レナード・コーエン 『ソングズ・オブ・レナード・コーエン』

Leonard Cohen / Songs of Leonard Cohen (1968)

LenardCohen_SongsOf_01.jpg
1. Suzanne
2. Master Song
3. Winter Lady
4. The Stranger Song
5. Sisters Of Mercy
6. So Long, Marianne
7. Hey, That's No Way To Say Goodbye
8. Stories Of the Street
9. Teachers
10. One Of Us Cannot Be Wrong
11. Store Room (previously unreleased)
12. Blessed Is the Memory (previously unreleased)


以前から名前だけは知っているが聴いたことがない人がたくさんある(あり過ぎる)が、レナード・コーエンもその一人である。1980年代や1990年代前半であれば、相当大きな店でも入手が難しかったのではないかと思う。地域にもよると思うけれど、たとえば大阪なら心斎橋の三木楽器のようなところでもユーロ・プログレッシヴとかカンタベリー派なんかのアンダーグラウンド的音源は手に入らなかったように覚えている。

難波から心斎橋あたりの脇道にひっそり店を構えている中古レコード専門店に行けば、案外容易に手に入ったかもしれないが、そういう知恵が付いたのは後になってからで、「ロック名盤100」などの専門書を見ながら「いつか聴いてみたいものだ」などと思っていたものだった。それら「幻の名盤」が簡単に手に入るようになったのは、やはりインターネットの普及とブロードバンド環境の実現によるところが大きいと思う。WindowsXPとかMacOSXのリリースの後、のことですね。

そうやってオンラインで購入したレナード・コーエンの一枚目『ソングズ・オブ・レナード・コーエン』(1968)を聴いてみました。ぼそぼそ歌われる声はボブ・ディランとかヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードなんかを思わせる感じだ。全体のサウンドが一風変わって聞こえるのはメインの楽器がナイロン(またはガット)弦のアコースティックギターだからではないかと思う。

LeonardCohen_SongsOf_02.jpgギターの弾き語りといえば多くのアーティストがスティール弦のアコースティックギターを使い、「フォーク」と呼ばれるサウンドのイメージにぴったりくる奏法をするのだが、この人の場合、クラシックギターがベースになっているのではないだろうか。だから「フォーク・イディオム」みたいな感じがあまりしない独特の雰囲気になっており、またロック調のサウンドでもないし、カントリー&ウェスタンとも違う、まさに『ソング・オブ・レナード・コーエン』という題名がふさわしい不思議な味わいだ。

もともとレナード・コーエンという人はカナダで詩人・小説家として活動していた人で、シンガー/ソングライターとしてデビューするためにアメリカに拠点を移し、本作でデビューしたのは30代半ば。商業的にヒットしてメジャー・ブレイクしたわけではないけれど、ミュージシャンの中にはレナード・コーエンのファンであるという人が少なくないという。『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』(1967)に参加したニコや、ジョニ・ミッチェルらと恋の遍歴もあるという。

そういえば、CD付属のブックレットの写真にナイロン弦を張ったアコースティックギターを持つレナード・コーエンの後ろに写っている女性が見えるけれど、この人はジョニ・ミッチェルではないだろうか。クレジットはされていないけれど、ジョニ・ミッチェルが録音に参加している可能性はあると思う。帽子をかぶった本人の写真もあって、なかなかお洒落な人ではないか。

LeonardCohen_SongsOf_03.jpg最近でもまだ音楽活動をしていて、77歳にして新譜を発表、それがヨーロッパでヒットしているというから驚きだ。日本やアメリカでみんなが知っているというわけではないけれど、レナード・コーエンがヨーロッパで受け入れられているのはなんとなくわかる気がする。『ソングズ・オブ・レナード・コーエン』は独特の雰囲気を持った、じつに味わいのある一枚だと思う。




【付記】
● ニック・ドレイクなんかもそうですが、レナード・コーエンはひっそり聴いていたい感じですね。どこかカルト・ヒーロー的な匂いがするということなんでしょうか。


