アル・クーパー 『ネイキッド・ソングズ』

Al Kooper / Naked Songs (1972)

Al Kooper_NakedSongs
1. (Be Yourself) Be Real
2. As The Years Go Passing By
3. Jolie
4. Blind Baby
5. Bean And Gone
6. Sam Stone
7. Peacock Lady
8. Touch The Hem Of His Garment
9. Where Were You When I Needed You
10. Unrequited


アル・クーパーの名前を知らなくても、ボブ・ディランの曲「ライク・ア・ローリング・ストーン」は知っているという人は多いのではないかと思う。ディランの歌と歌の間には、例によってディランによるハーモニカ(ブルース・ハープ?)が入るのだが、オルガンも入っていて、そのオルガン奏者こそ、アル・クーパーその人である。

ディランがアコースティック・ギターをエレクトリック・ギターに持ち替えたとき、観客からはブーイングが出たという伝説はあまりにも有名だが、アル・クーパーはその頃のディランのバックバンドをマイク・ブルームフィールド(g)らと務めたようで、その後ザ・バンドの面々がディランのバックバンドを務めるようになるまで、ディランと活動していたそうである。

だからアル・クーパーを聴いた、というのは1960年代後半に10代後半~20代を過ごした人たちで、そういう人たちが書いたアル・クーパーにかんする文章をずっと後になって読み、興味を持ったというのが本当のところだ。ずっと以前からアル・クーパーのファンだったわけではなくて、「いつか聴いてみたい」と思い続けていたアーティストの一人というわけである。

そもそも歌手や演奏者としてのアル・クーパーよりも、プロデューサーなど音楽の裏方として有名な人のようで、アメリカでは彼のソロアルバムは廃盤になっているというのに、どういうわけか日本だけでアル・クーパーのソロアルバム群を入手することができるのが不思議なところ。例によって、オンラインでアル・クーパーのソロアルバム数枚を入手した。

今回聴いたのは"Naked Songs"(邦題は『赤心の歌』)で、アル・クーパーのソロワークとしては6枚目になる。(1)は「あっ、これはどこかで聞いたことがある」とすぐにわかった曲で、聴けば「あっ、これ知ってる」と思う人も多いのではないかと思う。それとオルガンのリフが印象的な(4)もご存知の方も多いのでは。何かのCMにも使われたそうである。なんでもあのクィンシー・ジョーンズの娘さんに恋をしたときに作った曲のようです。

デュアン・オールマンばりにエレクトリック・ギターのソロが延々と続く(2)のギターは、アル・クーパー自身が弾いているようで、マルチプレーヤーぶりが発揮されている。もともと、マイク・ブルームフィールドに出会うまではギター奏者を目指していたらしく、ブルームフィールドのギターを聴いてオルガンに転向することにしたそうだ。

後にブラッド・スウェット・アンド・ティアーズを結成してブラスを取り入れたり、ジャンルを問わずにさまざまな音楽スタイルを取り入れた方向を志向するようになるアル・クーパーだが、本作は題名が示す通り、たいへんシンプルな構成で心情を吐露して歌い上げたような趣きがあり、うまくまとまっているアルバムではないかと思う。たまにそっと取り出して聴いてみたくなるような魅力が詰まった、アル・クーパー入門としてもお勧めできる一枚です。


【付記】
● なんだか近頃マイナー路線を突っ走っているような感じがしますが、1960年代とか、70年代のロックは本当に面白いんですね。ジャズでいえば1950年代なんかがいいのですが、それらはもう数え切れないほどたくさんあって、追いつかないのが現状です。ウェブログの話の種にも困らないはず、なんですけど?


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tag : アル・クーパー

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大好きなアルバム

堪らなく好き
大好きなアルバムです。
一切の先入観ナシで馴染みの
ロックBARで聴いて シビレました。
あの、アルククーパーが創る音像、
アレンジ、他すべてが神々しい
作品。早速今から
聴いちゃいます。o(^▽^)o(苦笑)
もう眠れまへん!

Re: 四の字硬目さん

四の字硬目さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
アル・クーパーの曲はいつか、どこかでそれと知らずに聴いた人も
多いのではないかと思います。乙山もそうでした。

CDを買って聴いてみて、そうかあの曲はこの人だったのか、
と納得してしまった次第です。なかなかいい曲が揃ったアルバムで、
たまに取り出しては聞いています。
ううむ、やはりいいですねえ!
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