ひじきの煮物

Hijiki_Nimono.jpg
ひじきと大豆の煮物を作ることがあるが、今回はひじきと大豆を分離してそれぞれ主役を張らせてみることにする、などと宣言し、五目豆を作った。今度はずばりひじきの煮物である。といっても、なんとも地味な展開である。なんかこう、ぱっとするというか、お洒落で見栄えの良い料理をさっと作れないものか、などと思うのであるが、つい煮物を作り置きしておいて、この季節は温めもせずそのまま食べている。

食材は乾燥ひじき、干し椎茸、にんじん、薄揚げを用意した。干し椎茸は買って来てそのまま使うことができるのはもちろんだが、私(乙山)は袋から出した椎茸をバットか何かに並べ、もう一度天日干しをすることにしている。朝から晴れている日などを見計らい、椎茸を並べたバットをベランダに出しておくのだ。時々様子を見ながら裏返したりなどして、夕方頃にはからりとできあがっている。

それをジャムの瓶などに水と一緒に入れて半日から一日かけてじっくり戻す。干し椎茸の戻し汁はいい出汁が出ているので捨てたりせず、ひじきの煮物に入れて使います。乾燥ひじきを戻すのはそんなに時間がかからないので、前日から用意する必要はない。当日、煮物をする数時間前から水に浸け、ときおり洗いながら何度か水を換える。物にもよるが、乾燥ひじきはけっこう茶色が染み出てくるものだ。

薄揚げはいつものように「京揚げ」などと称する、一枚ものを用意する。さっと湯通しして油分を飛ばして使うようにするといいが、別にそのままでも構わないと思う。にんじんはある程度厚みを持った輪切り(小口切り)にした後、それを細切りにして水にさらしておく。干し椎茸もだいたいにんじんと同じくらいの細切りにする。こうして下ごしらえをするのと同時に、例によって削り節と昆布(粉末昆布)で出汁をとっておく。

ひじきの煮物は新しい出汁だけで作ってもおいしいけれど、他に作った煮物などの煮汁が余っていれば、それを入れてみるとけっこうおいしいものができる。たとえば冬場におでんを作ったりすると思うけど、おでんの出汁は捨てずに冷凍保存して、次におでんを作るときにそれも使い回しするようにしている。そうして、最後のおでんを作った汁を解凍し、ひじきの煮物に使ってみたことがあるが、これはもう、空前絶後の美味しいひじきの煮物になりましたね。

DriedMushroom.jpg下拵えができるといよいよ煮始めるが、私はたいていそのまま食材を入れたところに出汁と椎茸の戻し汁を入れて煮るようにしている。食材を油で炒めてから煮るという方法もあり、こちらの方が仕上がりにコクが出るようなので、好みのほうを採ればいいと思う。煮立ってきたらまず甘みの調味料、みりん(と砂糖)を入れて5~6分、その後薄口しょうゆを入れて3~4分、落とし蓋または灰汁取りシートをして煮る。後はいつものように保温調理器に移して一時間ほど放置する。

時間が経ったら保温調理器から取り出しておくほうがいいと思う。ゆっくり冷めていく間に味が染みわたるので、なにも長時間煮込む必要はない。煮込むのはにんじんやじゃがいもなど硬めの食材に火を通すことが目的で、味を沁みわたらせるためではない。いつもながら保温調理器の便利さと、熱を使わずにできるところに感心する。熱こもらず、お金も使わず、と文句なしの働きぶりである。

煮物の失敗でいちばん多いのは煮汁を多くしすぎることではないかと思う。これは私もついうっかりやってしまうのだが、味見をするとどうも薄いような気がするのでついつい調味料を追加して入れてしまうのだ。それを後で長時間煮込んでしまう結果、最終的に濃い味付けになってしまった、というパターンである。調味料は入れ過ぎると取り返しがつかないのでくれぐれもご注意を。

他の煮物だとそうはいかないのに、どういうわけかひじきの煮物は煮汁で思い切り遊んでもいいように思う。肉じゃがの残り汁を入れ、鶏の水炊きの出汁を入れ、といろんな煮汁で作ってもそれなりに美味しいひじきの煮物になるから面白い。まさかカレー味とかソース味のひじきの煮物はないと思うけれど、本当にたいていの煮物の残り汁を入れても大丈夫なのがひじきの煮物なのである。


【付記】
● ひとシーズン使い回した最後に残ったおでん汁で作ったひじきの煮物、本当にあっと驚くほど美味しかったですね。といっても所詮はひじきの煮物、あっと驚いたのは作った本人だけ、なのかもしれません。

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tag : ひじきの煮物

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No title

 ひじきの煮物とはまた渋いですね。わが家の食卓にのぼるのは、
一月に一度くらいでしょうか。

 乙山さんの場合は、それをご自分でお作りになるのだからすごい。
しかも椎茸の天日干しからスタートとは、とてもぼくには真似できま
せん。

 ぼくがもし独り者だったら、タマネギを刻んでインスタントラーメンに
投入するか、トーストに目玉焼きというところがせいぜいでしょうね。

Re:薄氷堂さん

薄氷堂さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
まあこれは、帰宅してから料理するのが面倒で、
休日にまとめてやってしまおうという横着精神からきているものなんです。

干し椎茸は、ばっちり天日干ししてるケースもありますが、
工場で送風によって乾燥させていることもあります。
傘の部分がなんだが白っぽかった場合、もう一度天日干しに。

ひじき、切干大根、大豆などの乾物は保存がきくから便利です。
気が変わって外食一辺倒になったとしても、しばらく放っておいて大丈夫。
乾物は、そんな意味で心強い味方なんです。

No title

ひじきは鉄分が豊富らしいので、貧血のかえるままは、積極的に摂る様にしてます。
椎茸の天日干し、すごいですね!!
干し椎茸はとても高価ですよね。作れるんですね。尊敬です!!
只野乙山さんは、健康でしょうね。
とてもヘルシーな和食のお料理が多いですもの。


Re:かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
椎茸のことですが、これはね、干し椎茸を買って来て、
それをそのまま使わずに、一度天日干しをしてやろう、というものです。
なので生椎茸を干して、干し椎茸を作ったわけではありません。

ですが、生椎茸を買って来て干し椎茸を作ることは、できます。
まあ、干せばいいんですから。ところが、梅雨の時期以外は
生椎茸ってわりと高いんですよね。

乙山はいまのところ、高血圧と高脂血症なのです。
だからとても「健康」とは言えませぬ。
むしろ治療の一環として和食の煮物だの魚だのを食べている、
といった感じなのですよ。
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只野乙山

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