく部屋の片づけがある程度進み、少し空間もできたのでいよいよ作業台を導入して何か工作を始めようかなどという気になり、ついふらふらと作業台をネットで購入してしまった。

なに作業台? そんな物は自分で作ればいいではないか、という意見もあることだろう。なるほど、ウェブサイトを見ているとずいぶん立派な作業台を自作している人もいらっしゃる。しかしながら、作業台を拵える作業をするには、作業台がいるのではないか? つまりある作業台Zを拵えるには作業台Yが必要であり、その作業台Yを作るためにはさらにその前に作業台Xが存在していないとならぬはずだし、作業台Xを作るためにはその前に……だれか止めてくれ!

なんだか「ゼノンのパラドックス」を思い出しそうになったけれど、もうげんに作業台はあるわけだから、「人は永遠に作業台を自作できない」などという事態に陥らずに済んだようである。現物は「万能作業台 ベンチバイス」などと称する、簡易万力を備えた作業台で、写真1枚目のような梱包で届けられ、例によって購入者が自分で組み立てるというわけである。説明書をよく見て落ち着いて取り組めば、まあ1時間以内で組み立ては完了するだろう。

これでいったい何をしようというのか。真空管アンプを拵えるのはもちろんだが、実はスピーカーのことも考えている。平面バッフルか後面開放型にして、そこにフルレンジユニットを取り付けて、いろいろ聴いてみようかな、などと考えている。題して「フルレンジ道楽」である。いや「フルレンジ三昧」のほうがいいかなあ。まあどうでもいいけれど、たとえばJBLのヴィンテージユニットとかアルテック・ランシングのフルレンジ、あまり馴染みのなかったドイツ製の古いフルレンジなんかを聴けたら楽しいだろうなあ、という構想である。

BenchVice_02.jpgスピーカーを取り付けるのは箱にしてしまわず、いわゆる平面バッフルがいいと思うが、理想的には2m×2mの大きさがあればよい。しかしそれは現実的ではないのでサブロク(90cm×180cm)の平面バッフルあたりになるのだが、それでも一般家庭では不可能である。一般家庭ではせいぜい1m×1mくらいが限度なのではないか。それでも家によっては邪魔者扱いされてしまうだろう。

そこで平面バッフルの端を後ろに折り曲げ、50cm×50cmで奥行を25cmくらいにすると、それで一応、理屈では1m×1mのバッフルボードと同じ効果を得られることになる。それくらいなら、なんとか一般家庭で設置可能な大きさではないかと思う。これに、ヴィンテージ風のネットや木製か金属製の脚もちゃんとつけて、それらしい雰囲気に仕上げようではないか。まるでそれが往年のJBL家庭用エンクロージャーででもあるかのようにできると気分は最高である。

本当にそんなものができるのだろうか? 自分でも疑わしくなってくるけれど、あまり難しく考え過ぎてはいけない。とりあえず板だけ買って来て、それに円穴をあけてスピーカーを取り付ければ聴くことはできる、くらいの気持ちで臨むようにしたい。頭の中でしっかり練っておき、それを図面に起こして木工業者にお願いし、家では組み立てるだけにすればなんとか実現できるのではないかと思う。

作業台は真空管アンプの本体ケース(シャーシ)の穴あけとかヤスリがけなどをする際も役に立つのではないかと思う。簡易万力である程度固定しておけば、それらの作業をする効率もアップするだろうし、工作も楽しくなるはずだ。などと、本当にいつになるかわからないけれど、趣味と道楽の工作がゆるりと始動を始めたわけである。さて、どうなることやら。


【付記】
● 作業台だけでは何にもならないのですが、これがあるとないのではやはり違います。作業台が一つあれば、よし何か作ろうか、などという気持ちになりやすいのです。あれもないもんなあ、これもないし、ということで後回しになっていた工作に、いよいよとりかかろう、というわけですが、夏の暑さが恐ろしい……

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No title

ふむふむ。
とても面白かったです。
DIYはかえるままは苦手分野なので、見てるととても尊敬します。
大工さんの「足場」の様な存在なのでしょうかね?
でも、あると満足いく作業が出来そうです。

Re:かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
DIY方面はやっぱり男子のもの、という感じがしますね。

近頃では100円均一店の品物を使った「お手製収納」もあるようで、
そこでは女性というか主婦の方が、ドライバードリルなどの工具を使って、
自由自在に収納グッズを「自作=DIY」しているようでした。

DIY女子というのもこれからは増えてくるかもしれませんね。

No title

 やっぱり最初の作業台は作業台なしで作らざるをえないのでしょうが、
とてもおもしろい話ですね。

 ぼくは辞書を連想しましたよ。ことばをことばで説明するというのも、考
えてみればふしぎな話です。ぼくたちは国語辞書を日常何気なく引い
ていますけど、英英辞書などは、最初のうちは大変です。定義に登場
する単語がわからないから、それを調べるとまたわからない単語が出て
くるという……作業台なしに作業台を作る苦労に似ていないこともないか
と(笑)。

 平面バッフルとはなつかしいですね。フルレンジ一発というのは定位
がいいですから、ボーカルを聴くには向いていそうです。ぴたりと一点
から人の声が聞こえてくると、ゾクゾクするようなリアルさを感じますから。
低音がどうの、高音がどうのという話とは別次元の体験です。

 ぼくはもうアンプもスピーカーも作る気力はありませんが、乙山さんの
ご成功をお祈りいたします。

Re:薄氷堂さん

薄氷堂さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
わかります、わかります! 乙山は英英辞典としてオックスフォードの
Lerner's Pocket Dictionaryというのを持っています。

わからないと、それが何か、調べるのですが、
その説明がわからないと、他を当たって調べないといけません。
よく子どもに「これなあに?」と訊かれて説明するのですが、
説明する言葉に「それなあに?」を連発するのが子どもです。
日本語でも、あることなんですよね。

フルレンジですべての音源を鳴らし切るのは難しいと思うのですが、
乙山は「**向きですよ」などという、お店の人の話とか、
世間でよく言われる評判を信用していません。
ロックも、ジャズも、クラシックも、みんな聞くんですからね。

限られた中で、どれだけ聴かせてくれるか、それが楽しみなのです。
どうせ乙山の耳ではそんなに違いはわからないんですけど。
できるかどうかさえ、わかりませんしねえ。
だけどこうやって公表すると、いつかはやらないと、などと思うかもしれないでしょう?
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只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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