蕎麦焼酎 那由多の刻(なゆたのとき)

NayutaNoToki.jpg
最近、あまり日本酒の記事を書いていない。ちょっと見てみると、2011年の3月19日に香住鶴の記事を書いてから全く書いていないようだ。なんだ只野乙山はもう日本酒を飲まなくなったのか、というわけではなくてちゃんと(?)飲んでおります。ただ、今年の夏は今までほとんど飲んでいなかったものを飲んでいた。

焼酎である。それがきらいというわけではなく、ビール→日本酒→ウィスキーというコースに入り込む余地がなかったというか、とくに必要を感じなかっただけのこと。実際〈神の河(かんのこ)〉などの熟成焼酎は飲むとおいしいものだとわかっていて、もっと飲めばよいのかもしれないが、世間では焼酎がたいへん人気なようで、焼鳥屋さんなどへ行っても日本酒より焼酎の種類のほうが多いくらいである。

そういう状態になるとへそ曲がり的傾向が出てしまうのだろうか、あまり焼酎を飲みたい気分ではなくなってしまうのである。もともとそんなに飲みたいという気持ちがなかったうえにへそ曲がりが加わると、焼酎からは遠く離れてしまうということになる。焼酎はそいつが好きな御仁に任せておけばいいじゃないか、あたしゃ日本酒をいただこうかね、てな具合になるんですね。

8月某日、とても暑かった日の夜、池田の居酒屋で飲んでいたときに、ビールの次は何を飲もうかな、と思った。普通ならここで日本酒、たとえば〈呉春〉なんかを冷蔵庫で冷やしておいたものを頼むんだけど、その日はもっとこう、なんというかきりっとしたものを飲みたい気分だった。冷酒がきりっとしていないわけではないのだが、暑い日にはいささか重く、甘く感じることがあって、真夏の日本酒を敬遠したい気分になることもあるのです。

メニューを見ると〈蕎麦焼酎〉なるものがあるではないか。そうか蕎麦で焼酎か、気が付かなかったなあ、ということで蕎麦焼酎を頼んだ。氷だけに注ぐいわゆるオン・ザ・ロックスタイルにした。飲んでみると、おっ、これはなかなかいけるじゃないか! という感じだった。そんなに臭みもなく、アルコール度数もほどほどで、料理の邪魔にならない。しかも氷で冷やされていることもあってじつにすっきりしている。

焼酎のアルコール度数はほぼ25%前後で、ウィスキーのそれ(40%)よりかなり低めである。これを氷に注いで飲むと、だいたい15~20%くらいになるのではないかと思う。それくらいのアルコール度数が飲むのにはちょうど良い加減で、匂いもウィスキーに独特な煙臭さがないので料理と合わせるのに都合がよい。しかもお値段が安いというのがうれしいじゃないか。焼酎という選択は、それなりに理由のある「賢い選択」だったわけだ。

蕎麦焼酎を見直した数日後、池田の阪急オアシスで〈那由多の刻(なゆたのとき)〉という蕎麦焼酎を見つけた。これはあの〈雲海〉を出している、日本で初めて蕎麦焼酎を製品化した宮崎県の雲海酒造によるもの。池田の居酒屋で飲んだ蕎麦焼酎も〈雲海〉だった。これならたぶんまちがいないだろう、と買い物籠に入れた。じつはこれ、1000円ちょっとで買ったんだけど、近所の某酒の量販店より安いんですよ。

〈那由多の刻〉は平成10(1998)年に発売された長期熟成タイプの蕎麦焼酎で、少し黄色がかった色をしている。冷蔵庫で造った氷をオールドファッションド・グラスに入れ、そこに〈那由多の刻〉をたっぷり注いで飲む。さすがに氷の粒が小さくて、そんなに透明でもないのであんまりいい絵になってないなあ、と思う。だけどシングルモルト・ウィスキーじゃあるまいし、ふだん飲んでいるのをそのままでいいじゃないか。

さすが長期熟成タイプだけあって、ふつうの〈雲海〉より香りが格段にいい。どこかバナナを思わせるようなふんわりしたもので、個性が強すぎて料理を抑え込むということもなく、料理と一緒に楽しむことができた。これならもう少し飲み続けてみてもいいかな、という感じで、結局それから〈那由多の刻〉を三本買って飲んだ夏でした。


【付記】
● 近所の某酒の量販店に行っても、焼酎のコーナーは充実していますね。ウィスキーや日本酒のコーナーより品揃えが豊富でした。自分で買って飲むぶんにはこのあたりが限度、なのかもしれません。だってね、1000円以上になるともうスコッチウィスキーより高くなってしまうのです。焼酎も偉くなったもんだなあ、などと焼酎がずらりと並んだ棚を見て思いました。


