音楽の聴き頃

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秋から冬にかけて音楽を聴くのが楽しくなる時期が来た、とよく言われる。なるほど、それは確かにそうなのだが、寒さから抜け出たけれどまだ暑さが来ないこの時期も、夜に音楽を聴くにはいい時期ではないかと思っている。

夏の終わりごろはまだ蝉が鳴いており、秋に入ったかと思うと虫の音が聞こえてくる。それがなりをひそめるころが音楽の「聴き頃」なのだが、その頃になると部屋全体が寒くなり始め、そろそろ暖房装置が必要かな、などと思う。装置によるかもしれないが、意外とファンを使った暖房装置はうるさい音がするものだ。

だから冷暖房装置を使わないで済み、なおかつ昆虫類の鳴き声も聞こえてこないこの時期こそ、深夜になると本当に静かな一時を味わうことができるのではないかと思う。しばらくすると梅雨になり湿気が多くなってくるけれど、早ければ6月の終わりごろから7月の初めにかけて、蝉が鳴き始めるまでのこの時期が楽しい。真空管式のアンプが使えることもうれしいことで、盛夏にもなるとさすがに真空管式のアンプを使う気になれない。

ノートパソコンにアンプとスピーカーをつなぎ、iTunesなどからMP3ファイルを再生したり、iPodをアンプにつないで再生したりするスタイルがいちばん多くなっている。だがノートパソコンを使っていると、わずかではあるが冷却ファンの音が気になることがあるし、USB外部ハードディスクも深夜になると音が聞こえてくることに気付く。最近はもっぱらデスクトップにて近接聴取(いわゆるニアフィールドリスニング)しているので、わずかな音でもけっこう気になることが多いのだ。

ふと思い立ってノートパソコンを休止状態にして電源を落としてみた。冷暖房装置は稼働していないので部屋の中は非常に静寂である。そしてiPodを真空管アンプと小型スピーカーにつないで音楽を聴いてみた。すると、それまで聞こえてこなかった音が聞こえてくるように感じたし、音楽がより際立って鮮明に聞こえてくるような気がした。ヴォーカリストの息遣いやその場の空気感のようなものが、きっちりと圧縮音源に入っていることに改めて気付かされたのである。

静かなことっていいなあ、とつくづく思った。暑くなってくると、どうしても冷房装置のお世話にならなくてはいけないし、音の出ない冷房装置というものはたぶん存在しないのではないかと思う。それを避けるには高緯度地方か高山地帯などの冷房装置を必要としないような環境に移住するしかないだろう。それを思うとやはりこの時期は私(乙山)にとって「音楽の聴き頃」なのである。


【付記】
● 静かな環境を実現するのはなかなか難しい。ある程度周囲に騒音があっても、それが気にならないような音楽聴取をするとなると、ヘッドフォン(イヤーフォン)がいちばんなのかもしれません。これは点音源をダイレクトで聴きとるという理に適ったやり方なのです。非回転系のメモリー型音楽プレーヤーにヘッドフォンを使うというスタイルが流行しているのもうなずけるように思います。
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No title

真空管、憧れです♪♪
まぁ今のところクラシックやジャズをほとんど聴かない私には
猫に小判かもしれませんが(^^;)
虫の声や雨音それ自体をBGMに晩酌するのは好きなのですが
音楽を聴く時には確かに煩わしいですねぇ・・・
私の場合、住宅事情により「きちんと音楽を聴く」時は常に
ヘッドフォン着用ですが夏場はかなりムレて辛いです(^^;)
本格的な夏突入前に聴き溜めをしておかねば(笑)

No title

最近、家でレコード・・・いや違ったCDを回すことが滅多になくなってしまいましたね。
もっぱら、通勤中の車のカーオディオでCDを聞いているのが関の山だし・・・なあ。

一時はオーディオにこっていた時期もあったんだけど・・・

Re:zumiさん

zumiさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
外界の音を遮断しようとすると「密閉型」のヘッドフォンがいいでしょう。
ところが、それはパッドが重厚なので、夏に暑い部屋で使うには不向き。

アンプとスピーカーによる、昔ながらの再生よりもヘッドフォンがいい、
という流れになっているようですが、ヘッドフォンの中でも
いろいろな流儀があるようですね。

今は密閉型のヘッドフォンだけではなくて、耳の穴に突っ込む(?)タイプ
のものとか、耳にかけて使うタイプとか、いろいろあるみたいですよ。
すっきり使えて夏にも蒸れないタイプのものが、
そんなに高い値段でなくてもあるようです。