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tag : レナード・コーエン

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No title

こんにちは。
わたしもレナード・コーエン自身の歌はほとんど聴いたことはないのですが、
ジェニファー・ウォーンズがコーエンの曲をカヴァーしたアルバム
"Famous Blue Raincoat"(邦題は「ソング・オブ・バーナデット」)は好きで、
いまでも時々聴きます。

Re:木曽のあばら屋さん

木曽のあばら屋さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
じつは長らく聴いたことがなかったのです。
だけど気になっていたので、いつか聴いてみたいと思っていたのです。

ナイロン弦のアコースティックギターとは思ってもいませんでした。
あえて分類すれば「フォーク」なのでしょうが、ほとんど
フォーク・イディオムのようなものを感じさせない不思議な音楽でした。

レナード・コーエンのトリビュートアルバムもあるようですね。
カヴァー曲集ということでしょうが、一度聞いてみたいものですね。
だけどたぶん、レンタル店にはないでしょうね。

No title

こんばんは~
不勉強にもレナード・コーエンのことをまったく知らなかったので
Youtubeで聴いてみたのですが(良い時代になりましたねぇ)
この声と曲調、かなりツボです・・・
音楽的な詳しいことは分からないのですが、60~70年代のRock好きには
かなり支持されそうな感じが♪
また一度(ダメもとで)レンタルショップで探してみます!

Re:zumiさん

zumiさん、こんばんは! コメントありがとうございます。
なになに、乙山も最近、ちゃんと聴いたくちなんです。
こういうものは、知っている人は知っている、となりがちな部門ですよ。
カルト・ヒーローとかいう言葉が、当てはまっているのかもしれません。

不思議なのは、こういう種類の音楽が、一部には受け入れられ、
40年以上経っても残っているということです。
中には淘汰(?)されて、もう見向きもされないものもあるはず。
なのに、どうしてレナード・コーエンが?

やはりそこには、何らかのわけがあるのでしょう。
げんに乙山はCDを買えたわけですからね。
たんなるカルト・ヒーローにとどまらぬ何かがあるのでしょうか。
やはり昔のCDは面白いですね。

No title

こんばんは。^^
音楽にまったく詳しくない私ですが、たまに、知っているアーティストの
名前を出していただけますと、こうして嬉しくてしゃしゃり出てきてしまいます。(笑)
レナード・コーエンは、私も去年知ったばかり。
しかも、彼がもうだいぶおじいさんになってからの歌声でした。
乙山さんに今回ご紹介いただいた、若い頃のもいいですね。
また、老いてからの彼も、なんとも言えない味わいがあります。

私も一度ブログで『Dance Me to the End of the World』を紹介したことがあります。

彼はもともと詩人なんですよね。ボブ・ディランが、『僕に何か生まれ変わりたいものが
あるとすれば、レナード・コーエンだ』と言ったとか。
宗教的な深みがあるんですかしら。
コーエンは、日本の禅宗に魅かれて、得度して僧侶の資格も持っているんだそうです。^^

Re:彼岸花さん

彼岸花さん、おはようございます。コメントありがとうございます。
昨夜は珍しく早めに寝入ってしまい、今日はまた珍しく早朝に活動しております。
あまりこういう行動パターンはないんですけどね。

レナード・コーエン、乙山も最近聴き始めました。名前だけは知っていましたが、
実際に聴くと、独特の雰囲気がとても気に入りました。
本当、フォークでもロックでもないんですね。
レナード・コーエンのソングブック、とでも呼べばいいのでしょうか。

ううむ、ディランにそんなふうに言わせるなんて、やはりこの人は
只者ではありませんね。さすがに詩人だけあって、きちんと韻を踏んでいる
のは聴いていて気持ちがいいですね。

ディランもコーエンもユダヤ系の人なので気持ちが通じやすかったのかもしれません。
だけど日本の禅にそこまで入れ込むのはただ事ではありませんね。
不思議な人です。
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只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

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