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No title

本当に最近は焼酎がお好きな方が多いですよね。
かくいう私も嫌いというわけではなく、一日のしめは焼酎で・・・ということがほとんどです。

やっぱりロックかな・・・長期熟成タイプの麦がいいなあ・・・

Re:gatayanさん

gatayanさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
いやいや、どの店に行っても、とまではいかないかもしれませんが、
本当に焼酎をメインに置いている店が多いですね。

きらいじゃないのですが、ちょっとがっかりするんですね。
なんでだろう、と思うのですが自分でも不思議です。
しめを焼酎で、というのはいいですね。

暑い日はビールを多めに飲んで、日本酒をスキップして
長期熟成タイプの焼酎をロックで、というパターンが多いですね。

No title

そうそう、冬に飲むと美味しい日本酒でも夏にはやや重く感じること、
ありますよねぇ・・・
私も平日の晩酌にはいつも安めの焼酎です。
焼酎自体の個性がない訳ではないのですが、大抵の料理に合うので
気軽に飲めるんですよね~保管も常温でOKだし♪
量販店や居酒屋でまだまだ日本酒の扱いが少ない理由の一つに
保管スペース確保の問題があるのでしょうね(^^;)

Re:zumiさん

zumiさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
乙山はほんと、日本酒が好きなんですが、
真夏の日本酒はちょっとさけたい「ときもある」んですよね。

そうこう言いながら、居酒屋なんかでも日本酒を冷蔵している店なら
それをついつい頼んでしまうこともあるくらいなんです。
そんな乙山でも、今日はちょっと違うかなあ、という日があります。

焼酎というはよくできているなあ、と思いました。
アルコール度が日本酒より高く、ウィスキーより低い。
これはそのまま飲んでもいける(韓国映画ではそうしていましたね)し、
氷に注いでもなかなかいける感じです。

ほとんど無味無臭の蒸留酒であるウオッカが、
北欧・ロシア・東欧あたりでさかんに飲まれているなら、
日本の長期熟成焼酎は非常に洗練された飲み物のはずで、
それらの地域の人が飲んだら感心するんじゃないでしょうか。

ちがうかなあ?
おいジャパニーズ、何だこれは、水か?
なんていうのかもしれませんけどね。

No title

3本も飲まれてましたか笑

焼酎は唯一苦手のレッテルを貼ってますが
近頃は焼酎ハイボールを飲む機会が多く、慣れてきたのか美味しく感じてます。
ただ、あれは甲類ですね。乙類はやっぱりまだ苦手です。

Re:RSさん

RSさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
いやいや、焼酎を飲み出したのはほんの最近のことです。
なかなかいけるというのはわかっていましたが……

焼酎の中でも、これは……となって、
残念ながら全部飲むとはならないものも過去にありました。
そんな記憶もあって、長らく焼酎全般を敬遠しておりました。

ちょっと黄色がかった熟成焼酎はおいしいですね。
よくわからないことの多い焼酎ですが、
今後もひょっとしたら記事を書くかもしれません。

No title

こんばんは。
力士の様な声になっている私です。
風邪で倒れてました。
さて、私も乙山さんのブログを参考にお酒を買いました。
今飲んでるのがなくなったらそれに変える予定です。
その内ブログに投稿されることもあるかも??

蕎麦焼酎ですか。
実は初めて知りました。
あまり焼酎は飲まないので。。。(何故か焼酎と日本酒は悪酔いコースへ)
でも、少しなら飲みます。
麦とは違うんでしょうか。私、麦はちょっと苦手で。。。
芋とか黒砂糖が好みなんです。

Re:依里さん

依里さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
そうそう、乙山もあまり焼酎は飲んでいないのです。
ただね、今年の夏、蕎麦焼酎を飲んでみて、
なかなかいけるんじゃないかと思ったんですね。

アルコール度数25%というのがいいのかもしれません。
それにウィスキーに比べると癖が少ないというのもいい。
氷に注いで飲むと、ちょうど良い加減の飲み物になる。

癖がないので料理の邪魔にならない、というのもいい。
てな具合で、もっぱら今年の夏はビールの後に焼酎を飲んでました。
本当は日本酒が大好きですし、別に無理に飲まなくてもいい、
そういう乙山でも焼酎の良さの一端を感じました。

麦焼酎も、芋焼酎も、それぞれの味わいがあるってもんですよ。
自分の好きなタイプを楽しんでくださいね。
お身体くれぐれもお大事に、とくに冷えにご注意を。
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只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

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