軽いタイプのヘッドフォン(またはイヤーフォン)で、
夏を乗り切ろうじゃありませんか。

Re:gatayanさん

gatayanさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
乙山もCDをかけることは少なくなっています。
それはね、iPodまたはiTunesの「シャッフル」で聴いているからなんです。

昔なら「今日の気分に合ったアルバムは……」などと
アルバム選びから入ったのかもしれませんね。
入念に選び出したLPレコードをそっと取り出し、
大切に扱いながら埃を払い、セットしてやっと音楽が鳴り出すのです。
そうやって以前は大切に音楽を聴いたのでしょうね。

今日の気分に合ったアルバムを選べない、というのは困ったもの(?)
かもしれませんが、何かと忙しいのですから、そうもいっていられません。
そんなとき、iPodとかiTunesの「シャッフル」にしておけば、
勝手に音楽をランダム再生してくれるのです。

自分ではまずやらないだろうという選曲、
なんでそうなるの? と言いたくなるタイミングの外し方など、
突っ込みどころは満載ですが、それはそれで楽しめるような気がします。

No title

こんにちは。

昨日はお気遣いしてくださって、嬉しかったです。
私はいつものことなので、慣れていますけど、
ブログを読まれる方は、驚かれるかもしれませんね。
気をつけないと・・・

またも過去の記事で。

私は在宅で仕事をしているのですけど、
夏に部屋で音楽を聴く場合と、冬に音楽を聴く場合と
はっきりと音の聴こえ方が違うと感じます。

夏のほうが、うるさく感じますね。
温度は違うとここまで変わるのだなあと、
今の音楽ブログに変えてから、実感します。
 (以前はいろいろと思うことを書いてました。)

私は理科系の勉強をほとんどしていないので、
詳しくは言えないですけど、
以前、風の吹き方の聴こえ方が気温で違うなあと思って、
調べてみたら、やっぱり気温で違うとわかりました。
雨の日も音も違いますね。

多分、只野さんはご存じでしょうね。
私、無知なんですよ。本嫌いで。

実際の状況で、観察していると音も面白く聴こえますね。
本で調べるよりも体感したほうが、違いがはっきりとしてますから。
原理は知らなくてもね。

私も音楽は、クリアな音で聴きたいと思います。
ちょっとしたノイズでも、大きくうるさく聴こえます。
スピーカー一つとっても、全然違って聴こえますね。
これにこだわると、お金もかかりますから、ひたすら我慢でしょうか?

静かな環境、季節でいうなら、秋~冬に聴くのがいいです。
秋になると気温も下がって、体も楽になりますし、
いろいろと聴きたくなります。

長くなってしまいましたね。すいませんでした!

Re:りーさん

りーさん、こんにちは! コメントありがとうございます。
パソコンに向かって何かができるということは、それだけ
調子がいいということなんでしょうね。

頭痛持ちではないし、立ちくらみなどもしょっちゅうしませんので、
そういうたぐいのことを聞くと、大丈夫なんだろうか、
とつい思ってしまうのです。

夏は蝉の鳴き声が聞こえてきますので、
本当は完全に締め切って音楽を聴くのがベストでしょう。
風邪の通りをよくすることでエアコンを使わないようにし、
昼間は太陽光で明かりをとっているのでヘッドフォンしかありませんね。

みなさん涼しくなってきた頃が音楽の聴き頃だとおっしゃいます。
それはたぶん本当なのでしょう。
セミが鳴き止んで静か眼の秋の虫だけになって、
しかも暖房装置を使わずに済むくらいの時期がいいですね。

涼しくなってくると、真空管を使った装置も調子が良くなるように思います。
真空管は物によってはたいへんな発熱をしますので、
気温自体が低いほうが、動作が楽で都合がいいんです。
暑いときは真空管の装置を使う気がしません。

秋から冬になると、なんだか空気も澄んでくるような気がします。
そんな中で、音楽を聴くのは本当にいいですね。
スピーカーの音の違いがわかる方なら、お金のかけ甲斐があると思いますよ。
聴き疲れしない、長い時間聞いていられるものを選ばれるといいでしょう。

乙山はあまり良い耳を持っていませんので、
そんなに高級な物をあてがっても仕方ないのかな、なんて思ったりします。
というか、聴き疲れするほど長時間にわたって聴いていることが、
最近少なくなっているんじゃないかと。そっちのほうがさみしいことですね。

暑さが続きます。くれぐれも御自愛なさってくださいね。
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只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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