惣菜の缶詰

Sozai_Kandume.jpg
仕事の帰りなどによく近所のスーパーマーケットを利用しているが、その日は商品の入れ替えか何かをしていたのだろうか、入口付近にワゴン台を設置してそこに缶詰が山積みされていた。全品98円だという。ふうん、缶詰ねえ、という感じであんまり興味もわかないけれど見てみることにした。

ツナ缶が好きな人はまとめ買いをして常備しているかもしれないが、私(乙山)は缶詰をあまり利用しないほうだと思う。けれど保存がきくし、缶を開ければすぐに食べられるのは便利である。世の中には「缶詰バー」なるものも存在しているそうではないか。「ホテイのやきとり 塩味」なんかがあればいいな、と思って物色すると、おやおや、思いがけぬ缶詰がありましたよ。

「ピリ辛こんにゃく炒め煮」「ひじき五目煮」「さといもそぼろ餡」「切干大根旨煮」「ピリ辛金平ごぼう」など、常備菜として作っておいて、ちょっと一品欲しいときに便利な料理ではないか。魚の缶詰ばっかり並んでいると思い込んでいたのに意表を突かれ、それも98円だというのでなんだかうれしくなって、ついつい5缶も買い物籠へ入れてしまった。

いやあいろんな缶詰があるもんですなあ、などと思いながら早速「切干大根旨煮」を開けてみた。本当だ、小さな缶の中に切干大根とにんじん、薄揚げなんかを煮たものがぎっしりと入っているではないか。食べてみると、ほう、なかなかの味ではありませんか。ちょっと味付けが濃いめなのかもしれないが、これはふだんから薄味にしているせいで、おそらくは平均的な味付けではないかと思う。

缶詰を食べていると、荻昌弘の『男のだいどこ』という本に書かれていた、サバの缶詰の話を思い出す。荻昌弘といえば1970~80年代の終わり頃まで「月曜ロードショー」という映画番組で解説をしていた人で、とてもいい雰囲気の話をする人だった。本の中では、サバの缶詰を初めて食べてみたところ、これがけっこういいお味だった、と感心する内容だったと思うが、それを読んだ後無性にサバの水煮の缶詰が食べたくなったものだ。

Ikeda_Machikado_Library.jpgウスターソースを自分で作る話とか、いろいろ面白いことが書いてあったのだが、『男のだいどこ』はいつの間にか本棚から姿が消えてしまっていて、最近読み返すことができなくなって残念だ。池田市では町中のあちこちに「まち角の図書館」というのがあって、たまにのぞいてみることがあるけれど、そこの一つになんと『男のだいどこ』があったのだ。今度借りよう、とその日はそのまま立ち去ったのだが、他日行ってみるともうなかった。

煮物は一晩おいたほうが味が染み込んでおいしいものだし、そう考えると保存している間に味がじゅうぶん染み込む(?)だろうから、煮物の缶詰は理屈に合っているのではないか。「ピリ辛こんにゃく炒め」など、こんにゃくにしっかり味が染み込んでいたように思う。「さといもそぼろ餡」もけっこうよかった。惣菜の缶詰はなかなかいいアイディアかもしれない。だけどリピーターとやらになるかどうかは、ちょっと微妙なところだなあ。


【付記】
● 荻昌弘で思い出しましたが、1970~80年代は映画番組が多かったですね。淀川長治とか水野晴郎、高島忠夫、山城新伍などを思い出します。


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No title

こんにちは。^^
缶詰のお総菜。安いし、非常食としてもいいかもしれませんね。
こういうものがあれば、ごはんだけ現地で炊いて、キャンプなどにも
いいかも。
キャンプと言えば、そうそう、サバの味噌煮の缶詰なども、
ああいうところで食べると美味しいですねえ。ああいうところでは
味付けが濃いほうがありがたいですしね。

荻昌弘さん。懐かしいです。ご存命かしら、と思ってちょっと調べたら、
もう随分前にお亡くなりなんですね…そっか、そんな昔に……
ほぼ毎週見てたはずなんだけどなあ。
ほんとにあの頃は、映画の番組が多かったですよね。
わたしは淀長さんを尊敬していました。
荻昌弘さんは、やさし~い感じなんですけれど、眼が鋭かったですね。
まだ青年のような眼をしていらした。

『まち角の図書館』というのは、いい試みですねえ。

↓ トム・ウェイツ。
意外でしょうが、案外好きです。^^
娘が家を出たとき、たくさんCDなど置いていったんですが、その中にあって
聴きました。まあしょっちゅう聴くというわけではないけれど。
非常に演劇的ですよね。
確か、以前ご紹介くださった、『コットンクラブ』にもちょっとだけ顔を出していますね。
このひとの映画は結構見ています。
『アウトサイダー』『ランブルフィッシュ』『ダウン・バイ・ロー』『コーヒー&シガレッツ』。
味のある顔だと思います。^^

Re:彼岸花さん

彼岸花さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
缶詰といえば、日本では魚が多いのですが、
今回は惣菜でしたので意表を突かれました!
おっ、こんなのがあるのか、という感じでした。

サバの水煮もね、ついついポン酢をぶっかけてしまったりするのですが、
そのままでもけっこうおいしい。それを、荻昌弘さんのエッセイに、
教えていただいたような気がしています。

テレビをつけると、いつもそこにいた人たちなのに、
いつの間にか、荻昌弘さんも、山城新伍さんもいまは亡き人に。
なんだか、えっ、という感じがしますね。

淀川長治さんも、高島忠夫さんも、水野晴郎さんもそうなんですね。
一つの時代が、いつの間にか終わりを迎えていた、ということなんでしょうか。
映画がいつもあった、そういう時代が、です。

「まち角の図書館」はまだ利用したことがありません。
いつか利用しようとか、雑巾を持っていって箱を拭こうかな、
とかいろいろ考えているんですけどね。
『男のだいどこ』を見たのは幻だったのかもしれません。

トム・ウェイツはいいですね!
いかにも無頼派みたいな風貌もいいですし……ですが、
やはりそこまでだみ声にしなくても、と言いたいところがあるのも本当。
二枚目、三枚目と聴いてみて、ちょっとがっかりしたこともあるんです。

彼は彼なりに、気合を入れてやったのでしょうが、
そこまでしなくてもいいんじゃないか、と思ってしまいます。
とか何とか、思うところもあるのですが、ああいう在り方もやはり、
あってもいいのだろうな、とか。

No title

 缶詰といえば、真っ先に思い浮かぶのはサバの水煮でしょうか。

 今でもときどき食べますが、一番お世話になったのは学生時代です
ね。当時はスーパーで一缶45~50円。ご飯さえ炊けば、立派に一食
成立したものです。栄養的にも大変すぐれているらしいので、野菜をプ
ラスしさえすれば申し分なかったのだと思います。

 最近は安売りスーパーで100円くらいで手に入るイワシのオイル漬け
缶詰が気に入っております。こいつはそのままでも酒の肴としていけま
すし、刻んだタマネギといっしょにパンにはさみ、サンドイッチにして食
べるのもオツなものです。ビールがあればなお結構ですが、ワインにも
合いそうな気がします……というか、飲みたくなってきました(笑)。

Re:薄氷堂さん

薄氷堂さん、こんばんは! コメントありがとうございます。
そうなんですよね。なんで日本は魚の缶詰が多いのかな。
サバの缶詰、けっこうおいしいんですよね。
そのまま食べても、けっこういい味が付いているんです。
あの塩加減は本当に絶妙! 見習いたいものです。

イワシのオイル漬けといえば、オイルサーディンのことでしょう?
オイルサーディンといえば、日水のオイルサーディンがおいしいですね。
そのままでもいけるし、醤油とレモン汁を入れて缶ごと焼くと、
これまたおいしいのです。

生のオニオンと、オイルサーディンのサンドイッチなんて、
なんだかイギリスっぽい感じがするのですが、いかがでしょう?
ちがうのかなあ。
彼の地には、ウナギの煮こごりもあるらしいですしね。

No title

ちょうど、一昨日缶詰の炊き込みご飯を食べた所です。

お米2合に対して、缶詰め(シーチキン)一缶と、人参を3分の一程、切って、和風ドレッシング(瓶半分くらい)を入れて炊くだけなんです。

美味しくて簡単なので是非一度やってみてみて下さい!

かえるままも他の缶詰めでも挑戦してみたくなりました。

Re:かえるママ21さん

かえるママさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
なるほど、ツナの炊き込みご飯とは考えましたね。
そもそも加薬ご飯とか炊き込みご飯をあまりしませんので、
いつのことになるやら……

じつは炊き込みご飯、好きなんです。
だけど自分でやるのはなんだか面倒でしてね。
昔叔父が赤飯の代わりだ、とかいって
人参をすりおろした炊き込みご飯を作っていました。
それがけっこう、美味しかったのを覚えています。
ようし、そのうち……
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只野乙山

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